「俺たちに明日はない」アーサー・ペン監督死去
2010年9月30日 15:37

[映画.com ニュース] 「俺たちに明日はない」「小さな巨人」など数々の名作を手がけ、アメリカン・ニューシネマの父と呼ばれた映画監督アーサー・ペンさんが9月28日夜、死去した。88歳の誕生日を迎えた翌日のことだった。ペン監督の友人である会計士がニューヨーク・タイムズ紙に認めたもので、死因など詳細は明らかになっていない。
ペン監督は「奇跡の人」(1962)、「俺たちに明日はない」(67)、「アリスのレストラン」(69)で3度、アカデミー賞監督賞にノミネートされている。ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイが主演した犯罪映画「俺たちに明日はない」は、アカデミー賞計10部門にノミネートされ、助演女優賞(エステル・パーソンズ)と撮影賞を受賞し、「ゴッドファーザー」「タクシードライバー」などその後の映画に大きな影響を与えた。テレビドラマの監督、舞台の演出家としても活躍し、多くの受賞歴がある。
「タクシードライバー」の脚本家としても知られるポール・シュレイダー監督は同紙に、「アーサー・ペンは、60年代ヨーロッパのアートフィルムの感覚をアメリカ映画に持ち込み、フィルムスクールを卒業した新世代の米映画監督たちに道を切り開いたのです」と語り、しのんだ。
ペン監督は、故ジョン・F・ケネディ元米大統領に、60年のリチャード・ニクソンとのディベートの際、直接カメラを見るよう助言し、その後の大統領選の勝利へと導いたことでも知られている。
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