ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像

劇場公開日:

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像

解説

「こころに剣士を」のクラウス・ハロ監督が、作者不明の「運命の絵」に魅せられた老美術商とその家族を描いたフィンランド発のヒューマンドラマ。年老いた美術商オラヴィは、家族よりも仕事を優先して生きてきた。そんな彼のもとに、音信不通だった娘から電話がかかってくる。その内容は、問題児の孫息子オットーを、職業体験のため数日間預かってほしいというお願いだった。そんな中、オラヴィはオークションハウスで1枚の肖像画に目を奪われる。価値のある作品だと確信するオラヴィだったが、絵には署名がなく、作者不明のまま数日後のオークションに出品されるという。オットーとともに作者を探し始めたオラヴィは、その画風から近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品といえる証拠を掴む。「幻の名画」を手に入れるべく資金集めに奔走するオラヴィは、その過程で娘親子の思わぬ過去を知る。

2018年製作/95分/G/フィンランド
原題または英題:Tumma Kristus
配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス
劇場公開日:2020年2月28日

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映画レビュー

3.5名画にサインがなかった理由

2024年10月1日
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ジョニーデブ

3.5隠れた名画を探し当てた老画商の奮闘を描くヒューマンな佳作

2023年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

NHKがずいぶん前に放送したドキュメンタリー『スリーパー・眠れる名画を探せ~イギリス美術界のシャーロック・ホームズ~』の紹介文によると、「行方不明の名画、巨匠のタッチに上塗りされた名画、継ぎ足され正体不明になった名画・・・。これらスリーパーと呼ばれる名画を探し出す天才的な画商たちがいる」という。

本作の主人公の画商は市中のささやかな画商だが、それでもスリーパーを発掘することは生涯の夢なのだろう。店を畳む寸前の年老いた画商に、そんな夢を掴む機会が訪れたらどうするか――本作はそうした老年の夢の実現と障害、縁遠くなっていたのにそれに巻き込まれた家族との関係を描いた作品である。

老画商がオークションで絵画を仕入れたり、同業の友人と情報交換したり、絵画購入代金の支払いを滞らせて相手に侮られたり、インターンで仕事の手伝いをさせる羽目になった孫に手を焼いたり…ごく普通の日常が、丹念にいい質感といい色彩で描かれている。
そして、運命のスリーパーとの出会いがあるわけだが、それが果たして本当の名画なのか、単なる勘違いなのか主人公にもなかなかわからず、オークションで半分ギャンブルのように高値を付けて手に入れる。
そして、それを莫大な金額で転売しようとしたら、断られてしまうではないか。やはりアレは贋作か何かなのか…と観客がハラハラしていると、そこに1本の電話が…。

話の内容も飽きさせず、最後まで引っ張り、お定まりのヒューマンな結末へ。佳作である。

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徒然草枕

4.0北欧独特の空気感の見える秀作

2023年8月3日
PCから投稿

落ち着いた画調と北欧の街の風景。
それが主人公の素朴感を増幅させる。

商才の無い老美術商と疎遠に近い娘と孫。
彼は度々家族を不幸にしてきた。

名画か、贋作か、
ドキドキする展開。

人生最後のチャンスに巡り合う老美術商。
亡き妻の形見の処分に心が痛む。
展開は予想できるが、問題では無い。
しかし物語の肉付けの足りなさは難点。

彼は何を大切にしたのか
何を残したのかが大切。
美術好きは是非。

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星組

3.5地味に心にしみる良い作品

2023年5月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

フィンランド映画は初めてだと思う。
まず第一の感想は、ヘルシンキの街並みはなんてきれいなのだろう。石畳に路面電車、歴史を感じぜひ行ってみたくなる。
そんな歴史ある街並みをバックに、祖父と孫の交流が映える。そしてその間柄がベタベタでないところが逆に泣ける。ある意味これこそリアリティー。
全体を通して印象に残りにくい内容ではあったが、そこがこの作品の良いところなのかも知れない。

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いけい

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