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芥川賞作家・田中慎弥氏、「共喰い」映画化に満足「原作と違って当たり前」

2013年9月6日 12:20

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「共喰い」芥川賞作家・田中慎弥氏
「共喰い」芥川賞作家・田中慎弥氏

[映画.com ニュース] 第146回芥川賞受賞会見での「もらっといてやる」発言で一躍有名になった作家・田中慎弥氏の同小説を、「Helpless」「EUREKA ユリイカ」の青山真治監督が映画化した「共喰い」(9月7日公開)。映画化決定に際し、「小説の『共喰い』こそが一番。勝負です」と映画製作スタッフを鼓舞するかのようなコメントを残した田中氏に、完成した映画について話を聞いた。(取材・文・写真/山崎佐保子)

昭和63年、山口県下関市の「川辺」と呼ばれる場所で父親とその愛人と3人で暮らす高校生の遠馬は、性行為の際に相手の女性を殴るという粗暴な性癖をもつ父親・円を軽べつしていた。しかし、交際中の幼なじみ・千種に対しはずみで暴力を振るってしまった遠馬は、自分にも父親と“同じ血”が流れていることを自覚させられる。

田中氏は、「あの世界を“小説として完結させた”という自負は作家としてある。ただ、映画と小説は別もの。現場に預けたものなので、どのようにしてもらっても構わなかった。無茶苦茶に切り刻まれてダメになるような小説だったらそれまで。形を変えられて踏んづけられても生き残るような小説じゃないと意味がない」。そして、「原作者として見ても面白く、違和感もなかった。原作の雰囲気を汲み取ってくださっていたので、原作者として非常に満足している」と続けた。

映画は、脚本家・荒井晴彦によるオリジナルエピソードで結末を迎える。田中氏は、原作にはないエンディングに対しても「私はあえて女性を描き切る手前でストンと終わらせたけれど、もし続きがあるとすればああいうラストだったのかもしれない。女性が単に虐げられた存在として終わるのではなく、きちんと人間として生きていく部分を描いていた。原作と違うという感想をもつ人も多いらしいけれど、映画で原作と同じことをやる必要はない。違って当たり前なんです。それに、私としては自分の小説を映画にしていただいた喜びが一番大きい」と寛容な姿勢を見せる。

本作の映画化において、性と暴力の描写を避けるわけにはいかない。主人公・遠馬を演じる菅田将暉をはじめ、千種役の木下美咲、父親の愛人役・篠原友希子ら若手陣が、光石研田中裕子といったベテラン勢に引けを取らない体当たりの芝居で、原作の世界観を見事に体現した。田中氏も、「小説の世界でも暴力をただ描けばいいわけじゃない。何でも書けるからって何でも書いちゃえばいいわけでなく、どう描くかが重要。小説でも映画でも必要であれば描くこと。ただし、やるなら徹底的に描かなければならない。際どい描写もあって俳優さんは大変だったと思うけど、きちんと逃げずにやってくれたのは原作者としてもありがたかった」と称賛した。

小説の主人公とその作者を重ねて見てしまう心理は、読者にとって珍しいことではない。田中氏はかねて「私小説は書かない」と断言している。それは、「書く必要がないから。自分のことを書きたければ日記を書けばいい。たとえば『苦役列車』の西村賢太さんも、傍若無人に自分をさらけ出しているというイメージを持たれがちだけど、絶対にそうではない。むしろ私小説作家の方が戦略的。仕事って自分と社会をつなぐものであると同時に間隔を保つもの。私は完全なる創作にしてしまった方が書きやすいんです」とその真意を語った。

ここまで話を聞くと、冒頭で紹介した「もらっといてやる」発言と田中氏を結ぶ“導線”のようなものが見えてくる。それは、田中氏が根っからの戦略的エンタテイナーであるということ。話題の会見を振り返り、「ああいう“作られた場所”にまともな神経で出ていけるわけがないんです。あのコメント自体は考えていたし、あの場を切り抜けるためのもの。作家として作品の評価は大前提だけど、文章以外のところでも『何だあれ?』って思ってもらわないと、芸術性だけでは食っていけない。笑われておもちゃにされて使い捨てにされるようじゃそれまで。上辺だけでなく、作家としての足場がきちんとしていれば問題ないんです」。


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