役所広司・佐藤浩市ら「最後の忠臣蔵」一行が香川・金丸座で撮影
2009年11月30日 06:56

[映画.com ニュース] 池宮彰一郎の人気小説を役所広司主演で映画化する「最後の忠臣蔵」の撮影が快調に進んでいる。11月8日に京都でクランクインし、28~29日には役所をはじめ佐藤浩市、ヒロインの桜庭ななみ、笈田ヨシ、山本耕史、伊武雅刀、杉田成道監督が香川・琴平町の「旧金毘羅大芝居(金丸座)」で大掛かりな撮影を行った。
金丸座は、1835(天保6)年に建てられた現存する日本最古の芝居小屋で、国指定重要文化財。1年に1回、春の定期公演「四国こんぴら歌舞伎大芝居」開催時には、全国から多くのファンが詰め掛けることで知られている。映画の撮影が行われるのは、市川染五郎と宮沢りえが共演した滝田洋二郎監督作「阿修羅城の瞳」(2005)のロケで使用された04年6月以来、約5年半ぶりとなる。
同作は、赤穂浪士の吉良邸討ち入りを果たした大石内蔵助率いる四十六士が切腹する一方で、密かに生き残った2人の男のその後の姿を軸に描く。江戸時代の竹本座を再現した金丸座では、内蔵助の忘れ形見・可音を育てる密命を受けて討ち入り前夜に逃亡した瀬尾孫左衛門(役所)と、討ち入りの真相を後世に伝えるために逃がされた寺坂吉右衛門(佐藤)が、16年の時を経てすれ違うシーンを撮影した。
当時の数少ない娯楽のひとつである人形浄瑠璃「曽根崎心中」を観劇に訪れたことで再び対峙することになった2人の姿や、寺坂が伴う豪商の息子が可音に一目ぼれする瞬間、セットにはない“本物”ならではの熱気に満ちた場内の雰囲気を演出する重要な局面。撮影を終えた役所が、「忠臣蔵のその後を描いているので、見たことのない新鮮な作品になるのではないかと思う」と話せば、佐藤も「死に損ない、と同時に、生き損ないの男たちの話で、そこから何か見えてくるものがあるのではないかと思います」と並々ならぬ意気込みを見せている。
杉田監督は、「スケールの大きい作品にドキドキしています。人間の慈しみ、人と人がかかわり合うことのにじみ出る情感を描こうと思う」と意欲新た。2日間にわたる同所での撮影を終え、再び拠点となる京都へ戻るが「古い建物の中に流れている普遍的なものを感じる。それが、この映画で描きたい普遍性と同じなのです」と語った。
「最後の忠臣蔵」はワーナー・ブラザース配給で、2011年正月第2弾として全国で公開。
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