マーティン・スコセッシ監督が高松宮殿下記念世界文化賞受賞
2016年9月14日 13:24
[映画.com ニュース]巨匠マーティン・スコセッシが、第28回高松宮殿下記念世界文化賞(演劇・映像部門)を受賞した。最新作は、遠藤周作原作の「沈黙 サイレンス」で、2017年に公開される。
同賞は、1988年に日本美術協会によって創設され、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の各分野で世界的に業績を残している芸術家に毎年授与される。演劇・映像部門では、過去にフランシス・フォード・コッポラ監督、アッバス・キアロスタミ監督、ジャン=リュック・ゴダール監督、黒澤明監督らが受賞している。
シチリア系イタリア移民の家庭に生まれたスコセッシ監督は、ニューヨーク大学で映画を専攻。「明日に処刑を…」(1972)で商業映画監督デビュを果たし、ロバート・デ・ニーロ主演の「タクシードライバー」(76)で第29回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)に輝いた。その後「アビエイター」(2005)「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(13)などでアカデミー賞監督賞に8度ノミネートされ、「ディパーテッド」(06)では作品賞と監督賞を受賞。近年は、映画の修復や保存活動を推進する「ザ・フィルム・ファンデーション」を設立し、映画界における幅広い活動や功績が国際的に高く評価されている。
「沈黙 サイレンス」は、スコセッシ監督が20年以上にわたって温めてきた悲願の企画。キリシタン禁制が敷かれた17世紀の日本を舞台に、信仰心を試されるポルトガル人宣教師の苦悩を主演で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーらが出演し、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシが参加している。