鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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こういう良作が埋もれずに日の目を浴びて大ヒットになったのは嬉しい。
公開されるや否や、瞬く間に口コミが広まって予想外のスマッシュヒットとなった作品。
「ゲゲゲの鬼太郎」という作品は、改めて不思議なバランスの作品だと思う。
タイトルだけなら、誰でも知っているレベルのネームバリューだとは思うが、ちゃんと観たことがある人となると一気に数は減るのではないだろうか。
しかも一応、子供向け作品ではあるが、グロテスクな描写やホラー表現も多いため、そういう意味では大人向けである。PS版のゲームがトラウマ級に怖いのは知る人ぞ知る話。
アンバランスなようで、それが逆にバランスが取れていると言う妙な有名作品である。
しかも本作は、その鬼太郎が主人公ではなく、その父親の話ときたものだ。
大傑作とまでは思わなかったが、「ゲゲゲの鬼太郎」ってよく知らないしー、という先入観で忌避してしまうのはもったいない一作。
おぞましさと、えぐさのオンパレードだったが、大人の鑑賞に耐え得る面白い作品だった。
どの層?
最後までどの層にむけた作品なのかわからなかった。が、面白かった。
面白かったし、内容もあった。
ゴジラマイナスワンの影として、こういう日本の戦中戦後の闇を描いた映画という役割はわかる。
鬼太郎というコンテンツを使い、金田一や京極堂のようなミステリーへの入口としてPG-12というのもそうだろうと思う。なるほど中学生くらいが、グロテスクだったり、エロティックだったりするものとミステリー的な仄暗さに触れるにはちょうどよい味付けにみえる。
だが、悪役が陳腐過ぎやしないか。
水木の語る戦中の上官にはリアリティがあった。
だがラスボスが映画中の嘘をすべて引き受ける大悪党として描かれてしまうのは、蛇足のように思えた。
良ではあるが秀ではない
劇場版 名探偵ゲゲゲ 龍賀一族の不死薬(エリクサー)
呪術ゲゲ戰
陰陽師ゲゲゲ
と、てんこ盛りな映画だった。
アニメ作画のクオリティさすがだ。
キャラの絵柄が現代版鬼太郎で綺麗だが
死に方のエグさグロさが強烈
まぁ、絵のライトさでグロさを緩和してるのかもしれないが。
ストーリーの根幹は妖怪が出てという単純なものでなく
怨念や《呪》の類いで、鬼太郎を観てる感じではなかった。
陰陽師や呪術廻戦っぽい。
ゲゲ朗時代の目玉のオヤジがカッコいいが
目玉のオヤジの性格と違いすぎる感も…。
ストーリー、オチ、鬼太郎の誕生秘話としての繋がり、どれをとっても悪くはない。
良ではあるが秀ではない。
綺麗にまとめようとしすぎたかなぁ…
もう少し尖ったとこがあっても良かったかなというのが個人的な感想。でも面白かったです。
猫娘が現代的作画で可愛くなりすぎた違和感から最近の鬼太郎は観てないが、これを機に今の鬼太郎も観てみようかな
ゲゲゲ
水木ぽさは薄かった。犬神家っぽい設定。スケキヨはでないが似たような白メイクが。エンディングで流れた鬼太郎か墓から出てくるシーンの箇所を重点的にとやるものと思っていたので、何か違ったものを見た感じ。近年の鬼太郎は絵も今風に寄せていて、水木作風のオドロオドロらしさが皆無で、私はこのネコ娘が良いとは思えない。
どこかで見たようなドラマと、なんかゲームっぽいアクション。個人的にはこれじゃない感が消えなかった。
特にフックがない。サスペンス的勧善懲悪劇。
内容は、水木しげる原作ゲゲゲの鬼太郎誕生の謎についての創作話。舞台は終戦後間もない隔離された村と有力者の一族跡目争いとゲゲロウ事鬼太郎父(名前は一体?!)と主人公水木との話。血液製剤Mとは?哭倉様とは?龍哭とは?狂骨とは?謎が謎を呼び閉ざされた村で生き残りをかけた悲劇の幕が上がる。
印象的な台詞は、『怨念を引き受けよう。我が子が生まれる世界ぢゃからな。それに友よ主が生きる未来この目でみとうなった。』ゲゲロウ事鬼太郎父の最後の決め台詞。物語の流れと思いが乖離されていて言葉遣いの違和感を感じた。水木と言ったり主と言ったり呼び方もまちまちで主格の定まる所が無いのが残念。ゲゲロウ最後まで名前無かったなあ。CV鬼太郎の父だったのは腑に落ちません。犬神家の一族の様に沢山人が出るので難しい上に余計に混乱する。
印象的な場面は、犬神家の一族の様な大広間での謁見の場面。畳の縁が白中紋を使っていたのが凄かった。細かすぎるが美術が凄い。しかし内容がある様で無いようなのが残念です。サスペンスの醍醐味の動機や理由が薄っぺらいのが勿体無いと感じました。
印象的な立場は、冒頭の終戦間もない東京と帝国血液銀行の社屋と不死薬Mの関係性が、そのままヒロポンや緑十字や関東給水軍731石井部隊の様で生々しくもリアルで洒落になりませんでした。
物語が、妖怪や物怪の類を主題とするだけに理屈が通るようで無茶苦茶過ぎて疲れました。人間族と幽霊族とは長田家と哭倉家と水木との複雑すぎる盛りすぎの内容を106分ではキツい気がしました。都合よく終わらせてしまい謎が尽きません。特に最後の怨念を引き受けようとの気分には1人で解決するご都合主義には不満募ります。全体に怖く見せようとする事に拘りすぎ脚本や演出に無理あり何が言いたかったのか分からない。最後のエンドロールだげでよかった様に感じました。
評判だったので劇場に行こうか迷った作品。時間が合わず行けなかったが...
評判だったので劇場に行こうか迷った作品。時間が合わず行けなかったが、早速アマプラで鑑賞できるとは。劇場の価値がやや心配(笑)
目玉オヤジ、かっこええやん。脚本が秀逸。ちゃんと水木作品の鬼太郎誕生につながっている。それとも、原作自体にこの話があった?漫画で読んだ記憶はないが。
とにかく良かった、大人向け鬼太郎、いや目玉オヤジ(笑)
犬神家の一族そっくりすぎ。ドラッグがうまく活かせていない。
オマージュと模倣を考えさせられる映画作りです。1976年の市川崑監督「犬神家の一族」と舞台設定も雰囲気も演出もキャラクターそっくりです。私としては戦後の雰囲気を調査し演出し脚本に落とし込み考証し…という手間を省くために模倣した、という風に見えてしまいました。もちろん制作者の意図がそこにはないのかもしれませんが、受け取り手としてはそう見えてしまうくらいの類似性でした。
で、水木しげる氏というのは戦争で生死の境をさまよった結果、達観し生死を超越することであちらの世界と通信できるようになったシャーマンです。主人公の名前を水木と名づけることによって水木しげる像がちょっとゆがめられている気がしました。
また、Mとはヒロポンです。その意味するところは兵士から企業戦士へ。家族と権力利益。そういうテーマがあるようで話が妖怪大戦争と復讐譚になっているのでどうも戦後の復興と何かを重ねているように見えません。
作画は素晴らしいと思いますが、しかし全体として創作物か?と言われると、なんとなく名前も映像表現も他から借りてきた、水木しげる氏の鬼太郎とは似て非なるものに見えてしまいました。
興味本位で見てみましたが…
鬼太郎生誕というタイトルに惹かれて鑑賞しましたが、思ったより楽しめないストーリー展開でした。
最後のエンドロールまで見て、ようやく満足できる作品なので、最後の最後までお見逃しなく!
そして、どうして目玉の親父になったのかもわかります!
結構エグい
鬼太郎を見るのが何十年ぶり?昔、チラッと見たのが人間の女の子がヒロイン的ポジションになってるので「なんで?」って思って以来か。
前半、横溝正史的雰囲気から妖怪ものへ。
設定が結構エグい。沙代の事も伝奇ものだと割と有るけど、それを鬼太郎にやるとは思わなかったな。
しかし、鬼太郎両親は自力で村から離れて水木の近くに隠れ住んでたんかな?
猫娘、美少女に違和感。
ちゃんとつなげてる
ちゃんとつながってる、じゃなくて、ちゃんとつなげてる。
この意味は、製作者が意識的に鬼太郎誕生の前話と漫画版の誕生を
つないだってことだ。
つながってる、はどこか偶然感。
つなげてる、は意図的・恣意的・計画通り。
映画は祟り・呪い・奇習・集落・穢れのような
人の中にある爛れた感情がぐっちゃんぐっちゃんにうずまく。
見て損はない。
鬼太郎で最も好きな作品かもしれない
昭和の雰囲気漂う孤立した村を舞台にした良作なサスペンスを見ているようだった
主役の水木が村を訪れるところから随所に伏線が散りばめられ、どっしりとしたストーリーが伺える
大人向けの残酷な描写もあり、昔から鬼太郎を見ている世代でも満足できた
しっかりと怖さと醜さを見せてくれているのが良い
終盤に向かうとアクションも激しくなり、緩急の切り分けが見事
見たい物もバッチリと描いてくれ
鬼太郎の父親の活躍や鬼太郎誕生までの物語が90分に収められ、満足度の高い作品に仕上がっているのが、制作陣の愛を感じ取れた
面白かった
ゲゲゲの鬼太郎ゼロ。壮絶な南方の戦争を生き残った水木しげるの自伝的要素もあり、戦後日本の暗部を描いている。水木しげるの腕がない方がリアリティあったかも。子供向けでは決してないてすね。ゲゲゲの鬼太郎で育った中高年にこそ見てほしい、最高のアニメ映画。
素直に
良かった。
あの、目玉の親父にこんな過去があったんだと…そして、鬼太郎の誕生シーンも。
本当にお墓から生まれていた!
ちょっと不思議なのは、目玉の親父の妻…すなわち鬼太郎の母が何故か猫娘に似ているのは何故か?
そして、人間の主人公水木が水木しげる自身としたら、正しく鬼太郎の育て親は水木しげるなのがいろんな意味で良かった。
期待し過ぎたかな、、、前半は盛り上がるけど、後半の妖怪との闘いがしつこい
前評判が良くて興味があったので、アマプラで視聴
終戦後の日本をリアルで綺麗な絵で表現していた点は高得点、
確かに前半は物語が盛り上がり面白かった、前半はね。
鬼太郎の父親が魅力あるキャラで良かった、
でも中盤から普通のゲゲゲの鬼太郎になっちゃったかな、
やはり美少女キャラに託される、主要な設定で解り易かった(悪い意味で)
妖怪の執拗な同じ様な攻撃が続くのが、結構飽きながら見ちゃった感じです
鬼太郎の父親と母親の謎が解けたと言うけど解らない箇所もあったな、
これ、もっと設定とか戦闘とかもっともっと練ったら凄く面白い映画になったはず、
制作した人途中から疲れちゃったのかな、
エンドロール?の水木と妖怪との闘い?あれ、、、なに?
マジ意味わからん、
見終わって、「期待し過ぎた」と言うのが本音。
何を受け取るか
ただ暗闇が怖かった子ども時代。
自分にとって鬼太郎に出てくる妖怪たちは、その恐怖を具体的な形として示してくれるものだった。
世代を超えて今でも鬼太郎が愛されるのは、その時代に合わせた表現を用いながら、そうした得体の知れないものへの恐れを、もののけや妖怪に表してきた「日本の風土」が、我々の中に普遍性を兼ね備えて共有されているからだろう。
今作は、もはや戦後ではないという言葉が流行語になった、高度経済成長前の昭和31年。
そこに、王道の人里離れた謎の村を舞台にもってきた。これも、多くの日本人が共有する世界観だ。
それゆえに、物語はわかりやすく、絶対的な権力者のもと、外部からは伺い知れない因習によって動いている不気味な村の恐怖は、表現されている。
ただ、バランスが難しいと思うのだが、わかりやすさと引き換えに待ち構えているのは、ステレオタイプの罠。
出てくる人物たちが、みんないかにもな傾向は気になった。
共有イメージに託し過ぎて、セリフも表面的だった印象が否めない。
まあ、個人的な私利私欲を、国家や大義を口にして正当化する輩は、戦中戦後に限らず、今もうじゃうじゃいるので、そこはリアルなのかもしれないが。
自分が一番心に刺さったのは、ゲゲ助の「生まれてくる子どものために」というセリフ。
ただし、狂信的な差別者たちも、よくこの言葉を口にすることも忘れてはいけない。
あそこに描かれていた村人一人一人にも、生活があり、決してまとめて切り捨てられる対象ではない。
力を持たないものは、蹂躙されても仕方がないという刷り込みを無意識のうちに受け取らないことも大切にしたい。
水木しげるが、ずっと訴えてきたのは、そういう理不尽さだと思うので。
歴代アニメ版ゲゲゲの鬼太郎史上最もエグく救われない世界観。よくぞ描いたという怪作。
この世の中でありとあらゆるタブーと言われることを煮詰めた蠱毒のような作品。
小さい頃から鬼太郎を見てきて、原作に触れ、ルーツを知っているぼくからすれば『そうきたか!』『そこまでやるか!?』『よくぞ描いてくれた!』と思わせる内容でした。一般的なゲゲゲの鬼太郎とは仲間の妖怪や敵の妖怪が何種類もわんさかお祭りのように現れて強大な敵とヒーローの鬼太郎が人間を助けるのが王道、むしろそれが当たり前な感覚であったが、これはこれまでの鬼太郎の常識を全てぶち破る作風になっているのが衝撃でした。妖怪はたくさん出るけど登場控えめ、グロあり、ホラーマシマシ、敵は人間 と色々新感覚な内容で、かと言って適当な作風なのかというとそんなことなく時代背景やタバコなどの細かい設定、各キャラクターの描写のうまさが際立ってました。のちの目玉のおやじであるゲゲ郎もデザイン、アクション、声優さんのぴったり具合も素晴らしい。主人公の水木も過去の描写やゲゲ郎との交流、人間味を感じさせる動きもこの作品の清涼剤となってくれた気がしました。
この作品のすごいのはエグさです。グロもありますがエグいんです。何度も言いますがエグいです。これまでのアニメゲゲゲの鬼太郎に登場する人間は妖怪に蹂躙される側ですが、この作品に登場する人間はろくなやつがいないなんてかわいい言い方なんて生ぬる過ぎて、村の人間も村のやってきたこともラスボスのやってきたこととやっていることが吐き気を催すくらい。ヒロインの生い立ちの救いのなさ、唯一汚れのない男の子のラストは救いなのか難しいところ。とはいえこれくらいしか救う方法がなかったとスタッフのコメントがすべてを表している。まさか鬼太郎シリーズでこれほどまでに同族嫌悪を発症させるようなことになるとは思いも寄りませんでした。最後の村人たちの因果応報の末路で『この殺される人たちの中には水木にいたずらした無垢な子どもたちもいるんだろうな〜』とかM生成に利用された人たちの中にはゲホゲホと苦しそうに咳をする屍人とそれを心配そうに見るとなりの屍人を見て『これって電車の中にいた席してた子どもとお母さんなんじゃ』と思うととても胸が締め付けられます。
ここまでの感想を書いておいてなんですが気持ち悪い、後味が悪い、二度と見たくない、という訳ではなくラストの感動的な救い、水木とゲゲ郎の種族を超えた友情、鬼太郎の両親の夫婦愛、エンドロール後の原作とのリンクさせる演出はまた見たくなるような作品でした。
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