空白のレビュー・感想・評価
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オリジナル脚本なんだ…
原作ありきかと思いきや吉田監督のオリジナル脚本なんだ。この監督、たんたんと狂気の人間性みせるよね。ただ今回はモンスター古田がちょっと見せる人間性が救いか。いろいろな人達が出てくるけどそれぞれとことん突き進むと人間だれでも行き着く姿ではないかと。改めて、人は助け合わないと生きていけない…。
吉田恵輔監督だった
本作のテーマは邦画に良くあるテーマだと思ったのですが、作品は吉田恵輔監督の個性が溢れていました。狭い空間の中での狭い人間関係を、結構気持ち悪く撮るからなあ。
家父長の名残なのか、家族だから分かり合える、家族だから仲良く、家族だから○○いうのはもう無理なのでは?と思います。シャッター通りになった地域も衰退していて、栄光を知るおじさんはついていけないですね。
父親は娘を理解する為にアルバムを見たり漫画を読んだりしているうちに、人への接し方が変わりましたよね。店長もお客さんに何気ない励ましをかけられていました。そんな些細なことに人は支えられているのだし、本作の良いところはこういうところではないかと思います。今回は、監督が余り意地悪じゃなかったです。
#77 正しいって何?
登場人物のうち自分に投影できる人が1人はいるのではないか。
添田と草加部は一見真逆に見えるがどちらも自分のやることが正しいと信じて疑わないタイプ。
花音と青柳は万引きして逃げる側と追う側になったがどちらも自分に自身がなく自己否定型。
正しいという言葉が何度も出てくるが、悪いことの基準はあっても正しいことの基準はどこにもない。
ほとんどの登場人物は私の嫌いなタイプだが、中でも1番嫌い苦手なのはボランティアを押し付ける草加部。
まじめに現実的に考えちゃうくらいとっても良い作品でした。
少しは救われる?
どの登場人物にも感情移入出来る作品
出演者みんな現実にいそうな人間だしやりそうな行動。 マスコミもあん...
行き過ぎた大義が生む非寛容世界
誤解されやすい人は損をする
赦しとは。。。
【「空白」の意味】
取り返しのつかないところまで行きつかないとダメな人って結構いるなと常々思っているのだけれど、改めて映画作品として見ると、悲哀というか、悲しい気持ちになる。
この映画の救いは、花音を最初に車でひいてしまった女性の母親と、添田の船で働く野木、花音の母親の存在なのだが、それでも、このハッピーエンドになろうはずもないストーリーを考えると、辛くなってしまう。
この映画タイトルの意味はなんだろうか。
映画のストーリーの中で言えば、スーパーの事務所での短時間に、青柳と花音に何があったのか。
どんな会話があったのか。
あれだけ、必死で追いかけなくてはならない理由が隠されているのかだ。
映画を見る限りは、青柳が花音の腕を強く引いたから道路の反対側に飛び出して逃げようとしたように見えた。
これは、青柳が添田にしていた説明とは食い違うのではないのか。
また、この作品に登場する人物達の間にある隙間、つまり、相手を理解しようとしないことによって生まれる縮まることのない距離感も、埋める合わせることの出来ない空白みたいなものかもしれない。
自分の善意だけ押しつけ、周りから人が去ってしまう虚無感も空白なのかもしれない。
教師や学校と花音、
教師達、
添田と元妻、
そして、
添田と花音にも決して埋められない空白のようなものはある。
だが、本当の空白は、自分自身と向き合わないことによって生まれる、人間らしい感情の不在なのではないのか。
元妻の幸せを羨ましく感じたと正直に認める気持ち。
花音は万引きしていたに違いないが、それは何故かと考えようとする気持ち。
加害者の自殺と残された母親の悲しみに向き合おうとする気持ち。
野木を認めたい気持ちなど…。
実は、こうしたことが本当は大切なのではないのか、空白を埋め合わせることは出来なくても、空白のヒントにはなるのではないのか。
添田と花音のイルカの雲が救いになれば良い。
この映画のストーリーは、ある意味、あれこれ考えずに、エンパシーを抱くことなくやり過ごせるのが一番良いと考えている僕達の世界のようでもある。
世相を斬る作品
単純で複雑
海辺の大きくはない漁港の町が舞台。言葉にあまり特徴を感じず、どこかなと思っていたら、故郷に近い愛知県蒲郡市。竹島も映り込んでいたし、三河湾のベタ凪も美しく寂しく映画的に撮られていた。
事前情報はそれほど入れてなかったので古田新太が松坂桃李を責め立てる所までしか想像がつかなかったが、後半戦何とも言えない展開に。
古田新太も松坂桃李も流石にいそうな人間を見せ、序盤から古田新太との関係性が絶妙な藤原季節と後半へのきっかけの一つとなる片岡礼子と趣里にも存在感があった。
ただ寺島しのぶについてはそもそも役柄が大変損な役回りで見ていられなくなるほどイライラさせられたのだが、演技が上手いということなのか、演技過剰だったのか判断がつかない。個人的にはもう少し抑えてほしかった。
人のエゴに怒り人の優しさに泣く
なんか古田新太が性格悪い猫みたいでちょっと可愛かった
松坂桃李を執拗に追いかけてるあたりも懐かないボス猫があと付いてきてるように見えて笑った
それに監督がさすが
人の汚さ、醜さを浮き彫りにして気持ちを大いに凹ませたあとに、最後に人間で捨てたもんじゃないと泣かせる。
人を殺すのも人間、人を救うのも人間
万引きした中学生が轢かれて亡くなる所から始まる映画
まずね、マスゴミがねほんとね、言いようのない怒りが湧くような報道をしやがる
それに群がる野次馬ね
古田新太も松坂桃李も被害者である
イタ電や書き込み、人間は本当に汚い生き物だ。
個人間での出来事であり、第三者が介入するのはおかしい。今までの事故や事件でもマスコミの煽動で無関係の群衆が騒ぎ当事者の自殺など問題になっていた。
日本のジャーナリズムに異議を唱えたい。
本当に心が苦しくなる。でも、観てほしい
人は優しい
あるシーンから人間の悪の部分から前の部分にフォーカスが当たる。
救われた気持ちになる。
松坂桃李さんの凄さ
今年の邦画は凄い
受容のプロセス
ラストで怒りの段階から抜け出始めたところ。まだまた、続くよ葛藤が。
古田新太さんのギリ理性がある感じの凶暴な父親役の演技がもうなんかすげぇ。警察に通報レベルではあるけと当事者(スーパーの店長/松坂)としてはギリギリ呼べない。一層のこと暴れてくれた方が楽なのに。
どこに自分があるのか分かんない30過ぎのおっさん役の松坂くん、根は良いどこにでもいる小市民の演技が、あのかっこいい松坂くんはどこに?ってぐらい。
個人的には一番救われないのは寺島さんの役どころであるスーパーのおばちゃんと感じました。空回りし続け、開き直りも出来ず、承認欲求の高さに見え隠れする自己肯定の低さの演技に拍手です。
空白
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