青春ジャック 止められるか、俺たちを2

劇場公開日:

解説

若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。

熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。

前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。

2024年製作/119分/G/日本
配給:若松プロダクション
劇場公開日:2024年3月15日

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(C)若松プロダクション

映画レビュー

4.5若松孝二監督を取り巻く青春群像劇!!

2024年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

若松孝二の魅力に惹かれ、
映画の魅力に取り憑かれた若者たち。

ひとつは、
若松孝二が名古屋で作った映画館「シネマスコーレ」の事。
1983年に若松プロダクションが立ち上げたミニシアターで、
40年経た今も現役です。
支配人を頼まれた木全純治(東出昌大)が、途中から経営を
バトンタッチして、営業を続けている。
スクリーン一つ、座席数51のミニシアター。
今はアジア系の映画を主に上映しています。
ラストで木全さんの実物が見られます。
ほんわかしてます。

もう一つは、若松孝二に傾倒して「弟子になりたい・・・」
その一心で、見送りに行った名古屋新幹線駅で、飛び乗って
東京へ着いて行ってしまう、
【井上淳一、19歳】
井上淳一はこの映画の監督・脚本家ですよー。
この映画の半分は井上淳一の若松孝二にくっ付いて映画の世界を
不器用に泳いだ半生記でもあるのです。
【俺の視界に入るな!!】
何度、若松監督に怒鳴られたことでしょう。
ホントか?
嘘か?
井上君は自分に才能があまり無い・・・いつもそう言うし、
そう思っている

若松孝二のパワーとエネルギーをみていると、
非力を感じちゃうんだろうね!!
それでもやめられない、
《止められるか俺たちを!!》
映画が好きなんだもん。
映画館支配人として、でも、
受付のモギリのアルバイトとして、でも、
映画へ通う人として、でも。

今回の「侍タイムスリッパー」のムーブメントをみて感じたこと。
自主制作映画にも、凄く大きな可能性があること。
下積みの俳優の中には、なんと実力のある無名な役者が、
ひしめき合っていること。
映画が好きなんだ俺たちは!!

止められるなら、止めてみろ!!

若松孝二は、いつも応援していましたね、
映画好きの若者たちを。

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琥珀糖

4.0「ただで起きないために転ぶ」

2024年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

知的

 1982年。ビデオに押され映画館離れが進む中、若松監督は名古屋でミニシアターを始める。支配人にビデオカメラのセールスをしていた木全を起用。大学の映研に所属する金本がアルバイト。高校のときから若松監督に憧れる井上は、大学入学後に監督へ弟子入りし。
 前作から6年、舞台は10数年後。雰囲気が、ずいぶん変わりました。監督に近い世代や思想の人が中心だった前作に比べ、彼の子供に近い世代が中心。井上はちょうど自分と同世代で親近感があります。タイトルも良い感じです。若松プロにいた人たちが次々成功しスゴイなと思い、「自分だけ貧乏」と嘆く監督に愛着がわきます。人を育てるわけじゃないような気がするけど、人が育つ監督なのかな。
 井浦新の、監督役がやっぱりいい。東出昌大は、無邪気な声としゃべり方が役に合ってます。
 前作同様、時代考証はちょっと緩い。「そんなの黒澤じゃねえんだから」と監督なら言ってただろうな。
 「ただで起きないために転ぶ」というセリフがいい。転んで、ただで起きてばっかりだった自分を反省。

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sironabe

5.0タイトルなし

2024年11月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

名古屋の話というだけで萌える。
とぼける木全の感じがすごくいい。
監督が井上で、自虐的的な映画。
どうしてこれを撮ることになったのか、井上さんの話が面白かった。
青春映画ってなくなったなあってこれを見てて思った。アイデンティティを持て余す、まだ余裕のあった時代。
若松について語る井浦さん、とても素敵。若松イズムをむしろ否定する。でも、映画からは、怒鳴り倒すけれど映画愛に溢れている若松が伝わってくる。

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えみり

5.0作品通り「ミニシアター」で見ることに意義がある作品。

2024年10月17日
PCから投稿

今年372本目(合計1,464本目/今月(2024年10月度)23本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

 この作品は「~2」とあるように後編ですが、他の方も書かれている通り前編とのつながりがほとんどなく、かつ、「~1」と続けてみることが難しい(ミニシアター中心のため、交互に放映されていることも)ところですが、特段「~1」を意識する必要はないと思います(「~1」ってどんな展開だったんだろう?)。

 映画の展開の筋としてはいくつかありますが(現在、2023~24年のようにあまりに大きい筋や極端なトリックは存在しない)、映画内でも触れられる名古屋の現在でも存在する「シネマスコーレ」にまつわるお話で、ここはミニシアター好きの方にはたまらないのでは…と思います(行ったことはないんですよね。名古屋等でライブ等があればホテル宿泊のついでに行けるんですが…)。

 それこそ映画の撮影当時ではまだ(今でいう)ミニシアターと「普通の」映画館との差があまりなく(技術的に差がつかなかった)、せいぜい言って「シアター数が違う」くらいでしたが、現在2023~24年ではかなりの差があり、一方でミニシアターも「差がある」ことを理由に閉館等しているわけではない(したところ、する予定のところもありますが…)のはご存じの通りです。つまり、2024年時点でもミニシアターはミニシアターなりで活路を見出しているわけで、それは大手の映画館ではおよそ見ることができないレア番組を見ることができる、あるいは連日のように舞台挨拶があるといった、大手映画館にはない部分があり(大阪市では、この「シネマスコーレ」は、およそ「シアターセブン」にあたるのかな、と思います。実際、観たのもそこですし、雰囲気的にも似てそう)、ミニシアター独自の番組構成が好きという方も多いですね。

 映画のストーリーは、特段その実在する映画館にまつわるドキュメンタリー映画ではないので他の部分も多々出てくるのですが、登場人物や24年時点でも存在する同映画館との関係で、どうしてもドキュメンタリー映画「的に」見る方は多いんじゃないかなと思います。その中にはミニシアター独自の工夫や苦労も描かれていてよかったなといったところです。

 採点上特段気になる部分はなかったので(画質が少し荒かったですが、古い作品なので仕方なし?)、フルスコアにしています。

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yukispica

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