三池崇史監督作「藁の楯」ハリウッドリメイクが決定!「エクスペンダブルズ3」脚本家も参戦
2015年8月26日 09:00

[映画.com ニュース] 三池崇史監督、大沢たかお主演作「藁の楯 わらのたて」が、ハリウッドでリメイクされることが明らかになった。日本テレビ放送網は8月26日、All Nippon Entertainment Works(以下ANEW)、クリス&ポール・ワイツ兄弟が率いる製作会社デプス・オブ・フィールド(以下DOF)と共同で、開発に着手したことを発表。DOFのクリス・ワイツ、アンドリュー・ミアーノ、ダン・バルゴイェンとともに、オリジナル版のプロデューサーを務めた日本テレビの北島直明氏が、ハリウッド版の製作に加わる。
同作は漫画家・木内一裕氏の小説家デビュー作品を映画化したもので、主演の大沢をはじめ松嶋菜々子、藤原竜也、山崎努ら豪華キャストが結集し、10億円の懸賞金がかけられた殺人犯を護送することになった5人の刑事たちの緊迫した戦いを描いた。興行収入18億3000万円の大ヒットを記録したほか、2013年の第66回カンヌ映画祭コンペティション部門に選出され、公式上映されたことでも記憶に新しい。
カンヌでの上映後からオファーが相次いだそうで、北島氏は「日本国内での製作当初から、本作のスケール感・テーマ性は世界でも通用する可能性を確信していた」という。そんな中でANEW、DOFをパートナーに選んだのは、「ANEWから提示されたDOFとの共同開発プロジェクト内容が具体的で、実現性が一番高いと思いました。そして、ANEWの日本スタッフ、USスタッフ、DOFのワイツ氏、ミアーノ氏、バルゴイェン氏の『藁の楯』に対する強い熱意を感じた事がパートナーに選ばせて頂いた最大の理由」と明かしている。
これまでにも日本のコンテンツをハリウッドがリメイクするケースは数多く見受けられたが、成功事例は多くない。今作では、オリジナルの世界観を誰よりも熟知する北島氏がプロデューサーの一員として脚本家の選定に関与しており、今後も辣腕を振るう。なお、脚本は「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」のクレイトン・ローゼンバーガー、カトリン・ベネディクト夫妻が執筆することが決まっている。
日本でも大ヒットした「シンデレラ」の脚本を手がけたほか、「アバウト・ア・ボーイ」「ニュームーン トワイライト・サーガ」「ライラの冒険 黄金の羅針盤」のメガホンをとったワイツは、今作の中で最も印象深かった箇所を「アクション・サスペンスが基盤の作品でありながら、モラルを厳しく追求する物語だという点」だと挙げる。そして、「法と正義のグレーゾーン、そして殺人犯の人権について分析をした作品です。そこには、簡単な答えはありません。私たちは、観客が『自分だったらどうする?』と議論しながら劇場を後にすることを目指したいと思います」とコメントを寄せた。
今回のビッグプロジェクトを受け、原作者の木内氏は「決定した脚本家の選定から、ど派手なアクション映画になることは間違いないでしょう。アメリカとは国情も大きく異なるため、ハリウッド版の映画では全く展開の違うストーリーになることと思いますが、原作者としては小説『藁の楯』のテーマを重視し、新たな物語に反映していただけることを期待しています」と話している。なお、原作小説は「The Shield of Straw」の英題で、2016年1月26日から全世界で出版される予定だ。
北島氏によれば、9月から脚本開発に取り掛かり、16年3月までに第1稿を完成させる予定だという。そして、17年秋に全世界での公開を目指す。
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