竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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冒頭の5分
…は素晴らしかった。
ベルの歌唱シーン。現実とは離れたUの世界、楽曲と映像美の迫力に引き込まれたけれど、ストーリー構成としては展開が早く、全体的にぼんやりしている印象。違和感が残り、共感できるポイントが分からないまま終わった。
主人公と幼馴染、クラスメイトの恋愛に関しては内容と結びつかないし、いつの間にかベルの正体が知られている。父親との関係性もあっさり解消され、東京に住む兄弟の居場所も簡単に特定できてしまう。詰め込んだ描写を少し削るなり、ストーリーをもっと掘り下げてほしかった。
仮想空間の音楽と映像に全振りしているイメージ。
ベルのキャラデザはとても良かった。
圧倒的音楽と映像美◎ ストーリー✖︎ じっくり感想
細田監督の作品は欠かさず見てきましたが、今作はサマーウォーズと同じ仮想現実をテーマに扱った作品という事でワクワクしながら鑑賞させて頂きました。
…圧倒されました。CG技術と背景美術が組み合わさった映像美は言うまでも無いですが、OZのようなキャラクターの個性を全面に押し出したハチャメチャな感じと、浮遊する近未来都市?のような精細かつリアルな空間が融合していて、とても新鮮な感覚でした。
あと個人的にテーマ曲のUにどハマりしました。キャッチーなドラムスのイントロから始まるのですが、映画の冒頭で流れ出した途端、自分もUに入り込んだ気分になり、とても観ていて高揚感がありました。歌と映像で世界観に引き込む感覚はミュージカル映画に近いと感じました。
映像と音楽は◎!…なのですが、設定や世界観の説明が不足しているように感じます。
・U→身体に装着したデバイスを通して接続可能な仮想現実
・AS→Uのアバター。自分の内なる個性?欲求?痛み?を引き出して具現化する。生体情報と紐付けされているため、アンベイル(身バレ)される危険もある。
・一応、仮想世界上でも犯罪は起こるらしく、警察が居る。
…らしいのですが、この設定を理解するのに割と時間がかかりました。一応、近未来を想定した設定だと思うのですが、一方で現実世界の設定は、ほぼ今のままなので、ちぐはぐ感は否めませんでした。
特に気になったのは、アンベイルの権限を持ってるオッサンが、中身は喋ったら一発で分かる極悪人と言う点で、セキュリティ甘すぎ!と思わず突っ込んでしまいました(笑) その辺が、逆にリアリティある仮想現実という設定を求めていただけに少し安っぽく感じる部分でした。
あとは、すずが自らアンベイルするシーンですよね。顔とか生体情報って最大の個人情報な筈なのに、しのぶくんは「自分の正体を晒けだせ」とか云々言ってて、すずのリスク考えたら他人がとやかく言うのは絶対におかしい、と思ったり(笑)
でも一番残念だったのは、やっぱりストーリーだと思います。というより、伝えたい内容に対して圧倒的に尺が足りてないのでは?と思いました。
具体的に、
・なぜすずは顔も名前も知らない龍にそこまで入れ込むのか。水難事故で顔も名前も知らない子供を助ける母親の背中に突き動かされたのは分かったけど、何か腑に落ちない。仮想空間での龍があまり魅力的では無かったからかもしれません。
・なぜ周りの人間は彼女がbelleであることに気がついたのか。現実のすずの周りの人間のASはヒロちゃん以外ほぼ登場しないし、いつの間にか実はbelleだと知ってたアピールをしだしたので、なんで???となった。
・なぜすずはたった1人で現実世界の彼(龍)のもとに向かおうとしたのか。冷静にあんな暴力を振るう父親を見ていたはずなのに何故周りの人間(特に大人)は彼女が1人で向かうのを傍観してたのか。一部始終を見ていたはずなのに駅前で送り届けてバイバイは単純に無責任に感じました。(実際に怪我してるし!!)
…このように、大人が大人として存在していないので、「信用できない大人」みたいな監督の固定観念が裏にあるのでは?と勘ぐったり。
と、色々突っ込みどころは多かったですが、僕個人としては概ね満足です。細田守監督の新しい挑戦が見れたところが一番の評価できるポイントでした。見たことのないものを創ろうという気迫を画面から感じました。
ただ、この2時間のコンテンツが映像作品ではなく、テーマやメッセージを持った作品として見る価値のあるものなのかは疑問でした。本作で扱ったテーマをきちんと回収するには、最低でもアニメ1クールぐらいの尺が必要なのでは?というのが正直な感想です…(笑)
びっくり
映像が綺麗でした。
内容に関して、有名になった細田監督だから面白い!とは言いたくないので正直なところ…
恋愛なのか友情なのか歌なのか知らない人にも手を差し伸べる大切さなのか。わからなかった…。伏線なのかな?と思うところがいくつかあったけど、全てモヤモヤしたまま。CMで流れる歌についてはスタートに一度流れて終わりだったのが個人的にもう一回歌って欲しかったなって思いました。
見知らぬ誰かを大切に思う心
ネットで匿名で、リアルな自分ではない姿で、世界のどこかにいる見知らぬ誰かと出会うことができる。
リアルな世界でリアルに会っている人同士でさえ、お互いに全てを知っているわけじゃない。心を通じ合せている人なんて、本当はごくわずか。
ヒロちゃんの毒舌に納得する。
ネットでは匿名だからこそ、リアルではしないようなことをすることができて、人を傷つけたり、癒やしたりできる。
自分の姿じゃなく、理想の自分にもなれる。
すずちゃんのお母さんは、見知らぬ女の子を助けて死んだ。
すずちゃんも、ほぼ見知らぬ男の子たちを助ける。ずっとお母さんを理解できずに苦しんでいたけど、自分で体験して初めて理解できた。
自分の居場所を感じられないまま生きて行くのは苦しい。
ベルが竜のことが気になったのは、居場所のないリアルな自分と竜が重なったからじゃないのかな。
ネットの仮想世界で、リアルに出会うよりも沢山の人に出会えるからこそ、見知らぬ誰かを大切に思う心を持ってほしい、というふうに感じた。
?????
最後虐待現場を見た大人が女子高生を最寄駅まで送り届けるだけで実際に現場に行かないところなどよく分からない点が多すぎて途中から冷めてしまった。美女と野獣を意識しているのは感じた。噛ませ役も弱すぎてウーン。
サマウォやウォーゲームの映像好きなら見てもいいかも
一言で言えば映像と音楽は良い、ストーリーは面白くない。
以下長文ネタバレ
映像についてはサマーウォーズやぼくらのウォーゲームをいい感じにリスペクトされてて良いです
ただストーリーについては以下ような複数な軸のストーリーが絡み合っており、またそれらが最終的に結束するかと言われるとそうではなく結局まとまらないのでモヤモヤします。
- 幼い子頃のトラウマとクラス内のヒエラルキーによるいじめ
- 幼馴染との恋愛
- ゲームとリアル
- 親子のDV問題
特に主人公のタイトルにもある竜と主人公の心理描写がよくわからず、なぜ主人公が竜と関わり合いになりたいのかという明確な理由がないままストーリーが進行し、それ以外の軸のストーリーも進んでいくので結構置いてけぼりにされます。
また、美女と野獣のリスペクトも激しいですが、上記の通りストーリーの主軸がぶれているので美女と野獣の切り貼り映像にも見えるかもしれません...
最後にこの映画のクライマックスですが、どこがクライマックスなのかよくわかりません...これはストーリーが複数ある関係上悪役がストーリーごとに存在しているのが原因なのですが、このせいで盛り上がりに欠けます...というかどこで盛り上がったらいいのかがわからないですね...
0.5も付けたくない
最高の劇中歌や仮想世界のデザインなどがありながらストーリーがカスすぎる…大丈夫?何かあったの??虐待を受けてた男の子二人に救いは無いの?あの家に置いてってるの馬鹿なの?助けてが無意味だったから何も変わらなかったんだろ??
キャラクターの必要性、ストーリーとの繋がりが一切感じられない。物語において登場人物って、その世界や物語の中の何かを象徴するものであったり、何かを大きく変える存在なんじゃないの?主人公が終始ウジウジしていて見ていて胸糞が悪かったし、幼なじみのイケメンとカヌー部男子は何を伝えるためのキャラクターなんだ?イケメンは背中を押すだけの存在なら、竜男を出すのに恋愛感情をお互いに持たせる必要は何?ルカさんとカヌー部男子の関係も何を伝えたいの?母親が勝手に死ぬのも分からないし、主人公が父親を避けるのも分からない。合唱ババアはモブだろあんなの、、、
あんだけキレ散らかした竜にヒヨってた主人公も、抱きしめられただけで落ちる竜もちょろ過ぎんだろ、もっと難航しろよ??そもそもライブ会場で竜に興味を抱く主人公も意味がわからない、何か主人公にとって大きな発見もないしイベントも発生してないのに何が「彼は誰?」
だよ。なんで歌うとぽわぽわ光るの?もう感想書くのしんどいし誰も見ないだろうから切り上げるけど、これが評価されるなんてみんな普段どんな映画見てんの?脚本のどこに良さがあるのか教えて欲しい、話多すぎ、伏線張りまくり、キーポイント匂わせが多すぎ、何も救えてない癖に主人公が前向きなってんのキモすぎ。
曲がいい
ストーリーは、主人公の女の子が母親を亡くした事により自尊心がなくなってしまいなに対しても無気力な状態であった。
そんなある時に仮想現実の世界と出会いそこで自らが苦しんでいた歌を歌う事が出来ないという現実が克服された。
そんな中で、唄という自分の魅力が開花化されて、誰にも負けないくらいの自分に出会う!
竜という仮想現実の中でいみ嫌われ者に出会い物語がどんどん展開していきます!
この映画の中で唄が何曲か出てきます!
その中でも肝心なシーンで登場する曲やオープニングで始まる曲などもう一度聴きたくなるようなものばかりでした!
仮想現実の中で自分は、嘘かもしれない。
でも、現実の中で嘘をついている自分がいるなら、本当の自分を曝け出す事が出来る場所こそ真実なのかもしれない!
と思いました!
人間は一人では生きられない
本作は「事件がすぐに拡大するネット」と「少しづつしか変わっていかない現実」を対比的に描いている。バズる、炎上、顔バレなど、Uの世界(ネットのなか)では天地を揺るがすような事件が立て続けに発生する間も、現実ではこれまでと大差ない日常が流れている。
主人公:すずにとって、本作を通して得られた変化は
・ルカと仲良くなった
・しのぶと対等な関係(友人?)になった
・父と会話するようになった
ぐらいのものであろう。
また肝心の恵に関しても、彼の家庭における児童虐待そのものは解決できておらず、すずとリアルの繋がりができたことで、「片親家庭の知り合いができた」がせいぜいである。正直なところ、大人の目線では大きなカタルシスを感じられず、本作の評価があがらない一因になっている。
しかし、思春期の学生目線で考えてほしい。
・憧れの同級生と仲良くなった
・疎遠になった幼なじみと復縁した
・避けていた父と和解した
幼い頃に母を亡くしてからというもの、何事にも後ろ向きな性格になっていた思春期の少女が、日常における心の拠り所を確認できたことは、今後の人生を前向きに考えるうえで十分な収穫だったのではないだろうか。しかもそれにとどまらず、必死の思いで恵を助けたことを通して、他人のために命を懸け亡くなってしまった母親の人としてのあり方を理解し、断絶されていた母娘の繋がりまでも取り戻している。
これは、恵にとっても同様である。先述の通り、虐待問題は解決していないが、彼はこれまで現実でもネットでも周囲を頼ることができず、ひたすら耐えるしかなかったのだ。思春期のうちに「自分を省みず介入してくれる他人(すず)がいる」ことを体験したことは、今後、父に立ち向かう勇気をもらったとともに、すずとの関係性が人としての道を踏み外さない大きな材料になるかもしれない。
総評として、前半の竜の振る舞いから父やしのぶを連想させるミスリードはお見事、の一言。あとで思い返すたびにじわじわ込み上げてくるものがある、素晴らしい作品と思う(見返したら評価が変わるかもしれないが)。劇場で大きな感動がなかった点と「サマーウォーズ」や「美女と野獣」のオマージュを脱しきれていない点を考慮して、-0.5とした。
ベールを外さなければ何もできないし変えることもできない
この映画の「あらすじ」とかディズニーの「獣と美女」とかいっさい忘れて見ることをお勧めします。そうしないとおそらくストーリー上の粗い部分が気になってこの映画の良い部分が堪能できないのではないかと感じます。
私は、すずちゃんが自分を変えたくてBellになるところまでは理解できましたが、すずちゃんがなぜ竜に興味を持つのか、助けたいのかは映画を見終わってもよく理解できないです。仮想世界Uの仕組みもよくわかりません。この点がストーリー上は大きなマイナスとなっていますが、この映画の芯はそこではありません。
仮想であれ現実であれ、「勇気をもってベールを外さないと何もできはしない」ということが主たるテーマで、そのことのみが描かれていると言って良いと思います。クライマックスで竜に自分がBellであることを信じてもらうためにすずちゃんはベールを脱ぎ(映画ではアンベールと呼んでいる)、自力で現実世界の竜の本人のところまで行きつきます。ただ大人の視点で言うと、大人をもっと頼ってほしかったですね。高知の「はちきん」のおばちゃんがあんなに簡単に電話で引き下がることは絶対ないし、私が父親なら必死になって娘を追いかけます。DV親父なんて何をするか分かったもんではないですから。
映像はとてもきれいだったと思います。高知の伊野とか仁淀川水系、高知市の鏡川のほとり、最後の武蔵小杉近辺のところも土地勘があったので、とても楽しく見れました。当然ですが仮想世界UやBellの造形もきれいです。そして音楽。サントラ盤が出たら買いたいです。
この映画は宣伝のせいかどうか知りませんが前情報が多すぎると思います。そういうのは忘れて見ましょう。変な期待感(ラブストーリ、SF活劇等)、先入観なしに見れば、良い映画の範疇にある作品だと思います。
歌が凄く気に入った。ストーリーは微妙。
内気で多少ネガティブに考えるすずちゃんの事はあまり好きになれなかったけど、見ず知らずの人を助ける姿を見て泣けてきました。
仮想空間で自分が描くアバターを自分の姿を皆に見せる姿を見て、とても勇気があったと思います。最初すずちゃんの事は苦手だったけど、誰かのために一生懸命強くなっていくすずちゃんが好きになりました。
ストーリー性は多少ディズニー感があって、ツッコミどころはありました(笑)
ん?あれ?という所もありました(笑)
けれど、今までなかった映画だと思っています。特に歌に凄く惹かれました。どれの歌も素敵で迫力があって、鳥肌が立ちました。
今まで感じたことない感覚を感じ、魅力します。今でも耳の中が残ります。
個人的にベルが着てる服装が好き過ぎます。
これから初めて見る方はツッコミどころはあると思います。細かい所は気にせず、仮想空間の音楽映画として思い切り楽しめた方がいいと思います。
あとはストーリー
映画冒頭 圧倒的な映像美と歌で一気に映画の中に連れて行かれた。
どの俳優さんの演技も大変お上手で、前の4歳児に抱いた感情は出なかった。
映画の世界でワクワクしていたら突然、水難事故という胸くそ悪い現実を叩きつけられた。
どうして悪者なのかわからない?最後はどうなったのか?わからない(竜)
(ジャスティス)から道徳の教科書に書いてあるような自己防衛を、
紙芝居か?と思うほど変わらない映像で長々と聞かされた。
顔を晒してその後どうなったのかわからない?(姫)
未成年の娘が夜行バスで、暴力を振るっている大人の所に行ったのに
あとを追わずメールで激励して帰りを駅で待つ、これほど役立たずの父親を見たことがない。
虐待男も制裁されていない。子供達も保護されたとは描かれていない。
120分も使って伏線回収できないなら、続きを
サブスク動画サイトで発表されてはいかがでしょうか?
映像と音楽で
プラスマイナス0といった感じです
映像と音楽に関しては時代を追って進化し続けるアニメーションの一つの到達点とすら言えるレベル
ここ最近は傑作アニメ映画が非常に多く、特に映像なら無限列車、脚本ならシンエヴァンゲリオン、音楽なら間違いなくこの作品を推せるほど
それほどまでに優れた映像、音楽の水準にありながらかぜこの評価かというと、それを補ってあまりあるレベルの脚本の拙さ、雑さが要因です
狼子供から始まるここ10年ほどの細田守作品は恒例ともいえる肩透かし感、ガッカリ感を伴う作品ばかりで
特にバケモノの子などは前半のワクワクを徐々に台無しにされていくような当時の落胆を今でもハッキリ覚えています
冒頭はサマーウォーズのOZにログインするプロローグのセルフオマージュで始まりましたが、この時点でサマーウォーズの焼き増しという印象が拭えません
実際にはその後圧巻ともいえるU世界の表現シーン、BELLの歌唱力で呑まれてしまい、確実にサマーウォーズを過去のものにしてしまうような迫力を感じました
キャラクター周りも時をかける少女よりのやや甘酸っぱい人間模様が描かれ、その世界から抜け出すようにU世界に飛び込む主人公と、観ていて特に指摘するような粗もなくその順調な滑り出しに「これは相当な傑作なのでは?」と強い期待を抱きました
バケモノの子同様、細田作品は素材が良いだけに期待感は毎度高められます
実際にはBELLのライブは一回きりで、あとはとってつけたような〝竜〟探し、〝竜〟との交流に大半の尺が割かれ、現実の主人公とBELLとのギャップに悩む展開や、甘酸っぱい恋模様、BELLが少しずつ認められていく様子など描こうと思えばいくらでも魅力的な話にできる部分はことごとく早巻きで飛ばされていきます
それほどまでに重要な存在である竜の正体は特に意外性があるわけでも、深い意味を持つわけでもない
「ああ、そうなの」としか言いようがない人物で
その姿が最初チラッと映った時、狼子供の雨に似てるし、雰囲気〝竜〟っぽいな、と思ったものの、全く接点のないポジションのキャラなため、「さすがにこの人が竜はないな」と思いましたが
終盤の展開はもう言葉が追いつかず、サマーウォーズでたとえるなら残り1分で落下してくるアラワシを止めるためにケンジがロケットに乗って宇宙に旅立つような荒唐無稽ぶりで、しかも直接的な解決には至らず、ここまで噛み合わない脚本は逆に貴重なのではと思えるレベルでした
直近でみたシンエヴァンゲリオンが、あまりにも丁寧で、関わってきたファンや関係者全てへの感謝に溢れるとても情緒豊かな脚本だっただけに、粗さがなおさら際立ち脚本の悪さだけで作品そのものの評価が二段階は落ちてしまいます
ですが、音楽は何度も言うように圧巻ですので、映像美と合わせて楽しみに行くだけに1800円を払う価値は十二分にあると思います
キャラデザもよく、主人公にも魅力はあるかと思います
この路線に脚本が伴えば、大化けする可能性もあるほどのクオリティです
次回作で今回の反省点を踏まえれば、細田守作品がアニメーションのトップに立つのも夢ではないかと思われます……が、やはり脚本は別の方にお願いしたほうが良いのでは
文部科学省推薦映画
細田監督の作品は背景がいい。
本作では廃校の教室と高性能システムとの組み合わせが良かった。
旅行が困難なこのご時世においては、夏の高知の青空も心に響いた。
すずの自宅の最寄り駅(!)は、ちょっとキャラクターとミスマッチだったかも。
あと、すず(ベル)をスクリーンの中心に置いたショットが目立った感じがした。
本作は夏のアイドル映画とも言えるので、上記のショットも含めてヒロインの魅力を目立たせる演出が効いていたと思う。
亡き母親の思いが自分にも引き継がれていたことを理解した少女が、少し大人になるという定番のドラマ。
ドラマを動かすプロットには「美女と野獣」のようなロマンスもある。
倫理的に正しい大衆娯楽作品。他者を愛することの価値が低下する現況に鑑みて、文部科学省が推薦してもおかしくない。
仮想空間と大量アバターは劇場の大画面に堪える精細なものであったが、古さもすこし感じた。最近ヒットした「デカダンス」を見たばかりだからだろうか。
物語上の必要性があったにせよ、仮想空間で「ありのままの自分」を他者に示すことを感動的に描くのも違和感があった。私たちはいくつものペルソナを使い分けることで、社会をうまく渡ることができる。せめてネットの世界では、その緊張から解放されて虚構に浸りたいと思う。
最後までだれない話運び、仮想空間でのライブ感、丁寧なキャラクター演出。
大衆娯楽作品としてなら、これまでの細田作品の中でもっとも完成度が高いと思う。それでも手放しに好きな作品とは言いにくい。
「未来のミライ」でもそうだったが、作品テーマが正しさに満ちており、主人公の周囲の人間が概ね「良い人」たちであるため、終始いたたまれなさを感じてしまうのだ。
2時間をエンタメ作品で潰したい人には絶対オススメできる作品ではある。
ただ、私の人生との間に縁を感じない。
「おおかみこどもの雨と雪」のような恋がもたらす感情の高ぶりと家族の別離を描いた細田作品が観られることを願ってやまない。
期待値が高すぎたかも…
「言いたいことはなんとなく伝わったものの、なんかモヤっとした」というのが率直な感想。
主人公の歌唱シーンや映像などは全体的に良かったし終盤の歌唱シーンは圧巻でしたが、全体的に情報過多だったせいか、それをまとめるために途中の展開に粗さが目立って集中できなかったのがこのモヤモヤの原因かもしれません。
それと合わせて、竜と主人公の関係性がメインストーリーなのかと思いきや結局は主人公(すずちゃん)の心の成長だけが軸となって竜との関係性も他のキャラクター達と大して変わらず浅い感じで終わってしまい、物足りなさを抱えたまま終わってしまった印象でした。
個人的に一番違和感を感じたのは竜の登場シーンで、ライブを邪魔されてすぐにベルが「あなたは誰なの?」と追いかけ始めますが、ベル(すず)の性格上なんで急にそんな行動が取れたのか、何が彼女をそんなに突き動かしたのか疑問(直感と言ってしまえばそれまでですが、そうなるきっかけも無さそうだったし…)だし、竜の背中のマントの柄を「アザ」と表現するのもなんだか腑に落ちませんでした。(言いたいことはわかるけど)
さらに竜も竜でベルと全然接点がないのに「美女と野獣」よろしく、急に一緒に歌って踊って心を開くという展開が挟まれ、心のやり場に困ってしまいました。
最初は忍くんが竜なのかも?と思って見ていましたが(それならまぁなんとなく納得できたかもですが)結局全く知らない初対面の少年で、しかもその彼に会うために四国に住んでる高校生が1人で東京に遅くに向かうのも不自然かつ強引な展開に思えて、終盤は完全に心が離れてました…。前情報のせいで期待値が高かったのもあるかもしれませんが、ちょっと消化不良でした。
金を貰っても見たくない映画
映像は綺麗ですが見たかったのは映画であって絵ではない。
しかも本編2時間越えはつらかった。
内容スカスカなので。
プロの声優さんの魅力や演技力、表現力が凄いのか改めて感じさせられた。
極め付けはS.A.Oや美女と野獣のもろパクリ。
TV番組で細田監督が美女と野獣を好きなのを語っていてショックだった。本当にパクってるじゃん。
周りに止める大人はいなかったのかな。
脚本に疑問があるが、映像、音楽、俳優はすごく頑張った作品
映像、音楽、俳優の頑張りには最大限の賛辞を贈りたい。
・映像は美麗の一言。地方の自然美とバーチャルの不思議世界の両方を高い水準で映像化していた。
・音楽はこの作品の魅力を大いに引き上げた立役者。音楽の力を再確認した。
・主役が本業声優ではなく、棒演技に終始してしまったが、それでも作品全体をダメにするほどでもなく大健闘していた。本業の歌の方は本当に素晴らしい。他の役者陣も素晴らしい芝居だった。
一方で、脚本には疑問が多々ある。
・全方位に受けるためなのか、あまりに詰め込みすぎ。SF+青春+恋愛+児童虐待+音楽。これらすべてを2時間で消化するには脚本がとっちらかった印象が否めない。映画の焦点がぼやけてしまった。
・あまりに非論理的な部分があり、受け入れがたい。SFガジェットはそういうものとして受け入れたが、リアル世界での出来事がいくらなんでもということがあった。特に、児童虐待を救出するため、高知から川崎までを現実離れした短時間で移動している。具体的な地名を出さなければよかったのに。しかも、救出に向かうのは女子高生一人だけ。大人がだれか同行するのが普通だろう。時間に追われて脚本が雑になったのではないか。
全体的には、映像と音楽に身を委ねてぼーっと見るには良い作品。
その意味では、映画館での鑑賞をお勧めしたい。
曲も仮想空間の設定も声優も良かったけど...
1度じゃ理解しにくいような映画だった気がします。
一つ一つの描写が少し浅かったような....
ほかのレビューにあったとおり、インド映画のような突発的に踊ったりすることに疑問を抱かなかったり、そういう映画だと言われてみるとすごく楽しめる映画でした。ですが、細田守さんの今までの作品からキャラの奥深さといいますか...そのような感じのものを期待していたので最後の告白の部分だったりサマウォのようにスッキリする終わり方をしなかったのでちょっぴり残念です。
でも素晴らしい歌や最後の方のみんながどんどん歌い始めるところとかいいところもたくさんあるので一概にはなんとも言えない感じでした。
心の中が不完全燃焼です...
卓越したクリエイティブ×謎ストーリー
まず、歌,音楽,映像,キャラデザ,作画は最高です。
それだけで見る価値ありますし、それのためにもう一度観てもいいと思ってます。
・歌/音楽:中村佳穂さんの歌、鬼才常田大希氏(kingunu)の独特な楽曲。非常に映像ともマッチしており良かった。
・映像/作画:3Dをふんだんに使いつつ、所々でLive2Dなど技術をふんだんに使っており最高でした。エンドロール観てもここに本気度を感じます。
・キャラデザ:アナ雪のキャラデザ担当の方。非常に良い。
このクリエイティブは本気さを感じます。
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問題は、ストーリー/脚本。
・オチ:「虐待されてる見ず知らずの子供を救う」。謎い。全く見ず知らずであり、その後恋愛に発展したり先に繋がる展開もなく、子供達の存在はストーリーから浮いてるように感じる。
・無駄に多い登場人物:何かありそうだが、最終的に何も意味をなさない人物多すぎる。有名人アサインするために用意しただけの箱なのではと思ってしまった。(あと幾田りらは何故歌う役でないのか…勿体ない…)
・最終的な虐待を救うという着地点の謎さで、ここも謎になってる
・テーマ:「VR/アバター文化/デジタルツイン/メタバース」がテーマかと思いきや、よくあるネット発のアーティスト(ジャスティンビーバーとか)の話になっており、アバター化して人々の生活がどう変わるのか、VRによって何が変わるのかなど一切出てきてないので、なんでデジタル空間使ってるのかよく分からない。
かと言って、インフルエンサーになってどうしたなどが表現されてる訳でもない。
クリエイターサイドの最新の映像美への挑戦をしたいが、現実世界では出来ない表現があるので、自由度の高いVR空間を選んだという「手段(映像)ありきのテーマ(VR)」なんだろうなと感じた。
サマーウォーズや僕らのウォーゲームで、デジタル空間の新しさに触れた人でも、今の最新のVR/メタバース/デジタルツインなどにはついていけてないんだろうなと感じた。
一流の素材なことはたしかです。
番宣の時点で嫌な予感はしていたが
悪い意味で当たってしまった。
登場人物一人一人にあるバックボーンに
焦点を当てることなく進む物語
イメージボードだけで映画作ったのが
素人でもわかる脚本の浅さ
すごく素材は良かっただけに
とてももったいないと思った。
虐待を扱っているのに後味がとてもわるい。
中途半端な表現しかされてないのに
幸せに暮しましたと無理矢理
風呂敷たたんでいて
子供でも疑問にかんじるのでは?
登場人物減らせば少しはましになるのでは
と思うけど…。
もやもやしか残らない作品でした。
全612件中、341~360件目を表示