「モアナと伝説の海」監督コンビが語る、“共闘”生活の強み
2017年3月11日 12:00

[映画.com ニュース]ウォルト・ディズニー・アニメーション最新作「モアナと伝説の海」が、3月10日に公開を控えている。メガホンをとったのは、これまでに「リトル・マーメイド」「アラジン」など数多くの作品を共同で手がけてきたロン・クレメンツ監督とジョン・マスカー監督。この2人のベテラン監督とプロデューサーを務めたオスナット・シューラー氏から話を聞いた。
クレメンツ監督とマスカー監督は、大ファンだという宮崎駿監督の動向が気になるようで「彼は引退したんだと思っていたよ。何が起きているんだい?」(マスカー監督)、「彼は何度か引退しているよね?」(クレメンツ監督)、「フランク・シナトラみたいなもんだ。決して辞めないんだよ」(マスカー監督)と矢継ぎ早に、筆者へ逆質問。穏やかな笑みを浮かべながらも飽くなき探究心が見え隠れし、それは40年以上にわたる同スタジオでの仕事ぶりからもうかがえる。
これまでは2Dアニメーションを製作してきたが、今作では初めてCGアニメーションを手がけた。クレメンツ監督は、「僕ら60代にとって、新しい取り組みは興味深いことだし有意義な経験だったよ。ただ、アニメーションの全てのプロセスを再び学ばないといけなかった」と振り返る。
監督とプロデューサーとして長年にわたりタッグを組むケースは多々見受けられるが、監督同士が共同で作品を製作し続けるというのは希だ。マスカー監督は、「日本語で『クレイジー』って何て言うんだい?」とジョークを交えながらも、「ひとりでやるよりも力を合わせた方がいいものが出来ると思う。それぞれが惹かれる、少し違った要素を作品に持ち込むからね」と説明。クレメンツ監督も、「それぞれに長所や短所はあるけれど、基本的には似た考え方をしていると感じるんだ。それは、いつも議論したり、口論したりと、物事を一緒に解決できる人がいるということなんだ。自分以外に頼りにできる人がいるって、大きなアドバンテージだと思うんだよね」と明かした。
プロデューサーのシューラー氏も、「私たちは、とても協力しあって進めるというプロセスをとっているの。だから、誰かのアイデアを入れ込むことにも慣れているわ」と同調。マスカー監督は、長編アニメ映画製作への“復帰”が明らかになった宮崎監督を引き合いに出し、「彼は映画を考えつくだけでなく、映画全体のストーリーボードを自分で手がける。一緒に仕事をするみんなは、彼の特定のビジョンを実現するために働いている。でも、僕らのアプローチは違う。僕らにだってビジョンはあるけれど、スタッフを招き入れることで、僕らが出来ないやり方で作品をより豊かに、より良くしてもらいたいんだ。どちらのシステムが正しいという話ではなくて、2つの違うやり方が存在するということなんだ」と語った。
また、これまでの経験がどれだけ輝かしいものであっても、2人は立ち止まることを知らない。「自分がやってきたことを、ただ繰り返したくないだけなんだ。僕たちが手がけてきた作品が、常に独自のものであって欲しい。ユニークであって欲しいと思っているんだ」(クレメンツ監督)。
「モアナと伝説の海」に関しては、マスカー監督は「いつもこの映画を『ヒーローのジャーニー』を描いた映画だと思っているんだ。モアナが自分は何者であるかを見つける姿に迫っているし、崖から飛び込んだり海の真ん中で舟の舵を切ったりといったことが出来る、アクション・アドベンチャー・ヒロインにしたかったんだ」と話している。そして、「この作品のテーマは、『他人に自分のことを定義させてはいけない』ということと、『どこまで遠く行けるのかを見てみよう』とすること。モアナが日本の若い女性たちの共感が得られることを願っているよ。もちろん、若い男性たちにもね」とメッセージを残した。
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