オーソン・ウェルズ幻の監督作、ようやく公開へ
2011年1月26日 11:18
[映画.com ニュース] 「市民ケーン」などで近代の映画製作に多大な影響を与えたオーソン・ウェルズ監督の未公開作品「ジ・アザー・サイド・オブ・ザ・ウィンド(原題)」が、ようやく日の目を見ることになりそうだ。
ウェルズ監督が1972年にメガホンをとった同作のフィルムは、所有権をめぐる論争などのため、これまで未編集のまま金庫の中で眠っていた。しかしこのほど、同作のプロデューサーのひとりの代理人でロサンゼルスの弁護士ケネス・サイドルが、英ザ・ガーディアン紙に「(同作の)公開についての交渉は間もなく終了する」と語った。
ウェルズ監督が脚本も執筆した同作には、米俳優デニス・ホッパーのほか、米映画監督のジョン・ヒューストン(「黄金」「アフリカの女王」)、ピーター・ボグダノビッチ(「ラスト・ショー」「ペーパー・ムーン」)らも出演している。今後は、未編集のまま公開されるかどうかに注目が集まりそうだ。
米出身のウェルズは、監督、脚本、製作、主演の4役を務めたデビュー作「市民ケーン」(41)の巧みな構成と斬新なカメラワークで世界中の映画ファンを魅了。同作はアカデミー賞9部門にノミネートされた(脚本賞を受賞)。「第三の男」に出演するなど俳優としても活躍、70年にはその映画界への功績が称えられ、アカデミー名誉賞を受賞している。