世界配信されるNetflixオリジナルドラマ「火花」の英訳は“外国人芸人”がやっていた!
2016年5月20日 19:30

[映画.com ニュース]お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹の芥川賞受賞作を実写化し、190の国と地域で配信するNetflixの連続ドラマ「火花」(全10話)の英訳を、お笑いコンビ「チャド・マレーン」のオーストラリア人芸人チャド・マレーンが担当していたことがわかった。
売れないお笑いコンビ・スパークスの徳永(林遣都)と先輩芸人で天才肌の神谷(波岡一喜)の2人が、人々との関わり合いのなかで人生を模索していく姿を描く。「ストロボ・エッジ」(2015)、「さよなら歌舞伎町」(15)などを手がける廣木隆一が総監督を務めるほか、「凶悪」(12)の白石和彌、「横道世之介」(12)の沖田修一、「悪人」(10)や「夢売るふたり」(12)で助監督を務めた久万真路、映画「闇金ウシジマくん」シリーズ(12~14)で監督補を務めた毛利安孝といった実力派監督たちが各話の演出を手がけた。
松本人志監督の「R100」(13)の字幕翻訳や語学番組「しごとの基礎英語」への出演など、語学をいかして多方面で活躍するマレーンは「基本的に字幕は、文字数の制限もあって、頑張ったところで原文の3分の1の情報量しか伝えられないと言われています」と語りつつ、漫才ベースのセリフのやりとりを再現するのに相当な苦労があったと明かす。「翻訳する際はセリフの本質を突いた言葉選びをしていきますが、又吉が一言一句を大事に、意味をたっぷり込めているので、かみ砕けばかみ砕くほど味が出て来るし、それを限られた尺(秒数)内に、繊細な言葉で、それも読みやすい文にしていくのに絶対本人以上に悩んだと思う。『火花』のはずが、僕のハートとヘッドが大やけどしっぱなしだったようなものかもな!」とジョークを絡めて振り返った。
作品の内容においては、お笑い業界の酸いも甘いも知る又吉だからこそ描けた、芸人たちの生の姿を描いた世界観に心を動かされたと語る。「本作で描かれている世界は、僕が実際に生きた時代、僕が又吉と共に戦った舞台、それをリアルなロケ地で撮影しているので、僕のこの半生のなかで、周りで散ってしまった数々の夢の分だけ、号泣しながらパソコンの前でカタカタする日々でした。漫才のことで悩ましい人生を送っている人たちのめちゃくちゃいい物語なので、面白さよりも、そのロマンが先立つと思います。“ジャパニーズ・コメディ”というよりも、ミッキー・ローク(主演)の『レスラー』と同様、1度でも夢を見たことのある人なら号泣間違いなしの作品だと思います」。
「火花」は、門脇麦、好井まさお(井下好井)、村田秀亮(とろサーモン)、菜葉菜、山本彩(NMB48/AKB48)、徳永えり、渡辺大知、高橋メアリージュン、渡辺哲、忍成修吾、徳井優、温水洋一、嶋田久作、染谷将太、田口トモロヲ、小林薫らが脇を固める。6月3日から配信開始。
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