「ストレイヤーズ・クロニクル」撮了 岡田将生、染谷将太らが撮影を振り返る
2014年11月19日 10:00
[映画.com ニュース] 本多孝好氏の人気小説を映画化し、超能力を持った若者たちの壮絶な戦いを描く「ストレイヤーズ・クロニクル」が、このほどクランクアップを迎えた。主演の岡田将生を筆頭に、染谷将太、成海璃子、松岡茉優らキャスト陣から、撮影を終えた現在の心境を語ったコメントが寄せられた。
1990年代、バブル経済に踊る日本で子どもたちに特殊な能力を植え付ける極秘実験が行われ、20年がたった現在、実験体となった若者たちは超能力を手にした代償に精神崩壊の危機にさらされていた。若者たちは2つのグループに分かれ、同じ宿命を背負いながらも互いに戦う道を歩み、その過程で自らの出生の秘密を知っていく。
視覚、視神経、脳伝達速度が高度に発達し、視覚で得た情報のみですべての体術を駆使できる最強の男・昴を演じた岡田は、今作で本格アクションに初挑戦。「運動神経がよいわけでもなく、体が硬いのに、なんで僕なんだろうと」と戸惑いや葛藤もあったそうだが、「あまりオーバーにしないように心がけました。序盤から後半にかけての、感情のエネルギーの出し方を、最後にもっていけるよう段階に気をつけてやりました」と振り返る。メガホンをとった瀬々敬久監督とは「アントキノイノチ」に続いて2度目のタッグ。硬軟織り交ぜた演出をする瀬々監督を信頼し、「瀬々さんのOKが出る時は嬉しいですし、100%で常に応えられるよう現場ではいたいなと思っていました」と語る。
昴と敵対するグループ「アゲハ」を率いる学を演じたのは、「寄生獣」2部作、「さよなら歌舞伎町」「バクマン。」など、今後も話題作へ引く手あまたの染谷だ。同じく「アントキノイノチ」に出演しており、「瀬々監督、岡田さんと、全然違う方向性の映画で集まれたのが嬉しかったです」。今回は車イスに座っている役どころで、「自分の足で歩いて芝居をするのとでは感覚が全然違って、それがすごく難しかった」そうだが、「ヒミズ」での演技がベネチア国際映画祭で認められた若き演技派は、「自分で言うのも何ですが、車イスの扱いが上手く出来た気がします。今後のお仕事でも生かせるのではないかと思いました(笑)」と明かした。
昴チームの一員で、優れた聴覚で仲間を窮地から救う沙耶を演じた成海は「初日から打ち解ける事ができましたし、兄弟、家族のような関係に近く、絆が深い役なので、私はとにかくみんなのことを愛のあるまなざしでみつめていました。とにかく仲良くできて、私は嬉しかったです」とチームの結束力をアピール。そして、女優業はもちろん、最近ではバラエティ番組のMCも務めて好評を得ている松岡は、歯の矯正器具から鉄鋲を発射させる能力を備えたモモに扮し、「テンションが高い時と、非常に現実的な時の両側面を持った女の子。実は『逆手にとると何でもありの役』」と役柄を分析。「撮影当日、皆さんの演技を見て、今日はどういう風にやろうかと色々考えるのは、その中で何を選択するのかは難しいですけど、その何でもあり感は楽しかったです」と話している。
その他、「仮面ライダーウィザード」の白石隼也、「思い出のマーニー」の声優でも注目された高月彩良、「乾き。」「ソロモンの偽証」の清水尋也、「劇団EXILE」の鈴木伸之、「クローズ EXPLODE」の柳俊太郎らが、それぞれに悲しい宿命を背負った異能者に扮した。2015年6月全国公開。