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【パリ発映画コラム】意外な結果が話題 2014年でもっとも稼いだフランス映画の監督ランキング

2015年4月4日 06:00

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ダニー・ブーンが監督&主演の「Supercondriaque」
ダニー・ブーンが監督&主演の「Supercondriaque」

[映画.com ニュース] 先日、フランスの映画業界誌Ecran Totalが発表した、2014年でもっとも稼いだフランス映画の監督ランキングが話題を呼んでいる。というのも、かなり意外な結果になっているからだ。ベスト10を挙げると以下の通り。

1 ダニー・ブーン 「Supercondriaque」
2 ミシェル・アザナビシウスあの日の声を探して
3 デビッド・クローネンバーグマップ・トゥ・ザ・スターズ
4 ロラン・ティラル「Les Vacances du Petit Nicolas」
5 ジャン・ベッケル「Bon retablissement!」
6 ラシッド・ブシャレブ 「La Voie de l'ennemi」
7 クリストフ・ガンズ 「美女と野獣
8 ダルデンヌ兄弟 「サンドラの週末
9 エリック・ラルティゴ 「La famille Belier」
10 フレッド・カバイエ 「友よ、さらばと言おう

リストを見て、なぜカナダのクローネンバーグやベルギーのダルデンヌ兄弟が?と思った方もいるかもしれない。たしかに彼らの作品は純フランス映画ではないが、このランキングでは合作の場合も(割合にかかわらずフランスから製作費が出ていれば)カウントされている。低予算映画のイメージの強いダルデンヌ兄弟がこんなところに浮上しているのが予想外である。「サンドラの週末」は、主演のマリオン・コティヤール効果もあってフランスにおける動員は約50万人。ダルデンヌ兄弟の場合、彼ら自身がプロデューサーであることと、すでに兄弟の名前がブランドになっていることが考えられる。9位は、フランスでなんと700万人の動員を集めた大ヒット作で、ヒロイン役の新人ルアヌ・エメラが今年のセザール賞の有望新人女優賞を受賞している。ラルティゴはカバイエと並びフランスの中堅人気監督だ。6位のブシャレブは、フォレスト・ウィテカーハーベイ・カイテルを起用し、アメリカを舞台にしたドラマ。彼もまたプロデュースを兼任している。5位のベッケルの作品は、ジェラール・ランバンジャン=ピエール・ダルッサンら人気俳優を集めたヒューマン・コメディ。4位はフランスでポピュラーなコミック、「プチ・ニコラ」シリーズの映画化である。

1位のブーンは、コメディ版ジェラール・ドパルデューと言えるような国民的スターで、本作では監督、脚本、主演を兼任している。まったくセンスの感じられないポスターを見ただけで見る気を失くしそうなのだが、一般的にはこの手のコメディが受けるようで、523万人の動員を記録。ブーンのギャラは300万ユーロ(約3億9000万円)を超えた。

もっとも、当然ながら監督のギャラはあらかじめ契約で決められるので、興行的に当たった作品がギャラもいいとは限らない。監督にとって一作当てれば次のギャラは上がるかもしれないが、名前でお客が呼べるのは一握りに限られる。たとえば昨年興行成績ナンバー1に輝いたコメディ、「Qu'est-ce qu'on a fait au bon Dieu?」のフィリップ・ショブロンは、ランキング25位、「LUCY ルーシー」のリュック・ベッソンも意外なことに12位とベスト10落ちしている。

ちなみにフランス映画界では3年前に、ある著名なプロデューサーが、一部の人気俳優のギャラが高すぎるために製作費が無意味につり上げられると非難したことをきっかけに、俳優のギャラに関する論争が続いていた。そのときもっともやり玉に挙げられたのがダニー・ブーン。彼はその後ロサンゼルスに引っ越したことでなおさら「税金逃れ」と非難されることになり、今年のセザール賞の授賞式では逆に、自らそれをネタにして笑いをとっていた。

この論争を受けて今年のあたま、ついにCNC(フランス国立映画センター)が、俳優、監督、脚本家らクルーのギャラに対する新たな規定をもうけた。すなわち予算が400万ユーロ未満の場合は、製作費の15パーセントまで、400から700万ユーロでは8パーセント、700から1000万ユーロまでは5パーセント、そして1000万を超える場合は、最高99万ユーロまでというものだ。もちろん、フランスでも興行成績に拠る印税方式はあるので、あとはケースバイケースということになるのだが。ご多分に漏れずテレビ局の出資が増えている現在、ドル箱スターにあやかる企画が多く、その分人気俳優のギャラが高騰、結果として毎度似たような娯楽作品が増えるという悪循環をなんとかしようという狙いである。映画が文化として守られているフランスだけに、こういうところでも国が介入する(できる)わけなのだ。もっとも、原因は同じようなものを喜んで受け入れる観客のテイストにもあると思うのだが。(佐藤久理子)

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