首のレビュー・感想・評価
全700件中、241~260件目を表示
形式張った世の中を思い切り蹴り飛ばす
北野武作品をこれまで観たことがなく、今回が初鑑賞。
キレッキレの信長にビビりながらも、どことなく昭和の邦画や小説を思い起こさせられる作風に懐かしさを感じる。ただ、誰が主人公でメインのストーリーがどれなのかが分からず戸惑ううちに、映画は終わってしまった。
しかし、観終わった後に反芻していると、登場人物が寓喩的な存在に思えてくるから面白い。北野武がビートたけしの中の感情や思考を一つずつ切り出して見せている様だ。
更には首実検で並べられた首たちは、上辺だけを取り繕うことを求められる社会に手足を縛られたお笑いの世界で、戦い敗れた芸人達の様にも思えてくる。
であるならば、主人公やストーリーのことで戸惑っていた私は、形式に洗脳され首を刈り取る事に必死な農民の一人なのだろう。
できればもう一度見直しに行きたい。
………
エンドロールを観ながら、歴史物や時代劇の衰退が著しいなか、注目される監督や俳優がそれを撮ることの必要性を感じさせられた。
俺、妬くぞ…
殿の真意は分かりかねますが、この映画、全てのサラリーマンに捧げる映画に思えてなりません。出世を夢見て激走する人々に、元気と勇気と現実を届けようとしているような…。あんたは、何の為に頑張った?。その見返りに、満足できた?。納得できないなら、どうするの?。
生活を守るため、家族を護るため、何かを犠牲にしたことがある方なら、思いあたる節があると思います。
歴史に興味があれば、登場人物の行く末は、すでに分かっています。でも、当の本人は、手探りで自分の行く末を切り拓くしかない。しかも、その結果は誰にも分からない。でも、それって、今を生きる私達だって同じだよね。この映画は、単なる時代劇なのか、それとも今を生きる私達へのメッセージなのか?。仮に本作が、殿からのメッセージだとしたら、皆様は、どう応える覚悟ですか?。
お笑いにせよ、映画にせよ、売れるか売れないかだけが、価値基準で生き抜いた殿。幾つもの首が転がっている世界を渡り歩いてきた殿。殿曰く、リアルな乱世を描きたかったそうですが、殿からしてみれば、乱世は歴史の出来事ではなく、今この瞬間こそが乱世なのかも。
君ら、死ぬ気で仕事したことあるの?。
殿の目が、そう言っていたような…。
こういう作品を仕上げる殿に、妬いてしまいそうです。
最近、殿に関するニュースは、ネガティブな報せが多い気がします。事務所のこととか、映画創ったけど、配給会社が見つからなかったとか。
以前、志村けんが言ってました。自分の生涯を24時間に変換すると、今、何時何分なのか自覚できるかどうかで、ヒトの行動は変わるそうです。殿、自分のやりたい仕事、やらなきゃならない仕事、そうでもない仕事、選ぶ時が来ているって、随分前に話していました。結果、世間が求めるビートたけしと、殿が選んだ北野武に、何やら溝のようなものを感じますが、自分に嘘をついて笑っているくらいなら、松永久秀が如く、自分らしく自爆するほうが殿らしくて、素敵かな。
狂っているのは殿なのか、世間なのか、どっちかな?。
そんな、殿の生き方って…。
私、妬くよ…。
観て損はない…ただ何か物足りない。
構想30年と言う割には物語もカット割りも普通。 光秀でも秀吉でもな...
今までに、たくさん本能寺の変について描いた作品があったと思うけど、...
タイトルなし(ネタバレ)
ちょっと編集が雑な感じがしましたね
アウトレイジ感を期待していましたがあまりそうではなかったです
中身は加瀬さんの演技は見ものでした
本当の信長もこんな感じだったのかなと思わせるくらいはまった演技でしたね
それから小六の仁科さんは拓三さんそっくりでみていてうれしくなりました
めちゃめちゃ面白かった 90点
滑舌良かったと思う(笑)
たけしさんの滑舌悪いとのレビュー見たけど頑張ってました
あの草履の後の3人の会話はアドリブの応戦かな?笑ってしまいました
芸達者な役者さんの中でも
加瀬亮さん
西島秀俊さん
は、上手になりましたね
男色のシーンはそれ程でもなかったと思いますが、、、
期待したら大外れ
残虐を通り越している
ビートたけしの戦国本能寺ダヨ!!
…30年前だったらそんなタイトルでコントとしてやってただろうなぁという、「たけし流解釈」の本能寺の変。
人物描写は、ディフォルメがキツ過ぎるキャラ(信長、秀吉など)もいれば、いわゆる歴史物のイメージ通りのキャラ(光秀、家康など)、とりあえずいるだけいましたみたいなキャラもいて、イマイチまとまりがない印象。
ストーリーも人物が多い分やや散らかり気味で、歴史の知識がないとちょっと分かりにくいかも。
秀吉・秀長・官兵衛の3人のシーンはほぼコントだし、それ以外でもコメディ色強いシーンは多々あって、ただ全体的な展開はやっぱりシリアスなので、そこもバランス悪く感じた点。
衆道が普通の時代とはいえさすがにホモセシーンがっつり描写はちぃとキツかったな、とそこもちょいマイナス。
…などと難点はたくさんあれど、じゃあつまんなかったかと言われると、いやぁそこそこ面白かったです、となるのが不思議。
一貫してドライな死生観、テンポよく入るバイオレンス、演者の見事な演技などが、飽きない要因だったのかな、と。
目新しい解釈なし
北野作品は一度も劇場で見たことがなかったが、
加瀬信長のインパクトと北野流歴史解釈に期待して
見に行って見た。
結果、特に新しいまたは斬新な歴史解釈は無かった。
(衆道については、世の流行りに乗っただけに見える)
史実通りに展開し、意外なものは何も無い。
オリジナルキャラがわちゃわちゃし、たけしが
「バカやろう」を言いたいだけの映画だった。
コメディか、グロいのかどっちつかずで
誰向けなのかもわからない。
唯一、家康の影武者のくだりは笑ったが、
残念ながら、家康はストーリー的に超脇役で
全カットでも良かった。
また、予算は大分かけたと見えて、合戦シーンは
昨今の大河よりよっぽど良かった。
エンドロールを見ている時、
この映画を引っ提げてカンヌに乗り込んでいたのを思い出し
ちょっと恥ずかしくなった。
衝撃的
北野武監督は裏切らない
美しい芸術的な映像、「映画」としての娯楽性、登場人物の一挙手一投足に至るまで一貫した北野作品の美学が今回も顕在で、神経質なまでに徹底された北野イズムを2時間11分、十分に堪能できました。
とにかく人が斬られまくっているので、残酷といえばそうですが、グロテスク(実際に顔などもリアルに作りすぎていなく)ではなく、むしろちょっと笑ってしまいそうな感じに仕立ててあるところが、北野監督の人間観であり、上品なところなのかなと思います。
時代劇等で違和感を感じていた、百姓や村人たちも含め、多少負傷してはいるものの基本的には五体揃っている人ばかりが登場してくる世界観ではなく、様々な人々が出てくるのも自然で良かった。
全700件中、241~260件目を表示