護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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加賀恭一郎的なエンタメ作品ではなかった。
確かに、評価できる映画なんだろうが、期待したエンタメ作品では無かったので、私的には残念。
謎が謎を呼ぶ展開ではなく、東日本大震災と生活保障に関するヒューマンドラマだったのね。
そして時系列が、震災時と現在と、それにその中間期と3つの時代がいったりきたりする作り方なのが特徴的でした。
加賀恭一郎以上に、渋い阿部寛もなんか活きてないし、佐藤健もうーん、どうなんでしょ。という感じでした。
久々に 揺さぶられた
切ない。
切なくて 切なくて 胸が苦しかった。
災害で人生が変わってしまった人々の悲しさ
生きていく現実の悲しさ、
こうせざるを得ない人の心の悲しさ
人々の思いを演じる
実力ある俳優陣の表現力に圧倒される。
作り手の伝えたいことが
ものすごいパワーと本気度で胸に迫って来る。
「観てよかった。」
と、心から思える作品は意外に少ない。
心に残る作品はもっと少ない。
この映画は、素晴らしい。
高卒でケースワーカー?
生活保護って微妙な題材だと思う。受給者を悪とはしづらいし、でも不正受給者がいることを無視もできない。不正受給者を見つける現場のケースワーカーを正義の味方扱いにするのにも違和感がある。もちろん受給者を増やさないために難癖つけて却下しようとするケースワーカーなんて言語道断だ。
本作は東日本大震災の避難所から始まる。そこから徐々に物語が紡ぎ出されて、最後に繋がっていく。原作がいいんだとは思うが、見事な脚本だった。犯人の行動は褒められるべきことではないが、その心情も痛いほどわかる。それに対する原作者の答えが死んでいい人なんていないってことなんだな。生活保護の問題を扱いつつ、その問題点に正面から向き合った、重厚な社会派ミステリーだった。
ところで福祉事務所のケースワーカーに高卒で着任する人っているのだろうか。基本大卒の人がいる職場だと思っているのだけれど。震災から9年、かんちゃんは何歳なんだ?高校生?のかんちゃんがケースワーカーになるのに大学を卒業できる時間はたっていない。
そんな時間の経過がやや引っかかった。
それにしても地味に豪華なキャストだった。しかも皆渋くて重厚な演技。いい映画だった。
これは泣けた! 自分の周りの皆さんも泣いているので自分も気にせず泣けて良かった(笑)
3.11で家族や家を失った人達の物語。
避難所で偶然知り合った独り暮らしの遠島(倍賞美津子さん)。放火で捕まり出所した利根(佐藤健さん)。大人になり福祉センターで働く円山(清原果耶さん)。
そして二件の殺人事件を捜査する刑事の笘篠(阿部寛さん)を軸にした壮絶なストーリー。
鑑賞目的は泣きの演技の上手い清原果耶さん。
中盤までは泣くシーンが無く残念だったけど後半にその演技が発動。
もう涙無くしては観られない(涙)
犯人探しの作品じゃないけど、なんとなく犯人が解ってしまう展開だけど心に突き刺さる。
後半、清原果耶さんと話す佐藤健さんの演技も凄かった。
チョビ髭でチンピラ風の見た目からは思いもよらないトークは圧巻。
伏線もたくさんあって、その中でも黄色いパーカーの伏線回収には号泣。
実際にあったかもと思うほどリアルなストーリーでメッセージ性のある作品で鑑賞して良かったです。
円山の幼少期時代のカンちゃん役の石井心咲さん。
可愛いんだけど最初は男の子だと思ってました( ゚∀゚)
今こそ見ておきたい社会派サスペンス
「護られなかったものたちへ」とはどの人々のことを指しているのか?
先の大震災をテーマにしているだけあって想像に難しくない。
また、その9年後に起きた「連続餓死殺人事件」の被害者たちも行政に携わる人間たちであるだろうこと、犯行の動機もなんとなく想像がつく。
本作で肝なのは罪を犯してでも護ろうとした犯人、主体はいったい誰なのか?その詳細な背景は?製作者が原作読者・映画鑑賞者に伝えたいメッセージ、震災や生活保護を軸とした社会に投げかけたい問題提起は何なのか?
テーマがテーマなだけに感傷に浸らぬよう出来るだけ冷静に作品の結末を見届けた。
感想を申し上げると、
コロナ禍で行政も経済も機能不全に陥った今だからこそ多くの苦しんでいる人に観てほしいと感じたし、あるいは社会問題に鈍感で無頓着な人らにもできれば観てほしい作品だと感じた。
震災に限らず思わぬ不幸で疲弊した人々はなかなか余裕のある的確な対応はできない。
各々の事情や苦渋の決断により、招いた人災や犯罪。
加害者だろうが、被害者だろうがそれぞれが導き出した考えや言動が招いた不幸故にただの怨恨や行政批判の物語だと切り捨てるのは浅はかな解釈だ。
ただ、素直に不誠実だなと感じる人物は随所に出てきてはいるが。
いずれにしてもお役所だろうが、市民の方々だろうが立場がちがえど苦しみを背負っている。
大事なのは表に出さないようにしたり、強要や蛮行に及ばないことなのかもしれない。
なかなかに難しい事だが。
亡くなった方を供養する、壊れた建物や破綻した事業・生活を立て直すだけが復興ではない。
というか、そもそも生き残った被災者たちはただでさえ苦しい人生、より一層苦しみを感じながら生きていかなくてはならない。
そんな中で求められる共助、公助のあり方を改めて本作では描き、問うている。
登場人物については、阿部寛演じる刑事としての姿は真相解明への貢献はもとよりそこに至るまでの過程には男気と直に観察することで人を見抜く直感力、不必要に語らない一方で、必要とあらば語りかけることで相手の心をほぐし、職分を誠実に全うする公務員ヒーローを描いている。
また、それとは対照的で無鉄砲で不器用な優しさを示す青年役の佐藤健の演技もまた毛色の違うヒーロー像を見せてくれた。
倍賞美津子さんの圧倒的な存在感
佐藤健の演技も良かった。素行の悪い青年、その目つき、目のやり場、頭がちょこんと出た前屈みの姿勢。泥水の中に顔を突っ込まれて叫ぶ。いやあ、いい役者さんだなあと感じた。
そして、なんといっても倍賞美津子さんの圧倒的な存在感があった。演技というより、その人から伝わってくる人間性がこの登場人物になっているようなそんな存在感があった。
佐藤くんは役者としていいなあと感じたのに対し、賠償さんはその人だったような印象があった。その存在感が圧倒的だった。
「魂が震える」と映画のキャッチコピーにあったけれど、そんなあざとい感じの迫り方ではなかったような気がした。もう少し考えさせられる。難しい映画ではないのだけれど、消化するのは簡単な映画ではなかったような気がする。
それは、震災の映画と見るべきなのか、日本の抱える貧困の問題と見るべきなのか、家族の映画なのか。
ただ、そのどれかの映画と言ってしまうとちょっと薄っぺらな感じがした。
僕は被災地に行ったことがない。その当時も今も。だから、そこは感じる、想像するしかないのだけれど、震災が人の心にやっぱり黒い影を落としている。その難しさがやっぱりあるように感じた。
暗い時代に暗いテーマの作品はウケない。コロナの終息に希望が見てきましたがさてどうなる?
つい最近まで、コロナの影響で社会活動に制約がかけられ、重苦しい日常生活を過ごしてきました。
この作品は東日本大震災とか生活保護とか暗いテーマを物語の背景に使ったサスペンス作品です。
瀬々監督作品ですが、正直なところ彼の作品は好きではありません(「楽園」とか最低、「64」もNHKドラマの方がずっと良い)
一方、今作の主役の阿部寛が刑事役を演じた「祈りの幕が下りるとき」(福沢監督)は好みです。
ということで、知人に勧めることのできるような作品なのかな、おっかなびっくり見ていましたが、うーん、やめておいた方がよいと思う作品でした。
ミステリーとして、犯人はすぐわかります(伏線があるわけでなく消去法で特定できます)
ただ、動機は分かったようでわかりません。
あと、餓死により殺すことには意図があるのですが、時間がかかることから犯人にとって身の危険を伴うことになり合理的ではありません。
犯人が思う理念と犯行内容がうまく整理できていません。
阿部寛と佐藤健が主役ですが主役2人いると焦点がボケてしまいます 云々・・
生活保護というセーフティネットの網目からこぼれ落ちている人がいるというテーマは重要ですが、社会全体がコロナで疲弊している中でウケないだろうと思います。
あと、繰り返しですが今作の阿部寛は東野作品中の加賀刑事とは全く関係ありません
点数はチョッと甘目です。
犯人探しではないですね
原作は読んでいません。
物語は殺人事件が起きて観てる側も犯人を考えていきますが、本編のテーマが犯人探しじゃなくて震災後の生活や本当の復興支援てなんだろうと複雑な気持ちでした。前半に仮設住宅に住む女性が「国に迷惑をかけたくない」と言う言葉があって、この考えを変えたくて救いたい気持ちで精一杯だったのかと印象的な場面でした。
佐藤健さんの人物をどう観るか白か黒か。目つきと怪演な役が怖かったです。原作では佐藤さんの役は過去や素顔は具体的に描かれているのかな。
物語の見せ方や流れは、ズルいなと言う感想になるけど、各人物に過去の出来事があり真相が明かされて上手いこと繋がる..韓国ドラマや韓国映画を観てる気分になりました。
キャスト陣は豪華どの人物も難役でピリピリ感が
伝わる映画でした。
倍賞美津子の女優魂に引き込まれた
震災パートは、何度も何度も涙をぬぐった。遺体安置所で妻を確認する笘篠の表情を見ていられなかった。もし自分がその立場だったらと想像するだけで嗚咽しそうになる。
避難所でけいさんが、身寄りのないカンちゃんと利根を気遣い、いつしか3人は家族のような絆で結ばれていく。倍賞美津子の円熟なんて言葉では足りないくらいの女優魂で遠島けいを演じている。
そのけいと身を寄せ合うカンちゃんを演じる石井心咲がこれまたすごい。わざとらしい子供っぽさもなく、無口で無愛想な利根に泊まって行くことをおねだりするときの自然な演技にはびっくりする。この3人の物語をずっと見ていたかった。
生活保護制度の問題点を浮き彫りにすることがテーマであることはわかるが、福祉事務所の職員が利根に対して言い放ったセリフに違和感を感じた。役人の性として、後で不利になるような挑発的な言葉を吐くということは考えづらいし、セリフで過剰に説明しなくても分かりますよ観客は。
殺人にまで駆り立てる動機に釈然としないこともあって、後半は少し興醒めして鑑賞していたが、「死んでいい人なんかいないんだ」という利根の言葉は、深く心に刻まれた。この言葉を理念として制度を見直す必要があると思う。
そうだったのか!瀬々監督か
この映画の内容は沢山あるので、まあいいかな。
事前情報なしで鑑賞して、エンドロールの最後、監督名にやられました。
瀬々監督の映画では、ヘブンズ・ストーリーという超長尺の映画を5回以上観ていたので、映像といい音楽といい、雰囲気似てるなあと思っていたら、やっぱりでした。
ちょっとしか台詞の無い役も、実力ある俳優さんを揃えていて、メインとあわせ豪華なキャスティングも監督ならではかと☺️
帰ったら、娘が買ってあったパンフで復習しよう。
サスペンス映画ではありますが、人間ドラマ。 日本人なら見ておきたい映画
東日本大震災をテーマにした悲しい
物語ではありますが、
東日本大震災に関わらず、
様々な天災や人災の復興の影で悲しい
運命を辿った方々がお一人お一人
クローズアップされてないだけで、
沢山いらっしゃるのだろうな…と
とても考えさせられる作品でした。
日本人の、特にご高齢の方に多い
「人の世話にはなりたくない。」
「人に迷惑を掛けるのは恥ずかしい」
という、日本人ならではの美徳とも
言われがちな価値観が悲しい悲劇に
繋がってしまう事もあるのだな…と
認識させられます。
テーマ的にも
重い、暗い作品かもしれませんが
その中にも、
慈しみ、愛溢れるシーンが散りばめられ
見入ってしまいます。
日本人として、是非見ておきたい
作品だと思います。
逆にエンタメかシリアスどちらかに強めに振っても良かったかも。
東日本大震災、それによって生活を破壊された人達の悲劇を描いた作品です。
大きいテーマとして生活保護制度の問題を取り扱っており、知らない人には知らないまでも、当事者としてはとても大きなテーマとなっています。
事実である東日本大震災を下敷きに、更に生活保護制度の問題点を扱うとあって、非常に重たい映画ではありますが、意図してエンターテイメントとして成立させようという意思が込められており、そこまで気負って観なければならない、というわけでもありません。
それでは順に感想を述べさせていただきます。
俳優陣について
本作を論評するにあたり、いの一番に挙げなければならないのは主演陣の演技の素晴らしさです。震災で妻子を失った刑事、苫篠を演じる阿部寛さん、事件の容疑者と利根泰久を演じる佐藤健さん、福祉センターで働く、利根と旧知の丸山幹子を演じる清原果琊さん、そして遠島けいを演じる賠償美津子さん。何より、この5名が映画の軸を支える俳優として素晴らしい。この5人の演技だけで作品が成立しています。更には序盤にチラッとでる三宅裕司さんも僅かな出番でとてもいい味を出してますし、個人的にはうつを患った母子家庭の母親の演技!こちらは演技という点でリアル過ぎて怖い思うほどです。他にも豪華な俳優陣が出演するされています。
しかし・・・正直なところ他の登場人物については残念に感じるところが多かった印象です。主に、警察組織の人間の演技。仰々しすぎます。いちいち喚かなくてよろしい、といいたくなります。また、苫篠とバディを組む蓮田刑事も、意図した役作りなのかもしれませんが、ちょっと嫌味が強すぎる感じがして、序盤は彼の姿を見るだけでちょっと醒めてしまいました。
ストーリー、脚本について
震災当時の出来事から始まり、その9年後の二つの舞台を時折ザッピングして描かれています。本作はシリアスなテーマを下敷きにかつエンターテイメントとして成立させる試みがなされており、事件をめぐるミステリーがその部分を負っていると思います。他方、震災時の避難所のありようや、生活保護をめぐる問題については丁寧に描いており、そのための長尺となっているのかと思います。昨今の、2時間を超える作品が増えているようで、慣れてしまった部分もあるかと思いますが、それほど間延びする事なく観れると思います。ただ、シリアスとエンターテイメントのバランスについてはもっと調整する余地はあるように思います。いっそ思い切りエンターテイメントに振って、風味として社会問題を取り扱う、ぐらいでも良かったかもしれません。ストーリーについては「展開が読める」というレビューも見かけますが、まあ個人的には最後まで飽きる事なく観れました。
音楽について
本作の音楽を担当された村松祟継さんは「音楽として主張せずどれだけ役者の演技に寄り添えるか」とインタビューに答えています。
確かにその通りで、悪く言えば全く音楽の印象が残っていません。いや、曲が悪かったとかいうわけではなく、場面場面でそれにあった曲は流れていたとは思うのですが、全く記憶に残っていないのです。その意味で狙い通りだったのではないでしょうか。そういった意味において良い仕事をされたと思います。
ただ、一点。音楽について言えば難点があります。
タイアップ曲の桑田氏の曲。詩だけ見れば、本作と合わなくもないのですが、楽曲としてエンディングで流れた時、全然会っていません。
タイアップたるもの、それも集客力に繋げるものであり、ファンならそれがプラスに働くでしょうが、ファンでもなく、さらに映画に合っていないとなったら作品の質を落とすだけではないでしょうか。もっとも作中BGMが先に述べたように主張の弱いものであるため、サウンドトラックなどの発売にあたり、売れる曲を持ってきたかったのかもしれませんが・・・。
個人的には失敗だと思います。ボーカル入りの曲を使うのならば、本作には年季の入った女性ボーカルが良かったと思います。
余談、パンフレットについて。
本作のパンフレットは俳優、スタッフへのインタビューのほか、スタッフの制作秘話、ロケ地の裏話的なものなど読みごたえのあるものになっています。
しかしながら、最後の方のコラムに某ジャーナリスト氏が寄稿されています。
これが正直余計。いえ、これだけで評価ダダ下がりというか、買って後悔しています。
生活保護がテーマですし、なるほどこの手の輩がしゃしゃり出るのはある意味当然かもしれませんが、まともなジャーナリストならともかく、正体の割れたインチキ野郎のコラムなど本人以外誰も幸せになりません。
以前も、別な作品で同じような輩にコラムを依頼していたものがありましたが、薄っぺらい反日リベラリスト(笑)の駄文など読みたくもないので、今後は考慮願います。
さて、つらつらと描き連ねて参りましたが、結論としては5段階中、4とさせて頂きます。
作品の掲げたテーマ、そしてそれを表現した俳優陣はとても素晴らしいです。
他の方が本作について「政治家が観ろ!」と主張されていました。それはそうなんですが、一人一人が自分の事として捉えて考える事がより大事かと思います。そういった点で、人に勧めたいと思いますが、そうなると逆に作品の「重さ」が気になります。その意味に於いても、もうちょっとエンタメに振ってもよかったのかな、とも思います。
とはいえ、個人的にはとても良い心の栄養を頂けたと思います。
良い作品をありがとうございました。
また、最後までお読み頂きありがとうございました。
『死んでいい人なんていないんだ。』その言葉がずっと頭に残っている。
震災をテーマにした作品はただ感動だけで終わってしまっているものが多い。しかし本作『護られなかった者たちへ』では非常に考えさせられるテーマであった。
主に震災の直後、数年後、9年後と3つに分けて構成されている。9年後(現在)に起こっている事件は震災当時とどのようにつながっているのかというミステリー要素もありながら、生活保護を必要とする人間の差し迫った人生についても書かれており、ひとつの映画で色々な感情が混じりあった。
この映画では日本映画のテーマのひとつといえる『震災』について多くの人々の視点から注目している。生活保護を受け取りたい被災者、年金だけでは生きていけない高齢者、それを支える周りの人々、家族をなくした刑事、多くの人々を助けたい職員...
誰もが誰かを助けたいと思っている。だがそれには何かを犠牲にし、本当に護りたいものとは何かを考える必要がある。そんなことを思ってしまった。
死んでいい人なんていない
震災がらみの作品はいやが応にも重くなって暗い。まだまだ辛い人もいるので微妙ですが。
アクターの皆さんの演技は見事だと思います。特に清原伽耶さんの幅広い演技力には脱帽です。
朝ドラでも新境地を。
今後の活躍も期待しています。
声を挙げることを躊躇う人たちへ
東日本大震災で家族や生活を失い、絶望と孤独、生き残ってしまったことへの罪悪感の最中に出会った三人の“家族”。ある人の死によって再び訪れた絶望と怒りによって起きる哀しい悲劇が、ミステリー要素はあれど社会派人間ドラマとして終始重苦しい空気感を纏い描かれていました。
ストーリーは正直普通で、真犯人や動機、ラストのオチの付け方も全て予想通りの展開。どんでん返しや想定外の出来事はほぼ起きません。生活保護を巡る現状や問題点、それに伴い放たれるメッセージ性も、意外性はなく、よく聞く内容ではあります。
それでもストレートに放たれる「苦しかったら声を挙げて。繰り返し。図太く。それは恥ずかしいことや間違っていることじゃない」という言葉に胸は熱くなりましたし、何より東日本大震災の直後は、本来“普通”の人も、哀しみと疲れと不安でおかしくなっていたということが、生々しいリアルを感じました。
また、正論を振りかざすだけでは救えないものがあることや、どうしても曲げられないことや人間の尊厳の考え方は個々人で異なることも描かれ、なんとも切なく、人を救うことがいかに難しいことかが伝わってきました。
全体的には瀬々監督の作品のテンポや表現が元々あまり好みでないことや、意外性の無い展開に終始したことで満足度は低め。
でも佐藤健さんの演技はとても良かったです。孤独で虚勢を張った哀しげな表情の中で、ふと見え隠れする優しさや愛を求める目が作品に色を与えていました。
こんな.....
ネタバレになるのであまり投稿しません。話の流れは途中から話が解ってしまいましたが、話の中心となる人が悲しみの記憶を引きずり、かたや、責任の為に葛藤している。システムって、一番大事な人情は
入っていないのかな。と考えさせられます。
映画が終わって映写館を出てから胸がいっぱいになった作品は初めてです。
安倍さんと佐藤さん、中でもやっぱ倍賞さん。凄い俳優なんですね。
年一だ!って言いたかったのにぃ....
瀬々敬久監督らしい作品。撮影は「楽園」「ひとよ」の鍋島淳裕さんで、相変わらずの丁寧で綺麗な画の連続。瀬々作品のキモですよね。役者さんは全員気合い入ってます。無茶苦茶、熱入ってます。渡辺真紀子さん、完全ノーメイクです。倍賞美津子さん、樹木希林感に溢れてます。
途中まで「年一だで、こりゃ」な泣かされ方です。カンちゃんとの添い寝シーンとか、完全に魂持って行かれます。
が、そこからの失速と言うか、完走出来ないスタミナ不足と言うか、なんかそれて来た感と言うか。そこが瀬々敬久らしさ、って言うか。
推理サスペンスってんじゃ無く、人間ドラマ。カンちゃんのメッセージが全て。風呂敷を広げ過ぎず、主題を明確にして結ぶ結末が好き。
でも。なんで、毎回失速感があるんか、ホントに不思議なんだけど。カンちゃんに、細やかなサイコ感を匂わす描写があるだけで、緊迫感が維持出来て、ヒヤヒヤドキドキしながら見れるんちゃうかと思う次第。
と。黄色いパーカーの件は、やり過ぎじゃないかとも。
などなどなど。色々と難癖つけてしまいましたけど。
良かった。結構。
清原加耶は来ましたねぇ、今年、完全に。芳根京子の次は、彼女だと確信の一本でした。かね。
何故なんだろう?きっとボロ泣きするんだろうと覚悟して観たのですが、...
何故なんだろう?きっとボロ泣きするんだろうと覚悟して観たのですが、、贅沢なキャスト、想像に固くない背景-もちろん他所ながらと言う範囲内です-ともちろん主役人の熱演も素晴らしいのに涙がこぼれることは無かったです。
時系列も観ている時点では⁇後半で理解はしました。ラストの二人の会話にはハッとさせられはしました。でもなんか不自然な感じ。あとは
MERの二人がいる!とか、モネが?一人で⁇
そんなこと思いました、
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