MEMORY メモリー

劇場公開日:

MEMORY メモリー

解説

アルツハイマー病で記憶を失っていくベテラン殺し屋が最後の仕事に挑む姿を描く、リーアム・ニーソン主演のアクション。

完璧に仕事を遂行する殺し屋として、裏社会で絶大な信頼を得ていた殺し屋のアレックスは、アルツハイマー病の発症により任務の詳細を覚えられなくなってしまい、引退を決意する。これが最後と決めた仕事を引き受けたアレックスだったが、ターゲットが少女であることを知り、契約を破棄。彼の唯一の信念である「子どもだけは守る」を貫くため、アレックスは独自の調査を進める中で、財閥や大富豪を顧客とする巨大な人身売買組織の存在を突き止める。

ニーソンが主人公アレックス役を演じるほか、「L.A.コンフィデンシャル」のガイ・ピアース、「007 スペクター」「マトリックス」シリーズのモニカ・ベルッチが顔をそろえる。監督は「007 カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベル。

2022年製作/114分/R15+/アメリカ
原題または英題:Memory
配給:ショウゲート
劇場公開日:2023年5月12日

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映画レビュー

3.0ニーソンはもちろん、ガイ・ピアースの熱い演技を堪能できる一本

2023年5月27日
PCから投稿

いつもながらのリーアム・ニーソン映画であることは確かだ。暗殺者の彼は並外れた強さを発揮し、人殺しという悪人でありつつ「エキスパート」なことに変わりはない。だがそこにツイストを少々。まずは主人公にアルツハイマーを発症させ、自らの記憶力が定かでないこと、この仕事も潮時であることを痛感させる。さらに自らの倫理や流儀を根底から否定するような出来事が起こり、彼の怒りの銃は依頼主や組織の側へ向けて火を吹くことに・・・。「007」シリーズなどを手掛けたマーティン・キャンベル作品なだけあって、剛腕監督ならではの気合いの入ったドラマとアクションが楽しめる。物語上の散らばった要素をまとめ上げる付近で演出の脆さと爪の甘さを露呈してしまうものの、普段はクセモノ役ばかりのガイ・ピアースの一直線で熱い演技が作品的な弱さを埋め合わせる。かくもニーソンとピアースによるデュアル構造の映画として見る分にはそれほど悪くはない。

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牛津厚信

3.5「メメント」のガイ・ピアースが共演しているのがミソ

2023年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

単純

リーアム・ニーソンは舞台俳優出身で、キャリア前半はアカデミー主演男優賞ノミネート作「シンドラーのリスト」など演技派として鳴らしていた。だが、2008年に犯罪組織に誘拐された娘を単身救いに行く元CIA工作員を演じたリュック・ベッソン製作の「96時間」が大ヒットして以降、ニーソンが無双の活躍をするアクション映画がコンスタントに作られるようになり、気がつけばもう15年にもなる。現在70歳、近年はさすがにスピーディーな格闘シーンなどは減ったものの、狙撃手役を演じたり、本作のように認知症を患っている殺し屋だったりと、年相応の設定で身体的な負担を減らしつつ新味を出そうとする製作陣の苦労がしのばれる。 ニーソンが演じる殺し屋アレックスは、忘れてはならない重要な手がかりを腕にマジックでメモする。このくだり、クリストファー・ノーラン監督作「メメント」を思い出した人も多いのでは。同作で記憶障害を持ち妻を殺した犯人を復讐しようと素人探偵活動にいそしむ主人公を演じたのがガイ・ピアース。そのピアースが、この「MEMORY メモリー」では記憶障害の殺し屋を追う捜査官というひねった配役が面白い。なお、原作はベルギーの作家の小説で、2003年に同国で映画化され、今作はそのアメリカ版リメイクということになる。 モニカ・ベルッチも重要な役で出ていて、B級アクションっぽい話の割には共演陣もまあまあぜいたくだ。

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高森 郁哉

3.5リーアムおじさんらしい作品

2024年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

リーアム・ニーソンらしい孤高の殺し屋を演じた、2023年のサスペンス・ミステリー作品。リーアムおじさんの作品は、どうしてもこうしたこうした作品に落ち着くものですね。歳はそれなりに重ねてきたものの、相変わらず元気なアクションもみせてくれているのは嬉しい限り。 今回のリーアムが演じたのは、これまで完璧に仕事を熟し、闇の世界では名を挙げていた殺し屋アレックス。しかし、アレックスも歳には勝てず、アルツハイマー病を患い、記憶が正しく覚えることができなくなり、殺し屋からの引退を決意していた所に最後の依頼が届く。 そのターゲットとなったのが、少女売春を強要されていた13歳の少女。『子どもは絶対な殺さない』という信念を貫くアレックスは、依頼を破棄して少女の命を助けた。しかし、その少女は、その直後に別の殺し屋によって、銃殺されてしまう。これに衝撃を受けたアレックスは、少女殺しの裏に何があるのか、独りで調査を始めると、そこには大富豪が顧客なって、財閥が運営する少女売春と人身売買の存在が明らかになっていく。アレックスは、この組織を潰すために、孤軍奮闘して乗り込んでいくのだが…。 主演のリーアム・ニーソンを脇で支えたのが、FBI役のガイ・ピアーサ。『メメント』で体中にタトゥーを入れて、尖っていた若造だったのが、髪の毛もあがり始めて、こちらもオジサンの仲間入りしたと感じた。その他にも財閥の悪の親玉に、モニカ・ベルッチが務め、こちらも、顔の皺が目立つようになり、ドスの効いた女王様を演じていた。

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bunmei21

4.5「正義」とは「私自身」

2024年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

暗殺者にアルツハイマー病を掛け合わせた作品 ただ、物語上にアレックスのアルツハイマーが影響している部分は極めて少ない。強いて言えば、彼の「流儀」に反する依頼と病気の進行が、アレックスが行動する原動力になっているのかもしれない。 この作品は、 世界中いたるところで蔓延っている悪に対する解決手段の最終形態を描いている。 暗殺者にも「流儀」はあるのだろう。 13歳の少女などターゲットにできない。 アレックスは家系的な病気だと思われるアルツハイマーの発症を自覚、同時に暗殺の仕事を引退するつもりだった。 旧友のごり押しで引き受けたものの、まさかターゲットが13歳の少女だとは思わなかった。 彼は裏切り者とみなされ、その旧友が仕事の引継ぎと後始末を任される。 「悪の法則」 「カルテル」 アレックスが狙われるのはよくわかる。それがカルテルだからだ。 そして悪の象徴が「白人富裕層」 その女ボスがダバナ 不動産王 しかし、 息子の趣味のためにダバナが力を貸しているのは理解できるが、ダバナ自身の動機が見当たらない。 おまけにダバナは「寂しい」 「側近の誰も信用できない」 単なる組織の原動力 だが、 おそらくFBIの上司2名は、カルテルの「お世話」になっているのだろう。 ダバナに何かあれば、顧客情報の中に自分の名前があるかもしれない。 これこそがこの作品の「上司」の姿だろう。 最後の大どんでん返しは、マルケスの行為とリンダが囁いた祈り。 大勢の被害者が出たメキシコの人身売買で殺された少女たちへの祈り。 最後にできるのが「復讐」という悲しさ。 芋づるにはならないが、悪の根源を除去するための最後の手段。 これが現実なのかもしれない。 マルケスがメキシコで見てきた世界は、汚職まみれの汚い世界。 すべての組織が上層部でつながっている事実。 それは、アメリカでも同じだった。 マルケスは「仕事」を「使命」に置き換え遂行し続けた。 彼には異動も何もない。自分の「正義」を貫くだけ。 この作品はきれいごとを描いていない。 底辺で生きる者たちの最後の祈りのために描かれている。 以前、マイケルサンデル氏の「正義の話をしよう」が流行った。 生徒に質問を投げかけ答えを求める。そのケースごとに意見が分かれ、どちらがいいのか自分自身で考えることを求めるものだったと記憶している。 私は、正義とは「私自身」だと思っている。 今まで生きてきたバイアスに従って今を選択しているのが人だろう。バイアスとは、自分が信じる正義だ。 そしてみな自分が正しいと思うことをしているだけだ。その違いに対峙が起きるだけだ。 さて、 マルケスを支持し、ビンセントを無理やり連れだしたリンダも、腐りきった組織に対する最終手段に加担した。 それは、間違いなく彼らの正義の根幹だった。 アレックスはどうだろう? そもそもカルテルのために働いてきた。 雇い主は知らないが、白人富裕層の後始末が目的だ。 アレックスの「流儀」 それは、彼が人間としての尊厳のかけらを持っている証だろう。 その流儀に反することはできない。狙われる前に叩くだけ。 カルテルからは逃げきれないこともよく知っている。 だが、少女の人身売買の実態を知ったからには後戻りできない。 殺されるまでやる。 これがアレックスの「正義」 ビンセント 彼はアレックスに例え話をする。 彼の家族に起きた悲劇と、正義など保証されないと絶望した過去。 腐った組織 それでも一縷の望みを持ち続けている。 その蜘蛛の糸のように細くなってしまった望みの先に見た「復讐」という手段。 それは決してビンセントの考える「正義」ではない。 ただ、 リンダの祈りの言葉を聞き、「それしかなかった」ことを知る。 腐り果てた中にあった唯一の手段の実行。 その時ビンセントは、マルケスの心の痛みに初めて触れたのだろう。 彼がメキシコからカルテルを追いかけてきた理由を理解したのだろう。 そしてビンセントはもう一度自分自身の「正義」について考えることになるのだろう。 「正義など保証されない」と落ちぶれた過去 禁断の最終手段を使った仲間… 長期休暇を強いられた彼は、FBIでまだ自分が信じる正義を遂行できるか考えるだろう。 同時に「使命」についても考えなければならない。 しかし彼のような人物が一人でもFBIにいてくれるのを願うばかりだ。

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