松たか子&阿部サダヲ、初共演「夢売るふたり」で結婚詐欺師“夫婦”に
2011年8月16日 05:03
[映画.com ニュース] 女優の松たか子と俳優の阿部サダヲが、西川美和監督の最新作「夢売るふたり」で初共演を果たすことがわかった。ふたりは、営んでいた小料理屋を火災で失い、再出発の手段として“結婚詐欺”に手を染めていく役どころを演じる。
西川監督は、前作「ディア・ドクター」が第33回モントリオール世界映画祭のコンペティション部門に正式出品。これまで長編監督作では主人公に男性を据えてきたが、待望の長編4作目では“夫婦”に焦点を当て、新機軸を打ち出す。また、オリジナル脚本に徹底的にこだわってきた姿勢はそのままに、今回も自らの原案を基に書き下ろした。
火災ですべてを失う夫婦の妻・里子に扮するのは、中島哲也監督作「告白」での圧倒的な演技が記憶に新しい松。西川監督作には、「『今』という空気が強烈に漂っていながら、登場人物たちが無気力になっていない、生命力がある」と感じていた。だからこそ、今作に並々ならぬ意欲をのぞかせ「阿部サダヲさんは大好きな俳優さんなので、ご一緒できるのがとても楽しみです。『夫婦』として苦楽をともにし、この夏をこの作品に捧げたい」とコメントを寄せた。
一方の阿部は、「なくもんか」以来約3年ぶりの映画主演となる。「西川監督が脚本、演出ということですから初めてお仕事するけど勝手に信用しちゃっています。同様に、松さんも勝手に信頼、尊敬しています! いつかご一緒できたらと思っていたおふたりなので、大変光栄です」と、8月20日のクランクインを心待ちにしている様子だ。
西川監督は、ふたりの起用を「松たか子さんは天性の品、阿部サダヲさんは天性の愛きょう、それにひかれて出演をお願いいたしました」と説明。希望通りのキャスティングが実現したが、「おふたりの組み合わせで夫婦をやってみて一体何が起こるのか、私もさっぱりワカリマセ~ン。大変楽しみです」と、どこまでも自然体。それでも、「灯りの消えた暗い東京に漂う『誰も見たことのない女たち』を描きたい。まあ、どうなるかはわかりませんが、志は高く、です」と静かに、そして隠しようのない意欲をのぞかせた。
映画は、自分たちの店という夢をあきらめきれない夫婦が、結婚詐欺を再出発の手段に選択。妻が女たちの抱える孤独を探し出し、夫が入り込んで実行する。しかし嘘の繰り返しは、夫婦の間に、だました女たちとの間にさざなみを立て始める。ふたりだけの夢を求め、女たちに偽りの夢を売る夫婦の優しくもせつない愛を描く。
「夢売るふたり」は、2012年秋に全国で公開。
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