百花のレビュー・感想・評価
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老いの物語りを美しく撮ると言う神技
いやぁ「神技」ってのは言い過ぎかも知れませんが。そう言いたくなるくらいに良かったです。TVドラマじゃ出来ない、まごう事なき「劇場用映画」。そこが良い。
長回しのオンパレードです。間があります。情報量は最低限。いずみと直接の関わりの無い部分はザックリ削ぎ落とします。無駄に喋りません。劇的な展開は有りません。起承転結の爽快感で映画を観る方には不向きです。
「捨てられた」と言う強烈な体験が、母親との思い出に蓋をしていた男。母親と眺めた「半分の花火」の事も、「ウチが一輪挿しになった理由」も忘れていました。対して。混乱していく記憶の中でも大切な思い出は消えていなかった母。記憶と忘れると言う事、を軸にした母子の物語りは、小さい小さい小噺程度の出し物。劇的な展開も、華々しい感動もないけど、ゆっくりゆっくり染みて来ます。
川村元気が自ら監督したのは、この脚本で受けてくれそうな人が居なかったからなんじゃないかと勘繰ってしまうくらいに地味でしたが。
良かった。
かなり。
と言うか、好き。
まぁ、いずれにしてもですよ。
メイクって魔法だよー!
ってのは思いましたw
言葉足らずですが…
昔しまい込んだ過去を思い出し
…あの時、親に辛い思いさせられた。
フラッシュバックしてみたり?
親になった自分に
自分自身は忘れてしまったけど、子供に辛い思いをさせてしまった事があるんだろうな。など…
言葉が足りず上手く表現できていません、色々自問自答しました。
観た感想は不完全燃焼というのが本音です。
演技も映像も綺麗で懐かしい役者さんもいましたし…見応えはありました。
本心…涙活で観に行きました。^ ^
泣けませんでした。
共感できませんでした。
残念です。
自分自身が、子供を置いて出ていく生活の経験がないため共感が乏しく菅田さん役の泉が、子供の頃に受けた傷、母との関係を修復したところの説明も不足に思え
それが、修復してないままの本編なんかな?
合ってるかな?
大人になった泉が幸せだから、母を愛せたのかな?
親が1年後?自分の元に帰って来たからと言って、子供は何事もなく母と平和に生活できるものなのかな?
私は許せないな、反抗したい。
しっくりこない。
感動した方申し訳ない。
言葉足らずです。
いま元気な人に、見てほしい
忘れる恐怖と、忘れられないこと
1月に同じ感じで母を、亡くしているので涙は出なかったが、親をかかえているか人は覚悟が必要だとわかる
親も普通の人だと
【”罪と罰、そして赦し・・。”母子の複雑な関係性及び息子の母に対する想いの変遷を菅田将暉さんが、抑制した演技で魅せる作品。今作は哀しき物語ではあるが、柵を克服し、人を赦す大切さを描いた作品でもある。】
ー 若年性アルツハイマー型認知症に罹患した母は、僕に”半分の花火が見たい”と言った・・。-
◆感想
・ストーリーは、泉(菅田将暉)と母、百合子(原田美枝子)の現在と泉が小学生時代だった時を交互に、見せながら進む。
ー 今作は、泉と百合子の母子の過去と現在の関係性を8割がたの時間を割いて描いている。
そして、泉の妻、香織(長澤まさみ)と、百合子が一度だけ、生活を共にした浅葉(永瀬正敏)の4名で主要登場人物は構成される。-
・物語のトーンは、抑制されており、又、母、百合子の泉が小学生時代の一年間の”逃避”をどう見るかで、感想は変わって来ると思われる。
百合子に対するどこか、よそよそしい接し方をする泉の姿。
ー 個人的には、百合子の行動は許されるべきものではないと思う。
彼女の行動により、泉は心に深い傷を負ったのであるから・・。
更に言えば、浅葉と出奔した理由が、ピアノ教師と生徒の関係から、”同じ曲が好き”と言う理由だけで、愛息子を独り置いて行くだろうか・・、とも感じた。ー
・泉が母の部屋で見つけてしまった手帳。内容は映されないが、泉は内容を読み、吐瀉するシーン。それ程、泉にとっては衝撃的な事が書かれていたのだ。
ー ここは、百合子が浅葉と暮らしてた時に再会した旧友(神野美鈴)と喫茶店で、話している時の旧友の言葉”離婚なんか出来ない・・。子供がいるから・・。だから心の想いを手帳に書いているの。”という台詞とそれを聞いた百合子の表情が、効いている。ー
・そして、泉が百合子に対して、”あの時、何で俺を置いて行ったの・・”と血を吐くように言う姿。更に”忘れてるんじゃねーよ”と、荒々しく母に涙しながら言うシーン。
ー 菅田将暉という、俳優の凄さを改めて感じたシーンである。-
・ラストシーンも、印象的だ。ほぼ放心状態の母と息子が一緒に花火を見るシーン。
花火の下半分は、前の建物で隠れて見えない。
その前にも、妻が調べてくれた”半分の花火”のシーンがあるが、観る側が真の”半分の花火”が分かるシーンである。そして、泉はそれまで抱いていた柵から解き放たれ、確かに百合子に愛されていた事(一輪挿しのシーンなど・・)を思い出すのである。
そして、既に泉の事が分からない筈の百合子は、施設の近くのバス停で、泉を深く抱きしめるのである・・。
■私は、このシーンは百合子の泉に対する”詫び”と”愛しているんだよ・・”という、無意識のメッセージとして鑑賞した。沁みたシーンである・・。
<人間は”魔が差す”ことが偶にあると思う。それは、”大きな魔”であったり、”小さな魔”であったり・・。
今作は、母の犯した”大きな魔”により、深い傷を心に負いながら育った青年が、”半分の花火”を母と観る事で、確かに母に愛されていた事を思い出し、母を”赦す”切ない物語である。>
静かな展開だからこそ、俳優の力量が試される映画
静かで、光量の少ない映画です。ですが、ポイントでぐっとくるものもある映画です。暗さの中に、はっとするシーンがあります。最後のクライマックスは記憶というあやふやなものの本質をついているような感じもあります。
健康な人間はしっかり物事を記憶していると思っているけれど、記憶というのは自分の置かれた状況によって意味合いが様々に変わり、読み替えられていく。認知症を患った母親と、許せない記憶にすがる息子の対比で、記憶に生きるひとの在り様を描いているんだなって思いました。
こういうアクションの少ないカット、カメラワークの静かなカットは、まさに俳優の演技が映画の出来不出来に直結すると思います。その意味では、原田美枝子ってすばらしい女優だなって思いました。最後の施設でピアノを弾いた後に見せる表情。あれは難しい。誰に向かってはっきりどのような感情を出しているのかさえ、わからないというシチュエーションを演じた見事な表情です。
菅田将暉も、涙のシーンはほんとうに感情移入できるし、最後のシーンはさすがにここぞという締めのシーンを演じ切ってます。この二人の俳優の力を感じる映画でした。尚、長澤まさみの妊婦姿みれるのもレアです。
#66 私には良さがわからなかった
母と息子の記憶と互いに対する想いの違いを描いているんだろうけど、私には良さが全然わからなかった。
子供よりも恋を選んだ母を延々と恨んでる息子も、ひたすら誰かに頼って生きてる母親も全然共感できない。
唯一共感できたのは、人は忘れるから生きていけるってこと。
良いことも悪いことも全部覚えてたら頭がパンパンになって新しいことを覚えられないし、何より嫌なこともずーっと覚えてたら気分悪いもんね。
そういう意味じゃAIに生まれなくて良かった。
ちょっとむずかしい
いろいろ考えさせられる
自分に置き換えたとき 果たして菅田将暉のようにできるのか
辛い記憶が勝るのは当然 その中に思い出があったとしても もう一度みてみようおもう また違う感情になるとおもう
認知症って…居心地わるい
認知症を体験しているかの様な
何とも居心地がわるかった
周りを暈してピントがズレた感覚
何度も同じことを繰り返す映像
感情が入っていく時に
バッサっと場面が変わって
感情の行き場が失くなる
もっと落ちついた気持ちで観たかった
湖面に写る
…半分の花火はとっても綺麗
湖面に写るので大輪の花火に見えた
余談…息子夫婦が会いに来て帰る場面
バス停で母が息子を抱きしめる
シーンは感動
認知症の母は記憶の薄いなかで
息子の小さかった頃の
…泉をさがして
また息子、泉は認知症になった
…母をさがして
さがしたふたりの思い出は
ビルで半分しか見えない
…半分の花火だった
「記憶」を巡るせっかくの仕掛けが機能していない
劇中、記憶を詰め込みすぎたAIの歌手の失敗によって、「忘れることは人間らしさでもある」ということが語られるが、確かに、人というのは、自分にとってインパクトのあること以外は忘れてしまうものなのだろう。
その点、認知症になった母親が、最後までこだわった「半分の花火」と「一輪挿し」が、彼女にとって最も大切な記憶であったということはよく理解できるし、息子がその理由を知って、自分に対する母の愛に気付くという物語の構造にも納得できる。
しかしながら、そこに持っていくまでの物語の流れには、違和感や不自然さを感じざるを得なかった。
例えば、母の日記から、母が愛人と駆け落ちした状況が明かになるが、そこでは、母の心情が語られないし、一人残してきた息子を心配する気配もない。さらに、阪神大震災が起きなければ、母が息子の元に戻ったかどうかすら分からないのである。そんな神戸のエピソードには、本当に必要だったのかという疑問が残る。
物語の核心とも言うべき「半分の花火」にしても、息子が覚えていなかった(忘れていたのを思い出した)というのは不自然だし、「一輪挿し」に至っては、息子が思い出したのかどうかすら明かでない。
こうした語り口から、母が大切な記憶以外を忘れていく一方で、息子が大切な記憶を思い出していくという仕掛けが、十分に機能しているとは思えなかったのは残念だった。
花火も記憶も半分
1人親に1人息子の寂しい物語だった。認知症の母に、昔捨てられた記憶の闇から解放されていない息子。
ある日突然に母の認知症が始まり、そして現在と過去を交互に物語は巡る。
共感は出来ないけど、なんだか息子が寂しい。
母は女であり、やっぱり母親でもある
どっちかと言うと、息子より母親に共感してしまった。
天真爛漫に見える部分はあるが、いつだって、子も思っていたよね。
実際に、結構こういう家族図ってあるんだろうなって思ったりした。
歳をとった人向け
友人の母親がホームに入所した。
アルツハイマーの症状が出始めた彼女は「早く死ねばいいと思ってるんでしょ」「邪魔なんでしょ」などと返事のしようがない憎まれ口を叩き続けてるらしい…
ちゃんちゃんこが目前となった私もボケるんじゃないかな⁈って思う事が多々ある。
ついさっきの事を失念したり同じ事を繰り返し口にしてみたり…
共に多くの時間を過ごして来た子供としては居た堪れないなと。
大手の代理店に勤めて素敵な同僚と結婚。順風満帆を絵に描いたような菅田くんの役どころだけに苦しさも大きい。
逃げ出したくもなるよね。
原田美枝子の焦点の定まらない視線が上手いなと。
焦点が定まらない故考えが読めない怖さが伝わります。
ただ若い人が観てもつまらないだけの作品だと思います。
エンタ色の薄いドキュメントに振った作品。
原作読んだ方が楽しめたかな?
普段から映画を観ない人には薦めないと。
母と息子が愛を取り戻す物語
完成披露試写会にて
劇場予告で観た時は母親の認知症の話だと思っていましたが、息子が母親の愛を取り戻す素敵な映画でした。
余白と音楽も良くて、長塚圭史さんや河合優実ちゃんなどちょい役が豪華です。
舞台挨拶では坊主姿の菅田くを拝めたし、長澤まさみちゃん相変わらず綺麗で可愛いし、永瀬正敏さんはおとぼけ具合が面白かった。
原田美枝子さん素敵でした。
半分の花火
満開の桜舞い散る春に、家族だけで見送った母を思い出しました。
年月の流れとともにすっかり曖昧になってしまった母との思い出…それが鑑賞3日目あたり、胸の奥に仕舞い込んでいた箱から次から次へと飛び出してきて戸惑っています。
きっと本作が記憶の箱を開ける鍵になったのかもしれません。
本作は私にとってまさに「見るべき映画」でした。
菅田将暉さんと原田美枝子さんという最高の組み合わせ。
親子役が本当に素晴らしかった。それにとても難役でしたね。
小説家としての川村元気さんが好きで作品は必ず読んでいますが、いよいよ映画監督デビューということで長澤まさみさんはじめ今村撮影監督など、最強のキャストとスタッフが名を連ねていました。
生きていれば間違いや後悔もある。楽しかった記憶より辛かった記憶の方が痛烈で心に刻まれがちですが…
一番最期に何をもって逝きたいか?
何を大切な人に遺したいか?
…そう問われた気がしました。
親子が愛を取り戻す美しい物語。
大スクリーンでぜひぜひ。
おまけ
Netflix配信中の原田美枝子さん製作の短編も鑑賞しました。
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