MEMORY メモリー
劇場公開日:2023年5月12日
解説
アルツハイマー病で記憶を失っていくベテラン殺し屋が最後の仕事に挑む姿を描く、リーアム・ニーソン主演のアクション。
完璧に仕事を遂行する殺し屋として、裏社会で絶大な信頼を得ていた殺し屋のアレックスは、アルツハイマー病の発症により任務の詳細を覚えられなくなってしまい、引退を決意する。これが最後と決めた仕事を引き受けたアレックスだったが、ターゲットが少女であることを知り、契約を破棄。彼の唯一の信念である「子どもだけは守る」を貫くため、アレックスは独自の調査を進める中で、財閥や大富豪を顧客とする巨大な人身売買組織の存在を突き止める。
ニーソンが主人公アレックス役を演じるほか、「L.A.コンフィデンシャル」のガイ・ピアース、「007 スペクター」「マトリックス」シリーズのモニカ・ベルッチが顔をそろえる。監督は「007 カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベル。
2022年製作/114分/R15+/アメリカ
原題:Memory
配給:ショウゲート
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いつもながらのリーアム・ニーソン映画であることは確かだ。暗殺者の彼は並外れた強さを発揮し、人殺しという悪人でありつつ「エキスパート」なことに変わりはない。だがそこにツイストを少々。まずは主人公にアルツハイマーを発症させ、自らの記憶力が定かでないこと、この仕事も潮時であることを痛感させる。さらに自らの倫理や流儀を根底から否定するような出来事が起こり、彼の怒りの銃は依頼主や組織の側へ向けて火を吹くことに・・・。「007」シリーズなどを手掛けたマーティン・キャンベル作品なだけあって、剛腕監督ならではの気合いの入ったドラマとアクションが楽しめる。物語上の散らばった要素をまとめ上げる付近で演出の脆さと爪の甘さを露呈してしまうものの、普段はクセモノ役ばかりのガイ・ピアースの一直線で熱い演技が作品的な弱さを埋め合わせる。かくもニーソンとピアースによるデュアル構造の映画として見る分にはそれほど悪くはない。
2023年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
リーアム・ニーソンは舞台俳優出身で、キャリア前半はアカデミー主演男優賞ノミネート作「シンドラーのリスト」など演技派として鳴らしていた。だが、2008年に犯罪組織に誘拐された娘を単身救いに行く元CIA工作員を演じたリュック・ベッソン製作の「96時間」が大ヒットして以降、ニーソンが無双の活躍をするアクション映画がコンスタントに作られるようになり、気がつけばもう15年にもなる。現在70歳、近年はさすがにスピーディーな格闘シーンなどは減ったものの、狙撃手役を演じたり、本作のように認知症を患っている殺し屋だったりと、年相応の設定で身体的な負担を減らしつつ新味を出そうとする製作陣の苦労がしのばれる。
ニーソンが演じる殺し屋アレックスは、忘れてはならない重要な手がかりを腕にマジックでメモする。このくだり、クリストファー・ノーラン監督作「メメント」を思い出した人も多いのでは。同作で記憶障害を持ち妻を殺した犯人を復讐しようと素人探偵活動にいそしむ主人公を演じたのがガイ・ピアース。そのピアースが、この「MEMORY メモリー」では記憶障害の殺し屋を追う捜査官というひねった配役が面白い。なお、原作はベルギーの作家の小説で、2003年に同国で映画化され、今作はそのアメリカ版リメイクということになる。
モニカ・ベルッチも重要な役で出ていて、B級アクションっぽい話の割には共演陣もまあまあぜいたくだ。
2023年6月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
リーアム•ニーソンの作品のなかで96時間が最高だったので、比較してしまうと物足りなさが残る作品だった。
人身売買組織の黒幕と対決するというストーリーが単純であるのとアルツハイマーで殺し屋という設定がしっくりこない。
2023年5月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
歳相応の素晴らしいアクション俳優であるリーアム・ニーソンの新たなる役が際立っている。いくらタフガイでも、最強の殺し屋でも、人間であることには違いない。当然、病に倒れる。それを踏まえて作られた斬新なシナリオに面白さを覚えた。人間であるからには、病には勝てない。そして、死をもって、その生涯は閉じられる。その時の流れをリーアム兄貴は見事に演じた。老いたアクションヒーローを作り上げた素晴らしい功績に絶えることのない拍手を送りたい。出し尽くされたアクション作品ではあっても、こういうヒーローだって作れるのだ。
メメントのガイ・スピアーズも平行線を辿りつつも、裏主役的な重要な役を上手くこなしている。リーアム兄貴を見るか、ガイ・スピアーズを見るか、どちらも甲乙付け難い素晴らしい俳優である。
追記として、モニカ・ベルッチの美しい殺され方も白眉である。