どうなる、アカデミー賞?来年から主題歌賞が消える可能性も
2009年7月1日 12:00

[映画.com ニュース] 映画芸術科学アカデミーは6月26日、アービング・G・タルバーグ記念賞、ジーン・ハーショルト友愛賞、名誉賞の特別3賞を授与する時期を変更すると発表した。これまで、それら特別賞はアカデミー賞授賞式の中でオスカー像が贈られてきたが、今後は9月に受賞作品を発表して11月の祝賀ディナーでオスカーを授与。翌年の授賞式では、受賞者について簡単に触れるのみとなる。
また、同じ26日、音楽部門の主題歌賞についても抜本的な変更を発表した。これまでは最大5作品をノミネートしてきたが、今後はアカデミー会員の8.25%以上が投票した作品のみノミネート対象とするという。最悪、主題歌賞のノミネートがない場合、授賞式で主題歌賞の部門ごと消える場合もある。
今年の場合、作品賞受賞作「スラムドッグ$ミリオネア」のA・R・ラフマーン作曲の2つの楽曲「Jai Ho」と「O Saya」が選ばれ、他の作品は「ウォーリー」のピーター・ガブリエルの「Down to Earth」のみだった。ところが、今回発表された新ルールを適用しても、同じ3作品がノミネートされるという。残念ながら、多くのファンの中でノミネート間違いなしと見られていたブルース・スプリングスティーンの「レスラー」主題歌は選ばれなかった。その曲は映画が終わったエンドクレジットのみに流れ、映画へ与えるインパクトに欠けたことから、大方の会員が投票しなかったのだという。
今回の新ルール適用の目的の1つには、授賞式の時間短縮があるようだ。昨年ノミネートされたピーター・ガブリエルは、授賞式自体には参加しながらも、パフォーマンスの時間を短く設定されたため、ステージに立つことを拒否したが、今後はそんなシーンが多く見られそうだ。
かつて80年代には「フェーム」や「愛と青春の旅立ち」「フラッシュダンス」といった誰もが口ずさめる主題歌がその栄誉に輝いた主題歌賞だが、ここ5年は「モーターサイクル・ダイアリーズ」「ハッスル&フロウ」「不都合な真実」「ONCE ダブリンの街角で」「スラムドッグ$ミリオネア」といった小品から選ばれる傾向にあり、主題歌賞の役割自体を見直す時機なのだろう。
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