護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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護りたくても護れなかったモノ
東日本大震災をきっかけに、知り合った3人(利根、カンちゃん、ケイさん)を中心に話は進みます。
震災による被害者
生活保護を受ける人
生活保護を受けたくても受けられない人
生活保護の担当を担う福祉関係者
それぞれ護りたいモノ、護れなかったモノがあり、葛藤しながら生きている。
今は、普通に看取られて死にたいと思っても、出来ない。
死ぬときは1人だから。
みたいなセリフがあり、確かに孤独死も増えている現状。
結末は「まさか……」と予想外でしたが、3人(佐藤、倍賞、清原)の演技力に魅了され、感動し涙しました。
清原果耶さんは、ココ最近注目している女優さん。表情が表現力が、素晴らしいです。益々成長が楽しみです。
最後の海辺のシーン
瀬々監督らしく、最後の感動シーンでも涙……
「震災は猛獣」
全てを破壊する
色々な意味で、自分の事しか考えていない人も、今の社会に生きる猛獣達ではないでしょうか?
かけがえのないものを失った悲しみ
公務員の悪い面が強調されている作品だったので、感じるものがありました。
公務員は良い意味でも悪い意味でも「原理原則」に縛られる。
そうすることで公平な対応ができ、特別扱いをなくすことができる。
この作品でもケースワーカーの対応は間違ってはいない。
あくまで本人の意思、届出に基づいた処理。
足りなかったのは人を思いやる気持ち、福祉の気持ち。
この人が生活保護を辞退したらどうなるか、疲弊していて想像できなかった。
公務員は削減されているのに業務は増える、災害時なんて特に一人一人に深くなんて関わっていられない。
でも、そんなときこそ人に寄り添う気持ちを忘れてはいけないんだなと感じました。
避難所で孤独だった2人を救ってくれたけいさんは、2人にとってかけがえのない存在だったのでしょう。
あんな悲惨な状況で一緒に寝食を共にしてくれる人がいるだけで、どれだけ救われたか想像できません。
そんな人を失って、震災で傷ついた気持ちすら掻き消すような殺意。
救いのない作品ですが、けいさんの「おかえりなさい」だけには救われました。
表情が語る
感動巨編ではなかったが・・・
意図的なミスリードなのかそういった方向性なのか、予告から感じた感動大作の印象からはやや外れ、どちらかというとまっとうなサスペンス映画であった
震災の被害から現在に至る中で浮き彫りとなった、生活保護や身寄りのない弱者に目を向けた部分はまさに今の時代に見るべき内容、知っておくべき知識なのではないか、たとえそれが脚色された内容だとしてもだ。
前半の導入部が長く物語が動き出すのが遅い、サスペンス部分にひねりが無く展開が読めてしまう、時系列が(混乱するほど複雑ではないが)わかりにくい、劇場用作品としては展開が大人しすぎる点は残念であるが、そこに重きを置いて鑑賞したわけではないので落胆は薄い
主演の二人の演技もさることながら、倍賞美津子の演技と存在感は見事としか言いようがなく、ただ居るだけで目頭が熱くなってしまうのはおばあちゃん子だった自分だけではないはずだ
野外劇場のダンサー、あれは・・・何だったんですかね?
令和版『砂の器』
笑顔でいれば誰かが助けてくれる
震災と生活保護という批判しにくいテーマですが、
同じ職に就いたのなら彼等の立場も理解できたであろうし、むしろ怒りの矛先は不正需給者に向かうんではなかろうか。
生活保護を受けるのが辛いならば、利根が支えてあげることもできたのではないか。逆恨み。
こんな考えだからいけないんだとは思いますが。
途中までカンちゃんは男の子だと思っていた。
端役まで豪華なキャストですが、いい味を出してる俳優さん(渡辺さん、三宅さん)もいれば、?と思う人も。
下手なのか、演出が悪いのか。
重いテーマの映画が割と好きなので、期待が大き過ぎたのか、少し合わないところがあった。
ごめんなさい。
何も考えずに見ていられるテレビドラマの劇場版よりも、こういった社会問題をテーマにした作品をもっと制作公開してほしいです。
暗く重い作品だけに、やすひろ兄ちゃんとカンちゃんが自転車に乗ってるシーン、二人の笑顔が目に焼きついて離れない。
切ない
原作よし、俳優陣よし、そして考えさせられます。
うん、予想以上に深いテーマです。
またしても共感性はない
生活保護
日本国憲法第25条や生活保護法の理念に基き
生活に困窮する国民に対して資力調査を行い
その困窮の程度によって要保護者に必要な扶助を行い
最低限度の生活を保障するとともに自立を促すことを目的とする
今作は東日本大震災を経験した東北の海沿いの街を背景に
生活保護のあり方を巡って起こった人々の絆と悲劇を描いた
社会派作品を発表している中村七里原作の映画化
前作「ドクター・デスの遺産」では安楽死問題を
テーマにしていました
…いやしていたんですがそのドクターデスも
ものすごくテーマを大雑把にまとめて
ものすごいエゴな結論を出そうとして出来ておらず
映画自体のお粗末な完成度も手伝って
この人の原作のは観に行くのやめようと思って
いたんですが
気が付いたのはスタッフロールで名前を見た
時でした
でどうだっかたというと
コレもまあ酷かった…
東日本大震災の避難所で知り合った
老婆の「けい」と家族を亡くした少女の幹子「かんちゃん」
そして水産加工場で働いていた元々孤独な「利根泰久」
3人は惹かれ合うように暮らしていましたが
互いに養子に行ったり出稼ぎし始めた5年後
一番励ましてくれたけいが蓄えが尽きて
セルフネグレクト状態になっていたところで
かんちゃんと泰久は生活保護の申請を薦めます
けいは誰の世話にもなりたくないと最初は拒否します
が二人に言われて申請をしますが
生活保護には扶養照会というものがあり血縁者を
探られるのを嫌がって申請を取り下げたけいは
結局孤独死状態で見つかり泰久は激高して
役所に詰め寄ると原理原則や死ぬときは最後は
独りだとかとんでもない事を返してきます
泰久は怒りで役所に火炎瓶を投げつけ逮捕されて
しまい数年服役する事になります
そんな震災から9年後(けいの死からは5年後くらい?
このへんがこの映画ヘタクソすぎてわからない)
東日本大震災で妻子を亡くした宮城県警の刑事
笘篠誠一郎はほぼ無人のアパートの2階で
生活支援課の公務員・三雲が拘束されたまま
餓死した事件を蓮田と追うことになり
「恨まれるようなことはなかった」と妻が言う
三雲の職場から可能性を探ると生保の申請に来る
市民と相対する立場を知るために生活保護の調査員
円山「幹子」の仕事に同行することにします
モブのように登場してきますがかんちゃんです
幹子は生活保護が本当に困っている人に支給
されるべきであることを強く訴えます
「声を上げないと伝わらない」とも言います
調べるうちに三雲は生保支給の是非をめぐって
断られた人からはそれなりに恨まれている事が
わかりましたがそんな中今度は同じような職員
城之内が同じように監禁死されているのが見つかり
三雲も城之内も前述のけいの生保申請に関わった
役所の人間であることを突き止めそこで放火事件を行った
利根泰久にも突き当り容疑者に特定します
その生保申請に関わった職員はもう一人
上崎と言う今は国会議員の男が狙われると思い
警備を強化すると案の定利根が現れそこで拘束
利根は犯行を自供しこれで解決かと思いきや
その後上崎が行方不明になり利根を同行し
けいの家まで行くとそこで上崎を拘束して
殺そうとしていたのは幹子でした
泰久は事件を知ってからやめるように
説得しようとしたり
罪を自分がかぶろうとしていたのでした
屋外ステージで会うシーンで突然
ダンスする人が出てくるとこは
屈指の謎シーンです
どうも原作ではかんちゃんは男だったそうで
アミューズのごり押しで清原果耶になった
関係で女性になってしまったようですが
女手で気絶した成人男性をアパートの2階に運んで
グルグル拘束するとかムチャクチャな話に
なっております
生活保護で全員は救えないのは自分も
仕事してるからわかっているが
けいを殺したこいつらは許せないという
動機だったようです
…ならなんでこんな数年後経ってから急に
やり始めたのでしょう?
ぶっちゃけ復讐を成し遂げるのに
公務員になる必要もあったでしょうか?
また幹子は逮捕前にSNSに辞職の意と
生活保護の需給に声を上げろみたいな事を
書き残します
これだと生活保護を断ってくる公務員は
殺せみたいなメッセージになってしまいます
健康のためなら死んでもいいみたいな
この映画は結局
震災のどうしようもなさと貧困のどうしようもなさ
を何故かくっつけてミステリーをさせたいのか
社会問題をやりたいのか中途半端でそれぞれ
別でやった方がいいようなものにしかなっていません
ドクター・デスと同じです
そしてそのどうしようもなさを役所の人にぶつけて
殺してしまうという逆恨みを救われない
人々が声を上げるよう訴えるという
とんでもなく共感性の低い代物になっています
そもそも幹子は震災時に11歳でその9年後に
生活保護課の職員になってますが一体いくつで
公務員試験受かったのかは知りませんが
この子の産まれる前は生活保護受給なんて
恥だという通念が強く高齢者はとりわけそういう
先入観から敬遠しがちになっています
現状は認知症やの要介護認定も重なって
生活支援は多様化せざるを得ずより合議的に
色々な人が関わって困難事例は対応するように
変わってきていると聞きます
扶養照会もそもそもそこで支援できるなら
別居したりしてないわけで法改正で
拒否できるようになっています
制度は報告と実績によって見直しを受け
年次変わっていっています
それをこうした映画の極端な表現で
特定の公務員のイメージを悪くする映画の
存在意義については非常に疑問です
あと本当の不正受給は同一地区の同一世帯が
全員受給とか外国人永住者とかぶ…
いやなんでもないもっと闇が深いものです
社会派言うならそこ切り込んでみろよって思います
回想録の順番やエピソードの重ね合わせも
大してうまくなく突然説明セリフが入ったり
役者は豪華なのに残念な完成度でした
ポスターに社会派って書いちゃう映画は地雷だね
怖がらずに正直に
特にここ数年の作品について評価が高い瀬々監督、今作についても「PRO」がお三方揃って4.5と満点に近い評価ですが、怖がらずに正直に書くと、私は瀬々監督の作品が少々苦手です。
社会派寄りの作品が多く、特に弱者を題材に「きちんと目を向けなければ知らないままにされてしまうそうな、小さいけど根深い問題」を丁寧に取り扱う部分は素晴らしいと思いますし、だからこそ毎回鑑賞するのですが、、
どうも作品としてはエンターテインメント性が強く、社会的な問題部分はあくまで感動のための「ネタ」になってしまっているように見えるし、さらに「悪(側)」の描き方に必要以上の悪意を感じ、反って白けてしまいます。なんなら、もっと淡々とした感じの方がリアリティがあっていいような気がするのですが、、それじゃ「殺人」事件にまでの動機づけに弱すぎるんでしょうね。
まぁ、映画っぽいと言えばそうなのだと思いますし、同様の感じの監督は他にも思い当たりますし、否定を前提にするつもりはないのですが、観終わって「ああ、やはり今回もこんな感じか」と思ってしまうのです。
うどんが食べたくなります
途中でなんとなく展開がわかっていきますが、ちょっと納得できませんでした😅
カンちゃん一人で大の男を二人も、しかも、あんな凝った縛り方で💧現場に、カンちゃんの髪の毛やなんか、落ちていなかったんだろうか?
優しい里親の元で育ったようなのに、あんな猟奇殺人できるんでしょうか?愛に飢えていたヤスヒサ兄ちゃんの方が、こんなに優しいだなんて💧
人物の描き方に納得がいきませんでしたが、社会問題を描いているのはよいと思います。
カンちゃんとヤスヒサ兄ちゃんが、やたらうどんを食べていました。
今夜はうどんにしようかな〜♪
(ToT) 涙量MAX 決壊必須!
犯人は前半ですぐ分かり、佐藤健は明らかに誰かをかばっているのはコナン君じゃなくてもわかります。ですが本作のテーマはコロナ禍の我々にとっては超絶重要だと思います。声を上げる事、、、、、〝それおかしいじゃないですか?〟とか〝助けてくれませんか?〟とかってどうも先頭切って言える事ではなく日本人の弱さなんでしょうね。小生もこの世で一番勇気がいることって〝助けて〟の一言を言えるか?なのだと思っています。発するメッセージを聞くものはいるのか?いそうでいない?いなさそうでいる?この映画お見て答えがあるのだと思います。
涙量が半端なかった、、、、。前席のおばちゃま2人の涙をすする音が凄まじかったが、途中 小生のものと共鳴。心が一つになった気がする。
コロナ禍四部作
『空白』『ミナマタ』『由宇子の天秤』そして本作『護られなかったもの達へ』
真実の受け入れは人を救う。世の中は捨てたもんじゃないのだ、、、静かにそう思える事ができます。
胸が締め付けられる。
「震災と貧困問題は別なのでは?」と考える向きもあると思いますが、間違いなくこの震災で貧困に陥った人たちはいると思います。
その後の仮設住宅問題、「復興五輪」なんて耳心地の良い囁きで被災地を含めた弱者をうやむやにする国。
「太陽の子」でも書きましたが、一方的な描きをするストーリーがとても嫌いです。
実際に何度も被災地に出向きましたが、「強盗」、「火事場泥棒」、「痴漢」数々の事を耳にしました。
それでも報道で流れるのは「こんな時でもキチンと並ぶ日本人」や「皆で分け合っている素敵な人たち」など、綺麗事ばかり。
この映画は架空のお話しかもしれませんが、「もしかしたら、どこかの誰かの実際の物語かも?」と思わせる説得力のようなものを感じました。
被害者にもそうした理由があり、加害者にもそうしたい理由がある。
最後に健が言う「死んでいい人間なんていないんだ」ってセリフは深く深く突き刺さりました。
原作は未読なので、かんちゃんが大の大人の男性を一人で2階に運べるのか?など、違和感がないわけではありませんが、それを含んでもなお、評価5です。
社会派ドラマとしてなら見れます。
もうそろそろ
個人的には3・11を素材にした商業映画は終わりにした方がいいのではと思っている。
確かに風化させてはならないのだろうし、今後の教訓とすべき事も多く残したのだろうが、そういったものは今後は報道やドキュメンタリーを通じてで良いと思う。
当事者達もいつまでも立ち止まっていられないだろう。
さて、本作についてだが、まず清原果耶の配役に疑問符。製作のアミューズの現在イチオシなのは分かるが、一方で朝ドラのヒロインを務めながら連続殺人犯を演じさせるというのはどうなのか? しかも、まだ19歳なんだから、まだしばらくは汚れ役はさせる必要はないのでは? 少し、焦り過ぎなのでは?
この作品、主役は佐藤健なのだが、真の主役は倍賞美津子。
実際、全ての出来事が彼女をきっかけにして展開する。
大ベテランには失礼ながら、華を打ち消して生活困窮者の役など務まるのかと思っていたがしっかりと表現出来ていた。
もう一つの作品テーマである生活保護の申請実態についての描き方は丁寧で良かったと思う。言わば、タブーの題材の実相を伝えるというのはなかなか難しいとは思うが、ありのままを伝えようという感じが見えて好評価。
サスペンスの面とヒューマンドラマの側面が今一つ上手く絡み合っていない印象があったのは、原作というより脚本の問題なのかな? という感想を抱いた一本。
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