映画 イチケイのカラスのレビュー・感想・評価
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民放の連ドラ史上初の「刑事裁判官」が主人公という設定に独自性があり、型破りな「検察官」を描く「HERO」と似た雰囲気も醸し出す意欲作。
木村拓哉主演の「HERO」が象徴的ですが、映画やドラマは、あるべき理想的な人物を描けるのが醍醐味だと思います。
しかも、「あり得ない」ことではなく、仕組みの上では可能な範囲でギリギリを攻める型破りな主人公を描くことで、リアリティーかつダイナミックさを与えるのは単純に見ていて面白く引き付けられます。
私は連ドラを見ずにいきなり映画から入りましたが、割とすんなりと「イチケイ」(「東京地方裁判所第3支部の第1刑事部」の略称)の世界観に入り込むことができました。
映画では重厚感を追求するため真面目なシーンが多かったですが、「コンフィデンスマンJP」シリーズの田中亮監督はユーモラスなシーンを描くのも相変わらず上手い。そのため、緩急を併せ持つスケール感のある映画のクオリティーに仕上がっていました。
連ドラの際には、もっとコミカルなシーンも多かったのだろうと想像しますが、連ドラファンの人の満足度は高いと思われます。
軸となる竹野内豊が演じる型破りな裁判官・入間みちおと、黒木華が演じる裁判官・坂間千鶴との化学反応が面白く、特に竹野内豊は当たり役だと思います。
「HERO」では当時を反映し「通販マニア」の設定でしたが、本作では「ふるさと納税マニア」のようです。
スピンオフドラマ「イチケイのカラス 井出伊織、愛の記録」では山崎育三郎がメインですが、演出が上手いと「ここまで山崎育三郎が面白いキャラクターになるのか」と驚いたり脇を固める俳優陣も個性的で面白い。
また、映画ではゲストの斎藤工も良い味を出していました。
設定の面白さに加え、それぞれのキャラが立っていて、なおかつ本格的な「刑事事件」もしっかりと扱いリーガル・ミステリー映画としても成立している。
なかなか面白い建て付けですが、シリーズとして続くのか、興味深いところです。
やっぱりテレビドラマっぽさ全開
CSで録画視聴。
司法がテーマなので、どんな作品か楽しみに
したが、がっかり。
やっぱりテレビドラマっぽさ全開な作品だった。
主演の竹野内豊よりも助演の黒木華が目立っていた。これでいいの?
119分の上映時間にこれだけのことを詰め込んだ脚本家の力量が大したもんだと思った。 たくさん見ているわけではないが、 入間みちおは竹野内豊のいちばんのハマリ役だと思う。
動画配信で映画「映画 イチケイのカラス」を見た。
2023年製作/119分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2023年1月13日
竹野内豊(入間みちお)52才
黒木華(坂間千鶴)33才
斎藤工(月本信吾)42才
山崎育三郎(井出伊織)
柄本時生(土井潤)
西野七瀬(赤城公子)
田中みな実(島谷加奈子)
桜井ユキ(浜谷澪)
水谷果穂(一ノ瀬糸子)
平山祐介(木島昌弘)
津田健次郎(島谷秀彰)
八木勇征(植木幸太郎)
尾上菊之助(三田村武晴)
宮藤官九郎(小早川輝夫)
吉田羊(小早川悦子)
向井理(鵜城英二)
小日向文世(駒沢義男)
庵野秀明(裁判官)
テレビ番組はほとんど見ないが、
「イチケイのカラス」というテレビドラマ番組があることは
ベアハグの工藤さんから聞いたことがあった。
岡山県秋名市(架空の田舎町)に異動したみちおは、
傷害事件を担当することになる。
主婦の島谷加奈子が防衛大臣・鵜城英二に包丁を突き付けたというもの。
事件の背後には島谷の夫が犠牲となった貨物船と海上自衛隊イージス艦の衝突事故があった。
その事故は不審な点だらけのものだった。
イージス艦の航海記録は全て国家機密であるため、
みちおの伝家の宝刀である職権発動が通用しない。
弁護士に転身した坂間千鶴は、
みちおの赴任先の隣町に配属され、
地元の人権派弁護士・月本信吾とペアを組むことになった。
人々の悩みに寄り添う月本に次第に心惹かれていく坂間だった。
町を支える地元の大企業・シキハマ株式会社にある疑惑が浮上する。
竹野内豊と斎藤工がイケメンすぎる。
それぞれの役者の見せ場がちゃんとある。
119分の上映時間にこれだけのことを詰め込んだ脚本家の力量が大したもんだと思った。
たくさん見ているわけではないが、
入間みちおは竹野内豊のいちばんのハマリ役だと思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
正しいこととは
ドラマを見ていた流れで見ました。
感想としては、映画館で見るほどのものではなかったとおもいます。
ただ、ストーリーとして面白かった。
ドラマを見ていた人なら楽しめると思います。
ドラマでの背景とかがないと初見の人にはきびしいかなと。
思ったことは、やましいことをは、いずれ破綻するということが教訓になりました。
仕事でもプライベートでも、肝に銘じます。
コミカルの陰にある真摯さは痛い
<映画のことば>
原告にどうするか一任されて。坂間さん、悩み抜いた末に(被告からの和解の申し出を)断りました。
坂間千鶴は、依頼人のために、最後まで真実を追い求めるつもりです。
こう言い切った時の入間判事の表情を、評論子は忘れることができません。
「法曹の意地」みたいなものが坂間弁護士から垣間見えたようにも思われました。
評論子には。
主役の裁判官・入間みちおを演じた竹野内豊自身が持っているのキャラクターもあって、どことなくコミカルに描かれている本作ではあるのですけれども。
しかし、事案の妥当な解決に腐心する法曹の真摯な苦悩も、そのコミカルさの陰に、しっかりと描かれていた一本ではなかったかと思います。
佳作であったと思います。
(追記)
<映画のことば>
悩んで、悩んで、悩み抜く。
結局…それでしか一番いい答えは見つからないと思うよ。
もっと悩め。坂間千鶴。
人の価値観を扱う法律学は、科学(社会科学)と言っても、多くの場合、法の適用結果には「結果的な妥当性」ということが常に求められますし、自然科学のように実験によって再現性を確認することが出来ないので、その意味では、「法律学の科学性」というものには、自(おの)ずから限界があるといわざるを得ないことでしょう。
とかく法律家が三百代言的に見られがちなことも、理由のないことではないと思います。
しかし、法律も、事案に応じた柔軟な解決策を求められながらも、なお紛争の解決のための指針となるような普遍的な真理を常に求めているという意味では、なお「科学」としての性質をを失ってしないようにも、評論子には思われます。
言い古された表現で置き換えるなら「法的安定性」と「具体的妥当性」とのバランスをどこで(どのレベルで)、どのように(どのような形で)図るかは、本当に悩ましいところで、上記の映画のことばの坂間弁護士のように、実務に携わる者は、悩んで、悩んで、悩み抜いているのが、実際ではないかと思われます。
その意味では、ずんと胸に重たい一本でもあったように思います。
(追記)
他のレビュアーの方々が指摘しているとおり、日本の刑事裁判所は、捜査まがいのことはしません。
法律=刑事訴訟法の建前としては、「真実の発見」が裁判所の責務にもなっているので、必要であれば職権での証拠調べができることにはなってはいるのですけれども。
(この点が、「当事者間に争いのないことは前提としなければならない」ということで、裁判所も、相対的真実に基づいて判断すれば足りる民事訴訟との大きな違いです。)
しかし、多数配置されている裁判所事務官は、組織としての裁判所の所属であり、決して裁判体としての裁判所に所属しているその「手足」ではないので、刑事裁判官の手足は裁判所書記たった一人で、証拠を整理したり、裁判の記録を管理したりするのがやっとこさで、とてもとても捜査機関がするような捜査まがいのこと(職権による証拠調べ)など、できる仕組みにはなっていないことを、申し添えておきたいと思います。
(ちなみに、行政事件訴訟法の規定によれば、行政事件でも裁判所は職権での証拠調べができることにはなっていますけれども。裁判所が職権で証拠を探してきたり、証人を採用して尋問したりしたという経験は、「訟務官」を務めていた当時には、それなりの件数の事件を扱っても一度もありませんでしたし、他の機関を含めた訟務官仲間から聞いたことも、ついぞありませんでした。)
行政事件でも裁判体としての裁判所の機構は同じで、裁判官の「手足」の裁判所書記官(民事事件と行政事件ではこう呼び、刑事事件では裁判所書記としか呼ばない。なぜだ?)は、たったの一人ですから。
たぶん、刑事事件でも、そうなのだろうと思います。
(追記)
もっとも…。
映画作品としての本作と言うことでは、本作がそういうふうに実態をはみ出していることを、減点要素とはしていません。
それは、「映画作品=常に真実の生き写し」とは、評論子も考えてはいないからです。
しかし、全くのフィクションとして物語を構築するならいざ知らず、「裁判所」「弁護士」「刑事裁判」といった現実のある現場を物語の舞台として設定するなら、全くその実態を踏まえない作品は(少なくとも実態を知っている者には)荒唐無稽に見えてしまいますし、せっかくそこに着想を得て映画を作るなら、実態の良いところをクローズアップする、良くない点を(必ずしもその世界にいるわけではない、いわば素人の視点から)痛烈に皮肉るなどすることで、現実を止揚して、製作陣には製作陣なりの「考えていること」「理想とするところ」を観客には見せて欲しいところです。
そして、映画というものは、そういうチカラを備えていると評論子は信じているからです。
そういう映画は、実態を知る者の胸にも、知らない者の胸にも、深く深く突き刺さる作品になることでしょう。
そして、評論子は(も?)そういう作品を探し続けているからだろうとも思います。
(ドラマが当ったから、二匹目の泥鰌を狙ってただ映画化するだけのことなら、もはや論外なのですけれども。)
ドラマ未見。でもまあ楽しめた。 面白くはあったが、今どきこんな街あ...
ドラマ未見。でもまあ楽しめた。
面白くはあったが、今どきこんな街ある?主役は竹野内豊かと思ったが、黒木華でしたね。ラストの涙にちょっとやられました。
本作、細部はかなり雑です。毒性強すぎやろ、だいたいどこ捨てるつもり?
揖保乃糸の美人お姉ちゃんが最後に法の道目指す場所にいてほしかったな(笑)
カンテレ土曜プレミアム本編ノーカット
ドラマを観ていないので、
ノリについていけず温度差感じて引き気味で観ていましたが、最終的には泣きました。
竹野内豊、すごいいい味出しててびっくり。
思っていた俳優像とほぼ真逆なのにハマり役。
ドラマも観てみようかな。
イチケイって何?
2024年4月13日
映画 #イチケイのカラス (2023年)鑑賞
岡山に異動したみちおが担当するのは主婦が防衛大臣に包丁を突きつけた傷害事件
イージス艦と貨物船の衝突事故
町の地元大企業の疑惑
それぞれの疑惑の点が結びついていく
❇️真実だけで人は幸せにはなれない事を知れた。
イチケイのカラス
🇯🇵京都府、神奈川県寒川町など(ロケ地)
元弁護士で異色の女判事が現在は他職経験制度で弁護士をしているヒロインの黒木さん。
裁判官で特例判事補の豊さん。
シージス艦と貨物船の衝突事故で、夫の死で不正を訴える妻が刃物を持っていた罪で裁判。
地域の住人が大半を務める大型工場の水質汚染問題での裁判。
正義とは何か?国家権力や地域や街ぐるみでの不正、真実を捻じ曲げる闇の影と戦う、判事と弁護士のドラマから2年後を描く!
❇️真実だけで人は幸せにはなれない事を知れた。★彡中々深いストーリーでした。
◉74D点。
★彡久しぶりの竹野内豊さん
すっかりおっさんになってしまったけど、異色の裁判官は悪くない気がしました。
🟢感想。
1️⃣軽いテイストベースなのに後半は重い事件ストーリー⭕️
★彡予想外の嫌がらせで闇が深かった。
2️⃣伏線か多し。⭕️
★彡後半細かく回収していくので、なんか気持ちいい😆最後はグッときた😭
3️⃣予想以上にやるせない結末。⭕️
★彡誰が正解なのか?考えさせられ、わからなくなります。真実が全てと思っていたのにな。
😢🏭🧑🏻⚖️👨🏻⚖️🛢️⚖️🚢🔪🎣🌫️
途中まで面白い
正義の代償みたいな落ちは確かに現実感があるが、地元民の働き場所である工場とそれに連なる職業、地元への貢献など急に一部地域の事だけに集約される展開はちょっと拍子抜けした。
この点はかなり勿体ないが実際にあっても恐らく隠蔽されるよな…とは思う。
防衛大臣がカッコいい事を言ってたが、利権や利益供与に絡む先に多くの人々がおり、国を守るために、国民に説明せずやると言う理由が彼のなかで何%くらい占めているのか?気になった。
本当に、この一部地域で起こった事案は日本中にあるだろうと思う。
地元愛と言う言葉すらそう言う裏を考えてしまいそうだ。
あと、法律とは使い方と言っていたが法律の抜け穴でのうのうと金儲けしている奴等が法律を作ってる世の中だ。
そう言ったモヤモヤが残ったまま作品を見終わってしまったのは残念だった。
まぁコメディでぼやかして作らないと作れないだろうし…。
コメディとしては出来ている方と思う。
七割以外は仲間ではない?
冒頭の居眠り裁判官は面白い。
企業城下町で、七割の人が関わっている、とかいってたように思うけど、それ以外の人はどうなってもいいという
論理。
これが嫌だな。
企業が撤退したら、別の企業を誘致するとか、考えるのが役場の役割。
そこら辺の"仲間"内で目論む話ではないし、できるわけもない。あり得ない。このドラマの肝となることだけど。
このあたりが私は馴染めなかった。
裁判が終わって、商店街の店が黒木華が通る時につぎつぎシャッターを下ろす演出は醒める。その時、
黒木華を見る商店街の人の目。この街は立ち直れないな、と思ってしまった。
裁判官の説諭がまったく理解されていない。
コミカルな育三郎や西野七瀬が観られるのは楽しい。黒木華は、太った?のかなあ?少しポッチャリぎみに映った。
向井理は余り悪い役やらない気がするな。
地上波で見たのが間違いなのか?
地上波でやったのを録画して見ました。
ノーカットはいいが、CMが入ってやたら間延びした!
没入できず白けたままでした。(泣)
国家権力とのなんとかと予告は言っていましたが、そんなのは話をややこしくしただけで余計!
テレビドラマは好きだっただけに残念。
なんだろな。
これといい、99.9といい、ガリレオといい、田舎町の街ぐるみの犯罪。途中で流石に読めました。吉田羊かぶってるし。判決後の新事実も、ほかのと差別化を図ったのかもしれないけど、いまいちパンチに欠ける。いっそのこと斎藤工も幼馴染だったら?しかしあれだけで死ぬかね??
ドラマ同様に面白い作品でした
ドラマも楽しく見ていたので、映画も見たいなと思っていたら地上波で放送するとの情報を得て、録画して家族で鑑賞しました。
内容としては、岡山県瀬戸内で防衛大臣の傷害事件を担当している主人公の入間みちお(竹野内豊)と、隣町で主人公と共に数々の事件を裁いた板間千鶴(黒木華)が人権派弁護士の月本信吾(斎藤工)と組んで、大企業の環境汚染疑惑に取り組むなか、二つの事件が繋がっていくというもの。
一つの事件を思慮深く検討し検証していく入間みちおと、考えるより先に動いていく板間千鶴との対比が良く、様々な出来事を通して二人の間に信頼関係が構築されていく過程が丁寧に描かれていて良かった。この二人の掛け合いが好きで、映画でも描かれているのも良かった。
意外な展開でラストを迎えましたが、大企業に依存して町が成り立っている相互依存も映画の中で描かれており、そういう状況だと間違っていた事をしてたとして、その事を正すことが出来なくなるといった問題定義を、映画を通して訴えかけているのかなと感じた作品でした。
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