ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密のレビュー・感想・評価
全415件中、361~380件目を表示
親切設計で作られたミステリー
大きな屋敷で死んだ富豪と、怪しすぎる容疑者たちと、名探偵。
典型的なミステリーの安心のフォーマットは観ている人を裏切らない。
また、序盤で警察の聴取を持ってきて登場人物の説明をしていくのは大勢の容疑者を分かりやすく説明していく監督の親切設計があり、話に入りやすい。
安定した入りでありつつも突然の倒叙への変換は緊張感を持たせ、犯人へ感情移入させる。ここら辺の持っていきかたがウマい。
更に遺言書の公開によって、本来は動機がないはずの犯人を追い詰めていくまでは完璧。
例の大作で炎上した監督を見直した!
とはいえ、後半はアベンジャーズで著名なキャストが容疑者達の一人から明らかに目立ち始めると、さすがに絶対裏の真犯人だと分かりやすい展開になってしまったところでマイナス星0.5で。
ちなみにちょっとしたカーチェイスをやっちゃうと、どうしてもジェームスボンド的な感じになっちゃうんだよね。
(アガサ・クリスティの)ミステリーファンにはスッキリしない出来。その観点からネタバレしてますので未鑑賞の方は読まないでください。
スター・ウォーズ(というかスカイウォーカー・サガ)をメチャクチャにしてくれたライアン・ジョンソンが、皮肉にもアガサ・クリスティの大ファンだということでアガサへのオマージュで作った映画らしいが、ある意味似て非なるものになっている。①オマージュ又はパロディの部分は確かに散見される。しかしそれが映画の面白さに繋がっていない。②アガサの作品で起こるのは全て殺人であり、この映画のように自殺ものはない。先ず、そこがこの映画のスッキリしない要因で弱点である。③実はアガサの作品には(特に全盛期には)大富豪が謎の死を遂げる、一族が全て容疑者、アッとビックリな遺言書、という作品はそんなに多くない(代表作と言われるものの中にもない)。上の条件にぴったり合っているのは「ねじれた家」くらい。④マルタが嘘をつくと吐いてしまうという設定はユニークだが上手く活かされているとはいえない。⑤探偵がマルタをワトソン役にするのはアガサの某代表作のパロディだろうが、マルタの回想のシーンで真相の半分が既に解ってしまった後なので、映画的に探偵がマルタを疑って助手扱いするとは思えず、却ってマルタを容疑者から外してしまい、設定が生きて来ない。まだ、遺言書が読まれてからにした方が良かったように思う。⑥会話の切れ端や、登場人物のちょっとした一言に伏線や手掛かりが隠されているのはアガサが良く使う手ではあるが、自分のペースで読み込めたり前のページに戻ることが出来る小説と違って、ストーリーが目の前でどんどん流れていく映画には、その手法が決して合っているようには思えない。⑦ダニエル・クレイグの探偵はポワロ(外見があまりに違うが)他色んな名探偵のパロディだろうけれど、パロディの域を出ておらず、この探偵自信の個性が出ていない(観客が感情移入できない)。⑧家族の面々の人物造型が薄っぺらい(アガサの小説のキャラクターも紙人形、類型的とよく揶揄されるが、ここではもっと酷い)。⑨事件の様相は一見複雑だが、結局犯人は行き当たりばったりで犯行に及んだだけの事件なので(クリス・エヴァンスが演じることで更に頭悪く見える)、それを解くダニエル・クレイグの探偵もそれほど名探偵に見えない。⑩犯人が綿密に仕組んだ犯罪を探偵が明快に解き明かしてスッキリさせてくれるカタルシスがない。今の時代らしい?くだらない。⑪「欺しの天才」のアガサの良くできた作品を読んだときの『よくも騙したてくれたな、降参だ』という読後感に相当するものが感じ取れなかった。ということで余り高く評価できないけれども、アナ・デ・アルマスが可愛いのでその分点数を嵩あげしてあります。
古き良きミステリー
ホーンテッドマンションを思わせる古き館。そこに住む財産と名声を手に入れた、年老いた推理作家の死体…。
その財産を手に入れようと、館に集う欲深な親族達。作家が、ただ一人心許した若い女性。そして、ツイードスーツを着こなしたチョイ悪オヤジ風の名探偵…。
ミステリーの王道となる舞台と登場人物が、全て整った犯人捜しの作品。次第に解き明かされていく、トリックや犯人像は、アガサへのリスペクトを感じるミステリーとして仕上がっていました。
また、所々にクスッと笑いを誘う台詞もあり、エンターテイメントとしての楽しませる要素も散りばめられていました。
探偵役のダニエル・グレイクも、007の時の表情とはひと味違う、かっこよさは抑えたお茶目な役柄。
正義の味方の印象が強いクリス・エバンスは、ひと癖もふた癖もあるイケすかない野郎に。
トゥルーライズでシュワちゃんの奥さん役だったジェイミー・リー・カーティスは、髪の毛が真っ白で、随分年老いた感じでした。
最初から最後まで、犯人捜しの推理に引き込む演出は見事。きっとアガサもほくそ笑んでるでしょう。
ジェシカおばさんの事件簿w
ヒューにドピューッ!
観客もそこに参加しているかのような一体感を覚えたほどミステリーの秀作でした。アガサ・クリスティに捧ぐというオリジナル脚本に加えて、豪華な実力派俳優たち。すぐに死んでしまう富豪のじいちゃんがトラップ大佐だし、キャプテンや007まで出演している。ギャラだけで凄い製作費になりそうな本作。犯人はわかってるんだし、あとは罪がどこまで軽くなるのか?くらいにしか思ってなかった・・・
そんな単純じゃない!と、鎮痛剤とモルヒネの関係だとか、10分以内と言われてるのに、もっと時間がかかってるだろうとか、ストーリーが進むにつれ徐々に頭の整理が出来てくる。密室劇の雰囲気からちょっとしたカーアクションも魅せてくれるし、アナ・デ・アルマスの「嘘をつくと吐く」という体質がコメディ要素を全開にしてくれるのです。また、ダメダメ探偵のように思わせておいて、ここぞというときに活躍する展開も良かった。
そんな本筋以外でも移民問題やネオナチ少年など、さらっと社会派要素も取り入れていたり、遺産相続の在り方も考えさせてくれた。とにかくみんな金が欲しいんだよ!と、家族それぞれの思惑があったり、ワトソンに任命されたアナちゃんの心理変化とか、見どころ満載になっていました。終盤になって大爆笑連続というのも新しい感覚でした。
『相棒』好きにはたまらない⁉️
犯人当てる気満々で、さっぱり当てられないまま終わりましたw
凄く楽しみにして観に行って、期待通りの面白さでした。クリスティオマージュ満載の、探偵、館に、被害者、容疑者一族。館のインテリアの凝り様、クスリと笑える演出。現代風に、移民問題がスパイス。これは、新しい名(迷?)探偵シリーズの始まりかもしれません。
序盤から中盤にかけて、トリックのあらましが明かされてしまい、これどうなるの!?これで終わりじゃないだろうし、と思っていたら、二転三転、どんでん返し、楽しませてもらいましたよ!
職業柄、薬物にはまあまあ詳しいので、途中ツッコミ入れつつ観てたのですが、実は、、、 これはネタバレになるので。最後、かなり感心しました。ツッコミ所が全く無いわけでは無いにせよ、辻褄が合っていて破綻がない。
探偵のキャラも大好き。続編早速楽しみです。
帰宅して、レビュー読んだら、結構途中で犯人分かってたー!って方多いですね、、、スゴい。尊敬。
遺産問題は大変だ。
どうしてもダニエルクレイグは007の印象が強いので、探偵…!?と驚いてしまった。超クールなイメージなのでイヤホンを耳に、救急車が近づいているのにもなかなか気付かないほど歌っているのはイメージを壊してくれてとても良かったです。
クリエヴァも、曲がったことが大嫌いな綺麗な顔した正義の人のイメージなので、口が悪いし、 一族の問題児→えっヒロイン救ってくれるヒーローじゃん→ 最 上 の ク ズ という急上昇急降下な好感度を味わえて面白かったです。最後のナイブズ・アウトなところとか。あそこは同じ回を観てた方々も結構笑ってたなぁ。
My house!!
My rule!!
My coffee!!
で最初と最後を飾るのとても好きです。
人間の本性垣間見たクラッシックな傑作サスペンス
主の遺産相続巡って、人間の本性垣間見た刑事コロンボを彷彿する様な傑作サスペンス
徐々にテンポアップして事件の全容を明らかにするスリリングな展開に惹き込まれる
日本のマンガから人気が高まった囲碁が、重要シーンに登場するのが嬉しかった
最初は掴み所がなく考えている事が不明だが、展開が進むにつれ、人物に寄り添って真相見抜く探偵を、ダニエル・クレイグがイメージ一新して見事に演じている
本作は、アカデミー賞脚本賞にノミネートしている
なかなか良くできたストーリー。
いろいろエッジが効いてました
やっぱりというかまんまと騙されてしまった。どうしてこんなに騙されるだろうと過去を振り返ってみたら、小学校高学年の時に姉の影響でアガサ・クリスティを読み始めたときからずっとだった。アガサはその当時、20冊くらい読んだと思うんだけど、ことごとく犯人の予想ははずれ、ミスリードに惑わされて、最後の種明かしでうーんと唸る。でも、騙されやすい体質になったおかげで、今回は楽しめましたよ。
ベストセラーを連発して莫大な財産を築いたミステリー作家のハーランが、85歳の誕生日パーティーの夜に謎の死を遂げる。パーティーに参加した親族たちは、ハーランのお金や名声を利用してぶら下がっていい生活をしている。この前置きだけで、エルキュール・ポアロが登場しそう。
ハーランが甘やかしたせいで、子供やその配偶者や孫はきっちりだめ人間に仕上がってましたね。プライドだけ高くて中身がなくて、お金にはがめつく、一番の関心事は遺産のこと。この手のミステリーにはかならず登場する人たちです。ハロウィンでかっこいいシニアを演じていたジェイミー・リー・カーティスが、すごく嫌味な金持ちマダムを好演。
途中で、あれひょっとして凡作なのって思わせる展開。なんだよ、評判と違うじゃないかと思っていると、二転三転する展開がはじまり、気がつくと気持ちよく騙されてました。
最後は、エッジの効いたフィニッシュで大笑い。
家族は他人の始まり。そんなことは初めから分かり切っていたこと・・・
アガサに捧げた映画だと聞いた。
で、観に行った。
冒頭から種明かしをして見せて、それをミステリー映画として成り立たせる
にはかなりの力がないとできやしない。
自殺か他殺か。
他殺でないとミステリー映画にはならない。
そんな風に見るものに思わせる力量は大したものだ。
ピンクの半ズボンを履いた像が舞台の下手から現れて、幕引きをするよりも難しいのだ。
その時点で、この映画の結末はどうするんだろう?と、興味が沸き起こってしまう。
人間は嘘をつく。当たり前の話だ。
しかし、この主人公はそうはいかない。嘘をつけば嘘だとわかる身体反応が表れてしまう。
こんな設定を思いつくのは並みの才能ではなくて異才なのだろう。
しかし、ハラドキ感を後半戦で最高潮に持っていけるのはただものではないのだ。
前半戦は少し眠ってしまった。
退屈があって興奮が際立つのだろ。
面白い!笑った!
ミステリーで犯人をあてるのが全くできないので、この作品でも最後までえ?え?となって楽しめました!何より笑える箇所が沢山あってよかったです。ダニエルのヘリンボーンのスーツ(「ツイード野郎」とか言われてたな)、古くて立派な洋館からてっきりイギリスが舞台だと勘違いしてしまった。でも、移民の話題と右車線でアメリカか~とわかりました。
故人の母上を、ダニエル・クレイグが敬意をもって訪ねる場面がすごく好きです。ラ・トラヴィアータの最後の場面の曲が流れる中で、年をとると執着心がなくなるものなのではないでしょうかと話しかけるダニエルは、とても品がありました。
一方で、「ローガン・ラッキー」でのような、抜け感ダニエルも見ていて楽しい。マルタがクリーニング屋に行ってる間、車の助手席で音楽聞いてノリノリの探偵も確かにダニエルでした。
ダメ家族の中でも、長女のリンダだけは父親の「ゲーム」を楽しめたかな。最後の煙草の場面、良かった。
全415件中、361~380件目を表示