護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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倍賞美津子さんに尽きる
ストーリーは、大衆向けに作られ、メリハリを付けつつも、そこに社会問題をポンと振りかける、瀬々監督らしい映画構成だなと思った。相変わらず役者陣は豪華で一流なので、多少ストーリーがチープに感じられつつもやはり見てしまう。
なかでも倍賞美津子さんの役作りは素晴らしかった。おそらくは一番この映画の中で伝えたかった肝となる部分で、一気に見ている側を引き寄せる力がある演技だった。最後は悲しかった。
本作内のケースワーカーが語った「みんなに看取られながら亡くなるのはもはや無理なんです」みたいな台詞が痛烈だ。まあ、お前が言うなよってのはあるけど、実際自分もそうなるのか。年金で賄えるわけもない老後。70歳過ぎても働かなければやっていけない人が多くいるこの国。
どうしてこの国は見せかけは先進国なのに、こんなに将来が真っ暗なのか。
映画を見て少し暗くなった。
自分を曲げる
被災と孤独と貧困。オープニングや所々で流れる、被災当時の回想。これが良く出来ていて、切り替わる度に息苦しくなる。だからなのかわからないのだが、上手い具合に話は進んでいくわりに現代パート俯瞰気味に見てしまい、終盤になっても「あー。」位に留まってしまった。役者陣は勿論素晴らしかったのだけれども、少し物語っぽさが強かったのかな。「あー!…それはやっちゃうよなぁ…」と思える強い何かがもう少しあればな、って感じでした。
それにしても、最近はふわっとした感じで終わるのが多い気がするのは気のせいかしら。
俳優陣に拍手
(以下、事件の核心には触れませんが、予備知識なく観たほうがいいので、一応ネタバレ扱いとします)
震災という絶対的破壊者に全てを奪われた人々が、不正受給や社会的背景のおかげで救われない国。
そして現場でもがく人々が、誰かの為に…と振りかざした正義が、他の誰かを不幸に追いやっていく。
なんという皮肉。
この映画、明らかな悪人は一人しか出て来ない(笑)
物語もさることながら、俳優陣の素晴らしさに尽きる。
※恐れず言うなら、役者の存在感に演出やお話がついていってない感じ。
中でも清原果那のすごさよ。
まだ19歳?
これからの成長が楽しみ。
【蛇足】
コレ観て帰って来たら、その夜に関東で震度5強の地震。
あの時のPTSDが戻ってきた。
被害が最小限でありますように。
51
泣ける
生活保護がテーマの作品ってほんといろいろ考えさせられる。今回はそこに震災の話も絡むから、余計つらい。
人と人の繋がりってほんと”血”だけじゃないし、”血”なんだなぁって思った。やっぱり清原果耶さんは素敵な俳優さん!!!!
ミステリーというよりは人間ドラマだなぁ と思います 自然災害からの...
ミステリーというよりは人間ドラマだなぁ
と思います
自然災害からの人の心を守る難しさ
改めて思います
ストーリーとしては前半は 何を 追いかけてるのか よくわかりませんでした 犯人なのか人間ドラマなのか
後半で犯人もわかってきて そこまでの経緯もわかってきて あぁそうか でした
ラストの二人の結びつき 黄色のパーカーのことは こじつけなくてもよかったよーな?
うん でも 豪華キャストが引きすぎず押しすぎず いい作品 だと思います
見ごたえありました スクリーンでみて欲しい
#81 そこに繋がるのか〜
実に良くできたストーリー。
幹ちゃんと刑事の息子が同じ色のパーカーを着ているのは、最後にそこにたどり着くからなのね。
ってゆうか絶対最初は幹ちゃんが男の子だと思ってた。
震災後で誰もが心に傷を負った中で、善人と悪人が出来上がり、殺人に至るまでになる人間の心理がよく描かれていた。
佐藤健って、カッコ良い役より殺人者とか悪人役の方が絶対似合うよね。
護られなかった者たちへ
セリフも演技も丁寧に作られているただ最後まで人を美化するほうにバランスが行き不埒な奴が少ししか出てこない。
突然暗い夜の公園の会話シーンで背景の無観客の野外ステージで若い女性ダンサーがレオタードでスポットライト受けて踊っているさすがに違和感を感じ後のストーリーまでしらけてしまった。迫真の演技も台無しにする制作者の安易な演出で途中から醒めしてしまった。この後はベストセラーを台本どおりやるテレビドラマに見えて残念だった。
護られた者から
ドラマとしては、かなりの良作。素晴らしいと思う。なのに、なぜか満足感が薄いのはなぜだろう。ひとつひとつが綺麗なパーツの、立体パズルを組んでいったら、これまた綺麗な形にピタリと収まった感覚。ただ、あまりに整い過ぎていて、触れずに置いておきたいような感覚だ。
ストーリーは、震災の心の傷と、その後の貧困問題を取り上げた社会派。それでいて、それぞれ抱える過去があり、震災の同じ傷を持つ登場人物達が、物語に深みを与える。そしてそれぞれの関係が、救いや悲劇を生み出す。展開は綺麗に流れるようで、伏線も収まるところに収まり、しっかり決まっている。
役者陣は最高。阿部寛が、津波で妻と子供を失った刑事笘篠を迫力の熱演。特にラストで佐藤健の独白を受けた後、数刻の沈黙のシーンは圧巻。感情の大きな動きを沈黙の中で伝わって来て、本作の幾つかの名シーンのひとつだ。過去に大きな心の傷を負った青年利根役の佐藤健も、三白眼と稀に見せる優しい眼差しを武器に好演。震災で、唯一の肉親である母を亡くした幹子役の清原果椰が絶品。朝ドラからガラリと変わった雰囲気で、最初はあれ?別人か?と思ったほどの名演は素晴らしい。大女優への道を着実に歩んでいるようだ。幹子の子供時代の石井心咲ちゃんもしっかりしていた。
避難所でそれぞれ孤立していた利根と幹子に関わり、交流し始める"けい"は、倍賞美津子。2人に手を差し伸べ、特に、誰も寄せ付けない利根の閉ざした心を開かせる、自立した老女に、安定感抜群で扮する。
他にも林遺都、永山瑛太、緒方直人などもがっちりと役をこなして隙が無い。
これらの人々から全てを奪った震災と、セーフティネットからも漏れて護られなかった人々という社会の課題。心の傷を負った過去を絡めながら、現在の連続殺人事件を解決していく。いくつもの要素がありながら、構成が巧みで混乱は全くないし、ストーリーも無理なく追える。心揺さぶるシーンも随所にあり、エンドロールを盛り上げる桑田佳祐の主題歌と、どこからどこまで完成度が高い。スタンディングオベーションの要素は満載なのだけど…。
「楽園」「友罪」などを創り、日常に潜む、非日常や闇とのまだら模様を描かせたら天下一品の瀬々敬久監督。完成度はやたら高いが、個人的に相性が合わなかった作品なのかな。
3.11と生活保護
関東大震災をテーマにしたものは、いくつか見てきたけど、生活保護やそれにまつわる事件に焦点を当てたものはあまりなかった気がする。
佐藤健、清原果耶、倍賞美津子の演じる3人がそれぞれの辛い過去を持ちながら、避難所で出会い、肩を寄せ合って過ごしていくうちに本当の親子のようにお互いを思いやってるの入ってとてもよかった。
予告での佐藤健の水溜りに顔を浸かってまで「ふざけんなっ」と叫んでいるシーンが印象的で見てみたいと思った。
本当に生活保護が必要な人たちが、国に保護を受けるなんて恥だとか考えて保護を受けずに死んでしまったり、かと思えば不正受給している人たちもいて、多分これは今も問題視されていることなんだろうなと思った。
ただ、映画内で生活保護を受けれなくて佐藤健が怒るシーンで、いやいや、お世話になっていたのに、栃木に働きに出て仕送りもしてなかったの?とは思ってしまった。
それとも服役していた間だったからなのかな?
殺害した理由はまあわかるとして、殺し方似てる?二人目の方がえげつなくない?あんな風に縛ったり、羽の意味がなんだったのかなーとは思った。
でも全体的にいろんなことを考えさせられるいい映画でした。
震災で被災した人達が心配になった
悲しくて苦しい話でした。
ストーリーとしては最後のドンデン返しもあり、全くのフィクションであれば、はいはいって感じですが、この話は本当にあった震災が根っこにある。
あの震災の被災者は今どうしているんだろう。
心の傷は少しは癒えたのだろうか?
生活保護の話や餓死した老人など、本当にたくさんいるのではないだろうか。などなど。
映画の後も考えさせられました。
声をあげてください。
本当に、辛い苦しい!助けて!と。
心からそう思いました。
俳優さんも良かったです。
特に倍賞美津子さん、阿部寛さん、佐藤健さん、清原果耶さん、素晴らしかったです。
生きる
本作では容疑者視点(主に2011年)と捜査視点(主に2020年即ち現在)の二つの視点が並行して進んでいく。
この事によってミステリーとしては少し弱いかな?
ストーリーで魅せる映画かな?と思っていたが最後の方で意外な展開を迎える。
もちろんストーリーでも十分魅了してくれる。
やはり瀬々監督の作る映画の重厚感がこの原作にぴたりとハマったんだろう。
そして役者さんはみなさん素晴らしい
特に佐藤健さん、清原果耶さん、永山瑛太さんが印象に残った。
清原さんの生活感あふれるナチュラルな演技、佐藤健さんのいかにも悪くて怪しそうそれでいてその人物の不器用さも表現する目付きと表情、永山瑛太さんの残酷な笑顔、その全てが印象に残る。
ちょっと苦しくなった
震災当時の様子やその後の生活、生活保護申請をする側受ける側の心情を見事に描いている。
震災は人生や心を狂わせ生きる活力さえ奪う。いろいろ考えさせられた。
実力俳優がさらっと出てきて安心して観れる作品。特に清原果那と倍賞美津子は最高すぎる。
昨日の仕事帰り、集中して観れました。
市民とトップの板挟みになるケースワーカー
憲法25条生存権が劇中語られ、セーフティネットである生活保護 今のコロナ渦でも「他法優先」の原理原則によって、制度はあるけれどなかなか申請にはたどりつかない現実がある たどりつくまでに、あきらめ、恥ずかしさ、他の親族への照会、申請主義と言いながら「自発的な取り下げ」を待っているかのような仕組み・保護決定までの過程があり、本人以外の立ち合い・同席が認められないので、余程「強い意志」がなければ生活保護開始にはならないという現実がよく描かれていると思う 現場の生保のケースワーカーの中には、福祉職としてきわめて良心的な方もおられる一方で、一部の不正受給が殊更に取り上げられ不正を取り締まることが評価されたり、強引な就労支援などで「保護率を下げる努力」が評価されるケースワーカーもいる 困っている人に出向いて行って制度の適用を働きかけるべきところが、申請主義で役所の窓口でしか受付をせず、扶養や資産調査の委任状をたくさん書かせる「法令順守」は、良心的なケースワーカーですら管理されることで委縮してしまう 一人100ケース以上の担当を持たされれば、細かい支援などできるはずもなく、新規申請はケースワーカーの仕事を増やすだけと現場が思えば、ますます相談に来る市民に冷たい対応を取ることになる 私が就職した昭和の頃は保護に要する費用は、国が全て負っていたのが、今は自治体負担もあり、保護が地方財政圧迫かのような非難のされ方もある
たくさんのケースを持たされたり、不正を取り締まることが指示されたり、現場ケースワーカーの苦悩もよく取材されていたと思いました この映画を観た方が、ケースワーカーが殺されたり、狙われて当然と思われないことを願います(10月6日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)
やっぱ見て正解
悪人顔の健くんに騙されかけましたが、そうきたかって思いました❗健くんと阿部さんで間違いないですが、とても考えさせられる内容で見にやっと行け正解でした。また他のキャストの方も良かった。久しぶり真剣に手に汗握る内容。それにしても佐藤健くん、素晴らしい演技で、是非とも大きなスクリーンで映画館で見るべきだと思った。
ふざけんな。
人気のない民家やマンションに放置され餓死させるという殺人事件を追う現代の話と、震災直後のある青年の話が交錯していくミステリー。
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今作で中心となる問題は震災かと思いきや実は生活保護について。劇中では、生活保護費を不正受給している人(決して不正受給といって悪人でもない)もいる反面、申請しても通らない人、自力で生活できない事を認められない人、迷惑をかけるからとなかなか申請を出したがらない人色んな人が出てくる。
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特に自力で生活できないという理由で国にお金を貰うのを申し訳ないと思っている人って、あまりに日本人らしい考え方だなと。『パンケーキを毒見する』でも「日本人は自分の収入が低いことを全部自分の責任だと思いがち」って言ってたみたいに自分が悪いせいで生活ができないのにお金を出してもらうなんて恥ずかしい/申し訳ないって思ってしまう。
最後の幹子の言葉のようにもっとわがまま言っていいはず。自分の境遇を人のせいにしすぎてるのがアメリカのトランプ支持者だったりもするんだけど、日本人はわがまま言わなさすぎなんだろうな。こういう国民性、が劇中でも語られる「日本の生活保護取得率は諸外国に比べて低い」こととも関係してる気がする。もっと「ふざけんな!」って叫ぼう。
瑛太さん演じる市役所の職員は震災で崩壊した墓を直すのを自費でやっていた善き人ではあるけれど、結局今生きている人には目を向けていないのが皮肉。
概ね素晴らしい作品だったと思っているけれど、途中真っ黒のフード被ったいかにも怪しげな利根が幹子に会いに来るシーン、幹子の同僚見た瞬間に「あ、では」って普通に帰ってったけどもうちょっと警戒してくれ~~。日本人の意外と不寛容さを表したかったのかどっちよ。
色々考えさせられた
殺人事件解決というミステリー要素のみらなず3.11や生活保護なども盛り合わせた映画だったが、阿部寛や佐藤健のみならず倍賞美津子や清原果耶、林遣都なと出演者それぞれの役割演技でとても素晴らしい映画になったと思います。
ただ殺人には犯人1人での実行には疑問だし、殺害動機も微妙な感じました。
佐藤健や阿部寛が好きな役者さんだから心揺さぶられ泣ける!!と楽しみに拝見しましたが…
私個人的な問題ですが仕事で生
活保護の方々に触れる機会があるのですがきれい事ではなく闇です。
もちろん本当に必要で最後の砦の制度かもしれませんが、その制度を悪用し、あぐらをかいている人もたくさんみてきているので、そこがモヤモヤ集中できませんでした。
しかし清原果耶ちゃんは年齢をも演技できてしまうのは凄いと思います。
血の繋がらない家族の復讐劇
ここ最近の映画で一番の出来、感動した。東日本大震災から10年経つが、いまだに忘れられない。津波被害はなかったが家はめちゃめちゃになり、水も電気もなく、買い出しに並ぶ日々だった。あの時の夜空は非常に綺麗だった。街から電気が消えたからだ。この映画では、東日本大震災と生活困窮者問題が背景にあり、避難所で出会った三人が本当の家族のような関係になった。そして、お婆ちゃんが餓死した事がきっかけに復讐が始まる。容疑者役の佐藤健、刑事役の阿部寛、お婆ちゃん役の倍賞美津子、娘役の清原果耶らは、迫真の演技が素晴らしく魅了された。ラストシーンでは、黄色いジャンバーの伏線回収が見事に嵌まった。ちらばめられた点と点が見事に一つの線になった。もう一度観たいと思う。
刑事モノ
と言うよりは、震災における深い問題を表現した作品です。生活支援と言う制度は人それぞれに置かれた環境や考え方により捉え方や利用の仕方が全然違うのですね。これは深い問題です。佐藤健さんや清原伽耶ちゃんは大きく言うと2つの時代を演じていますが、表情や仕草が全然違うのが流石です。
一見良さげだがもう一歩、もう一捻り欲しい
2021年劇場鑑賞25本目 秀作 69点
空白同様長らく劇場上映前の予告で楽しみにしていた作品。
十分楽しめましたが、犯人は途中で明確にこの人だろうなとわかってしまう。
予告であんな全面的に佐藤健が犯人役として宣伝されても、ほんとは違くて〜観たいのは腐るほど観たのであとはその真犯人の登場の自然さだったりそれまでとそれからの伏線の回収の様を楽しもうと思いましたが、まあそれなりでした。
清原伽耶の出世がすごい。まだ若いから目を瞑りますがそこまで演技力が高いとも思えませんが、学園ものよりちゃんと内容のある作品のヒロインに昨今よく出ている。(まともじゃない、花束、デイアンドナイト、望み、夏への扉、今作など)
佐藤健も今作は難しい役どころだとは思いますが、演技力高いとは思えない、、、
阿部寛はその中でも良かったと思います。
作品の内容ですが、震災がテーマですが私の印象だとそれはあくまできっかけでしか無くて、深刻な人間ドラマだと思いました。
個人的邦画ランキング10位にランクインしました。
是非。
なかなか重い内容ですが話しの進め方がとても良くて最後までしっかり観...
なかなか重い内容ですが話しの進め方がとても良くて最後までしっかり観れました。
個性的な役者からベテラン勢まで贅沢使いです。中でも佐藤健さん!彼が出演してる映画は今まであまり鑑賞してなくて、久々にスクリーンで拝見して随分と味のある魅力的な役者に成長していて驚きました。後はなんと言っても倍賞美津子さんですね!圧倒的な存在感に感動しました。
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