MOTHER マザーのレビュー・感想・評価
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これはすごい
長澤まさみさんのPV
基本は邦画特有の「誰も知らない」や「子宮に沈める」の類の
子供が虐げられる胸糞映画なのでその辺が苦手な方や
小さいお子様をお持ちの方にはおすすめしません。
ただ事実を原案としているようなので
自分の生活や子供の今の幸せを再認識するにはとてもいい映画です。が
長澤まさみにフォーカスされまくってるいるので
彼女の演技以外はおざなりカンジなのでもう少し
彼女の役どころに対する心情の変化や周りの人との関係性はどうでもよく
長澤まさみさんの私はここまでできるのよアピールがすごくて
それ以外見どころがないのが残念、長澤まさみファンにはたまらないかもしれませんが
タイムジャンプが多く、長い映画のわりにラストもなんとも言い難いカンジ。。
子役の男の子演技がいいのでタイムジャップなしで
親子関係を丁寧に描きあげたほうがよかったのではないでしょか?
親子関係の胸糞が好きなら「葛城事件」のほうが
よほど胸糞だと思います。
無気力の世襲
日日是好日の監督の作品。
こちらも、誰かの何者にもなれない人物が主人公。
自分で自分を認められる愛情の基盤があれば、誰かの何かになれなくても満足できるはずなのに。
長澤まさみ演じる三隅秋子が、ずっと無気力。子供もいるのに。消化試合のように生きている。
ずっと傷ついてきたんだよね。堪えてきたんだね。と声をかけたくなる。
実家では出来が悪くて大人になるにつれ妹と人生に差が出て厄介者扱い。大切にされた記憶がないからお金目当てで両親に近付けるのだろう。
結婚したのに夫とは離婚して。息子がいるが、生活を満たすために働く気力もない。容姿だけは良いのをあてにして、周りの男性に迫っては、養って貰えないか様子を伺い、どこも行き先がないと息子を使って実家や妹にせびりに行く。しかもお金はパチンコに消える。
更にはどうしようもないホストにまで、おそらく子供ができれば養って貰えるかなと計算したのかもしれないが、妊娠しても捨てられて。ダメな男だとわかっているのに、そんな男性からでも良いから一過性の愛情を求め、それすらも得られない自分にまた傷つき更に無気力に陥る。
仕事もちゃんと行かない母親がパチンコか新しい男性のもとへとフラフラ居所を変えるから、小学校すら教育の機会も奪われた息子は、他に行くあてもないまま母親について回るしかなく大きくなり、無計画に産まれた妹の父親がわりにまでなっている。
いつ、自我が目覚めるかと見ていても、母親を助ける役目が染み付いてしまっていて、幼い頃から母親のパシリにされ、都合よくこっちに来いあっちに行けとあしらわれているだけで充分な愛情を注がれていないのに、母親の命令なら嘘もつくし盗みもするし最期には殺しにまで手を染めてしまい、それでも母親が好きで、庇い懲役12年を背負う。それでも、ご飯も出るし本も読める刑務所の環境からもう出たくないというほどの生い立ち。傍目に見るとそれほど大変だったのに、他の育ち方を知らない周平は気付かない。産まれたところからずっとダメだなんて言わせる母親でも、子供にとってはたった1人の母親。それに甘んじるかのように何もしない母親は、言葉だけのマザーで、産んだだけで母としての責務はなんにもしていないのに。
道端でホームレスしているところを見つけて住居に案内し、フリースクールの存在を与えてくれた児童相談員の亜矢や、「仕事しろよ!お前が働かないから息子が悪さするんだろ!親なら二十歳まで面倒見るのが普通だろうが!」と一喝して食事の面倒まで見てくれた周平の仕事先の社長。
社会の救いの手は何度か差し伸べられていて、周平も人生を変えるチャンスは何度もあったのに、そこで声を上げられないほどに、母親との共依存関係は深い。
そして、亜矢からお母さんと暮らさない手もあると言われても、亜矢のように親から手を挙げられて育ったわけでは無い周平には、響かなかったのか。
学校へ行きたいから借金取りから逃れるために俺は行きたくないと話しても、亜矢にあんたは嫌われてると言い、自尊心を傷つけて従わせるような母親なのに。
誰かがあったかく迎えていれば。
祖父母の家に殺害強盗目的で入った時も、下の妹には会ってみたいなという祖父母。「周平、久しぶりに顔を見られて嬉しいよ」その一言があるだけで結果は変わっていたかもしれない。母親も同じ環境で育ったなら、親を大事に思えない殺したくもなる、せめてお金だけでも出してくれと考えてしまう気持ちがわかり犯行に及んでしまったのか?小学校の知識もなく、殺害に対する罪の重さや抵抗も少なかったのか?わからないが、祖父母への恩は全く感じていないことだけはわかる。
仕事をするスイッチさえ入れられれば。
仕事がなく暇を持て余すから、パチンコに走る。
暇だと存在意義を考えてしまい、傷つくのを避けるためだろう。包丁を持たせてみれば不器用ではなく、水商売でもなんでもできそうなものだが、自分に何かやれるという自信が全くないようだ。そんな人生だとしても、毎月生理はきて妊娠もし命の連鎖を産めてしまうのが、女性。言葉上マザーになるのは生物学的には単純、でも実際に客観的に見てマザーになるのは難しい。
主観では、あの子は私の子だと何度も主張していて、頼ってばかりで全く責務を果たしてはいなくても母性の欠如ではなさそう。
子供の主観で見ても、殺害を頼まれたうえ供述で罪をなすりつけられさえしても、母親を好きと話している。
断ち切るべき結末ではあったが、ここまで自己肯定感皆無の娘に育ててしまった祖父母が原因でもあるのかもしれない、だとしたら殺されるのはもしかしたら一周回って自業自得という見方もあるのかもしれない。
側で見てきた母親の積年の苦しみを晴らしただけで、誰彼構わず殺す人間に周平が育ってしまったわけではないという見方もあるのかもしれない。
なら母親ってなんなのか?
とても考えさせられる。
愛のないところから愛は注げず、母親の立場が可哀想でもあるが、妹には父性を補う存在としてしっかり愛情がある周平が健気で見ていてとても悲しい。
周平の「どうすればよかったんですかね」
これに尽きる。
「マザー」は、少なくとも、子供に善悪を教えなければいけない。身をもって愛を教えないといけない。
そして、それができないのなら、社会の力を借りてでも、子供にそれが与えられるよう、意思に反しても手放すなり機会を与えないといけない。一方、母親以上に関係性に立ち入れたり、最後まで助けられるほど手を差し伸べられる存在はなかなかいない。だからこそ、母親が子供を守らないといけない。ワンオペで2人を育て、しかも自分の愛情は不安定。とてもきついはず。社会に属し、親がダメでも育児を相談できる第三者を見つけておくのも母親としての役目。
見ていてそう感じた。
正直、
正直、この親のような人物を
想像するのが難しかった。
夏帆さん演ずる亜矢という人物が、
非常に印象的で、もっと知りたいと思えた。
大人になると楽しいことあるよ
ってセリフが印象的。
周平は亜矢を知っても、
それでも秋子についてったけど、
変わるならあそこだったんじゃなかろうか。
ただ、周平からの依存より、
秋子が依存してる傾向が大きかったから、
多分こうなっちゃったんだろうな。
周平役の彼がリアルで、
本当にこういう人がいるんじゃないかと
思わされた。
ランボーを観た方がいい
肌すべすべ学生キャーキャー
こうゆう人達が居るという事
映画公開の宣伝の時点でとても気になっていたが、私自身が妊娠中であったため観に行くことが出来ず、今回長澤まさみがアカデミー賞を取った事で思い出したのでNetflixにて鑑賞。
この世に正解がないように、誰かの正しいを押し付ける事は出来ないけれど、この母親は間違っていると感じた。
子供は母親の所有物ではなく、1人の人格として育てるべきだ。
それが出来ないなら産むべきではないし、それすら分からず産んでしまったのならば他人に頼るべきだ、と。子供は分身ではなく、あくまで他の人格なのだから。
大切に扱うべき命なのだから。
この母親は恐らく精神障害があるのだろう。サイコパスやアスペルガーなど詳しくは分からないが、勉強が出来なかったり、仕事が続かない理由がきっとあるのだと思う。
それに両親は気付かず(当時は精神障害という存在自体がメジャーではない)不出来な姉、優秀な妹という立ち位置で育ててしまったのではないだろうか。
いや、親自体は同じ様に愛情を注いでいたかもしれない。しかし本人はその様に感じていたのだ。
周りとは同じ様に勉強や仕事が出来ない苛立ち、それを受け入れられないプライド。妹ばかり可愛がる親。
この役が長澤まさみだったから、こんなに美人ならば女を武器に身体で稼げば良いのにと思ったけれど、きっとそれも出来なかったのではないかな。暴れたりして。ただ、ジャガイモは上手に剥けていたけれど。何故ジャガイモは上手に剥けたんだ。そこに違和感があった。もしかしたら障害ではなく、マイノリティとして勤労しないのか。
見た目では分からない障害は厄介だ。
そもそも障害とは何なんだ。その境界線は何だ。普通とは何なんだ。
自分自身の勤労でお金を生み出す。
それが出来ない人はどうしたら良いのだろう。
子供を産む事は出来る。しかし育てる事は出来ない。
そうゆう人はどうしたら良いのだろう。
いやむしろ、そうゆう子供が生まれたら、どの様に育てたら良いのだろう。
色んな人がいる。
まずは知る事。自分を、そして他人を。
その為に本を読んだり、勉強をする。
子供だって他人だ。分からないと投げ出さず理解する努力をしなければいけない。それが愛情なのかもしれない。
少なくとも秋子は愛情をあまり感じずに育ってしまったのだ。
秋子自身、自分の弱さ(もしも精神障害があったとしたならば)を知る機会があれば、それを受け入れられればきっともっと違う生き方が出来たはずだ。自分の弱さを知る事で大人になるのだ。
周平は、秋子を母親というよりも守るべき存在として扱っていた。
秋子の危うさは子供の危うさと似ていた。
幼いまま母親になってしまった秋子。
大人びた周平。
何故、祖父母を殺すまでに至ったのかが最後まで分からなかった。
周平ならば分かりそうなのに。母親を守る術はそれではないという事が。きっと、もっと学校に行って他人や本と関わっていれば実行しなかったはずだ。
それが残念だった。
身近にこうゆう人達が現れる可能性は幾らでもある。
人間がこの世で子育てを、いや生きていく事の難しさを考えさせられる映画だった。
これだけ考えさせてくれると言う事は、創り上げたスタッフの賜物だ。
俳優陣の演技も素晴らしかった。
良い演技
ひどい話だ
母親役の長澤まさみさんが、日本アカデミー賞主演女優賞を受賞したニュースをきっかけに初見。俳優陣が素晴らしい演技だった。
女性から見たら、「こういう女の人ってなぜか男の人が途絶えない」と納得する、絶妙なだらしない感じ。
ストーリーは、実際に起こった事件として、記憶に新しい。
格差、貧困、共依存。胸が苦しい場面ばかり。
どこかで起こっている小さな負の積み重ねが、日々の生活に確実に存在していることを、淡々と捉えていた。
最後の手を握るシーンは、個人的に少し違和感。
実話ということが悲しい。
それでも子は親にあの言葉を言えるか…?
長澤まさみが日本アカデミー賞主演女優賞を受賞したばかり。その他、国内の同賞を多数受賞した話題作。
いい意味でも悪い意味でも噂には聞いていたが、これは…。
シングルマザーの秋子。まだ幼い息子・周平を抱えながら、無職。
働きもせず、お金は親族から借金してでも無心。断られれば声を荒上げて逆ギレ。
金はパチンコなどギャンブルへ。
男も取っ替え引っ替え。ホストの遼と出会い、家に連れ込む。息子をパシリに。
息子を置いたまま、男と旅行へ。家ではガスや電気が止められ、周平一人…。
ようやく帰って来たら、遼とグルになって留守中親切に息子の面倒見ていた知人を脅迫して金の無心…。
自堕落、育児放棄、果ては犯罪まで。
生き方も考え方も一切共感出来ない。
『世界の中心で、愛をさけぶ』で白血球と闘うあのピュアな女の子が、まさかこんな毒親/毒女になろうとは…。(←あくまで役柄です)
しかし、それだけ長澤まさみの演技が凄いという事。これは聞きしに勝る…いや、それ以上!
ムカつくくらいのふてぶてしさ。
凄みのある熱演。
これまでの印象を覆す!
役者とは良くも悪くも、外見も内面も含め、自分の全てをさらけ出す。
そう言った意味では、長澤まさみは持てる力を出しきり、間違いなくこれまで~今後のキャリアの代表作になったと言えよう。
コメディばかりじゃなく、阿部サダヲもシリアス作品でだらしない役を演じさせれば抜群の演技力を発揮。
『日日是好日』や『星の子』などの感動作、『まほろ駅前』シリーズや『セトウツミ』などのユルいコメディも手掛けているが、やはり大森立嗣と言ったらヘビーな作風。本作でもその手腕は遺憾なく。
何処までも何処までも、とことん堕ちていく。
遼との間の子の妊娠をきっかけに、破局。
家族からも完全絶縁。
5年が経ち、周平は青年に成長、妹・冬華も産まれたが、変わらぬその日暮らし。果てはホームレス…。
どん底もどん底。底辺も底辺。
国の生活支援の手が差し伸べられる。住む場所、食事、周平には学校。周平と交流を深める生活支援員役で夏帆が好演。
が、どんなに良くしてくれても秋子は反発。
そんな時遼が舞い戻って来て、再び波乱の中へ。
そしてこの母子の末路は、最悪の悲劇に…。
どんなオチを迎えるのか、ほとんど前情報ナシで見たので、衝撃的。
何でも2014年に埼玉県で起きた事件がベース。
哀しく救われない。あんまりだ。
このオチを巡って、賛否両論も分かる。
ここで存在が大きくなってくるのが、周平だ。
幼少期の郡司翔も見事な演技を見せてくれるが、すでに新人賞総ナメ。青年期の奥平大兼が長澤まさみに負けず劣らずの存在感と難しい役所を素晴らしく体現。
本作はタイトルこそは“母”となっているが、真の主役は息子の周平でなかろうか。
母・秋子は親失格なのは否定出来ない。家族からも周囲からも疎外され…。
そんな周りに対し、いつも毒付く母。だけど本当は、孤独…。
守ってくれる人は誰もいない。…いや、いる。僕が。
母もそうかもしれない。頼れるのは息子しかいない。
本作は、息子から見た孤独な母の物語…。
…と、ただセンチメンタルには終わらない。
クライマックスのあるシーンの秋子の台詞には戦慄した。
これが、親の言う言葉か…!
産まれたその瞬間から息子は苦労続き。その心労、計り知れない。
それは秋子も同じで、本当に苦楽を共にした親子。
頼れるのは他にいなかった。
しかし、それが駆り立ててしまった。
子供は私のもの。
それでもお母さんが好き。
これは、決して赦されない罪か、歪んだ究極の親子愛か。
まだ上映してたので 長澤まさみさんをもう一度観たくて2度目の鑑賞 ...
まだ上映してたので
長澤まさみさんをもう一度観たくて2度目の鑑賞
1度目は衝撃的過ぎてレビュー書く気になりませんでした
何処にも共感出来る場面は無く
親子関係の歪みによって出来た毒親を演じた長澤まさみさんにただただ感服する
勉強を嫌い、働く事もしない
女性を武器に何とか生きてるって感じ
よく親権を得られたと不自然に思う
市役所の人にも親権取れるように頑張ったのか·····
実際の事件をモデルにしてる作品と知りました
こんな親子を作ってしまったのは日本の社会で、
子供をここまで守れない事実が悲しかった
秋子の異様な母親への憎しみは
きっと子供の頃からの積み重ねで、
妹との比較は勘違いかもしれないけど、母親からの劣等感を理由にして自分に甘く、息子を自分の手を汚さない為の道具みたいに使う
こういう人は、そういう人としか付き合えない
まともな人とは共感し合えないから
同類同士で慰め合うしか出来ない
どんどんダメ人生のドロ沼にハマるしか出来ない
お金の無心と殺人させる親か。。
どんな親であっても周平にとっては秋子だけが拠り所で
世界の中心
好きな人の頼みなら殺人だってしてしまう
シャーリーズ・セロンの『Monster』を思いだしました
親子では無いけど、好きな人と一緒に居たいから
他人からお金を巻き上げたり殺人してしまったり·····
恋愛も頭では分かってても
ダメな相手に惹かれる事ってあるもんね
愛は理屈じゃないんだね(この話は極端だけど)
最後の面会シーンは捕まった2人の気持ちが真逆で
本当に虚しく切ない気持ちになりました
冬華ちゃんの無邪気な可愛さが
ほんの少しだけど劇中の救いでした
現実の話なんだよね、、冬華ちゃんが
いま心身共に健やかでありますように
毒母と子の、愛の方向性
Netflixで鑑賞。
原案は未読。
胸糞悪い。重たい。気分が悪くなりました。
大森立嗣監督節が炸裂した淡々とした話運び故に、実話ベースの物語のリアリティーが強調されていたからか、怒りとも悲しみとも形容し難い感情が心に残りました。
長澤まさみの演技の迫力がすご過ぎました。さすが演技派女優の面目躍如だなぁ、と…。初の母親役にして汚れ役。クソみたいな毒親になりきっていました。
奥平大兼も新人とは思えない演技力に舌を巻きました。デビュー時の柳楽優弥を彷彿とさせるような、非凡な雰囲気を醸し出している俳優さんだなと思いました。
親子の悲惨な生活。秋子は次々に寄生する男を変えつつ、時には川田(これもどうしようもねぇクソ野郎)とヨリを戻したりまた別れたりを繰り返し、ホームレス同然の暮らしとなったことで、ついに周平に殺人を命令するに至る。
秋子と周平の関係性は、劇中では共依存だと云われていました。お互いがお互いを必要として、相互に依存し合う。秋子は周平を"愛情"を持って支配し、周平もネグレクト同然の秋子を嫌わず、自分の主張を歪められても着いて行く。善悪を超越した親子愛と云う、ある意味不思議な関係性。
幼少期編のラストシーン、ふいに秋子が周平を抱き締めました。毒親が見せた突然の優しさ。これはずるい。だから周平は母親から離れることが出来ないんだろうなと思いました。
どれだけ悪態をつかれ、どれだけ自分の意思を踏みにじられても、周平は母親を愛し続け、秋子もまた息子を愛した。
その愛はどこか普通じゃない。でも普通ってなんだよ、と云う疑問も湧いて来る。同時に、この関係性を理解出来るような気もして来るんです。しかし結局のところ、歪んだ愛の果てには破滅しか無かったのかもしれません。
親子3人が路上にへたりこんでいるのを尻目に、目を背けると云うかそもそも見えてない感じでその前を素通りして行く通行人たち。この光景を観て、大森監督が突きつけたかったのはこれかもしれない、と思いました。
実際、こんな風に薄汚れた格好の親子がいたとして、路上に力無くへたりこんでいたとして、手を差し伸べられるかと言われれば、素直には頷けない。素通りして行く通行人を責めることは出来ない。同じ穴のムジナだから。
なんとかしなければならないと良心が囁く一方、手を差し伸べても、向こうからその手を払ってしまうのだから自業自得だろうと思う自分もいるんです。
[余談]
「周平何やってんだよ!」とか「おい周平、酒買って来い!」とか云うセリフが流れる度にビクついてしまいました。
なんせ僕もしゅうへいなもんで。
※修正(2024/03/13)
切ない物語でした
なんだか切ない物語でした。周平とふゆか(漢字分からないごめんなさい)の母親は間違いなく最低で処刑したいくらいの人間だった。周平もそれをわかってるはず。(ふゆかはとても小さいので母親が最低とかそういう感情がまだ分からないと思われる…)
周平は、自分の母親が最低だってことは十分すぎるほどに分かっているはずなのに、それでも母親への愛情の方が勝ってしまう。それは視聴者という第三者からすると「なんで…!?」という感情になった。でも、実際自分の母親がそのような人格の人だとしても案外周平のように受け入れてしまって結局母親を愛してしまうのかもしれないな、と思うと凄く怖くなりました。
感動する話では一切ないけれど第三者から見て辛いシーンが何個もあって結構泣いてしまった。
中でも私が印象深いシーンは前半、周平が元夫に会って「修学旅行に行きたいからお金を貸して欲しい」と母親に頼まれて言いに行くシーン。この映画に出てくる大人は正常な人もいたけど周平に対して心配して尽くしてくれた大人は元夫と施設のお姉さんだったのかな、思いました。元夫は少ししか出ていないけど、彼なりに心配してくれてたと思う。元夫は周平に「修学旅行のお金を貸して欲しい」と言われて少し考えたあと、「周平、お父さんの所来るか?」と優しく、心配した顔で問いかける。絶対に、100%、元夫について行った方が周平は生活も安定して充実した暮らしができるのに周平は「いや、お母さんの方が好きだから。」と真顔で答えた。そのシーンで号泣。第三者からしたら元夫が一緒にする提案をしたところで「周平、お願いだから元夫について行って!!その方がぜっったいに辛い思いしないよ?」とずっと心の中で願っていたが、お母さんを取ったシーンで周平、なんで……?という困惑とあんなに最低なのに、母への愛情が勝ってしまうのか…という驚き、そして元夫が思ったであろう、周平はそれでもあんな最低なあいつ(母親)を取るのか…という虚しい思いが重なってたくさん涙が出てきました。
胸糞悪いでもなく、ただただ切ない物語でした。
クソの足しにもならない映画NO.1!
重い。。
実話が元だと考えるとゾッとする。
なぜこんなに歪んでしまったのか。そこの背景があまり伝わらなかった。決して育ての親は悪い人には見えなかったが。しゅうへいの父親も然り。まともな人間に見えたが。
冬ちゃんの父が唯一つながっていた男だった。それは自分と同じ心に穴が空いた人間だったからなのか。思えば他の男は別の部分で満たされていて、いわゆる普通に育って来た人間に思える。タダでやれるならラッキー的な。同じ種類の人間を常に探し求めているようにも見える。違うとわかった瞬間、また奴に気持ちが戻る。そして奴は借金と共に消えた。そう考えると自分の分身、と言った息子が唯一の拠り所だったのだろう。
彼女が何か障害があったと考えれば、合点がいくか。それなら周りの人間が早く然るべき手段を取るべきだった。しゅうへいの小学校、フリースクール、児相、どこかしらが歯止めをかけられたはずだ。周りの人間にも罪がある。
とにかく冬ちゃんがまともに育ってくれ。それを願うばかりだ。
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