MOTHER マザーのレビュー・感想・評価
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共依存という言葉が重い
母親は働きもせず、家族や知人からお金を借りたりして遊び、男を作っている生活をしていた。
子供のことは後回しだった。
母はある男と知り合って、三人は夜逃げをしたが結局その男に捨てられ、家族からも絶縁された。
行政によって保護してもらえたが、捨てた男が戻ってきてよりを戻しまた夜逃げをした。
逃げてばかりだった生活に疲れた母は、子供にあることを提案して、最後は離れ離れになったという内容だった。
共依存という言葉はとてもこの親子に似合っているなと思いました。
お互いがお互いのことを必要としている関係だったんでしょうが、変な依存の仕方をしたなと思いました。
母親だからって、子供を物のように扱うのはダメだと思います。
子供は子供で、とても可哀そうだなと思いました。
自立したいが、結局離れることができない葛藤があったんだと思います。
夏帆さんのめっちゃ優しく包んでくれるような雰囲気良かったです。
怠慢な女
残念な映画だと思いました。
怒りを感じながら見てました。
このダメ親ぶりを見ていて、
正直、ずっと怒りを感じていました。
私も、親なんで。
しかしなんで、こんなMOTHERになっちゃったの?
そのあたりも、描いて欲しかった。
親と不仲だけじゃ、こんなにひねくれないでしょう。
見終わった後、暗く重い気分がずっと残ってるのは、
こんなMOTHERになった理由を掘り下げてないから
なんじゃないかな、と感じました。
長澤さん、大きくジャンプしましたね。
そろそろ、そういう年齢ってことかな。でも、もっと
思い切っても良かったかもw
息子・周平役の俳優、人気出てきそうですね。
舐めるように育てることと、私が産んだ子だから私の思うように育てることは違うよ!
秋子は我が子を愛していることは確かだろうけど、愛し方が間違っている。子供にお金をもらいに行かせるなんてとんでもないし、子供の前で行きずりの男とイチャイチャするのも絶対ダメだし。何故、自分で働かない?そんな状態で妊娠して結局2人目を産んでしまう。何を考えているんだ、と観ていて憤りを感じる。何も考えていないから産んでしまうんだろう。働く気がないんだから産んだって生活できないことが何故分からないのか。周平が大きくなったら働かせて寄生する。盗みをさせたり、祖父母を殺すよう仕向けたり、親とはいえない、鬼だ。なのに周平はお母さんが好きなんだ。それがなんともいえず悲しい。
きっと周平が刑期を終えて出所したらまた寄生するんだろうな。
秋子は何故あんなふうになってしまったのか?それが知りたい。
なんつーか…演技にリアリティが薄い
考えちゃう。
何がどこで間違ってこうなってしまったのか。
まず、基本的なことがわかってない。
お金の使い方。人に嘘をついたらダメとか。
性教育とか。
姉は大学へ行って、まともに生活している。
姉妹でも、こんなに差があるものなの?
周平はお母さんが大好き。学校に行きたい、もう引っ越ししたくないってお母さんに伝えていたはずなのに、わかろうともしない母親。
お母さんが大好きだから、お母さんの言うことは絶対ってかなり危険だ。
何が変なのか、社会との繋がりがないからそれすらわからない周平。
こんなひどい母親っているのかな。
どうやったら、周平は殺人を犯さなかったのか。どうしたら、あの家族を救えたのか。
答えが見つからない。
生活保護も受け取らない、ソーシャルワーカーの手もかりない。
どうしたらみんなハッピーになれたの?
家族からも見放され、男からも見放され、
誰の手もかりたくないってなったら、
どうしたらいいのだろう。
悲しさと愛
親子の歪んだ愛の形を描いた作品でした。
母親は、ろくに働かずパチンコばかりで子供の面倒をまともに見ようとしない。そのくせに人からお金を借りて何とかやり過ごしたりしている。
子供は、まともな愛を知らずに育てれられ自分が知っている世界は、母親の中で作られたものになってしまう。
それが後に共依存という関係性に変わっていってしまう。
この映画を観てから自分がどれだけの愛を受けいたか考えさせられました。
普段の何気ない事でも何かしてくれている。
それに気づかないままでいたのかもしれないです。
常にあるものは、気づかないけど無くなってから気づくとよく聞いたりする事があります。
だけど、無くなってからじゃ既に遅いんだなと思いました。
この映画は、正直に言うととてもくらい映画でした。
だけど、これを観た人がどう今自分にとって感じるかは、その人次第でとても魅力的な作品だと思いました。
男とも、息子とも共依存
金、酒、男にだらしなく、家族から縁を切られる女の生き様。
どうしようもない女の生活に焦点を当て続け、エンドまで続く。
夏歩演じるソーシャルワーカー?以外にも、助けられる人はいなかったのか…。
最後まで、何かがハッキリすることなく、ずしっと重いまま終わる。
子役の幼児と少年の演技、
また、言わずもがな主演や助演の演技は素晴らしく
誰ひとりとも演技の臭さやわざとらしさがなく
実力派による力強い作品だった。
長澤まさみさんこ男に依存し、関係を持ってしまう描写は
あの端正な顔と抜群のプロポーションにも関わらず
色っぽさは消え、演技の邪魔にならない自然なものだった。
個人の性格や雰囲気をここまで消して、観客に余計な考えを挟ませない演技ができる俳優はなかなかいないと思う。特に、これだけ人気の女優であればなおさら。
引き込まれた。
奥平大兼さんも、これがデビューとは思えない…
セリフや表情の変化があまり無い役どころながら
喉仏の動き、息遣い、首筋やその血管から
周平としての感情や鼓動がまざまざと感じられた。
これからの活躍は必至ですね。
ひとつ、脚本の設定として娘が素直で人見知りせず愛らしく育っているのが違和感あったが。。
かなりの見応えがあった。
悲しい
親子の共依存。この親子愛は美しいのか?
とにかく役者の演技がリアルで引き込まれる。
視聴者側から見れば、母親から離れれば幸せになれるのでは、ここで止めておけば幸せになれたのでは…と思うところがたくさんあるが、そうはいかない。自ら不幸に飛び込んでいるようでもあるが、だからと言って本人が不幸だと感じているかと言えば、そうでもなく。
難しい。そして、悲しい。
救われない
【事実は小説より残酷…気づけば引込まれている映画】
・2020年公開の日本の社会派ヒューマンドラマ映画。
・親族からも絶縁され、いく当てもないシングルマザー秋子とその息子周平が社会からもどんどん孤立していく。そして周平が最後に悲惨な事件を起こすまで…、という大枠ストーリー。
・現実で実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て作られた作品のようです。
[お薦めのポイント]
・事実は小説より残酷…と思わざるを得ない事実に基づいた物語
・鑑賞後、必然のように「考え」させられてしまう=気づいたら魅了されて引き込まれている。
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[物語]
・終始救われませんでした。笑 ただ、秋子と周平の関係性が少し良くなったように見えた時に、ふと観ているこちらの気持ちが落ち着いた気がします。そんな些細なことに「こちらの感情を動かしてくれる」「それに気づかせてくれる」ような物語の運びがすごいなぁと思いました。情景を想像しながら愉しむ文学作品のごとく、登場人物たちの思考を想像しながら一喜一憂させてくれる、そんな繊細さを感じました。
[演出]
・表情で語らせる。目線で語らせる。まさに映像文学でした。これは観ているものが考えることこそ意味がある、と言わんばかり。わかりやすい答えは提示してくれません。定点カメラの長回しの意味、秋子の目線の意味、周平の感情…などなど。監督さんに「なんでこの映画を作ろうとしたのか」「だれに何を伝えてどうなってほしかったのか」など質問攻めしたくなるような物語・演出です。ダークなお話なのにそれくらい引き込んでくれる世界観が創り上げられた映画だと思います。
[映像]
・時折、定点で物語を映し出すシーンがあり、それが何を意味するのかが非常に気になりました。
[音楽]
・特に際立って感じたことはありませんでした。
[演技・配役]
・長澤まさみさん、奥平大兼くん、郡司翔くん。素晴らしすぎる演技力です。自堕落ながらも妙な芯を強く持つ秋子演じる長澤まさみさん、そのダメさと芯の強さのかけ合わせが「秋子に対する胸糞さ」「ちょっとだけ可哀そうかも…」という2つ感情の行ったり来たりをさせてくれました。奥平大兼くん、郡司翔くん、似すぎです。笑 そして、社会を知らず母しか知らない無垢さ、が仕草の一つ一つにあふれ出ていて、何を言わずとも何をせずとも、周平君のキャラクターがしっかり伝わる演技になっていました。
[全体]
・秋子と周平は、母と子であり、友達同士であり、恋人同士であり、夫婦であり…1つのカテゴリではくくり切れない関係性を感じました。それが、物語の台詞でも出てくる「執着の関係」なのかもしれません。子供を単なるモノ扱いする母親ならば、口の利き方ひとつにも怒り狂い、それゆえ子供は「はい」「わかった」など素直な言葉しか言えなくなるイメージがあります。いわゆる恐怖による支配です。しかし、周平君は普通に「嫌だ」「なんで早く帰ってこないの」と秋子に対して普通に口ごたえ的な発言をします。その発言の言葉尻に秋子は怒らないんです。怒るのは「自分の思い通りに動ていくれない周平君の行動」に対してのみ。この辺が、まるで小学生の友達同士のような関係に感じました。そして、阿部サダヲが2回目に2人のもとを去っていったときに、秋子が周平君にもたれかかるシーン。これはまるで異性間のような雰囲気が伝わってきました。周平君自信も恐怖による支配ではない秋子だからこそ「守らなければいけない」と思ったのでしょうか。
・作中、秋子は自らの性を利用してうまく生きているように見えていましたが、よくよく考えれば、これに乗ってくる男たちは、結局秋子を「その場の楽しみ」としてしか扱っておらず、決して大切にはしていない。つまり、秋子が利用しているように見えて秋子自身が利用されているのかなぁ、とも取れました。そう思うと、終始残酷な秋子に対する「可哀そう…」という気持ちが芽生えてきてしまいます。子供に対してひどいことをするダメダメなMotherに怒りを覚えつつも、社会からはひどい仕打ちを受けているMotherに対する哀れみも抱く。その2つの感情を微妙に行ったり来たりさせてくれるところは見どころだと思いました。
・「いやいやここまでひどいことなんて現実にはないでしょ」と思っていましたが、調べると実際にあった「少年による祖父母殺害事件」をベースに作られた映画と知り、現実の恐ろしさを覚えました。世の中では作中のようなことが実際に起きていて、周平君のような、ごく一般的な私たちから考えると、どうにも報われない子供が存在している恐ろしさ。
・一度観ただけですと、いまだに混乱のさなかにいる私ですが(笑)、少なくとも「なんでこんなことが起こってしまうのか」「なぜFatherではなくMotherなのか」「結局に誰に何を、何の目的で伝えようとしているのか」など、考えざるを得なくなってしまいます。これこそまさに映画に魅了されて引き込まれた状態なのかもしれませんね。いずれもう一度、トライしてみたいと思います。ありがとうございました。
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#全体3.7 #物語3.7 #演出3.7 #演技3.8 #配役3.8 #映像3.5 #音楽3.5
これはすごい
長澤まさみさんのPV
基本は邦画特有の「誰も知らない」や「子宮に沈める」の類の
子供が虐げられる胸糞映画なのでその辺が苦手な方や
小さいお子様をお持ちの方にはおすすめしません。
ただ事実を原案としているようなので
自分の生活や子供の今の幸せを再認識するにはとてもいい映画です。が
長澤まさみにフォーカスされまくってるいるので
彼女の演技以外はおざなりカンジなのでもう少し
彼女の役どころに対する心情の変化や周りの人との関係性はどうでもよく
長澤まさみさんの私はここまでできるのよアピールがすごくて
それ以外見どころがないのが残念、長澤まさみファンにはたまらないかもしれませんが
タイムジャンプが多く、長い映画のわりにラストもなんとも言い難いカンジ。。
子役の男の子演技がいいのでタイムジャップなしで
親子関係を丁寧に描きあげたほうがよかったのではないでしょか?
親子関係の胸糞が好きなら「葛城事件」のほうが
よほど胸糞だと思います。
無気力の世襲
日日是好日の監督の作品。
こちらも、誰かの何者にもなれない人物が主人公。
自分で自分を認められる愛情の基盤があれば、誰かの何かになれなくても満足できるはずなのに。
長澤まさみ演じる三隅秋子が、ずっと無気力。子供もいるのに。消化試合のように生きている。
ずっと傷ついてきたんだよね。堪えてきたんだね。と声をかけたくなる。
実家では出来が悪くて大人になるにつれ妹と人生に差が出て厄介者扱い。大切にされた記憶がないからお金目当てで両親に近付けるのだろう。
結婚したのに夫とは離婚して。息子がいるが、生活を満たすために働く気力もない。容姿だけは良いのをあてにして、周りの男性に迫っては、養って貰えないか様子を伺い、どこも行き先がないと息子を使って実家や妹にせびりに行く。しかもお金はパチンコに消える。
更にはどうしようもないホストにまで、おそらく子供ができれば養って貰えるかなと計算したのかもしれないが、妊娠しても捨てられて。ダメな男だとわかっているのに、そんな男性からでも良いから一過性の愛情を求め、それすらも得られない自分にまた傷つき更に無気力に陥る。
仕事もちゃんと行かない母親がパチンコか新しい男性のもとへとフラフラ居所を変えるから、小学校すら教育の機会も奪われた息子は、他に行くあてもないまま母親について回るしかなく大きくなり、無計画に産まれた妹の父親がわりにまでなっている。
いつ、自我が目覚めるかと見ていても、母親を助ける役目が染み付いてしまっていて、幼い頃から母親のパシリにされ、都合よくこっちに来いあっちに行けとあしらわれているだけで充分な愛情を注がれていないのに、母親の命令なら嘘もつくし盗みもするし最期には殺しにまで手を染めてしまい、それでも母親が好きで、庇い懲役12年を背負う。それでも、ご飯も出るし本も読める刑務所の環境からもう出たくないというほどの生い立ち。傍目に見るとそれほど大変だったのに、他の育ち方を知らない周平は気付かない。産まれたところからずっとダメだなんて言わせる母親でも、子供にとってはたった1人の母親。それに甘んじるかのように何もしない母親は、言葉だけのマザーで、産んだだけで母としての責務はなんにもしていないのに。
道端でホームレスしているところを見つけて住居に案内し、フリースクールの存在を与えてくれた児童相談員の亜矢や、「仕事しろよ!お前が働かないから息子が悪さするんだろ!親なら二十歳まで面倒見るのが普通だろうが!」と一喝して食事の面倒まで見てくれた周平の仕事先の社長。
社会の救いの手は何度か差し伸べられていて、周平も人生を変えるチャンスは何度もあったのに、そこで声を上げられないほどに、母親との共依存関係は深い。
そして、亜矢からお母さんと暮らさない手もあると言われても、亜矢のように親から手を挙げられて育ったわけでは無い周平には、響かなかったのか。
学校へ行きたいから借金取りから逃れるために俺は行きたくないと話しても、亜矢にあんたは嫌われてると言い、自尊心を傷つけて従わせるような母親なのに。
誰かがあったかく迎えていれば。
祖父母の家に殺害強盗目的で入った時も、下の妹には会ってみたいなという祖父母。「周平、久しぶりに顔を見られて嬉しいよ」その一言があるだけで結果は変わっていたかもしれない。母親も同じ環境で育ったなら、親を大事に思えない殺したくもなる、せめてお金だけでも出してくれと考えてしまう気持ちがわかり犯行に及んでしまったのか?小学校の知識もなく、殺害に対する罪の重さや抵抗も少なかったのか?わからないが、祖父母への恩は全く感じていないことだけはわかる。
仕事をするスイッチさえ入れられれば。
仕事がなく暇を持て余すから、パチンコに走る。
暇だと存在意義を考えてしまい、傷つくのを避けるためだろう。包丁を持たせてみれば不器用ではなく、水商売でもなんでもできそうなものだが、自分に何かやれるという自信が全くないようだ。そんな人生だとしても、毎月生理はきて妊娠もし命の連鎖を産めてしまうのが、女性。言葉上マザーになるのは生物学的には単純、でも実際に客観的に見てマザーになるのは難しい。
主観では、あの子は私の子だと何度も主張していて、頼ってばかりで全く責務を果たしてはいなくても母性の欠如ではなさそう。
子供の主観で見ても、殺害を頼まれたうえ供述で罪をなすりつけられさえしても、母親を好きと話している。
断ち切るべき結末ではあったが、ここまで自己肯定感皆無の娘に育ててしまった祖父母が原因でもあるのかもしれない、だとしたら殺されるのはもしかしたら一周回って自業自得という見方もあるのかもしれない。
側で見てきた母親の積年の苦しみを晴らしただけで、誰彼構わず殺す人間に周平が育ってしまったわけではないという見方もあるのかもしれない。
なら母親ってなんなのか?
とても考えさせられる。
愛のないところから愛は注げず、母親の立場が可哀想でもあるが、妹には父性を補う存在としてしっかり愛情がある周平が健気で見ていてとても悲しい。
周平の「どうすればよかったんですかね」
これに尽きる。
「マザー」は、少なくとも、子供に善悪を教えなければいけない。身をもって愛を教えないといけない。
そして、それができないのなら、社会の力を借りてでも、子供にそれが与えられるよう、意思に反しても手放すなり機会を与えないといけない。一方、母親以上に関係性に立ち入れたり、最後まで助けられるほど手を差し伸べられる存在はなかなかいない。だからこそ、母親が子供を守らないといけない。ワンオペで2人を育て、しかも自分の愛情は不安定。とてもきついはず。社会に属し、親がダメでも育児を相談できる第三者を見つけておくのも母親としての役目。
見ていてそう感じた。
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