東京フィルメックス、日本勢は新鋭監督作&福島ドキュメンタリー
2011年9月15日 17:02
[映画.com ニュース] 今年で12回目を迎える「東京フィルメックス」のラインナップ発表会が9月15日、都内で行われ、審査員を務める篠崎誠監督、コンペティション部門に選出された原発事故後の福島を捉えたドキュメンタリー「無人地帯」の藤原敏史監督が出席した。
2000年に創設されて以来、アジアを中心に作家性の強い独創的な作品を上映する映画祭として親しまれてきた東京フィルメックス。今年は「世界×日本×未来=つなげる国際映画祭」をスローガンに11月19日から開催される。審査委員長を務めるのは、西島秀俊と常盤貴子の共演作「CUT」が第68回ベネチア国際映画祭で好評を博したアミール・ナデリ監督。「未来の多くの重要な映画作家が、ここから出てくると信じている。間違いない。カット」というメッセージが寄せられている。
審査員を務める篠崎監督は、第1回フィルメックスのコンペに「忘れられぬ人々」を出品した経験があり、今回は「いろんな映画を見たい」誘惑に負けて引き受けたと告白。「時間の許す限り、コンペ以外の作品も含め全部見たい」と語った。
コンペ部門には韓国映画と中国映画が3本ずつ、日本映画2本とスリランカ映画1本に、調整中のもう1本を加えた計10本が出品される。「無人地帯」は、原発事故で住民が避難して無人となった福島の田園風景や周辺地域に住み続ける人々、これから避難することになる飯館村の人々の姿を映し出す。藤原監督は、「4月20日に(原発の)20キロ圏内に入って撮り始めました」と説明。その2日後、政府から警戒地域の指定が発表されたことで、20キロ圏内で撮影することはできなくなったという。貴重な映像は、海外の観客からの注目を集めることになりそうだ。
さらに日本からは、24歳の新鋭・奥田庸介監督が大森南朋、光石研、臼田あさ美を擁して撮りあげた「東京プレイボーイクラブ」が出品される。ほか、韓国の鬼才キム・ギドクの助監督を務めていたチェン・ジェホン作「豊山犬」、チベットの現状を描き出した「オールド・ドッグ」など粒ぞろいの作品が結集する。
特別招待作品では、キム・ギドクが撮影した異色のセルフドキュメンタリーでカンヌ映画祭・ある視点部門の最優秀賞を獲得した「アリラン」がオープニングを飾る。さらに豊田利晃監督が瑛太、窪塚洋介らを迎えた「モンスターズクラブ」、イラン政府に映画製作を禁止されたジャファール・パナヒ監督のドキュメンタリー「これは映画ではない」、廣木隆一監督が蓮佛美沙子主演で製作した「RIVER」、ナデリ審査委員長の「CUT」など多彩な作品が上映される。
第12回東京フィルメックスは、11月19日から東京・有楽町朝日ホールをメイン会場に9日間の日程で開催。
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