劇場公開日 2010年12月18日

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最後の忠臣蔵 : 映画評論・批評

2010年12月7日更新

2010年12月18日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

日本映画界の匠たちが手塩にかけた美しい仕事

映画の神がディテールに宿っている、とは言い過ぎか?

日本映画界の大ベテラン(田中陽造の脚本、長沼六男のカメラ、西岡善信の美術、黒澤和子の衣装など)の匠の技により、フィルムの端々まで丹念につくり込まれている。京都・大覚寺の竹林の静謐な美しさや、人形浄瑠璃「曾根崎心中」が上演される香川・琴平町の金光座(旧金比羅大芝居)の舞台空間の様式美は、国宝級かもしれない。

忠臣蔵」番外編の後日譚であり、討ち入りの直前に大石内蔵助から密命を受け「死ぬことが許されなかった」赤穂浪士のふたり、孫左衛門(役所広司)と吉右衛門(佐藤浩市)の16年後を描く。もうひとりの主役が、孫左衛門が親代わりとなって育てた娘・可音(桜庭ななみ)。杉田監督はTVドラマ「北の国から」で純の成長を記録したように、可音が少女から大人へと移り変わる、繊細なお年頃を四季折々の点描とともに愛情たっぷりにつづっている。桜庭は着物でのたおやかな所作や琴の演奏を難なくこなしており、言い換えると、監督が「手塩にかけた女優」桜庭の成長ドキュメントになっている点が何とも面白い。

舌を巻くほどの役所の演技は見事というしかない。前述の匠たちが手塩にかけたディテールの数々が役者陣の演技を引き立てている。

(サトウムツオ)

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