ピーター・ジャクソンが「ホビットの冒険」2作品を製作総指揮!
2007年12月20日 12:00
[映画.com ニュース] 「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を手がけたピーター・ジャクソン監督が12月18日、そのプリクエル(前章)となるJ・R・R・トールキン著「ホビットの冒険」を2作品に分けて製作することになった。これは、ニューライン・シネマとの間の訴訟問題が収まったために実現したもの。ジャクソンは製作には関わるものの、監督はしない模様だ。
ジャクソンは、妻であるプロデューサーのフラン・ウォルシュと共にエグゼクティブプロデューサーを務めることになった。ちなみに、2人が製作した「ロード・オブ・ザ・リング」3部作は世界中で30億ドルの興収を記録している。
この知らせに、「ロード・オブ・ザ・リング」のファンサイトは一様に大歓迎ムード。ニューライン・シネマのCEOロバート・シェイは、「ホビットの冒険」を誰が監督するか決断しないままゴーサインを出したことになる。ジャクソン夫妻とスタジオは、来年1月に監督と脚本家の選定に入るという。
また、原作の映画化権を所有するMGM映画CEOハリー・スローンは、本作の映画化までの全ての交渉の場に立ち会ってきた人物だが、監督作「ラブリー・ボーン」と「タンタンの冒険」を抱えるジャクソンのスケジュールを十二分に考慮し、2作品の公開を2010年、11年とした。「彼(ジャクソン)が監督するスケジュールはなかったが、彼は『ホビット』2作品を長年待った映画ファンのために少しでも早く出そうとしたんだ」と、スローンは公開のタイミングが決まったいきさつを説明した。
ジャクソンとウォルシュのマネージャー、ケン・カミンズは、ジャクソンが監督と脚本を務めることは「全くありえない」としながらも、クリエイティブ面をコントロールするために製作総指揮に回ったと説明。ジョージ・ルーカスが「スター・ウォーズ」シリーズの第2作「帝国の逆襲」と第3作「ジェダイの帰還」で製作総指揮したのと同様のことだと指摘している。
MGMとニューラインが共同製作する「ホビットの冒険」は、「指輪物語」の80年前を舞台に、ホビット族のビルボ・バギンズ(フロド・バギンズの養父)が魔法使いガンダルフらと“はなれ山”を目指す冒険の旅を描く。
MGMのスローン会長は、「できればオリジナル(「ロード・オブ・ザ・リング」の)キャストの多くを迎え入れたい。彼らのうちの何人かから興味があると言われているんだ」と語っているだけに、来年にも発表されるキャスティングが楽しみになってきた。