100日間生きたワニ
劇場公開日:2021年7月9日
解説
ツイッターに100日にわたり投稿され大きな話題を集めた、きくちゆうきの4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」を「カメラを止めるな!」の上田慎一郎と、アニメーション監督としても活躍するふくだみゆき夫妻の監督・脚本でアニメ映画化。桜が満開に咲き誇る3月、約束したお花見の場にワニの姿はなかった。心配した親友のネズミが桜を撮影した写真を仲間たちに送るが、 それを受け取ったワニのスマホは画面が割れた状態で道に転がっていた。花見までの100日間、ワニの日常は平凡でありふれたものだった。花見から100日後、桜の木には緑が生い茂り、ワニの仲間たちはワニとの思い出と向き合えず、互いに連絡を取ることも減っていたが……。ワニ役の神木隆之介のほか、中村倫也、木村昴、新木優子が声優出演。
2021年製作/63分/G/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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正直、前半には退屈さを感じたし、描かれている凡庸な日常がテーマとして必要なものだとは頭でわかっていても、どうにも入り込めず「でも退屈なんですごめんなさい」という気持ちで観ていた。
ところが、映画オリジナルの「ワニの死の後」を描く後半の展開になって、凡庸な退屈さに、大きな膨らみが生じていることに気付かされる。身近な誰かを亡くしても、劇的なドラマもないまま日常は続いていくが、凡庸な日常は、もはや永遠に同じものではなくなってしまう。その差異を、繊細に映し出す映画になっている。
ウザキャラのカエルくんの孤独、というのも、映画で加わった重要な要素であり、個人的にはカエルくんは苦手でお近づきになりたくないが、そういう人にも等しい重みの人生があるという視点は、原作にさらなる奥行きを与えていると思う。
とはいえ、不満な点もある。カエルくんが同じ悲劇を体験しているという設定はご都合主義がすぎるし、同じ悲しみを共有することで繋がれるというのは、人と人との可能性を狭めることになってはしまわないか。そういうことも含めて、ちゃんと評価されて欲しい作品だし、原作にない「101点」というセリフにつなげる流れは、脚本としても「おみごとです」というほかない。
とても残念なことだが、完全に犯罪レベルの嫌がらせや誹謗中傷に近い公開前の酷評レビューで騒ぎになったせいで、この映画をフラットに観ることはいささか難しい状況になってしまった(もちろん原作終了後に起きた炎上騒ぎも大きな影響を及ぼしている)。
ただ、これが駄作であれば、「どんな映画もこんな酷い扱いを受けるいわれはない!」で済む話なのだが、観てみたらまったく駄作などではなかった。興行としても作品としても、とても不当なそしりを受けていると感じた。
絵柄のシンプルさゆえに紙芝居と揶揄されることもあるようだが、アニメーション表現としても優れていると感じたし、なんなら心の機微を救う素晴らしいアニメを作ったふくだみゆき監督が共同監督、共同脚本を務めていること、また伝説の御大、湖川友謙がアニメーションディレクターがであることも頭に入れて、すき間に込められた表現の妙を味わう仲間が増えてくれたらと思っている。
2023年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
何故か面白い原作の雰囲気は生きていました。手法は違えど何故か面白い。
さらに面白くするには、やり取りの間とかよっぽど外連味がないといけないんでしょうね。
アニメーションが必要最低限すぎて、映画としてはしんどいんですが、ヌルヌル動かすクオリティでやってもしかたない物語なので、これはこれで良さなんでしょうね。
2022年10月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
絵本みたいだけど、内容は大人。
アニメになっているから、それほどリアルに見えず、けれどほのぼの伝わるからいいのかな。
あのカエルのキャラはそれまでの映画の雰囲気が変わってしまったので、ちょっと違和感でした。
2022年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
Twitterでは大分叩かれまくりだったけど・・・映画版ではそんなに叩かれなかったのかな?