パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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パルムドール作品でした。
世界の評判と自分の感性の不一致…。
主人公たちの都合の良いように物事が運ぶストーリーで、モヤモヤしてます。 都合良くいいタイミングでヘマしますし…。 メタファーなんだろうけど。
これを観ると「万引き家族」の良さが際立ちました。それに発見できて良かった。
でも良い作品なのは間違いないです
ネタバレ回避して観て欲しい
実に凝って練られた作品。
新春早々に傑作を観られました。
格差社会と貧民層の悲哀が込められ、前半はコメディタッチ、後半はシリアス。
そして、どんでん返しな最後の10分は目を離せません。
くれぐれもネタバレは避けたい内容でもありました。
=====【追記】=====
実はこの映画、ストーリー的には目新しいところはなく、ひねりも少ない。
主人公一家も、社会構造が生んだ貧富格差の被害者というわけでもなく、貧乏ゆえに飄々と金持ちに、文字通り寄生(パラサイト)してるだけで、特に不満の象徴というわけでもない。
ラストは単に「勢い」と「なりゆき」なのかなと。
ただ、自分が感動したのは、上流階級の住む場所から自宅ある半地下までの「距離と高さ」の見せ方でした。
また、それによる「キャラクターの味わい」具合と、「いつこいつらが怪物化するのか?」というスリリングさが、映画として面白いって感じ。
『グエムル』の「いつ襲ってくるのかな」と「振り回されるキャラたち」が面白いのに似て。
格差社会を描くことで格差社会を“魂静め”した映画?…「計画しなければ失敗もない」…確かにその通り あと『臭い』…かな?
面白い!
先入観なく観ることの難しさ
前半・絶好調、後半・大失速
非の打ち所のない
現代韓国虫ケラの歌
ともあれさっさと映画館へ
私の中で最上の映画体験は「映画館から出たら世の中の見え方が一変する」という類いのもので、この映画にはそれがあった。(よりにもよってこれを「貧乏人お断り」みたいなムード漂う日比谷ミッドタウンで観たというのがまた…)
あと、今年わりと考えた「映画は観た後の感想しか言えない問題」が今回もあって。
観てる間は笑えるセリフとかかっこいい画とかいっぱいあってテンション上がってたんだけど、最後まで観た今はどうしても「わーい楽しかったー!」みたいな気持ちにはなれないっていう。
主人公家族がほんといいんだよなー。なんか妙に仲良くて。もちろん「万引き家族」感もあるけど、私は「お嬢さん」の女中になった貧しい女の子を思い出した。
あと息子がめっちゃかわいい。親父に敬語使ってるのもかわいい。韓国の男の子の見た目、(一重切れ長中性的)ほんとすき。
パラサイトとか万引き家族に賞を与えて悦に入りながら金持ち生活を謳歌してるであろう人たちのことを考えるともやもやするが、こういう社会の歪みに光を当てた作品が評価されることで少しでも実社会が良くなる可能性があるなら意義があるんだろうな…とも思ったり。うーん
ともあれ、映画として最高に面白くてかつ社会問題を考えるきっかけになるのは間違いないので、ネタバレが蔓延する前にさっさと映画館へ!
5億星つけたい
『グエムル』は、在韓米軍が下水に流した薬品により誕生した怪物と家族で戦う物語でした。
今回の『パラサイト』は家族で格差社会と戦う物語です。今回の敵も怪物と同じくらい厄介です。家族は「プラン」を立てて上流階級の家族に順調に侵入していきます。しかし、思わず聞いてしまった社長の匂い発言。 自分では完璧に演じきっていると思っていたのに、匂いという内面から発せられる自分ではどうしようもできないものによって「プラン」が破綻していくシーンは悲しく絶望的な気分になります。そのあと父親は、「プラン」を立てることを放棄する、ある種の敗北宣言をします。しかし、そこからのラストに息子から父への手紙で「プラン」を語るところにかすかな希望を感じました。
『パラサイト』は、格差社会を扱っているといっても堅苦しさはなく、格差社会という主題の面白さのほかに、勝手に家に上がり込んでるのがばれるかもという単純に娯楽映画としての面白さもあると思いました。『母なる証明』で、母親が息子の友達の家に侵入したときもそうでしたが、ポン・ジュノ監督はこういうハラハラドキドキを撮るのがうまいです。
家の造形が適度に死角があって、隠れている主人公家族と、それを知らずに行動する裕福な家族のそれぞれの様子が、観客には手に取るように分かりハラハラさせられます。こういう映像が撮れるのはやはりさすがだと思います。
最後に蛇足ですが、裕福な家族の末っ子の男の子の存在が一番怖いです。姉に言わせれば奇抜な行動も演じているだけ。そして地下の男のモールス信号も読み取っていたのになにもしない。彼はなんだったのだろう。
恐らく、一回観ただけでは分かってないことも多々あると思うので、また映画館に行きたくなりました。
家庭教師のミタ園
監督自ら頭を下げてネタバレ禁止のお願いをしてくる映画というのを生まれて初めて見た気がする。本作のおかげで、2年連続アジア人監督作品がパルムドール受賞という快挙となったわけであるが、是枝裕和の『万引き家族』とボン・ジュノの本作では、観客への信頼度という点でかなりの温度差があるような気がする。
2作品とも国家にある意味見捨てられた棄民家族を主人公にしているのだが、ボン・ジュノによる本作は(『万引き家族』と比べると)、メタファー一つとってもストレートでわかりやすくかなりコマーシャルなブラック・コメディに仕上がっているからだ。しかも韓国格差社会の歪みは、ボン・ジュノがもはや観客を信じられないほどに大きく広がっているに違いない、そんな印象を受ける冒頭の一コマであった。
道端で立ちションする酔っぱらいが丸見えの薄汚い半地下部屋で暮らす4人家族。父親キテク(ソン・ガンホ)は失業中、息子ギウと娘ギジョンは貧乏で学校にも通えず、家族全員で出前ピザ屋の箱組立アルバイトでかろうじて生計をたてている。友人の紹介である裕福なIT会社社長宅令嬢ダへの家庭教師にまんまとおさまることができたギウは、ある〈計画〉を立てるのだが…
著名な建築家が建てた、広い芝生の庭がある山の手の豪邸が舞台となって展開するストーリーは、いつも以上にボン・ジュノが吐きまくった毒気に満ちている。絵に描いたような豪勢な暮らしをする社長家族と、ゴミ溜め同様の半地下部屋で便所コオロギと暮らす家族の格差が半端ではないのだ。今まで一線を越えることなかった富裕層へのルサンチマンが爆発するまでに至った経緯に、正当性を与えるシナリオともいえるだろう。
北朝鮮が発射するミサイルに備えて豪邸内部に作られたシェルター。北のニュース・アナウンサーをコケにしたかと思えば、社長の息子が立てたインディアン風テント(米軍基地?)の回りでパーティを楽しむ富裕層たち。珍客(在日?)のせいで家族の正体がバレそうになった時、さらにある災難が降りかかり踏んだりけったりの半地下家族は、現韓国政権同様の〈無計画〉路線を選択するのである。
「人を殺そうが、国を売ろうが関係ない」と息子に語るキテク。わかりやすい政治的メタファーを散りばめ、そんなアナーキズムを臭わせる演出をしながら、ボン・ジュノは貧乏人がけっして富裕層にはなれない決定的な“違い”を観客に突きつけるのである。もしかしたらこのまま富裕層(日本!?)に寄生・同化することができるのでは、という甘い希望が無惨にも断ち切られた時、韓国人の心にくすぶり続けている“恨”の炎がメラメラと燃え上がるのである。
「考えさせられるエンタテインメント」の最高峰
2019年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得し、各種賞レースを席巻した作品。アメリカでの外国映画興収ベスト10入り確実の勢いである。
本作がなぜそれほどまでに支持されるのかといえば、「格差問題」を極上のエンタテインメント作品に仕上げたことだろう。同じくカンヌのパルムドールを獲得した「わたしは、ダニエル・ブレイク」も「万引き家族」も社会問題を扱ってはいるが、前者は極めてストレートに、後者は極めて繊細なトーンで描いている。「パラサイト」はエンタメ作品として最高の仕上がりを見せながら、鑑賞後に深く考えさせられるという意味で、鑑賞者の層を押し広げた感がある。
「半地下」の家で暮らす貧困層家族。この「半地下」という設定が後々、じわじわと効いてくる。
あるきっかけから、富豪家族に入り込むことを計画した家族の物語は、前半は痛快である。2人の子どもたちはとにかく頭の回転が速く、計画はびっくりする程呆気なく、華麗に進む。父も母も巧みにそこに加担していく。
それが後半、雪崩れ込むように次々と巻き起こる事態。貧困、借金、秘密、計画という名の悪知恵。そして富裕層の無邪気さ、冷酷さ、無意識の差別。描き方はあくまでエンタテインメントなのだが、どんどんと、突き放したような冷酷さを帯びつつ、感情が爆発する物語。阿鼻叫喚なのにクール。そして一筋の希望。
「計画を立てても失敗するのだから無計画がよい」「金持ちなのに優しいのではなく、金持ちだから優しい」どんどん突いてくることば。特に「計画」は本作にとって特別なことばだ。計画を立ててもどうやっても報われない人びとがいる。「計画=希望」のない社会をどう生きるのか。この作品なりの答えは提示されているけれど、多分この先もっと考えなければいけないテーマだろう。
そして「上流階級」が見せる無邪気で無意識な差別。「臭い」で表現されるそれ。「上流階級」だけの世界形成。台風のときにホームレスの方々が避難所に受け入れてもらえなかった、というニュースをふと思い出した。根源は同じところにあり、多分私自身にも潜んでいる。
エンタメとしても、伏線を回収したり放置しておいたりの選択が上手く効いていると感じる。普通は回収しきれないのはどうかなとは思うのだが、「パラサイト」ではそれが余韻を生んでいるように思えた。
演者たちも大変ウィットが効いており、最高の布陣だなという感じがする。「ソン・ガンホに外れなし」という勝手自分伝説の確信は深まった...。
期待度上げすぎ
カンヌでパルムドール獲得とか、上映前に監督とキャストから"ネタバレしないでね"とのお願い映像などで期待上げすぎか、面白かったものの想定内の展開。
前振りで、そこまでどんでん返しが…と、期待しすぎましたが、ストーリーのトリックより、構成の妙に拍手したい。序盤は半地下で暮らす親子4人の軽妙なコメディ。中盤は、その家族が金持ちの家に出入りするまでのコンゲーム的な展開。さて、終盤は…!?
全体を通して格差社会の問題を下敷きに、家族、詐欺、スリラーなどの様々な要素を詰め込んだ物語が語られる。それらが無理なく綺麗に構成されているところがすごい。ただ、それぞれが斬新かというとそうでもなく、深いかと言われるとそれほど掘り下げているわけでもない。同じく貧困を扱った「万引き家族」のほうが、納得感あったかな。
前情報無くて観たら、また違った感想になったかもしれない。良い映画であることは確か。
格差社会
ネタバレ要素って、何のこと?
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