史上初!J・キャメロン&K・ビグロー元夫婦の監督作が賞レースで激突
2009年12月16日 17:06
[映画.com ニュース] いよいよゴールデングローブ賞のノミネーションが発表され、今年の賞レースも本格化してきたが、ここにきてひとつ大きな見どころが加わった。「アバター」のジェームズ・キャメロン監督(55)と、「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督(58)という、かつて夫婦だった2人が作品賞と監督賞で対決することになったのだ。
実は5回の結婚歴を持つキャメロン監督。「ハートブルー」「ブルースチール」などのアクション映画で知られるビグロー監督は3番目の妻で、結婚生活は1989年から91年のわずか2年で終わりを告げた。ちなみに、キャメロン監督の2番目の妻は敏腕映画プロデューサーのゲイル・アン・ハード(85年に結婚、89年に離婚)、4番目の妻は「ターミネーター」のサラ・コナーことリンダ・ハミルトン(97年に結婚、99年に離婚)。現在の妻である女優スージー・エイミスも含めて、いずれも長身の美女揃いである。
製作費5億ドルの3D超大作「アバター」は、「タイタニック」以来12年ぶりにキャメロン監督が放つ新作とあって、公開前からすでに話題沸騰。一方、昨年のベネチア国際映画祭でプレミア上映された戦争ドラマ「ハート・ロッカー」は、今年6月の全米公開はわずか4スクリーンからのスタートだった。対照的な2作品だが、「ハート・ロッカー」はすでにニューヨークとロサンゼルスの批評家協会賞やゴッサム賞を制し、AFIの今年の10本にも選出されるなど(「アバター」は選外)、批評家受けはこちらのほうが良さそうだ。
ただ、賞レースでは争うことになったとしても、夫婦である以前にプロデューサーと監督の関係でもあったキャメロン監督とビグロー監督は、離婚後も良い友人同士なのだという。12月15日のゴールデングローブ賞のノミネート発表を受けて、早速米MTVの取材を受けたキャメロン監督は、「(ビグロー監督のノミネートは)遅すぎたぐらいだ」とコメント。「キャスリンは天才で、これまでもある程度の評価は受けてきたが、『ハート・ロッカー』はそれを超える本当にすばらしい映画だ。心からうれしく思う」と話した。
アカデミー賞ノミネーションの行方もますます気になるところだが、もしキャメロン監督とビグロー監督が揃って監督賞にノミネートされることになれば、元夫婦が同賞を競うのはアカデミーの歴史上初。そしてビグロー監督にとっては、過去に3人(リナ・ウェルトミューラー、ジェーン・カンピオン、ソフィア・コッポラ)しかいない女性の監督賞候補の仲間入りを果たすことになる。