柳楽優弥「許されざる者」で初時代劇!忽那汐里は遊女役で新境地
2012年9月10日 06:00
[映画.com ニュース] 李相日監督、渡辺謙主演の「許されざる者」に、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、國村隼が出演することがわかった。時代劇に初挑戦する柳楽が演じるのは、渡辺扮する主人公・釜田十兵衛とともに賞金首を追う沢田五郎。忽那は、顔を切り刻まれ心に大きな傷をもつ遊女・なつめ役で新境地を開拓する。4人は、クリント・イーストウッド監督・主演作を日本映画としてリメイクする今作の出演に興奮を隠し切れない様子で、9月中旬から北海道で行われる撮影を心待ちにしている。
渡辺、柄本明、佐藤浩市という日本映画界を代表する名優たちが顔をそろえる「許されざる者」に、新たな“血”が加わる。「誰も知らない」で第57回カンヌ映画祭男優賞に輝いた柳楽は、今作への出演決定に大喜びしたというが「それと同時に、オリジナルでいえばキッドにあたる五郎というキャラクターを僕が演じることに、少し怖さも感じていました。ただ、自分の演じる役に対して誠意をもって向き合っていきたいと思っています」と意気込む。なつめ役を熱望していた忽那も、「監督とお会いしたのが今年の2月、映画のお話を聞いたときから何が何でもこの役を演じたいと思っていましたので、決定のご連絡をいただいたときは、ほんとうれしかったです!早く北海道へ行きたい!」と気合をみなぎらせている。
小池と國村も、重要な役どころでの出演となる。小池は、傷つけられたなつめのために事件の発端となった堀田兄弟の命に賞金をかける年長の遊女・お梶、國村はオリジナル版でリチャード・ハリスが演じた、佐藤扮する大石一蔵と対じする勤皇の志士・北大路正春に息吹を与える。ふたりの意欲も相当のもので、「出演できると聞いたときは、驚きとうれしさで久しぶりに眠れず、ドキドキが止まらない日々が続きました。李監督の作品はファンでしたし、謙さん、浩市さん、柄本さん、大先輩とともに闘い、支えあい、現場をともにできることは何よりの喜び」(小池)、「脚本が素晴らしく、オリジナルの設定をうまく同時代の日本に取り込んで、新たな魅力を見せています。これから北海道のロケ地に入って、李監督とともにどう作りあげていくか楽しみです」(國村)とコメントを寄せた。
第65回アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか4部門に輝いた「許されざる者(1992)」をリメイクする今作は、オリジナルの設定と同年の1880年、江戸幕府崩壊後の北海道が舞台。五稜郭での激戦から10年、かつて幾多の志士たちをきりまくった十兵衛はアイヌの女との間に子を設け、人里離れたへき地で細々と暮らしていた。先立たれてしまった妻の墓を守りながら二度と刀を持たないと決めていたが、貧困の末、再び賞金稼ぎとして戦いに身を投じていく姿を描く。
また、近藤芳正(酒場の主人・喜八)、小澤征悦(なつめをきりつける堀田佐之助)、三浦貴大(佐之助の弟・堀田卯之助)、滝藤賢一(北大路正春に付き従う姫路弥三郎)の出演も決定した。
「許されざる者」は、2013年秋に全国で公開。