アイ・アム まきもとのレビュー・感想・評価
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コメディなの?
笑えない。タイトルも演出もキャスティングもコメディ以外の何ものでもないし、そもそも阿部サダヲだし。主人公の描き方も雑で共感が難しく、あの映画の終わり方もどうかと思う。ラストで感動させようと試みたのだろうが、大半はどうだろう。感動どころか悲しむ人のほうが多い気がする。だってコメディでしょ?
牧本さん、あんた「頑張った、頑張った」
その雨は牧本さん、あなたが今までお見送りしてきた方たちが、あなたを忍んで流してる涙だよ。
本当に「頑張った、頑張った」。
ここまでは出来なくても、行政の中に、こういうお見送り係必要だと思うな。
発達障害?のまきもとさん自身が、フライパンからご飯を食べなくなる...
発達障害?のまきもとさん自身が、フライパンからご飯を食べなくなる。
ラストシーンも美しい。
辛い、でも、がんばったね
阿部サダヲの好演が光るというか、彼しかできない役だった気がする。
牧本は不器用でしがないけどひたむきな役所のお見送り係。性格もやや暗く、空気は読めないがとても愚直、その意味で彼がこのポジションを1人任される理由は察しがつく。
故人の無縁仏となった人たちのために、自費で葬儀をあげるという優しさをもち、それぞれの故人の写真や記事を切り取り、ファイリングする真面目さ。
そこへやってきた超効率重視の上長から、「無駄が多い」と一蹴されるというのが、資本主義で生産性重視の世の中を体現していた。
彼の暮らしぶりはまた質素倹約で、必要なもの以外は何も持たない。食事も本当に必要なものだけを自炊で作り、食べる。これもまた、彼の愚直な性格を表している。
そんな彼が、お見送り係を廃止される直前に最後のミッションとなった蕪木という男の疎遠になった家族、旧友たちを繋げ、葬儀を素晴らしいものにしていく。
そんな中で、牧本は交通事故に遭い、あっさりと死んでしまう。「がんばった、頑張った」と呟きながら…。
牧本自身が無縁仏として弔われるのを見て、最後までなんというか救われない気持ちになったが、意外と牧本みたいな察しの悪い真面目な人っているんじゃないか?とも思った。非常に面倒くさいタイプだし、理解されづらいけれど、実は誰よりも人のために生きて亡くなっていった姿に、いま社会の価値観の中での使いやすさだけで人を判断してはいけないな、と思わされる作品だった。
コメディじゃなかった
予告ではコメディかと思ったが、硬派な社会派映画だった。
遺族が引き取らない遺骨を、葬式をあげて見送ってあげたいと思う公務員のまきもとが奮闘する映画。
亡くなった人の過去を調べるうちに、浮かび上がってくる一人の人間の人格が切なさを感じさせる。どうして遺族が遺骨を引き取りたがらないのか、遺族は故人をどう思っていたのか。まきもとの執念が実っていく展開が熱い。
ただ、まきもとがどうしてそこまでこだわるのか映画では理解できなかった。何か強い動機があればもっと良かったと思う。
試写会満足度が高い作品、というのは、個人的には一般受けしない作品だ...
試写会満足度が高い作品、というのは、個人的には一般受けしない作品だと思っています。
そりゃ、試写会にまで足を運ぶのは映画好きである可能性が高く「理解」が全体になった評価ですからね。
この作品もそういった作品でした。
構成のうまさや、行為が結実していく過程を観るのは楽しかったし、まきもとの最後も、「ああ。こうするしかないよな」と納得のいくもので「映画」を楽しませていただきました。
かといって、映画にさほど興味のない家族や友人に勧められるかと言えばちょっと違う。
いい作品であることは間違いないので、元を取れていることを願います。
ほっこりしました。庄内の風景も美しい。
ちょっと不思議なまきもとさんに、普通に接する周りの人たち。
そこから生まれるギャップにクスッとしました。
市役所で反対される描写はもう少し深みが欲しかったけど、描きたかったのはそこじゃないってことですよね。
実話だったなら
実話だったなら、物凄く感動的なんだけど。
小説、作った話、ということだと思うので、
ちょっぴり残念。
故人のこと、孤独に最期を迎えた人のことを、
ここまで偲んでくれる人たちがいるなら、
世の中、もっともっと良くなるように思う。
あと、松下洸平さんが、声を荒げてるのが、
(私の彼に対する)イメージと違っていて、
すごく新鮮で、妙に人間味ある感じで、
良かった。
誰もが死をむかえる。その時、自分の回りには誰がいてくれて、誰が悲しんでくれるのだろうか。
水田伸夫監督作品は概ね軽めだと思う。
阿部サダヲと組んだ映画は4本目だと思うが、過去3作はすべて宮藤官九郎脚本のコメディだった。
他の作品も割りと軽めのイメージだ…と、言うほど彼の作品は観ていなくて、むしろテレビドラマの方が観ている感じがする。
テレビドラマでの彼の仕事は、坂元裕二脚本のシリアス系作品を連続して担当していたから、映画とテレビドラマではテイストを変えた仕事をしているように感じた。
でも、よくよく考えると、そのテイストの違いは坂元裕二と宮藤官九郎の違いであって、少し笑わせて、人情に訴えてくるあたりの演出手法においては共通してるのかもしれない。
少し調べてみたら、日テレの重役さんだったと知って驚いた。
誰もが疎ましく感じる空気を読まない人。そういう人こそ、常識人が咀嚼して飲み込んできたような「不都合」を明け透けに問い質して、常識人を改心させたり、人に癒しを与えたりする…という、世界共通で人々が好むファンタジーがある。
日本では「裸の大将」などが代表的で、『フォレスト・ガンプ/一期一会』という傑作映画もある。
本作もそういう種類かと、前半では感じた。
大きくは同じカテゴリーなのだろうが、牧本氏(阿部サダヲ)が癒したのは、死者だった。
彼は、孤独死した蕪木(宇崎竜童)の生前を追って色々な人たちに会う。行く先々で意図せず人々を救っていくなら「裸の大将」なのだが、彼はただ、孤独死した人を弔いたいがために身寄りを探して回っているだけで、会った人達を改心させたり救ったりまではしない。
結果的に、かつて関わりをもったある男が孤独死したなら、弔ってやるのも人情か…と、皆に感じさせたに過ぎない。
唯一、蕪木と絶縁状態の娘(満島ひかり)だけが、牧本氏のもたらす情報で過去を精算することができるのだった。
ここでもまた、阿部サダヲが素晴らしい。
いったい他の誰があの役をやれるのかと思う。もう我々は阿部サダヲに上四方固めでガッチリ押さえ込まれている。
脇のキャストもそれぞれに良い味付けをしてくれているが、やはり満島ひかりだ。彼女が画面に出てくるだけで、下手なことにはならないという安心感がある。
物語の結末は唐突だった。
蕪木の葬儀に参列した人々は、そこに来ない牧本氏のことを思わなかったのか…
牧本氏と腐れ縁の刑事(松下洸平)は、牧本氏が蕪木の葬儀をあげようとしたことを知っていたはずだが、その雨の日に行われていることを知らなかったのか…
結局、牧本氏をみおくってくれたのは、牧本氏がみおくった人達だったというエンディング。
本作はイギリス・イタリア合作映画『おみおくりの作法』のリメイクらしいが、オリジナルは未観賞。
オリジナルの最後はどうなのだろうか。
牧本氏のような人が職場にいたら、それは迷惑だと誰もが思っている。
おみおくり係を廃止させた新任局長が正しいと観客は知っている。
でも、銀幕のなかだけは、人としての正しさとか、理屈抜きのあるべき姿とかを尊重したい。そして自分も人情が分かる人間なのだと確認したい。そんな思いで観賞すると、心に残る映画だ。
そして、最後に宇崎竜童の歌声というプレミアムが付いている❗
ほどよいコメディ感
なかなかの感動作。でも人の死を扱う題材だけれどそんなに重くないのは、ほどよいコメディ感があるから。阿部サダヲさん演じる主人公の牧本のユニークなキャラクターにところどごろ吹き出してしまいました。
しかし、この秋の〈邦画 遺骨三部作〉(勝手に名付けました)、どれも良かったなあ。
「川っぺりムコリッタ」☆4個
「マイ・ブロークン・マリコ」☆4.5個
「アイ・アム まきもと」☆4個
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