【全米映画ランキング】マーク・ウォールバーグ製作・主演の「ローン・サバイバー」がV
2014年1月14日 22:15
[映画.com ニュース]2本の拡大公開作と1本の新作がランクインした先週末の全米ボックスオフィスは、昨年暮れから限定公開されていたマーク・ウォールバーグ製作・主演の実録ミリタリーアクション「ローン・サバイバー」が約3800万ドルの興収で首位に立った。
同作は、米軍の特殊部隊ネイビーシールズ創設以来最悪の惨事となった「レッドウィング作戦」の真相に迫った作品。2005年6月、タリバンの主要メンバーを暗殺するため、アフガニスタンの山岳地帯に潜伏・偵察中だった4人のシールズが、逆に100人以上のタリバン兵に攻撃されることになり、逃走を余儀なくされる。だが、彼ら4人を救出すべく現場に向かったヘリコプターもタリバン兵に撃墜されるなど事態はさらに悪化。そんな中、ただ一人生き残ったマーカス・ラトレル二等兵曹(ウォールバーグ)の決死のサバイバルが描かれている。
一昨年、ユニバーサル映画創立100周年記念大作として公開されたSFアクション「バトルシップ」の失敗が記憶に新しいピーター・バーグ監督だが、今回は自身の最高傑作「キングダム 見えざる敵」(07)を彷彿させる緊張感たっぷりのサスペンスアクションを作り上げ、汚名返上を果たした。共演はテイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、エリック・バナ。エンディングロールでは、ピーター・ゲイブリエルがカバーしたデビッド・ボウイの名曲「ヒーローズ」がフィーチャーされている。
2位は前週首位だったディズニーアニメ「アナと雪の女王」。累計興収は約3億1700万ドルを超え、ファーストランでは「ライオン・キング」(1994/約3億1200万ドル)を上回り、ディズニーアニメ史上最高の興収を記録した(ピクサー作品は含まず。また「ライオン・キング」は11年に3D版のリバイバル上映があったため、グロスは約4億2280万ドルとなっている)。
約880万ドルのオープニング興収で3位デビューとなったのは、「The Legend of Hercules」。紀元前1200年の古代ギリシャを舞台に、半神半人の英雄ヘラクレスの活躍を描いた神話アクション。「ダイ・ハード2」「クリフハンガー」のレニー・ハーリン監督が久々に公開週でベスト10入りを果たした作品だったが批評家、観客の双方から厳しい声が寄せられた。主演は「トワイライト」「インモータルズ 神々の戦い」のカレン・ラッツ。
4位には主演レオナルド・ディカプリオがゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞した「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。累計を約7800万ドルとし、1億ドルが見えてきた。
ゴールデングローブ賞最多3部門を受賞した5位「アメリカン・ハッスル」は累計1億ドルを突破。現在オスカーに最も近い位置につけており、授賞式まであと5000万ドルは上乗せできそうだ。
その他、圏外18位から7位にランクインしてきたのはメリル・ストリープとジュリア・ロバーツ初共演の家族ドラマ「8月の家族たち」。ピュリッツァー賞と08年トニー賞演劇部門作品賞をダブル受賞したトレイシー・レッツの戯曲を、ジョージ・クルーニー&グラント・ヘスロフ製作、ジョン・ウェルズ監督で映画化。米中西部オクラホマ州を舞台に、薬漬けの母親とその子供たちの確執が描かれる。ストリープとロバーツの他に、ベネディクト・カンバーバッチ、ユアン・マクレガー、アビゲイル・ブレスリン、ジュリエット・ルイス、クリス・クーパー、サム・シェパードなど豪華俳優陣が顔を揃えている。
今週末は、トム・クランシー原作の「ジャック・ライアン」シリーズをクリス・パイン主演でリブートしたサスペンスアクション大作「エージェント:ライアン」(ケネス・ブラナー、ケビン・コスナー、キーラ・ナイトレイ共演)に、アイス・キューブ、ケビン・ハート共演のアクション・コメディ「Ride Along」が公開となる。
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ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。