ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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前半は「ヤクザ映画入門」です
前情報を目にすることなく、連休中にNetflixにて観覧。誰が主演なのかも曖昧な状態で観はじめたため、冒頭、脱色された髪色で登場する主人公が、綾野剛なのか笠松将なのか、それともスピードワゴンの小沢さんなのかが分からない。
お、今回は綾野剛のターンなのね…と分かる頃には、何とも怪しく漂うステレオタイプの任侠映画感。シャブを扱う悪いヤクザと、渋い親分が率いる正義のヤクザ。シマのクラブに敵対する組のモンがやってきて場を荒らしたり、抗争のきっかけになったりと、本当に分かりやすい。呆れるほどに分かりやすい。
だがしかし、ここまで「ヤクザ」という生き物を手取り足取り観客にイントロダクションしてきたからこそ生々しく描けたのであろう、令和ヤクザ凋落の空気感。ヤクザらへの情けが正しいかどうかは知らないが、綾野剛の枯れた演技に宿る切れ味と、現代の半グレを演じる磯村勇斗は見もの。
残念なのは、ラストの悪いヤクザと悪いマル暴の癒着によるぐちゃぐちゃ感。前半のエンタメヤクザ感を後半でお漏らししちゃった。主題がずっしり重い社会派要素だから、また最後に任侠エンタメ要素をぶっ込んできちゃったのかしら。ちょっと欲張っちゃった感じが否めない。
時代と共に。
この負の連鎖は誰が作ってるのか
責任放棄した大人たちのツケを払わされる子供たちが大人になりかけてる時、社会はそれ等の人たちを無視する。生まれた時や幼い時から社会から弾き飛ばされたものがたまたま、ヤクザという人たちに出会って家族という名の義理人情を感じたら、誰だってそれに従い守ろうとしてしまうんじゃないだろうか、親や学校や社会を拠り所にできない子供たちが、助けてくれる大人たちを拠り所にして何が悪いのか?だからと言って何をしても良いわけではない。ただ、その道義的なものは誰が教えてくれたかによるところが大きいと思う。
そして、社会復帰などさせないこの仕組みの気持ち悪さは、相変わらず続き、いったいどこでこの人たちは真っ当と言われるこの嘘くさい社会に喜びや幸せを感じて紛れることができたんだろう、、、。
映画の展開そのものはありきたりで、面白みにはかけます。が、社会の狭さと普通になりたい人たちの強迫観念に対する問いかけはよく分かります。
最後は少し前向きな終わりを見せる。そう見るのが普通なのかもしれない。だけど、私があの少女なら最後にあの磯村くんには声をかけない。それが普通を強要する社会の生き方だから。人間らしくないのはどっちだろう。
演者さんはみんな本当良かった。特に磯村くんが良い!
暴対法の過酷
昔はきょうだいがどっさりいて、そういう中には一人くらい捻じ曲がるのがいたのだと、私の母親が言っていた事がある。
今で言う毒親、若しくは育児放棄される子どももいる。
そういう子どもたちの受け皿が暴力団だったと。
仁義や裏家業のルールを叩き込まれたと。
そして、暴対法の挙げ句
ルール無視の若い暴力集団が のさばるのだと。
今の世の中が、本当は一体どうなっているのかは知らない。
例え日本にそういう世界が無くても、大陸からいろんなのが来る。
取り締まろうとすると、どう言うわけだか日本の弁護士会や人権団体がそっち側の味方になったりもする不思議。
反社。
今は幼馴染だろうが同級生だろうが、そう言う彼らとの付き合いはご法度。
そう言う彼らを追い詰める社会
それを描く。
綾野剛
市原隼人
磯村勇人
今回あんまり悪役じゃない北村有起也
そして館ひろし
今までにない切り口のヤクザ映画。
非常に面白く見た。
んだけれど、ネットの誹謗中傷で市役所って辞めさせられたりしますっけ?
当たり前が壊れていく
綾野剛さん本当に大好き。
それはいいとして、、、
哀愁ある人間味があるとてもいい映画。
もちろんヤク○はダメですが、ヤク○も人間なんだなと。
最近のこの手の映画は残酷すぎるから
こういった今の世の中をしっかり反映して生きにくい世の中がしっかり映し出されていた。
仲間意識が強いからこそ、"家族は愛"という切り口で見せた物語。
現代は他人に干渉しない、自分は自分!な世の中に
義理人情という言葉は通用しない。
ある意味義理人情って愛なのかもしれない。
millennium parade初めて知りました。
この映画にぴったりですね。
感極まって泣いちゃいました、、、。
ヤク○=センチュリーだったのがプリウスで時代の変化を感じた。。。
これを茶番と呼ぶな
弟分だった細野に刺されて海へと転落した山本だったが、それでも彼が安らかな表情だったのはなぜだろうか。これには3つ理由があると考えた。
①柴咲組の報復
②由香・彩に迷惑を掛けないようになる
③翼を守ることが出来る
①最後に襲撃して撲殺した二人は柴咲組にとって紛れもなく復讐の対象。これを果たすことで柴咲組という家族を守った。
②山本自身が死ぬことで、二度と会わなくなるので、関わりが無くなる。これで、由香・彩という心が繋がった家族を守った。
③翼は服の色使いや金髪等含めて、映画序盤の山本を示していた。翼の親父殺しの復讐を阻止することで、復讐→復讐→復讐の負の連鎖を絶ちきった。翼を守ったのだが、彼自身(≒家族)を守ったのかもしれない。
とやや強引に「ヤクザと家族 The Family」という映画タイトルをふまえた考察だったが、これらを踏まえた、最後のシーン。
山本が命をかけて守った「家族」同士の会話。
兄のように慕う山本に娘がいたことを知り、驚きと嬉しさがつまった空白のあとの
「少し話そうか。」
ここから物語の続きとしては、彩と翼互いに山本をもっと深く知るだろう。そして、山本にある「家族」を想う力を受け継いでいくに違いない。
山本は報われたと思う。
雰囲気映画かもしれないが関係ない、私には傑作だ
2本立て2本目、鑑賞人数7名。やっぱり緊急事態か。ヤクザ啓発映画。...
終始湿った感覚
終始切ないけど、感動したし、見応えがありました。
最初はあまり興味なく、
有名人がよくストーリーにあげてたので、
観てましたが、想像以上の見応え!
綾野剛かっこいーなー
それ以上に舘ひろしかっこいい
切ないですね。
結局好きになった人には邪魔者扱いされ、
身代わりに懲役行っても邪魔もの扱い。
最後は信頼してた後輩になんて。
幸せになって欲しかったけど、
ヤクザとはそういう目でみられるもの
懲役にいくと、世の状況がわからないのを
やっと理解しました。
自分の中では時が止まったままだもんね、、、
磯村くんが、父親のこと知りたがったように、
彩ちゃんも父親が知りたかった。
最後のシーンは観た人みんなが、
あぁ。この子も磯村くんみたいな子なんだな
と思いましたよね。
もう一回みたいな
ヤクザの人権
世の中から閉め出された男
Netflixで鑑賞。
ヤクザ映画と云えば、"東映実録路線"と呼ばれる作品群や、最近では「孤狼の血」のような、血みどろの抗争劇を中心にした作劇を思い浮かべますが、本作は全く違った趣きでした。
時代の流れに追い詰められ、人間として生きることを許されなくなったヤクザの姿を冷徹に描くと同時に、"家族"を求め続けた男の悲劇を描いた哀切のヒューマン・ドラマでした。
"親"である組長を慕い、ヤクザとしてオヤジのためなら命を擲つ覚悟で生きて来た男が、14年の刑期を終え出所すると周囲は一変していました。その変化の著しさがとても物悲しく、ヤクザから足を洗っても尚付き纏うレッテルのせいで、次第に行き場を失っていく様に胸が締め付けられました。
まともに生きたいと思っても、携帯電話は持てず、就職も出来ない。大切な人にも害が及ぶ。ヤクザだったと云う理由で、人権は無いも同然となってしまいました。
法律で雁字搦めにし、暴力団排除の動きが加速する中、若い世代が半グレとして台頭し、法律の網を掻い潜って活動し始める。いたちごっこの様相を呈した…かと思いきや権力側の人間がヤクザと癒着して便宜を図り、絵図を描いている…。そして主人公を徹底的に追い詰めたのはSNSでした。
ヤクザを追い詰める法律をつくったのはカタギだし、SNSを利用して気軽に拡散させたのもカタギ。これではまるで、カタギの方がヤクザのようではないか…
そんなやるせない現実でも、ヤクザとしての生き方しか出来なかった男の最後の決断とその結末に、胸を打たれました。
果たしてこれしか道は無かったのか。そもそも法律とは、誰のために存在しているのか。突き付けられた気がしました。
かっての 義理・人情 を現代で説明するには”家族”となる。 そして、ヤクザの常道文句は「すまん」
敵側の元売人だったのか? どこの組に所属していたのか判らない主人公の父親には、戒名が6文字しかなかった。
半端者はしょせん半端なのか。。。仏門の方に聞いてみたい。
どのカットでも撮影には各種のこだわりが感じられ、とても頑張っているのが解った。
殴られて腫れた顔を表現する 特殊メイク もうまい。
前後半部を区切る10秒以上の”ブラックアウト”の表現が凄い。こんな使い方をするのは、今まで観たことがありません。
世界的にも突出した凄い表現です。
かっての健さんは健坊になったが、前半部での半端者は”これ見よがし”に左手を使わないが、
後半部になると、きちんと両手で食事をする。
そうした各種演出や細かい演技指導もよかったが、
なにより綾野剛さん自身の役者としての完成度が高く、世界のどこにだしても自慢できる役者レベルでした。
登場人物の中で、ひとりも「指を落としている者」がいないのと
舘ひろしさんは非常に貫禄あり、良いのだが、ちょっと いい人過ぎ なので、ヤクザらしい 鋭い面がなかった。
「すばらしき世界」でも書いたが、1カットでいいから、ヤクザの目を入れてほしかった。
映画を観ている人に ヤクザを再認識させる事が、この手の映画には必需です。
主人公の相手役を務めた尾野真千子さんは年齢が15歳くらい 若い別人に見えました。
映画を観ている時は100%気が付かずに、
逆に前後半で別の役者さんを使うなら「もっと特徴が似ている新人さんを、ちゃんと探せばいいのに!」と思った程だ。
帰宅して、ネットで調べたら、同一人物である事が判明し、僕は腰を抜かした。。
映画を観て、人は自分の為と言うよりも、家族の為にも 真面目に生きないといけない と実感しました。
そして、この映画を観たら、同時期につくられた「すばらしき世界」と並べてみたいと思います。
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