レオス・カラックス監督が来日、13年ぶりの新作「ホーリー・モーターズ」語る
2013年1月28日 20:00

[映画.com ニュース] 「ポンヌフの恋人」などで知られる仏映画監督レオス・カラックス監督の新作「ホーリー・モーターズ」の試写会が1月28日、東京・渋谷のユーロスペースであり、来日したカラックス監督が会見を行った。ミシェル・ゴンドリー、ポン・ジュノとともに参加した短編オムニバスの「Tokyo!」以来4年ぶり、長編「ポーラX」から13年ぶりの新作となる。
今年のカンヌ映画祭コンペティション部門に出品され、受賞は逃したがフランスの映画批評誌カイエ・デュ・シネマが選ぶ2012年の映画1位となるなど高く評価されている本作は、主人公オスカーが、リムジンで移動しながら依頼主からの指示を受け、生と死、夢と現実などを超えて何人もの人物になりきって任務を遂行する姿を、SFのように実験的な映像で描いた。カラックス監督はデジタル嫌いで知られるが、「Tokyo!」に続きデジタルカメラを用いて、ジャン=リュック・ゴダールやフィリップ・ガレルらの作品でも知られる名カメラマン、キャロリーヌ・シャンプティエによって撮影された。
本作の構想を問われたカラックス監督は「オスカーの精神、肉体的な疲労、自分自身であることからの疲労」を描いたといい、「この映画の中で私は存在しない職業を作り出しています。ある人生から別の人生へと旅を続けていくという仕事です。それを1日で語ろうとしました。フラッシュバックや映画のテクニックを使わないで、あらゆる人生から別の人生へ、人生のある段階から別の段階へ移りゆくことを1日の間で示そうとしたのです。今日、生きているという経験がどれほど広がりのあるものかということを、小さい物語として描きました、少なくともそれは、現在生きている私の経験を語っています」と説明した。
寡作ながら、フランスを代表する映画作家のひとりとして知られるカラックス監督。映画とともに生きる人生を島と例え、「映画だけが芸術の中で人間によって発明されたものです。幸運なことに17歳のときに映画に出合うことができました。その島を出発点とし、人生や生と死を別の角度から見ることができる、その島に住みたいと思いました。私は少ししか作品をつくっていませんが、自分では映画という島に住んでいる気持ちでいます。その島は美しい大きな墓場でもあるでしょう。ですから、私に責任があるとすれば、そこに眠る死者に対し、ときどき名誉を返してやるべきではないかと思います。たしかコクトーは『映画とは働いている死者を撮影するようだ』と言っていました。ですから、死は映画の中に存在しています。私はその島なしに生きることを想像することはできません」と自身の思いを語った。
「ホーリー・モーターズ」は4月ユーロスペースほか全国で順次公開。
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