青春ジャック 止められるか、俺たちを2

劇場公開日:

解説

若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。

熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。

前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。

2024年製作/119分/G/日本
配給:若松プロダクション
劇場公開日:2024年3月15日

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(C)若松プロダクション

映画レビュー

5.0タイトルなし

2024年11月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

名古屋の話というだけで萌える。
とぼける木全の感じがすごくいい。
監督が井上で、自虐的的な映画。
どうしてこれを撮ることになったのか、井上さんの話が面白かった。
青春映画ってなくなったなあってこれを見てて思った。アイデンティティを持て余す、まだ余裕のあった時代。
若松について語る井浦さん、とても素敵。若松イズムをむしろ否定する。でも、映画からは、怒鳴り倒すけれど映画愛に溢れている若松が伝わってくる。

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えみり

5.0作品通り「ミニシアター」で見ることに意義がある作品。

2024年10月17日
PCから投稿

今年372本目(合計1,464本目/今月(2024年10月度)23本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

 この作品は「~2」とあるように後編ですが、他の方も書かれている通り前編とのつながりがほとんどなく、かつ、「~1」と続けてみることが難しい(ミニシアター中心のため、交互に放映されていることも)ところですが、特段「~1」を意識する必要はないと思います(「~1」ってどんな展開だったんだろう?)。

 映画の展開の筋としてはいくつかありますが(現在、2023~24年のようにあまりに大きい筋や極端なトリックは存在しない)、映画内でも触れられる名古屋の現在でも存在する「シネマスコーレ」にまつわるお話で、ここはミニシアター好きの方にはたまらないのでは…と思います(行ったことはないんですよね。名古屋等でライブ等があればホテル宿泊のついでに行けるんですが…)。

 それこそ映画の撮影当時ではまだ(今でいう)ミニシアターと「普通の」映画館との差があまりなく(技術的に差がつかなかった)、せいぜい言って「シアター数が違う」くらいでしたが、現在2023~24年ではかなりの差があり、一方でミニシアターも「差がある」ことを理由に閉館等しているわけではない(したところ、する予定のところもありますが…)のはご存じの通りです。つまり、2024年時点でもミニシアターはミニシアターなりで活路を見出しているわけで、それは大手の映画館ではおよそ見ることができないレア番組を見ることができる、あるいは連日のように舞台挨拶があるといった、大手映画館にはない部分があり(大阪市では、この「シネマスコーレ」は、およそ「シアターセブン」にあたるのかな、と思います。実際、観たのもそこですし、雰囲気的にも似てそう)、ミニシアター独自の番組構成が好きという方も多いですね。

 映画のストーリーは、特段その実在する映画館にまつわるドキュメンタリー映画ではないので他の部分も多々出てくるのですが、登場人物や24年時点でも存在する同映画館との関係で、どうしてもドキュメンタリー映画「的に」見る方は多いんじゃないかなと思います。その中にはミニシアター独自の工夫や苦労も描かれていてよかったなといったところです。

 採点上特段気になる部分はなかったので(画質が少し荒かったですが、古い作品なので仕方なし?)、フルスコアにしています。

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yukispica

5.0文句なし!今回も井浦ワールド炸裂!

2024年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

配信(Unext)で視聴。
文句なし!これは面白かった。
止められるか、俺たちをの続編だったが、今回は愛知のミニシアター
シネマスコーレ誕生秘話と映画と映画館に惹かれた若者たちの青春群像期が面白い。まさか河合塾が出てくるとは思わなかった。
止められるか、俺たちをも面白かったが、なんと言っても今作が一番面白い。今回も若松孝二役の井浦新の演技が素晴らしく、若松監督のマネがうますぎる。井浦新が演じる若松孝二を観るだけでこの作品を観て良かった。また、彼は忙しい合間にもミニシアター、映画館への舞台挨拶を行っている。その思いがこの作品なのかなと感じた。
2024年年間ベスト邦画候補でもあるし、間違いなくベスト5までには入れたい。

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ナベウーロンティー

井上監督の「祭りの準備」

2024年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 家庭用ビデオの普及で、映画が斜陽産業になりつつあった1980年代前半。無手勝流に邁進する若松孝二監督、名古屋の新しい映画館・シネマスコーレの支配人を突然任された木全純治さん、映画監督になりたいと藻掻く井上淳一少年を全て実名で描いた物語です。井上さん自身が監督を務めます。

 「誰でも一本は傑作を書ける。自分の周囲の世界を書くことだ」という新藤兼人さんの言葉を知ったのは『祭りの準備』で、それが本作中でも語られました。どちらも映画を夢見る地方青年の物語です。ああ、井上監督はご自身の『祭りの準備』を撮りたかったのだなと納得。

 でも、僕にとって本作の主役は芋生悠さん演じる映研の学生・金本でした。井上青年は藻掻きながらも確かに前に進んでいくのですが、自分が何をしたいのかすら分からず金縛りになる金本の方が心に残り、井上と二人の屋上シーンはぐさりと刺さる名場面でした。「殺したいのはあんたみたいなヤツだよ!」の彼女の叫び。

 若松孝二監督の語りを聞いた事はありませんが、井浦新さん演じる若松監督は前作『止められるか、俺たちを』より闊達・奔放で「こんな人だったんだろうな」というリアリティが感じられました。

 この日、上映館の横浜シネマリンには、東出昌大さん演じた木全さん御本人も裏方としてお見えになり、上映後のサイン待ちの行列整理に当たられていました。名古屋の映画館で支配人を務めた人が横浜の映画館で裏方仕事をするのは何だか可笑しい光景でした。でも、映画通りに物腰は本当に穏やかで、「東出さんの成りきり振りはすごかったんだな」と感心。一方、この笑顔の裏にどんな思いを秘めておられたのかなと想像してしまいました。

 そして、忘れてはいけない事。映画館で暖かな笑い声が何度も起きるのを久しぶりに経験しました。それは、作中人物の暴走や思い込み・バカバカしさへの笑いであると共に、やはりバカだったあの時代の自分自身への笑いだったのだろうな。ジイサンのノスタルジーと呼ばれても。

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La Strada

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