竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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映像美と音楽の良さ!満足です。
まず、これは見る人を選ぶ作品だと思いました。低い評価をつけている人は脚本に対する評価がほとんど。正直、ストーリー展開に関しては、途中で「ん??」と思うところが結構ありました。脚本重視の人には刺さらないと思う。
私はグラフィックの美しさに感動しました。
キラキラした星空はプラネタリウムみたい。夏っぽくて良かった。
クライマックスで歌うところで、金色の光がどんどん灯っていくのもキラキラして好きだった。
夏の田舎の風景は写実的で、実際に田舎に行った気分になれる。雨の中の山々などの表現がリアル。
あと東京に行ってからの街並みも得意な感じで、上手で良かった。
興味深かったのは、色々な表現を組み合わせていたところ。
仮想世界ではわざと線を二重にして、やや酔ってしまいそうな描き方なんだけど、仮想感出てた。と思いきや浮世絵のような2Dのグラフィック表現が合わさっていたり。そのあたりが、写実的な現実世界との対比があり興味深い。
(自分がデザイナーなのもあり、そういう気づきがあったのが面白かった)
あとやっぱり音楽が良かった。millennium paradeはさすがのかっこよさ、劇中歌の他の曲も全部良かった。なんと言っても中村佳穂の声が綺麗。世界観とあってた。
ストーリー展開は唐突で謎なとこもあったけど、仮想世界の話なのにかなりリアルな現実が描かれているのが良かった。虐待のあたり、リアル。まさかの展開だった。
田舎、仲間、おばあちゃんみたいなサマーウォーズっぽい要素もあって、そこの対比も楽しめた。
まぁ龍がいきなり好きだよと言ったり、しのぶくんはかっこいいと思ってたのに最後よくわからん立ち位置で終わったり、謎展開多かったけど、自分はそこは流せた。
あ、龍をやっつけようとしてた金髪ムキムキキャラの正体を知りたかった。あのキャラいらなかったと思う。。
ネット用語わからない人にはよくわかんない内容かもなーとは思った。BBAとか出てきたしwあとオリジンって表現も一般には理解されなそうな…専門用語ちっくなのは多かったので万人受けはしなそう。
あとアンヴェイルしてやる!とか何度も出てくるんだけど、オウムのポアしてやる!みたいだなって思ってたw
今回は大好きな常田さんの音楽とイギリスの建築家が作った仮想世界のデザインを目的に見に行ったので、個人的には想像以上に面白かったので大満足でした。
ストーリー重視の方は絶対に見ない方が良いです。
これは金と時間を駄作に奪われた男の復讐の叫びである。
以前から細田守監督作品が好きであった私は、仕事を早く切り上げ、友人と一緒に映画館へ向かった。
序盤は世界観の説明のようなものであったから、まだよかった。ストーリーの筋が見えてくる中盤以降、誘ってしまった友人になんと謝るか、なんとこき下ろせばこの気持ちが晴れるのかで頭が一杯となってしまった。
以下詳細
<良かった点>
・ 絵や映像がとても綺麗
・ 音楽が綺麗かつ心に残った ...けど好みは分かれそう
・ 世界観 こんな世界いいな! インターネットの次は五感でつながる世界だな!と思った
<悪かった点>
・ 要素を詰め込みすぎ
時をかける少女、サマーウォーズ、美女と野獣を無理やり突っ込んだ感じだった。親との確執、自身のコンプレックスと歌、青春あれこれ、竜とのあれこれ...etc しかもそれらが別々なところで展開されるから、訳が分からなくなっている。詰め込みすぎてどこの要素にも振り切れていない。 全てが中途半端で放置。あっぱれ。
・ キャラクター出すぎ で 魅力0
要素を詰め込んだためか、登場人物が多く出てきた。 主人公、その友達、恋敵、 謎の合唱団おば様衆、主人公が思いを寄せる人、竜...etc 結果どうなったか。それぞれの背景を描く時間がなくなり、人物の行動に説得力がなくなった。感情移入することが困難になった。 名前が覚えられなくなった。
せっかくの良いメッセージ性や感動シーンも、感情移入0、説得力0では安い作り物でしかない。 何も伝わらず、押し付けられている感がただただ不快。
・ 生々しい虐待シーンは必要か?
上記のように空虚なストーリーが展開されていく中で、いきなり生々しい虐待シーンをぶっこんでくる。 良くも悪くもそこで凝視させられた。高低差で耳がキーンとなりました。
まだまだ指摘したい箇所は沢山あります。不必要で下手なセリフ回し、 謎の造語の多用 (ファルシのルシがコクーンでパージ的な)、世界観の説明不足... etc
これ以上、時間とお金を無駄にしない人が増えないよう祈り、 ペンを置きます。乱文長文、失礼しました。
「欠落が育んだ力」が解放される美しい物語
この映画は「すずの成長物語」として語られてることが多いですが、私は「成長の物語」ではなくて、隠れていた力の「解放の物語」ではないかと感じました。彼女はBellになる以前に(解放されてはいなかったけれど)すでにいろいろなものを手に入れていたのだろう、と。そしてUの世界で、音楽の才能に導かれてBellという役割を演じることで、そして自分と同じ欠落を抱えた人との交流を通じて、その隠れていた力を解放する。そういうお話なのかなと。
●すずは、「得難い力」を秘めた人
すずは母を亡くした大きな欠落、そして、母はなぜ私を置き去りにしたのかという謎を抱え、あがき、苦しみ続けるのだけれど、それでも「大きな力を秘めた人」として成長してると感じます。カラオケでマイクを向けられたとき、彼女は「歌え」という強迫の声を聴きます。それは、本当の声ではありませんが、その場の状況が作り出す強迫性をありありと「声」として感じている。それは、ある種の「力」であって、それは今の時代には「得難い力」なのではないかと思います。それは、彼女の抱えた欠落が、高知の自然が、父親の控えめだけれど深い愛情が、友人や大人たちが、時間をかけて育んだものでしょう。その力を象徴的に示しているのが、母親から受け継いだ音楽の才能なのではないかと思います。
●Asで「得難い力」が解放される
例えば、私は英語で会話をするとき、まるで別人格になった気がしますが、それはある種の解放感が伴った感覚です。きっと母語とは違う言語を使うことで「本人にさえ隠れて育っていた人格」が解放される、そういう現象ではないかと思います。
Uという「リアルとは別の世界」とAs(アバター)にも同様の(もっと強い)働きがあるのではないかと思います。それは「隠れて育っていた人格」が動き出す、そういう効果です。すずの場合、それは秘められていた「得難い力」の解放であり、それが音楽の才能の開花という象徴的な出来事として描かれているのかなと。
●竜との関係
すずの「得難い力」は、「欠落に苦しみ、それを隠す人」を見つけてしまう。それが50億の中から一人を見つけ出す、という象徴的エピソードになるのかなと。彼女は隠そうとする竜に対して「聞かせて」「見せて」と歌いますが、それは恋愛感情というより、相手の欠落を感じてしまうことで「自分の欠落から湧き出す衝動」のような身体性に近いものなのかな、と思います。でも、彼が隠さざるを得ないことも、聞かせること、見せることが彼にとってどんなに難しいかも、すずにはわかる。私だけがそれを見せてもらう権利があることも痛いほどわかる。だから、Uという異世界で自分を晒すことも厭わなかったし、DV親のいるところに、(気持ちを共有できる)自分一人で行かなければいけないと感じたのだろう、そう思います。
●残された問い
成長がかんじられるためには「育む力」と「解放する力」という別の力が必要なのだろうと思います。まずは隠れて育まれたものが、何かのきっかけで解放される、そういう順序なのだろうと。そしてUのようなサイバー空間に「解放する力」があるとして、そこに「育む力」があるのか?がこの映画の残された問い、になっているような気がします。
仮想現実のリアルさは現実より怖い物がある
最初、主人公と父親との関係が観ていて、あまりにうーんと思ってしまいましたが、母親を亡くして、まだこの歳なら仕方ないのかと思ってしまいました。
場面の切り替えが早いので説明とかなくて分からない部分があっても、とにかく最後まで観れば分かるだろうという感じでした。
映像と音楽は綺麗です、仮想世界って凄い、Uの世界に魅了されても当然という感じで酢が、あまりに綺麗すぎて、好きな事ができるという言葉にドキドキです。
でも大人の自分は学校生活を送る主人公達を見て、でも現実も悪く亡いと思ってしまうのです。
勿論、良いことばかりじゃないと思います。
仮想世界の中だから嘘をついて自分を良くみせて虚飾、虚構だけど、それでもいい気持ちになっている人達、でも、現実でも多々あり、そんな人は沢山います。
子供達に暴力を振るう父親が彼女から逃げてしまうのは、一見何故、大人なのに男なのにと思うのですが、自分の行為がよくないと知っているから、これから自分に降りかかる現実を、この時になって・・・・・・と自分で解釈しています。
周りの合唱団の大人達のアバターも気になるし、主人公の恋、父親との仲、映画が終わった後の事が気になります。
映画を見る前は分からなかったのですが、ああ、ヒロインはそばかすだからかと納得です。
誰しも自分以外の存在になりたいけど、誰かの心を動かすのは本当の自分
サマウォや時かけを彷彿とするシーンが結構あった。
多少強引だったり、なんでそうなった?ってところもあったけど、伝えたいメッセージに胸を打たれたし見終わった後に勇気をもらえたから私は好きだ。
誰かを助けたいと心の底から思って初めて、なぜ母が自分を振り切って知らない子を助けにいったのかを知る
娘の必死の制止を振り切るなんて大切じゃなかったのか、置いてかれたような孤独感を抱えていたスズ。でもこんな気持ちだったのかと知ることで、母の気持ちと愛を知る
母は娘が大切だったからこそ、娘と同じくらいの子を必死に助けたかったんだ
自分と似たような孤独を持った竜を助けたい、大切だと思う自分と同じように
そしてそんな自分に父は「お母さんが育てた優しい子だよ」と言う
自分の中に母が生きた証みたいなものを感じる
誰かを救うためには、自分を認めなくては他人に認めて、信じてもらえない
誰かを救いたいと必死になることで、過去の自分が救われることがある
自分ばかりに目を向けていては抜け出せなかった、他人のために動くことで救われたのがよかった
でもだからこそ肝心の、竜の孤独に共感したりまず興味を持つ説得力がなくて、なんでこの子はこんなに竜を追うんだろう?竜もなぜこの子を助けるんだろう?っていうのがいまいちピンとこない
仮想世界という逃げ場所をしっかり持って、そこで自分を少しずつ解放して受け入れられることで自信を取り戻して、本当の自分に帰ってくるのはすごくいい
誰かの胸を打つのは、魅力的な容姿でもなく、元から持ってたあなたの心の中にある本質なんだよ、って伝えてくれるのに勇気をもらえる
だからこそ、かなりコンプレックスのある本当の自分をさらけ出してまで竜を助けたいのはなんでだ??そこまで大切になってたっけ??ってとこがピンとこなくて惜しい…
歌がとにかくすごく好き!声が綺麗で切なくて胸を打つし、映像は本当に美しい。自分も行ってみたくなる。キャラデザもすごくかわいい
くるくる変わるドレスも素敵だった
正直幼なじみの男の子ご都合だな〜とか、DV父親ひるむの早いなーとか、歌って竜を呼ぼうとするときみんながなんで応援したんだろーとかあるんだけど、よかった
父親はあそこで怯むことでまだ人の心があるっていう救いかもだしね…!
タイトル的にも
どうしてもサマーと比べてしまうのだが、最終的に落とし所がどこになってるのかなんかわからなくなった。出だしの歌や、各キャラクター、日本の田舎の景色、ネット界の表現、ビジュアルも悪くなかった。
が、何個か疑問も。50億に素顔を晒した主人公の未来、学園のヒロインの恋愛話(いる?)、DVお父さんはなんで泣き崩れたの?など。
話以外はサマー超えしてた。脚本が悪いのかな。。
追記
「時をかける少女」「サマーウォーズ」脚本は、奥寺佐渡子
「おおかみこどもの雨と雪」では奥寺佐渡子と細田守監督の共同執筆になり、「バケモノの子」では脚本が細田守監督で、奥寺佐渡子は脚本協力
「未来のミライ」脚本、細田守
で、今回も細田守。
あーそういう事か、、となった事実
映画の中の大人は大人の反面教師?
子供の頃は大切で大人の事情に左右される。その中で自分を探す事、反抗期みたいな時期を過ごして親と関係ないところで作った自分を見つける事は大切。傷を抱えてる子にも、きっと理解できる人がいるよ、一人じゃないよ。と映画は言ってくれるかもしれない。
ストーリーの脈絡に関してはベルがなぜ竜に興味を持ったかは自己弁護が出来ない子供の怒りをかかえてる自分を重ねて、今怒りを撒き散らしてる竜に会わなきゃいけないって子供から大人になる過程だと理解はするのだけど。それがわかるカットも早々に用意されてたから理解はするのだけど…見たい起承転結のケツが見れてない感はある。良いケツ見せろ!竜のその後安全の担保は?リアルでの恋は?色々どうなったの?いや、そこじゃないのわかってる!けどよ!
それに映画の大人たちの子供とのスタンスは少し疑問だ。私ならこうしないだろうと思う事ばかり。映画に出てくる大人で見習えるのは一人だけだった。でも、その人の様な大人ばかりだったら皆で立ち向かい、その一人がサクリファイスになる事はなかったかもしれない。
子供への接し方が分からず都合に良い距離で甘んじてしまう親、子供自身の子供と大人を大人の都合で使い分けて逃げちゃったり、自分自身の苛立ちを子供にぶつけたり…大人たちが子供を守ってあげられない社会とかは、映画にぶつけるより大人たちが持ち帰って良い大人になりましょうでいいのかも。
僕にとって何度も見直して楽しめる星4以上って映画じゃないけど、上映時間を退屈に思うような映画じゃなかったよ。と言うわけで星3 若干終わってモヤモヤする部分はある
期待していた分悲しかった
初日に行きました
予告を見て素晴らしい歌声にすぐに虜になりました。
少し高いけどIMAXで予約して、本当に楽しみだったんです。
良かったのは最初だけでした。
まず総じてストーリー展開が雑です。なんでそうなった?なんでそんな気になる?
大事な部分が抜けたまま、置いてかれたまま、ストーリーが進んでいきます。
テーマや絵と音楽は良いのに…ここまで素材が揃ってて、なんでこんな感じになってしまったのか…
リアルな風景、リアルな学生の悩み、リアルな家庭環境、社会問題を取り上げて
素晴らしい絵と歌もあったが故に、
シナリオの雑さ、不自然さが際立ってしまった感じ
竜とすずが仲良くなる所はもっと丁寧に見せて欲しかった何が何だか分からなかった
綺麗な映像と音楽でゴリ押ししてる感じ
作中のすずの周りの大人達の行動が全くもってリアルじゃ無い(母親は素敵でした。)
とにかく本当にストーリー展開の見せ方?が雑です。
本当に一番許せなかったのは虐待されてる子供を助けに行く!ってなったすずに周りが誰も付き添わず、1人で行かせたこと。
・主人公を守るって言ってた男の子なにしてんの?ネットに姿晒せ(学校の制服着たまま)
って言った上一緒に助けに行かないってどう言う事?
・主人公の周りにいたおばさん達も、子供が虐待されてる映像見てたよね確か
主人公だけ車で駅まで届けてはいいってらっしゃいじゃないよ笑
・主人公の父親もっと心配してよ…娘が急に
ネットで知り合った子供が虐待受けてて助けに行くって1人で上京しようとしてるのにさ…
虐待してるような体格良い男がいるところに未成年の女の子が助けに行くって言ってんのに…
他にも変な所満載です…
IMAXで見たのですが
虐待シーンがとてもリアルです
母親の死を受け止めきれず少しおかしくなってしまった弟
それを(言うことを聞かなくなってしまった)と捉える虐待父親
そんな弟を察して守る兄
暗い映画館、質の良い爆音音響で虐待シーン。
近い経験をされてる方はパニック発作に注意して下さい。
過呼吸起こします。
歌えなくなった少女がもう一度歌えるようになるまでのお話を…
圧倒的映像美と珠玉の音楽で包んだ名作。すべて鈴目線かつ娯楽性より芸術性がかなり高いので展開は分かりづらい。海外の方が受けそう。サマーウォーズが夏希と健二の恋の話に見えて健二が佳主馬を救う話なのと少し似ていると感じた(恵の目も佳主馬と似てるし)。世界観は美女と野獣、観たあとの感覚はハウルの動く城だけど描きたいのは全く別の話だと思った。
監督のメッセージは、
①『バズ=誰でも注目を集められるネット現象がいかに空疎な個々人の感想の集合体か』
②『顔を隠している間は心と心は繋げない』
③『親切や自己犠牲、純粋な善意=“母性”の美しさ(単純な母親神話・母性礼賛ではない)』
だと思う。
①は簡単にペギーからベルに人気が移ること
②は恵が鈴を一切信用しない→鈴がアンベイルして歌う中で母の行いを理解し心に灯りを取り戻す→世界中のAsの心が鈴の灯りで繋がれる流れ
③は見知らぬ子供を助けて亡くなった母と、見知らぬ人を無責任に傷つける人間を対比することで表現されている。
太陽の世界は現実、月の世界はU(ネット)。
月の世界でオタクが脚光を浴びるように、バズが例え空疎な個々人の感想でも『U』がその人の真の力を開放するのはネットパワーそのもの。
ルカちゃんやカミシンはネットに頼らなくても間延びした平和な世界で生きていける。ヒロやしのぶ、バランスを取って生きられるふたりは鈴の力に気づいている。鈴は現実でも母を失い裏切られたと思い、ネットでも母への心無い中傷を受けてまともに食事が取れないほど塞ぎ込み、自信を失い自分の心や好きな人を思う気持ちすら否定し続けている=ヒロは月の裏側に隠れて居場所のない鈴に月の世界で自信を取り戻させようとし、しのぶはあくまで太陽の世界で鈴らしく生きてほしいと願っていた。
なぜ竜を助けたのかは、恋心だと周りのおばちゃん達は安易に思っているし本人もそうなのかなと思っているけど、実際は『お母さんが見知らぬ子を助けた理由を探すため』『人生の傷にお互いが共鳴しあっていたから』。
竜とベルは恋をしているように見えて『月の裏のような、上手くいかない誰も助けてくれない人生を生きる自分たちを互いに救いあう』関係で、そういう『恋愛には発展しないけど心が通じあう関係』はおばちゃんの一人が語っている。
同時に『秘密のバラ』は“お母さん”の象徴(恵と知の部屋に赤いバラが活けてある)。
つまり『恵は鈴から見ればかつての中洲の子供だけど、知から見れば自分を命がけで守ってくれる母』。
世界を憎んでいた少年が誰かに『大好き』と言えるくらい世界を肯定できるように戦った鈴もまた、自分の母と同じ行いをしたことになる。
だからふたりは一緒に踊って空を飛ぶし、心を通わせて抱擁する。
一方で実際に命がけで天使(知)を守る恵は、鈴を見守っているとはいえ実際に鈴のために傷つく訳ではないしのぶとの対比でもある。
しのぶはずっと『お母さん』でなく『同級生の男』になりたかった。鈴が自信と笑顔を取り戻して『解放され』心の自由を得たが、恵はこれからも『解放を望まず』天使である弟を守ると思う。
しのぶの思いが恋か友情かは語られていないが最後に『(鈴の歌を)聴いてる』と言っているし『やっと普通に鈴を好きになれる』かなと。であれば車に遮られて鈴が告白しそこなった時も、鈴の想いに気づいていたけど『(鈴が鈴でなかったから)まだ言ってほしくなかった→先にベルは鈴だと言い当てた』かな?
しのぶはずっと『鈴が心から笑えないなら俺も笑わない』的な自己犠牲を払っていたと思う。
また、ペギーは中洲から助けられた子供(だから自分をアンベイルして誰かを助けようとする鈴に最も早く反応した)、ジャスティンは恵と知の父親(だからU警察としてスポンサーを多数得て冒頭でインタビューされていた)。腕時計アップ=アンベイルバズーカと完全に一致。やたら良い家に住んでいるのも説明がつく。
これまで助けると言いつつ周りが動かなかったのはUの大物だったから(著名なYoutuberのメタファー、VoicesはGoogle)。でも虐待映像で炎上したので、これから恵が世界に暴露すれば名誉失墜&警察沙汰→『これまでは誰かの“助ける”を待っていた恵が自分で戦う』ということ。それができるのもまたネットの力。
ちなみになぜ中洲に子供がひとりだったかは、例の『玄倉川』モチーフかと(ちょうど夏休みだし…)。今の世の中で彼らを助けて亡くなる人がいたら『あんな連中助けるな』『我が子を残して死ぬなんて無責任』と叩く人は絶対いるだろうな。
…と。ここまでは全部個人の感想と考察です。明確な根拠があるわけではないのでご容赦ください。ほかにもベルが巡音ルカに似てるなぁとか、恐らく何らかの発達障害を抱える弟を『天使』として表現しているところなど魅力を語れば止まりません…!
そして何より、中村佳穂さんと常田大希さん(millennium parade)という私得映画。
こんな素晴らしい作品にエキストラシンガーズとして参加できたのは本当に嬉しい。
何回も観たらその分違った味わいがありそう。
細田監督ありがとうございますm(_ _)m
開始5分“までは"最高に良かった。
エンドロールで脚本細田守の文字を見た瞬間全て納得できました。
前作のミライの未来も、観客を置いていくストーリーだった。もうそのスタイルで行くのでしょうか…?
ただ力の入った2時間のMV。正直観ていて辛かったです。
1番辛かったのは、途中の美女と野獣の似すぎているあのシーン。何ですかね、アレ。劇場を逃げ出したくなったのは初めてです。
現代的に美女と野獣を描きたかったと言いますが、
あんなの現代版でもオマージュでもなんでもなくて、ただ単純に好きなシーンを描きたかったからパクった。という印象しか受けませんでした。
なぜなら脈絡が無さすぎるから。フランス語の名前、唐突なダンスシーン、電脳世界なのにただ、ただ、燃やされる城。笑
あと友人達の誤解を解く、というせっかくの人間みあるシーンもゲーム画面?での謎の表現。意味不明です。
他にもありますが、感情移入できないまま時間が過ぎました。
新しい試みでやりたいことがたくさんあって、素晴らしいことなのかもしれませんが、しっちゃかめっちゃかな映画になっていることに気づく日を願っています。
もうそろそろ元の細田守監督に戻って欲しいですね。
あの夏のような感動が欲しいです。
次の脚本は、他の方だといいな。
次は評価見てから行こうと思います。
歌のみ
タイトルのままって感じですが、歌は良かったので星一つ。けどストーリーが…。
例えば、すずが歌えないのは、
何かお母さんとの思い出等なのか、
それともただ恥ずかしいだけなのか。
そこら辺ももう少し深掘りされてれば、クライマックスの歌唱シーンももっと感動できたのに。
脚本に携わるならせめて、脚本家と共同のほうが絶対に良いと思います。
それと、美女と野獣オマージュというのはもう少し大々的に宣伝するべきかと。前情報なしで観たので途中すごくムズムズしました。
今作は期待以下だった
今作は、伝えたい事が判らない部分多く いまいちの内容だった
助ける部分もごり押し
助けた子達のその後説明なく
訳判らない終わり&無理くりの告白の終了とは
う~ん評価判れる内容でした
全てにおいて「何故そうなった?」と思わせる作品
・ディズニー(美女と野獣)み
これは細田監督が明言していましたので良しとして
・脚本ガバガバ
竜に興味を持つ理由は?
城に行ったあと主人公が自警団に詰問されるのはなぜ?
級友の恋模様は必要?
竜の中の人が部屋をライブで流してたのはどういう意図?(誰かに救助を求めていた? その割に他者からの救いを拒絶していた節がありますが…)
・家庭内暴力という非常にセンシティブな案件を易々と取り扱う危うさ
レーティングが全年齢であることが不思議です。
他の方もおっしゃってましたが、せめてPG12にするべきです。
子供が件のシーンを観ればトラウマを負いかねないと思います…
物語終盤、家庭内暴力を受けていた兄弟の行方は不明(保護されたのか、少なくとも視聴者にはわからない)。
ふんわりと主人公と父との軋轢が解消され、大団円の如く何が丸く収まったのかわからないまま終わります。
普段まったくレビュー投稿しないのですが、あまりに酷かったので記録させていただきました。
なにかを訴えたい、世に伝えたいという強い気持ちがあるのなら「虐待」を取り扱うのも良いでしょう。
ただ「主人公を、悪意ある者から弱き者を助けるヒーローとしてえがきたい」という安直な気持ちからであるなら、軽蔑に値します。
加害者・被害者含む登場人物一人一人を深く掘り下げ、どういう背景からどういう言動をするのか、などがあって初めて描写されるべきなのではないでしょうか。
監督に脚本力がないのは仕方ないし、整合性や説得力がないのも許されますが、倫理観はしっかりして欲しい。
Uの世界でのライブ映像がとても気持ち良かったので⭐︎0.5にします。
冒頭の5分がクライマックスでした。
深読みすれば面白い
ようこそ<U>の世界へ
<U>はもうひとつの現実
<As>はもうひとりのあなた
現実はやり直せない
しかし<U>ならやり直せる
この映画は盛り沢山のエピソードをただ表面的に追ってるだけでは全く楽しめません。
それらのプロットはどれも主人公の心の成長を描く為の単なるピースに過ぎず、複雑そうに見えても実際はとてもシンプルな話なのです。
観た人の多くがそれを理解するにはかなりハードルが高くエンタメ作品としては失格です。
誰だって心の奥底にある秘密のアザは隠しておきたいものです。
アンべールとは単に正体をさらすということよりも、相手に対して心を開くという意味合いが強いでしょう。
実はルカちゃんがカミシンにプロポーズしたのもアンべールで、鈴はその勇気に背中を押されたのでした。
自分の心の壁を解放し行動に移す事で新しい景色が見え出して、自分を取り巻く世界も変わっていくのだという事をこの件から感じとったのだと思います。
ベルは鈴の潜在的な魅力を映し出したヴァーチャルな姿でしたが、閉ざしていた心を全ての人にさらけ出しアンべールしたことで、これまでの堅い殻を破って本来の自分を取り戻したのです。
この映画は全てが解決するところまでは描かれません。
物語が伝えたいメッセージは「新しい一歩を踏み出す勇気」なのです。
彼らの運命は沢山の可能性を秘めながらも、新たなステージへと動き出したのです。
さあ、もうひとりのあなたを生きよう
さあ、新しい人生を始めよう
さあ、世界を変えよう
惜しい
序盤の映像と音楽が本当に素晴らしくここで物語にグッと引き込まれます。
そして次に現実パート、ここで日本の田舎の原風景というものがとても美しく表現されていて電車の中のシーンでの電車の微妙な揺れの描写など細かいなぁと思います。
そしてUの世界にログインした主人公が初めて歌を歌うシーン。
音楽と歌がとても素晴らしく聴き入ってしまいます。
ここまでは本当に素晴らしい導入でした。
ですが、ここからがうーーーーーーむとなってしまいました。
すごく個人的な感想ですが、
見たいと思ったシーンがあっさり飛ばされて、そこまで興味ないシーンがかなりの時間をかけて流される
そんな感じがしました。
勿論これは監督の描きたかったものと僕自身が見たかったものが根本的に合っていなかったということだと思うのでしょうがないことだと思います。
嫌なら見るなという話でもあると思います。
ただ、とても個人的な感想としてはベルがUの世界でどんなふうにして人気者となったのか、冒頭でそこに興味を抱いてしまったのでそこからの展開がかなり呆気なかったです。
まず、たった1回歌っただけであそこまで拡散される?
というかそもそもUの構造自体がよくわかりません。
ベルが歌っている動画が上がって全世界に拡散されていく様は描写されていますがその動画はUの中で見れるものなの?それとも他のサイトに拡散されているということなの?
Uの中で見れるのだとしたらその操作方法は??
一回引っかかると疑問が止まるところを知りません。
そもそもあの一曲、一回だけで一億人も観客が集まるとは到底思えません。
例えば、新曲を作ってUの中で発表してさらにフォロワーが増えていくとかそういう描写があればまだ溜飲が下がったのかもしれませんが、監督が描きたかったのは当然そこではないわけで、この時点で相性は最悪だったのでしょう。
その後も途中美女と野獣まんまの展開が入ってきたり、美女と野獣を観に行ったわけではないのに何を見ているのか・・となってしまいました。
途中何億人の前で素顔で歌うのも映像的には美しかったですが歌を歌えない主人公が勇気を出して歌うというストーリー的にはビデオ通話のところで歌うのでよくない?と思ってしまったり。
そもそも母の死と歌が何の関係性があるのかも釈然とせず。
消化不良感が否めませんでした。
すごく良い作品な気がするけどなんか惜しい。
そんな気がしました。
音楽と映像は前述の通り文句なしの素晴らしさ
声優さんはみなさん素晴らしく、特にYOASOBIのikuraさんが何の役で出演していたのかわからないほど溶け込んでいたのには驚きました。
歌唱シーンと映像クオリティだけなら★5
サマーウォーズが面白かったのでこちらも観てきました。正直、満足できたのは最初の10分と時々ある歌唱シーンだけです。映像は綺麗で迫力もあって、サマーウォーズを進化させた感じ。でもストーリーはイマイチ。
何回同じシーン流すのってツッコミたくなるし、説明不足な部分も多数。
犬が片足しかない理由、ヒロちゃんが家を追い出された理由、
突然登場したおば様たち(これはお母さんが参加していた合唱クラブの人達であることは劇中の写真で判明するが)、そして歌うと嘔吐するほどトラウマだった鈴が何故か合唱クラブに参加していることなどなど……
そして途中の美女と野獣を彷彿とさせる謎のダンスシーンに、恵の唐突な「大好きだよ」
極めつけに、ご想像にお任せしますな終わり方。
もっともっと書きたいことはあるけれど、歌唱シーンのためだけに2回3回と見ることはあっても、それ以外のところは見なくてもいいかなってレベルでした。
ベルが鈴の姿になって歌うシーンは、その歌声に感動してボロ泣きしました。
割り切ってみればいいかも。
監督自身も恐らく割り切って酷評も想定済みで作ったのかなと感じた。
冒頭のベルがデビューした時の、「批判、アンチなんて言わせとけ。」って、視聴者へ「脚本重視ではなく、ザ・エンタメですが何か。」の保険的な言葉に聞こえた。
主に気になる点
●序盤:仮想空間を良いことにミュージカル舞台のように、都合良く背景や場面変えて、脈略がなく、竜とベルの交流が成立する。
●中盤:LINE炎上が、これでもかっていうぐらい分かりやすい描写。解決早いよ。
●終盤1:同級生カヌー男子とトランペット女子の告白シーン必要だった?無駄に間延びしてたし。
●終盤2:ヒロちゃんのハイテク環境と、他同級生による3分足らずでの推理力、合唱おばちゃんの行動力は、どこかの公安9課にも匹敵する。
・大画面4Kだか8K画質でないと不可能な拡大分析。
ヒロちゃんのPC環境が潤沢ってだけで、ここまで何者か描写0。
・夕焼けチャイム→窓枠に写るマンションで地域特定。
・独断で女子高生一人に金持たせて、東京まで送る。その後もあるけどもういいや。
●全体
なんとなく、やりたいこと伝えたいことは分かったけど、設定から解決までがご都合主義の映画用前提だった。
映画だったら、「竜はだれだ?」はあえていらなかっただろう。
特段悪いことしてないし、アバターが壊れるまで攻撃って・・、それ武闘場での設計側では?
子供には支持だが、全世界で悪者扱いされているのか共感できなかった。
掘り下げると、ミステリーになってTVアニメ並の尺になってしまう。
映画の尺の中で、設定から、やりたいことを浅く散らかしすぎて、引き算してないと思った。
結論「ザ・エンタメ」前提で割り切って観ればいい。
どうでもいいけど、一つのセリフに「竜」と「U」が同時にあると、聞き取りづらい。
タイトルなし
既に多数のレビューが上がっているが、まぁ何かと批判も多い作品。
他のレビューでよく槍玉に挙がっているポイントを整理しつつ、個人的な見解や感想を述べてみる。
“→”以降の文章が、個人的な見解です。
・Uの世界観が雑でゆるい。
→ そもそもそこはあまり重要ではない。決してリアリティを追求した作品ではないと思う。
・主人公の初の大規模ライブに乱入してきた竜に、なぜそんなにも興味を持つのか?
→ 運命的な出会いって、そういうものなんじゃないのかな。理屈ではないと思う。
・マントについてる模様のようなもののことを『痣』と呼ぶことについて。
→ たしかにこの点は、自分も当初「??」となった。アレを初見で痣と認識する人がどれだけいるのだろうか…。
・いくら虐待を受けている児童を助けるためとはいえ、見知らぬ都会、それも暴力的な大人の男性もいるとわかっている所へ女子高生ひとりで行かせるだろうか?周りにいる大人が一緒に付き添うべきだったのでは?もっといえば、あの場面で忍くんが主人公を護るべく一緒に行くと言い出さなかったのは不自然では?
→ 周りの大人たちが、主人公ひとりで行かせたことについては、田舎特有のおおらかさと考えられなくもないと思う…似たような田舎出身者としては。
一方で、忍くんが付き添わなかったことについては、それまでの彼の振る舞いからすれば、やはり不自然に感じた。が、おそらく作品として主人公がひとりで立ち向かわなければ、自力で母の死のトラウマを乗り越える展開をキレイに描けないという判断があったのではないかと思う。
・DV父親が主人公と対峙したとき。主人公の気迫に押されて、大人がへたり込むか?
→ いくらDV男とはいえ、流石に女の子相手に殴れなかった。そこまでクズではなかったという解釈は十分成り立つ。
・急に主人公や竜が『好き』とか言う。そこまで親密な関係構築してた?また、忍くんのことは?
→ おそらく主人公が言った『好き』は、母親が自分の子にかける言葉のような意味ではないだろうか。そして、恵くんが言った『好き』もまた、子供が母親に向けて使う言葉だったのでは。
・忍くんは、結局大したことは何もしていないんじゃ?
→ そのとおり!
さて、何だかんだ言ってもツッコミどころはやはり多い。特に後半、話が重くなってくるに従って、ツッコミどころも増えてくるから厄介だ。
児童虐待というデリケートな問題を扱う以上、そこはもっと丁寧に描くべきだったとは思う。
しかし、それと同時にこの作品が、誰に向けて作られたものなのかを考える必要があるだろう。
「虐待を受けている子供が『たたかう』なんて言わなくていいんだよ!」といった意見を見かけるが、そもそもこの作品は被虐待児童へ向けられたものではないように思う。
では、誰に向けたものなのか?
それはもちろん虐待を受けている児童以外。即ちこの作品を観た我々である。
虐待を受けているような児童は、映画鑑賞などといった娯楽に触れる機会を与えてはもらえないケースが多くを占めるだろう。この作品に込められたメッセージを受け取る機会が無いのだ。
だからこそ我々が、主人公よろしく被虐待児童に手を差し伸べる行動力を持たねばなるまい。見て見ぬ振りでは、救える命も救えないのだ。
批判も多い作品だけど、細田監督が伝えたかったことって──ネットやSNSはあくまで手段やツールであって、目的ではない。一方で世の問題の多くは、現実世界でこそ起きている。そして、それらから逃げることはできない。問題を後から批判することは誰でも簡単にできるけど、その前に出来ることを一人ひとりが始めようよ──みたいなことなんじゃないかなぁ?
少女漫画の鉄板
こどもの引率で観にいきました。
冴えない女の子が学校で一番の男の子(幼馴染み)に見守られる。学校で一番可愛い女の子に幼馴染みとの恋の応援を頼まれる。
あるあるだなぁ。
あんないい人たちに囲まれているのに、高校生になるまで夕御飯を食べれなくなるまで立ち直れないってのも現実的ではない…。
そしてやっと立ち直って最初のご飯が思い出のおかずってかなり酷だけど。
U の世界も危なくなったらログオフすればいいだけの話し。
予告でサマーウォーズみたいな話しかなと思っていたけど、社会に何か問いかけたかったのか?テレビで放送されても観ないと思います。
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