盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲のレビュー・感想・評価
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幾重にも折り重なった絶体絶命のプロットが緻密で楽しい
海外メディアが「コーエン兄弟の映画を彷彿させる」と評したそうだが、いざ本編に触れて「なるほど」と感じた。目の前に立ちはだかる壁。絶体絶命のピンチ。それに懸命に対処して立ち回っているつもりでいて、実際はやることなすこと全部悪い方へと転がっていく。当事者たちが焦れば焦るほど、そこに自ずとユーモラスな香りが漂うところもコーエン作品を思わせる。
が、プロットは確かにそうでもテイストは180度違う。インド映画ならではの大衆感でわかりやすく物語を運び、エンタテインメントとしての跳ね方も比較的大きい。最初は盲目のピアニストと可愛らしいヒロインのラブストーリーかと思わせ、それがとあるシーンからガラリと打ち破られていくあたりも一向に予測不能。「主人公の秘密」をめぐって誰が有利な立場にいるのかが刻一刻と情勢が変わりゆく様にもハラハラさせられる。よくぞここまで振り切れた展開を仕掛けたものだ。文句なしの快作だ。
後味が悪い
おもしろドタバタコメディにしては後味が悪すぎる。あとあまりにも犯罪に加担する人が多すぎて、冗談とはいえインドってやっぱり犯罪大国なの?って思っちゃう。殺人はアレだけど臓器売買くらいならねっていう世間の風潮ならこの映画に感じた違和感は解決するけど...
見えてるの?見えてないの?
人生はliverが決める
とんでもない伏線
全員悪者の緊迫感、胸くそ悪さ
初めは恋愛で進めていくのかと思いきや
アーカーシュの復習が始まるところからはテンポが良くなり引き込まれていく
ラストには笑うしかない
素晴らしい、この一瞬での情報量、どんでん返しが半端ない
ここまで一瞬でひっくり返す映画は見たことがないかも
どこからが嘘なのか…
コメディというよりはクライムもの
結構クセになる
こういうテイストの映画は久しぶりに観た。
ドタバタ、コメディサスペンス。
どこかで観た事のあるようなシーンで、あっという間の二時間半。
ヒッチコック、ドリフターズ、ララランド、、、。
結構クセになるかも。
そっちのliverかい!
劇場で観ておきたかった。あまりこれまで観たことのないタイプのインド映画。『ファーゴ』に言及されるのが納得のブラックコメディ。歌や音楽も自然な感じでストーリーに組み込まれていてよかった。かなり意外な方向へ展開していくので楽しめた。最後まで気を抜くな!
アーカーシュは堪えていたが、こちらはスクリームマスクに吹いた。
見えてる目撃者
インドのタランティーノもしくはコーエン兄弟映画と評された犯罪サスペンス×ブラック・コメディ。
うむ、確かに!
一癖二癖ある登場人物たち、それぞれの思惑が交錯、騙し騙され…。
「?」と思ったウサギ狩りのOPがクライマックスに繋がった時、思わずニンマリ。
本作も劇場公開時から気になっていたインド映画だが、期待に違わず面白かった!
盲目のピアニスト、アーカーシュ。
実は嘘。彼は目が見えている。
目が見えないフリをしているのは、音楽的センスを磨く為。
表向きはそうだが、盲目を装うと、得する事ばかりのこの世の中。
魅力的な女性ソフィと出会い、いい関係に。
彼女の父親が経営するレストランでピアノ演奏した所、往年の大スター、プラモードに気に入られ、後妻シミーとの結婚記念日サプライズとして、自宅でピアノ演奏をして欲しいと頼まれる。
う~ん、何ていい事ばかり!
…プラモードの自宅に招かれるまでは。
約束の日時。
プラモードの自宅に伺うと、まだ彼は戻ってない。
奥さんのシミーが出迎えてくれたが、ちょっと様子がおかしい。
中に案内され、そこで“見た”ものは…
プラモードの死体と、シミーと一人の男。
すぐ察しが付いた。シミーと不倫相手がプラモードを殺害。
アーカーシュは目が見えないまま装い、二人はアーカーシュが盲目である事をいい事に、それぞれその場をやり過ごす。
プラモードの自宅から出たその足で、急いで警察署へ。
が!何と! そこの署長マノーハルこそ、不倫相手だった…!
殺人の“目撃者”だが、盲目を装っているので公表出来ない。言ったら、嘘がバレてしまう…。せっかく出会ったソフィとも…。
一方で、アーカーシュは善人。事件の真相を公にしたい。プラモードは自殺した事になっている。
アーカーシュに疑いの目を掛けるシミーとマノーハル。
奴は、目が見えているのでは…?
アーカーシュ以外に事件の目撃者が。プラモード宅の向かいに住んでいるおばあさん。
が、口封じに殺されてしまう。
再び、その場に居合わせてしまうアーカーシュ。
これで疑いは確信に。
後日アーカーシュの家を訪れたシミーにハメられ、バレる。
ついでに、ソフィにもバレる。
災難は続く。シミーに毒薬を盛られ、本当の盲目に…!
得する事ばかり!…から一転、命すら狙われる最悪の事態に…。
一応ここまでで中盤。あらすじはここまでにしておこう。後の展開はそれこそ、ご自身の目で見て欲しい。
絶体絶命のアーカーシュに更なる危機。が、思わぬ好転。
シミーは自分ばかり手を汚す事に不満と怒り爆発、マノーハルは自分の妻に浮気がバレ…。
さらにそこに、プラモードの大金が絡み、罠に掛け、出し抜き、争奪戦。
ドタバタでもあるが、ハラハラドキドキでもあり、話も次どうなるか二転三転、全く飽きずに楽しい。
嘘付いたばかりにとんだ災難に見舞われるアーカーシュ役のアーユシュマーン・クラーナー、悪女だけど何処か同情に値する一面を併せ持つシミー役のタッブー、この二人が悲哀と滑稽の快演。
ソフィももっと話に深く関わるのかと思ったら、少々お飾り的な…。まあ、彼女もタッブーもインド美人だから良しとしよう。
原案となった短編映画はあるようだが、ほとんど完全オリジナル。ユーモアとスリル、練られたストーリー展開は称賛モノ。タランティーノやコーエン兄弟も絶賛するだろう。
欲を出したのが悪い?
不倫をしたのが悪い?
殺人を犯したのが悪い?
そもそも、嘘を付いたのか悪い?
娯楽作ではあるが、人の卑しさをチクッと風刺。
最後の最後は思わぬ強運と善良さが窮地を救う…と思いきや、
あのラストシーン。つまり、そういう事だよね…?
やっぱり、人って…(^^;
二本立て二本目。面白い。今やポリウッドは世界一かも。 しかしながら...
二本立て二本目。面白い。今やポリウッドは世界一かも。
しかしながらこの映画、私はうすら寒さを感じた。善人が誰一人としていないのです。障害偽装、不倫、裏切り、臓器売買。ただのブラックではなく、かの国ではかなり本当なのかも、そんな寒さです。もはや止められるのは神のみです。逆に神以外なら殺しても騙してもあり?何の為の信仰?
映画の面白さは本物です。音楽も素敵。だからこそやっぱり怖い(笑)
”次どうなんねん!?”がずっと
インド式クライムエンターテイメント。
盲目と偽ってるピアニストが殺人現場を”見て”しまってテンヤワンヤ。
「毎秒ごとに予測できないクレイジーさ」のコピーにも納得。
みんなが必死に騙し合う展開にドキドキ。
深みより楽しさ!
次々にやってくる苦難にずっとギリギリの状態で乗り越えてくのはジョジョ5部に近いハラハラ感があるかも。
ブラックな内容だけど思わず笑っちゃう滑稽さにニヤニヤ。
主人公サイドも悪者サイドも欲望に生きてて、それでいて必死。
逆転につぐ逆転。
ずっと”次どうなんねん!?”と楽しくみれました。
だからこそオチのアレが……まさか?と思ったらあ~!っと脱力。
緊張からの緩和っすなー。
「実は見えてる盲目のピアニストが殺人現場を目撃しちゃった」
この設定に興味を持ったら見る価値ありです。
インド映画はやっぱ面白いな~。
しかし、エンドロールで「音楽は素晴らしい」「過去の音楽映画に捧げる」ってメッセージが出るんだけどそんな映画だっけ?笑
音楽そっちのけで騙し合ってたような;
確かに予測不可能。ブラックな笑いとサスペンス満載ムービー!!
【賛否両論チェック】
賛:想像をことごとく裏切る全く予測不可能な展開の連続に、分かってはいても思わずハラハラさせられること請け合い。
否:一歩間違えると全く笑えないようなブラックユーモアが多いので、好き嫌いは分かれそう。終わり方もやや呆気ない印象を受けてしまうかも。
盲目だと嘘をついていたがために、殺人現場を目撃してしまい、しかも警察署長が共犯なのでそれを訴えることも出来ないという、奇想天外なトラブルに巻き込まれてしまった主人公。自業自得と言ってしまえばそれまでですが(笑)、そんな彼を待つのは、全く予測出来ないさらなるピンチの連続です。サスペンス映画を観ている時にありがちな、
「次はこうなるだろうな・・・」
なんていう予想を、ことごとく裏切る方向でストーリーが進んでいくので、良くも悪くも予測不可能な展開に驚かされてしまいます(笑)。
クライマックスからラストにかけては、冒頭からは全く考えもしないようなところまで話が進んでいきますが、それもまた面白いところでもあります。ただブラックユーモアもかなり多いので、笑いの好みは分かれそうなところです。
元々インド映画が好きな方は勿論、コメディやサスペンスが好きな方にもにも是非オススメです。
どんでん返しが地平線の向こうまで転がるスパイシーなブラックコメディ
盲目のピアニスト、アーカーシュはささいな交通事故をきっかけに知り合ったソフィアの誘いで彼女の父が経営するレストランでの仕事にありつく。実はアーカーシュはアーティストとしての自分を追い込むために盲目のフリをしているだけだったが、レストランでの演奏が常連客の不動産屋で元映画スターのプラモードに気に入られて、自宅で自分の妻シミーのためにピアノを弾いてほしいと頼まれる。約束の時間にプラモードのマンションを訪ねるとそこにはシミーしかおらず、仕方なくピアノの演奏を始めたアーカーシュだったがリビングにはプラモードの遺体があった・・・からのブラックコメディ。
何だかよく解らないイントロから始まって殺人犯との心理戦等色々スタンダードなサスペンスはもちろんあるんですがそこはやっぱりインド映画、中盤で主人公に襲いかかる災難でギョッ!とさせられたかと思えば、そこからあれよあれよと話は地平線の向こうまで転がります。特にビックリするのは突如宗教観にズブッと足を踏み入れるところ。そこからガラリと作品トーンが変わり舞台は何だか見覚えのある場所に。これはポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』に似たやり方ですが、本作にはさらに先があってポーンと投げつけられるドライな結末はめちゃくちゃスパイシー、確かにインド式です。
テンポが悪い
最近はよくインド映画を観るんだが、これはハズレだった
これはDVDで観るやつだったねって
友達に言ったら
友達はDVDなら最後まで観れないでしょっと言った。
それくらい、テンポが悪く、無駄に長く、友達曰く観た後に何も残らない映画だった
強いて言えば、弱肉強食なインドを描いてるのが良かったかな。
【”あなたと”盲目”の時に出会えて良かった・・。シニカルビターな騙し合いをコメディタッチで描く。”ボーッと観てると騙されますよ”】
盲目を装うピアニスト、アーカーシュ(アーユシュマーン・クラーナー)が ある場面を”目撃”してしまった事から始まるシニカルビターなコメディタッチのノワールムービー。
『興味深かったシーン、幾つか』
・冒頭の道標に隠れるウサギ。
後半、同じシークエンスで再登場するウサギ。そこで起きる出来事。
・ハリウッド映画「ライフ・オブ・パイ」にも出演したタブー演じる元映画スタープラモードの若妻シミーのちょっとおまぬけな悪女。淑やかな若妻がどんどん本性を現すが、何故か憎めない。(マンションのお隣のおばあさんを口封じで殺めてしまったり、クスリを盛ってアーカーシュの視力を奪ったり・・)
・アーカーシュを助けるふりしてシミーが得たお金をふんだくろうとする宝くじ売りのおばさんの腕のシヴァ神のタトゥの意味・・。
・アーカーシュを助けるふりしてシミーが得たお金をふんだくろうとする、医者の言葉”人生は、Liver 次第だ”
・2年後、ヨーロッパのどこかの国で”盲目”のピアニストとして演奏しているアーカーシュは元恋人ソフィと偶然再会し、”抱きしめる”。ん?
道路に転がる缶を見事に蹴る。んん??
<で、結局アーカーシュは再び目が見えるようになっているのか? 推理を巡らせるのも楽しい作品。>
居心地の悪いインド製サスペンスコメディ
盲目のピアニスト、アーカーシュ(アーユシュマーン・クラーナー)。
ひょんなキッカケで高級レストラン(お酒を提供するバーに近いかも)でのピアニストの職を手に入れた。
親しくする女性も出来た。
が、彼には秘密があった。
それは、盲目というのは嘘で装っているだけ。
そんなある日、元映画スターのプラモードから、後妻との結婚記念日のサプライズ演奏を依頼される。
当日、彼の住居を訪れるが、そこでプラモードの妻シミーと不倫相手がプラモードを殺害した現場だった。
目撃者のアーカーシュは警察に駆け込むが、その警察の署長こそプラモードの妻シミーの不倫相手だった・・・
というところから始まるインド製作のコメディサスペンス映画。
前半は頗る面白い。
盲目を装っている主人公に彼女が出来・・・とのはラブコメ路線。
そもそも、「装っている」というのは『お熱いのがお好き』『トッツィー』などと同じく、正体を隠しての「なりすまし」コメディで、この種の映画にハズレはない。
が、この映画、前半3分の2ぐらいで、定石から離脱し、個人的には面白くありませんでした。
なりすまし映画の基本は、なりすましていることへの「罪悪感」なのだが、この映画では、主人公の本心かどうかわからないが、「それは芸術のため」などといってのけ、罪悪感の欠片が感じられない。
はじまってすぐのシーンで、「このアパートはNGOのお陰で安価に借りられるんだ」と、親しくなった彼女にいうにもかかわらず。
で、この「前言撤回」的な場当たり的展開で、映画はどんどんと複雑怪奇を極める事態となり、よく言えば「想像できない展開」なのだけれど、「想像できない展開」よりも、想像できる展開だけれど、納得と驚きがある映画の方が個人的には好き。
その予感はあったけれど、あっさり裏切られた感じもする。
ま、主人公の盲目が演技だとバレ、それが犯人に逆に利用され、本当の盲目にされてしまう展開あたりまでは面白いが、その後は先に述べたような罪悪感がないので(盲目になった主人公の腎臓を、移植用に摘出しようとするハナシは気分が悪くなった)、心地よく見れませんでした。
個人的には、主人公は「あれは嘘」と認めたうえで、彼女と結ばれ、事件も解決するというのが好みなんだけれど・・・
それでは定石的すぎるのかしらん?
ちょっと、コーエン兄弟作品がみせる露悪的展開の映画のようで居心地が悪かったです。
盲目のうさぎ
冒頭から印象的で意味深なシーンから始まるので、
一気に引き込まれた。
そのシーンをラストにすごく上手に回収をしていて、
関心というか感動した。
冒頭、うさぎの目が白く濁っていることが特に印象的だったが、これはうさぎが盲目であることを意味していたんですね。
ファーマーがこのうさぎを打ち殺し損ねたのは、シミーがアーカーシュを殺し損ねた意味に繋がっていて、やられっぱなしだったアーカーシュが最後に盲目のうさぎに助けられる流れがお見事でした。
出てくる人たちがほぼ全員悪人のなか、唯一アーカーシュと同じ盲目であるウサギが助けてくれたことに、グッときました。
こんなに転回するもんかねw
立ち止まらず、延々と転回するストーリーに疲れたw
いい疲労感だが最後に発せられる一言に誰にも本質を理解されていない主人公アカーシュの苛立ちも上手く描かれていたと思う。とは言え、アカーシュもアカーシュで。。。
どいつもこいつもwww
古臭い作りの良質なサスペンス
盲目の音楽家が殺人現場に出くわし、犯人側から狙われるというサスペンス。
ちょっと前に邦画「見えない目撃者」を観たので、似た感じかと思っていたら設定自体が全く違っていた。見えているのに見えていない演技をしなければならないシチュエーション。なるほど、こんなドキドキ・ハラハラの演出もあるのか!とても新鮮だった。
話の展開もいろんな要素がつまっているのにとっ散らかってない。いや、もちろん強引なところもあるし、そんなことしたらダメだよ!的な行動をとるやつらもちらほら。庶民なのにみんな悪いこと考えてやがる。でも、トータルで考えると良質なサスペンスだったと思う。コメディとして笑えるところはなかったが、うさぎは笑えた!あの強引な使い方はスゴい!
ちなみに、全編通じて少し古臭い作りになっている。ヒッチコックの映画や70年代のサスペンス・ミステリー邦画のようだ。懐かしく感じた。これ、わざとなのかな…。
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