パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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半地下ってご存知ですか?
ボクはこの作品を観て知ったのですが、どうやら人口が増加した韓国では、住みにくい半地下は格安物件(雨で沈んだりする)で、主に低所得層が賃貸するそうです。タイトルの通り、半地下に住む低所得4人家族が富裕層にパラサイト(寄生)するお話です。息子は家庭教師、父はお抱え運転手など家族全員で富裕層宅に寄生していきます。物語前半はコメディタッチで、おバカな家族に、笑いもポップコーンを食べる手も止まらないです。しかし、とある事が発覚した途端サスペンス映画にガラリ一変。クライマックスまで、ポップコーンを食べる手が止まり、目が離せない展開!自分がこの家族の一員になった気持ちでハラハラドキドキ。そして、衝撃のラストを迎えます。1作で2つのジャンルを楽しめて、観終えた後 満腹になる、そんな作品です。まだ観てない方は是非!
良い家族……なのかな?
サギが主題のこの映画、最後にはバレたり破綻したりすることは明白。そのストレスに耐えられるかどうかで、評価が別れてしまうかも。悪人のやることだと笑って眺めるのが一番でしょうね。
でも、良い感じに意外な展開もあり、徐々に先が読めなくなってくる。シリアスで、文字通り胸に刺さるような成り行きも待っていた。結末も渋い。最後まで見て良かったと思います。評価の高さはサギじゃ無かった。
「上・下」の演出、そして「左・右」と「手前・奥」。
○作品全体
貧しい半地下から始まり、丘陵地区にある富裕層へと接近し、また落ちていく…作品の軸はやはり上下の位置関係だ。高偏差値の大学を目指せる学力のあるギウをはじめとして成り上がることができる力を持った家族、という正しく「半地下」という場所からスタートすることで、そこから更に上と下、両方があることを意識づけていることがその証左でもある。
その位置関係を示す演出として鍵となっていたのは階段。家庭教師の面接に行くためにギウが半地下から上がるところに始まり、ギテクがドンイクが刺殺して階段を降りていくところも含め、物語の鍵となる部分には必ず階段が存在する。
階段は上下をつなぐものだが、それだけではない。映像で捉える場合、上下だけでなく画面の左右、手前奥へのベクトルも必ず発生する。その点もこの作品は意識的にコントロールされていた。
例えば左右という進行方向。映像作品では舞台用語の「上手、下手」の演出方法に則るが、この作品にもその傾向はある。画面左の下手へ進む階段はマイナスな印象が強い。一番印象的だったのはムングァンに正体がバレてパク邸から雨の中逃げ出すシーンだ。長い階段を下って降りていく進行方向は左。階段の長さも相まって再び堕ちていく、といった印象が強くなる。階段と壁面、そして降りていく三人というシンプルな画面からは「下手へ下る」という演出が鮮明だ。
一方で画面右、上手側には階段を登る演出で強烈なものがあった。それはグンセがギウに石を投げつけるカットだ。横位置で捉え、下手へ歩いていき、上手へ階段を登っていく。すごく作為的というか、演出が全面にでる画面。石を投げつけた場所はキッチンであり、そこに包丁もあっただろうが、それを無視して更に階段を上がるグンセ。半地下の人間へ完地下の人間の「下剋上」といった具合だろうか。衝撃的なカットだが、捉えるカメラは客観的であるからこそ、その位置関係は浮き彫りにされている。
もう一つ挙げたい進行方向は「手前と奥」だ。
この進行方向は左右と違って影の演出も加わった、すこしフィクションチックな演出だったが、ハン邸にある完地下へつながるドアをくぐるシーンが印象的だった。
特に印象的だったのはギテクがドンイクを刺殺したあとに完地下へ潜るところと、ギウがハン邸を買取り、地上へ上がってくる(という空想)シーンだ。影の中へ降りていくギテクの背中と、影から浮かび上がってくるかのようなギテクの表情が映し出される。左右の方向性とはまた違うエッセンスの入った進行方向による演出が、上下の位置関係を彩っている。
「上下」だけではただの事実関係を映すだけでしかないが、そこに様々なベクトルを加えることで単なる「上下」だけでは描けない世界の景色や、上下の色をより濃くする情景が浮かんでくる。「上下」への熱意と工夫に膝を打つ132分だった。
○カメラワークとか
・ファーストカットもそうだけど、序盤はピン送りを使った演出が多い。これは上下と特に関係なく、手前奥を使った演出で使うのだけれど、序盤は上への意識、というより眼の前にある状況(半地下)にキム家が一生懸命だった、という見方で良いだろうか。ギウが初めてハン邸へ行ったとき、出された飲み物を飲もうとしてフォーカスがヨンギョからギウに行くのだけれど、ヨンギョの声で再びフォーカスがヨンギョに戻る、といったカットがあった。目の前の飲み物という「目先の旨味」から引き離された、みたいな感覚だろうか。
・「境界線」という言葉も度々出てくるけど、面白かったのはギジョンがダソンについて理解したように見せるカット。ギジョンが「小1のときなにかありましたか」と言った瞬間にギジョンの左肩をなめたカメラを右へパンして、ギジョンの右肩からヨンギョの驚愕の表情を映す。ギジョンが信頼を勝ち得た瞬間を巧みに演出していた。
ドンイクは度々境界線に踏み込んでこないことを良しとしている発言があったけど、ギテクが運転する車中シーンでは二人はほとんど同じ画面に入ってない。会話のシーンは切り返しが常だった。ギテクが境界線を割っていないというのを表現するのに効果的だったと思う。一方ヨンギョは上記みたいな演出があったり、どんどん境界線を超えてほしい、と思ってる感じがあって対比的だったなと感じた。
○その他
・上下というわかりやすい位置関係とは一線を画する「地下臭」という要素がすごく良かったな。めちゃくちゃ抽象的なのに、その言葉で完全に境界線を作ってしまうという、決定的であり曖昧な要素。その異なる2つを併せ持つ「地下臭」が最後の決め手なのが「リアルにある格差社会を舞台にしたフィクションの映像作品」の本作の良さに繋がっているな、と。
これもやっぱり国民性なんだよな、とポン・ジュノファンのおっさんはこう思った。
本作がポン・ジュノの最高傑作かというと、全力で否定するし、むしろ「下の方」というだろう。
相変わらず「らしい」、韓国特有の「国民性的ご都合主義」なストーリー展開は健在。(これはけなしても褒めてもない)。オレは格差社会というよりも、「貧乏だけど、アタマはいい」、「バカだけど、金持ち」という風にしか見えなかった。日本だときっと「頭いいけど、貧乏。」「金持ちだけど、バカ」という、退屈な描き方になるんだろうな。
その中で特に素晴らしかったのは、金持ちの奥さん。この映画の特異な部分、素晴らしい部分はすべて彼女のおかげだ。
陽のあたる邸宅の地下、仄暗いボロ家の青天井
柄谷行人は、夏目漱石『坑夫』、有島武郎『或る女』に言及しながら、そこに描かれた階級意識を論じた。特に有島の『或る女』について、船の甲板と船底という上下構造が、「支配/服従」「上層/下層」「男/女」という権力関係を象徴的に表している、と指摘した。
そう、「象徴的」に。
本作は、高台の邸宅に暮らす富裕なパク一家と、貧民街の半地下のボロ家に暮らすキム一家の社会的階層を視覚的構造で見せて、その対照性、つまり「格差」を感覚的に伝える。また、キム一家の人々に独特の「匂い」がある、と描くことで、彼らの置かれた環境を生理的に伝える。
こうした、論理というより情動、思考というより生理に訴える演出が、ラストで、なぜキム・ギテクがパク・ドンイク社長を手にかけたか、瞬時に観客にわからせることに成功している。
経済的格差や貧困の問題を描いた近年の作品、是枝裕和監督『万引き家族』、トッド・フィリップス監督『ジョーカー』、ケン・ローチ監督『家族を想うとき』などと比較して、『パラサイト』が特異なのは、格差社会の構造を一望して、貧困層の苦境だけでなく、富裕層の危機感をも取り上げたところだ。貧困ゆえの問題や苦悩は、多くの作品で描かれている。DVや犯罪、教育機会の不平等や政治の失敗など、個人、家族、社会それぞれのレベルで見つめられてきた。本作は、もちろん貧困層の苦悩を描くが、安穏としているかに見える富裕層も、実は苛烈な競争社会から自由ではないことが示唆される。高台にある豪邸の地下には、誰も気づいていない「危機」が眠っている。その危機が、いつか破滅をもたらしにやって来る。
韓国社会の切迫した状況が、鬼気迫る本作を生んだのだ。
徹底した「高低差」の描き方に感服させられる
まず仰け反ったのは冒頭、ナチュラルにすっと観客を物語へといざなう語り口である。格差などの社会問題を掲げると人々の体は身構えるものだが、本作では気がつくとあの家族にどっぷり紛れ込んでいる自分に気づく。しかもそれは地上より1/2階分だけ低い角度から世の中へのまなざしだ。
IMAXでもないのにこれほど高低差を強く意識させる作品があるだろうか。地域の奈落の底から最も高いところへ。お屋敷内でもまるで深層心理を掘り下げるように階段を下ると、秘めたるものが溢れ出し、暴れ出す。挙げ句の果てには金持ち夫婦がソファで求め合うシーンでさえ机下に隠れた家族とは高低差が生じている徹底ぶり。国際世界は広くて千差万別だが、おそらくこの高低差だけは通底している。核となるのは言語ではなくこの感覚や意識。それを駆使して物語をドリフトさせたからこそ、本作はあらゆる人の心を捉え、無条件に「リスペクト」と唱和させたのではないか。
貧困は、下には下がいる
経済格差を縦の構図を巧みに用いて描いた演出センスに脱帽する。何から何までセンスが良い作品だ。
本作は豪邸に住む富裕層と半地下の家に住む貧困層の格差について描いているが、さらにその下にも貧困層がいるという、二段構えで描いているのが素晴らしい。社会の実態は貧困層の間にも格差が拡がっており、それは富裕層と貧困層の格差ほど見えやすくないのである。経済格差を深刻なものだという意識を持つ人でも、貧困層は単純に「貧困層」というグループとしか捉えていない人も多いのではないか。しかし、この映画は描くように見えている貧困層の下に、さらなる「見えない貧困層」がいると示している。
これを示すために、物語の展開も縦の構図の画面作りなど、描きたいテーマと脚本と演出が絶妙にマッチしている。ポン・ジュノ監督はすごい。今後、映画の教科書として採用されてもおかしくない作品だろう。将来クラシック映画として名前を残すのではないだろうか。
「低層民」を「地下」で象徴する映画のシンクロニシティー
韓国の社会派映画といえば、かの国特有の政治や軍事などを題材にした力作が目立つが、ポン・ジュノ監督最新作は貧富の差の拡大というグローバルに深刻化する問題を取り上げ、予測のつかない超一級のエンターテイメントとなった。韓国初のパルムドール受賞も、普遍的な問題への意識が一因だろう。
丘の上の明るく広い邸宅に暮らす上流の家族と対照的な、暗く狭い地下で暮らす下層の家族。低層民、被差別者、不可視の存在を、彼らが生きる「地下」で象徴するアイデアは、同じく今年公開された米国のホラー映画『アス』と通じる。このシンクロニシティー(共時性)も興味深い。
映像では伝わらない「匂い」で生活の格差を表現したのも、監督の巧妙さであり、観客の想像を経て本能に直接突き刺さるようだ。
監督もメッセージで懇願しているように、これは絶対にネタバレを回避して観に行くべき作品。ジャンルを超越した怪作にぜひ圧倒されていただきたい。
お金持ちになるには相当の努力しなければならないと学んだ
俺の夢はお金持ちになることだ。お金さえあればよい所に住めるし、美味いものも食えるし、女とも遊び放題だ。俺は常にお金のことを考えている、お金がないと不安になって生きるのが苦しくなってくる。お金持ちになったら絶対に幸せになれると思う。
そんなとき、いま話題の映画『パラサイト 半地下の家族』と出会った。評価が高くて逆に不安だったけど、面白かった。パク一家は絵に書いたようなお金持ちだ。夫はIT社長、美人な妻、大豪邸、みていて羨ましくなった。俺も将来こんな贅沢な暮らしをしたいな。
そんな家族とは対象的にキム一家は超貧乏、あきらかに臭そうな暮らしをしている。こんな暮らしは絶対にしたくない。まだ俺の今のアパート暮らしのほうがマシだ。この臭いが悲劇を生むことになるなんてね。
パク父がキム父のことを臭いと悪口を言うシーンは胸が痛くなった。どんな気持ちで悪口を聞いていたのだろう、俺だったら机の下で泣いちゃうよ。貧乏人の臭いはそう簡単に取れるものじゃないのね。パーティーでキム父がブチれて社長を殺すシーンは、よくやった!と心の中でガッツポーズした。あんな臭そうに鼻をつままれたら怒り爆発するわ。
この映画を観て、お金持ちになるには相当の努力しなければならいと学んだ。パク社長はその地位に上り詰めるまで苦労があっただろうし、家族サービスも大変そうだ。パーティーでインディアンの格好してたけどあんなのやりたくない。どこか抜けてるアホな妻を相手にするのも嫌だ、料理くらい自分でつくれ。家庭教師とデキちゃうような娘も気持ち悪いし、元気すぎる息子を相手にするのも疲れるだろうな。こんな家族をまとめあげてるパク社長を尊敬するわ。
最後の1カットが好き。キム息子がお金持ちになって、父を救いに行ってハッピーエンドかと思いきや、それが実は願望だった。これが願望ではく現実だったら、出来すぎててしらけてた。そんな簡単にものごとうまくいくわけによ、ちゃんと血のにじむような努力をしなくちゃ。時間はかかるかもしれないけど頑張ってほしい。会いに行けるころには貧乏人の臭いが消えてると思う。俺もお金持ちの匂いを目指したい。
ブラックコメディという言葉がピッタリ
愉快な作品。客観的に見ようとしていたけど、やっぱり家族に引き込まれる。
人は限界を超えたら笑うっていうところが、
きちんと描かれているのが、人間らしくてよかった。ギウのどこまでもポジティブな未来思考は
かわいくて、わりと好きだ。
ギウの父親は、最後、あの殺しをする必要あったかな?
計画なのかな?無計画?衝動?チリツモの苛立ちがマックスを迎えた?何回か見たらわかるかも。
最後に一つ思うことは、格差の描き方が、はなはだしい。けどこれが韓国の実情なのかな。
中間がいいかなって思ってしまった。笑。
んーーーーー
アマプラでみました。
テレビの設定をいじったりもしたのですが、地下だったり夜だったりで画面が暗すぎて何が映っているのかわからないところが多かった。終盤の屋外のシーンでやっと視界が開けた感じでした。
妹が終盤に亡くなってしまった喪失感も余韻として残り、少しスッキリしません。事件後、兄がなぜ笑っていたのか(なぜその描写を入れたのか)、謎が謎のままです。虚しくて笑うしかないにしても…です。
正直、兄の方が死んだと思いました。。
最後は4人であの家をパラサイトしてほしかったけど、悪人が勝つとやはり商業的にはだめなのか…
初代家政婦さんは何がどうなって死んだのかも、暗くてよくわからなかった。
コメディなら新旧パラサイトが鉢合わせて結託するみたいな徹底的なコメディがみたかった。というのは勝手な意見ですが…
奥様とご主人がいくらなんでも頭悪すぎるでしょ。弟も結局トラウマ追加確定だし、ソン・ガンホ親父はあの家族にとって何なのか、、ほんとうに色々謎です。
万引き家族のような作品でずが、万引き家族も韓国人からすると「なんで泣いてるの?」という感じなのかな。
ズレが、ありますよね。
スリルを感じる
想像していたものとは違うかったが面白かった。韓国の映画を見るのは初めてだが、良かった。最後父が地下から上ってきて息子と抱き合うシーンは、将来の妄想なのか現実なのか、馬鹿な私には分からなかった。
人間の本質を見事に暴いた衝撃作!
人生初!
映画館で号泣した名作!その涙は乾いた涙!人生そのものを思い知らされた瞬間です。
最初の鑑賞では感覚がついて行けず、ただ呆然と劇場を後にしましたが、その後2回目か3回目かの鑑賞で泣きました。
それ程までに何度も映画館に足を運んだ作品です。
此の作品については最早述べるまでもありません。
人間として以前に最早生物※有機物として生まれた縮図といいますか、感慨無量。
その一言に尽きます。
此の作品を観ることで何故不平等が解消されないか、戦争が止まないか其れすら納得できる不朽の名作です(-_-;)
上と下
最初は貧乏家族による乗っ取りコメディと思いきや
段々と重く展開は暗く落ちていく形に、
上流と下流による意識の差や立地の上下など上手く映画に織り交ぜられたドキドキする傑作でした。
この映画を観ている貴方自身の環境は果たして上か?
下か?、本当に家に地下は無い?
人間ドラマ
ストーリー展開がとってもいいし、ラストは特に怖すぎるのと人間の行動の恐怖でハラハラするシーンが多いから初見はちゃんと映画に入り込んじゃうから覚悟すべき。また、格差から成り上がった2つの家族が上流階級の家でドタバタ醜い争いしてるのが最高。
韓国の格差社会
半地下に住む家族が富豪の家で働く話
前の家政婦ともめて殺害したことで住込み男が怒り貧困娘は殺される。住込み男は貧困母が殺すが貧困父が富豪父を殺し地下に隠れる。貧困息子は夢を語り前の生活を続けるEnd。
前半は文化の違いで馴染めない部分もあるが後半ハラハラする場面が多くあり楽しめる
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