さがすのレビュー・感想・評価
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佐藤二朗を侮るなかれ
近年、おもしろアドリブおじさんみたいになってる佐藤二朗はやっぱりいい役者なんだと再確認できる作品。
タイトルの「さがす」の意味がそれぞれの登場人物にあって奥が深い。
舞台が大阪ミナミの一番ディープな土地なのも良かった。サブキャラ達はちゃんと関西人顔の役者でわかってるな感があった。
展開はまったく想像がつかなくて楽しめた。
こういうのが映画だなと思う。
ほんと面白かった。
何をさがす
語られる視点が変わるごとに、真相が明らかになっていきます。
佐藤さんの、やっぱり笑いを取りにいく演技。
ムクドリさんとのやり取りが良かったなあ。楽しさと哀しさと。
フィクションなので、あり得ない展開もいっぱいあったけど
死んでしまいたいとか、死んで欲しいなーとか、
やっぱり死んで欲しくないとか。
そういう人には言えない気持ち、よく分かる映画でした。
そして、やっぱり清水くんはいいわ。彼のサイコパス感が好きです。
楓ちゃんが見つけたものが、何だったのか。
そこに希望や未来はあるのか。
俳優さんたちの表情が
悲哀に満ちていて素晴らしかったです。
ハンマー
冒頭のハンマーが鮮やかな伏線。あのシーンをよく覚えておけば展開は予想できたはず。
語られる視点が変わることによって、どんどん真相が明らかになっていく系映画。
父親のズボンや携帯、同姓同名の男など、視聴者のミスリードを誘う演出が多数。普通の映画だったら、これで終わるところをラストにもう1展開ぶっこんできた。
終始ハラハラドキドキ
最初の展開に驚き最後の展開にも驚きました。
親子ってこういうものなのかな。
結果どんな時もお互いを思う優しさがあるんだよな。
終始手に汗握りました。
ちょっと韓国映画っぽい雰囲気もあって
私はすごくすきな世界観でした。
みてみてください。人に勧めてます。
なんだこの構成。
なんだこの芝居力。
なんだこの序盤のインパクト。
なんだこの終盤の緊迫感。
終わった後の、この気持ちは整理がつきません。
喜怒哀楽のどれでもないこの気持ち。
ゆくゆく説明できるといいなと思っています。
よくがんばったで賞
特にこの作品を観ても何も感じる事がなかった。
父と子の親子愛を描いているようですが、見終わっても全然スッキリしないし、モヤモヤした感じがあります。ただ作品としては色々頑張ったんだろうなと思える作品ではありました。が、冷静に見ればつまらない作品です。
ちょっと前に本当にあった殺人事件を元ネタにしてるんだろうなと思いましたが、それが安直すぎて気持ち悪かった。
あえて無理して観る必要性は感じない作品です。佐藤二郎の演技も複雑そうで単調な感じがちょっとだけ飽きます。
キャストがかなり絞られているので、全体的にそこまでお金がかかっていないように感じました。予算が少ない中でお客さんを飽きさせないように頑張っている。といった感じでした。
安易にグロテスクにしたり、人を走らせたり、頑張ってはいますが、なんとなく全体的に中途半端感がありました。
佐藤二郎を応援したい人は観てもいいですが、サスペンス要素も薄いのでそこまでドキドキもしないので、残念でした。
お見事‼︎
やはり鬼才ですねー片山監督‼︎
岬の兄弟も凄かったですが今回ので作品もやられました‼︎ とにかく観て欲しいです!
ヒューマンサスペンスとなってましたが気を抜くとグロさありでハラハラドキドキ!
娘役の女優さん演技上手くて可愛くて今後が楽しみです。佐藤二郎さんもずるいなぁ、この役ハマりすぎ!
次の作品も楽しみにしてます♪
複数のジャンルをミックスした構成
【鑑賞のきっかけ】
本作品は、映画ファンの間で評判が高いのは知っていたものの劇場での鑑賞は逃していた作品。
今回、動画配信が始まったので、早速、鑑賞してみました。
【率直な感想】
<どんなジャンルの映画なのか?>
題名が「さがす」であり、公式HPなどのあらすじからすると、父と娘の二人暮らしのところ、佐藤二朗演ずる父親・原田智が失踪するお話。
失踪ものは、ミステリのサブジャンルとして定着しているものなので、「ミステリ」作品か?と思いつつ鑑賞開始。
冒頭、男の姿が、リストの「愛の夢」のBGMが流れる中、映し出されます。
私は、このシーンは重要なのではないか、と感じました。
「ミステリ」作品であるとするならば、本編が始まる前のちょっとしたシーンに、後の展開で重要となる事柄(いわゆる「伏線」)が潜んでいることが多いからです。
本作品でのこのシーンの意味合いは、このレビューでは敢えて触れません。
さて、本編が始まると、父親が早々に失踪し、娘が彼を必死に探し始めることで、やはり「ミステリ」作品と感じられる展開となります。
じつは、あらすじ紹介には触れられていないのですが、本編開始直後のシーンで、原田智がスーパーで万引きをしてしまい、娘が身柄を引き取りに行くのです。
結局、商品が低額だったので、代金を支払うことで店との示談が成立し、帰宅を許される。
これはその後の展開として重要です。
つまり、父親の失踪届を警察に提出するが、「事件性」がないということで、捜査はしてくれなさそう。
娘は、「事件性」を探り当て、警察に訴えるが、真面目に取り合ってくれない。
なぜなら、失踪した父親は万引きをしていたから。
犯罪者なので、優先順位は低いということです。
これで、この物語は、「ミステリ」ではあるけれど、警察が介入してこない中での、「父親探し」の物語となるのだ、と感じました。
<多様なジャンルを包含>
さて、上記までだと、本作品は、「ミステリ」作品となる訳ですが、じつは、失踪の直前、父と娘のやり取りの中に、親子ならではの、心の交流が描かれ、「人間ドラマ」としての要素も取り入れていることが分かります。
また、時間軸を遡り、現在は、一緒に暮らしていない、父・原田智の妻との心の交流が描かれるシーンが展開し、ここは、「シリアスな人間ドラマ」になっているのです。
さらに、あらすじ紹介で想像がつくと思われますが、「サイコ・ホラー」を思わせる展開も用意されています。
このように、本作品は、単純な「ミステリ」作品ではなく、「人間ドラマ」などの要素も取り込んだ、ミックスジャンル的な作品であるということができると思います。
<評価の難しい点>
それでも、後半は、「ミステリ」作品の要素がどんどん強くなっていき、特に、ラスト30分くらいになると、意外な展開が連続し、この作品のオチは果たして?という見どころ満載のものとなっていきます。
この辺りは、本作品が高く評価されている理由だと思われ、私も評価したいです。
しかし、私としては、「人間ドラマ」パートが、「ミステリ」パートを純粋に楽しむのを妨げてしまったように感じられ、少し残念な気持ちを抱いています。
つまり、物語展開が意外であればあるほど、前半で描かれていた人物像と乖離していってしまう。
特に、主人公の父・原田智の選択した行動は、とても意外であったけれど、では、この人物の真の姿、本音としての人生観、世界観は何だったのだろう?
そんな疑問が生じてしまい、それが解消されないままラストを迎えました。
【全体評価】
「ミステリ」「人間ドラマ」「サイコ・ホラー」とそれぞれの要素が強烈なインパクトで観客を惹きつけるという点では優れた作品と思いました。
先述の「前半で描かれていた人物像と乖離」という部分は、原田智の人間性が様々な出来事の中で変化した、つまり、そういう人間の心の移り変わりがテーマと捉えることも出来るかとは思います。
ただ、私は、ネタバレになるので書けませんが、ストーリー全体を通してみると、その心理状態にどこか腑に落ちないものを感じてしまい、主人公の気持ちに完全により寄り添うことはできませんでした。
この点が、少々残念な部分でした。
佐藤二朗を見直しました。
自分は福田雄一作品のあの独特なお笑いが苦手で佐藤二朗はその演技のイメージがあったのだが、この映画で超一流の俳優であると気付かされました。伊東蒼ちゃんもやはり演技がうまかったです。とにかく俳優の演技がうまい映画です。映像や音も映画に緊張感を与えていて良かったと思いました
物語においては切なさもありつつ考えさせる要素もある。ただの殺人映画と思って敬遠しないでぜひみてほしいです。
切ない
伊東蒼さんと佐藤二郎さんの掛け合いが本当の親子にしか見えずとても印象的だった。そして、だからこそ切ない。大阪を舞台にした作品だが、佐藤さんはほとんどコメディなしのストレートなお芝居で、改めてお芝居の技量の高さを感じた。また、若くしてそれを受け止める伊東さんも素晴らしかった。最初から最後まで終始引き込まれるような作品だった。
【「さがす」の意味が深い。ラストまで目を離せない物語構成に魅せられます】
・2022年公開の日本のヒューマンサスペンス映画。
・金銭的な苦労をしながらも仲睦まじく生活する父 智 と娘 楓(中学生)。ある日、智は「電車で300万の懸賞金がかけられた連続殺人犯をみかけんた」「そんな金があったらなぁ」と楓に伝える。しょうもない、と聞いていた楓だが、翌日、智が失踪。困った楓は父を探し回っていると父の働く日雇い現場で父と同じ名前で働く連続殺人犯が。一体何が起こったのか。その真相と父の居場所を見つけるべく、楓はさらに探し回ることに。父は一体なぜいなくなったのか。一体どこにいるのか… という大枠ストーリー。
[お勧めのポイント]
・「さがす」の意味が深い
・智(佐藤二郎さん)、楓(伊藤蒼さん)の演技が抜群
・読めない物語展開に引き込まれる
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[物語]
・この作品は大きく2つの軸で楽しめました。一つ目は、父 智は「なぜ失踪したのか」「どこに行ったのか」というミステリーに近いサスペンス要素。そして、もう一つは、「さがす」の意味。シンプルな言葉であり、それがタイトル。だからこそ、観客としては「単純に父をさがすだけではないだろうなぁ」と深読みしながらその趣旨を探ろうとします。真意不明なまま鑑賞し、ラストで「さがす」意味がはっと分かると「ふ、深い…」と感嘆。しかも、論理的には明示せず、もう一度物語を観て考察をしたくなるように作られているのです。他の人にも意見を聞きたくなる横に広がる映画でした。
[演出]
・靴底のガムを取るシーン、ラストの卓球のシーン、とても印象的に演出されています。ここに片山監督の哲学が隠れているような気がしました。その哲学を観客に対して、台詞や文字にはしないまでも、映像シーンとして「魅せている」ところも好きです。暗示がすぎる演出だと読み飛ばしてしまうことが多々あります。が、「これ」とは言わないまでも「重要だよ」とわかりやすく提示してくれる演出のように思いました。
・そういう意味では、哲学的でありながら、わかりやすく演出されている映画、だと思います。
[映像]
・泥臭く生きる大人、未来に希望ある子供の雰囲気が共存したような映像に感じました。小汚い智の半面、妙に小奇麗な楓。その2人を取り巻く周囲もそのように構成されているようで、泥臭い世界に透明純粋なものが入り込んでいくような映像に感じました。
[音楽]
・際立って感じたことはありませんでした。
[演技・配役]
・佐藤二郎さん、評価分かれそうですね。笑 個人的には凄く好きな演技でした。普段、求められているシュールな笑いを生み出す演技の90%が封じられた状態でシリアスな演技です。ですが、残りの10%分がそのシリアスさと非常にうまく絡み合って、リアリティが生み出されているように感じます。佐藤二郎さんに対する固定観念がない方なら、一気に引き込まれると思います。佐藤さんの演技を観るときに、どうしても邪魔された個人的な固定観念は「遠い目をするとき(はシュールな笑いを演出する方法と捉えてしまう)」でした💦
・楓役の伊藤蒼さん、凄いですね。私は初見の方でした。苦労の中でも明るく生きている関西系女の子をはっきりと魅せてくれます。彼女たち親子の境遇の中でもつつましい幸せを感じながら生きている希望を感じます。にもかかわらず、ラストで見せる深く思慮的な行動。なんでも発言する子が、多くは語らずに、心で父と会話する。なんて聡明な子供なんだ…と驚嘆です。
[全体]
・ミステリアスなサスペンス。そして、「さがす」の意味。とても見応えのある映画でした。
・見終わった後に、自身の日常生活に落とし込んだ哲学、のようなものはありませんでした。しかし、この物語を「なぜこのように構成したのか」「彼らは何を思い、どんな行動をしたのか」という哲学はしっかりと感じ取ることができました。そういう意味では寄り添う共感、というよりは趣深い物語を傍観するイメージです。にもかかわらず、面白い。映画館で観ても「よかった」と思える映画だと思いました。ありがとうございました。
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