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ドラクエの、しかもVの映像化とあって、予告篇からワクワクが止まらなかったんですよ。なので、もうこれは初日に見るしかないと。不安?なかったんですよね。本編が始まるまでは。
上映時間103分。親子3代にわたる大河ドラマを103分でどう仕上げてくるのか…。冒頭いきなりのゲーム画面。こう盛り込んできたか。なんて思っていたら少年時代のキモであるビアンカとの冒険(妖精国での冒険は無かったことに)画面のメッセージのみですっ飛ばしやがりましたよ!?このままいくのか!と思ったら、いきなりの美麗グラに。「ラインハットを幼少期のメインに持ってきたのか、たしかに親子の別れがある大切な場面だしな」と納得。でもこの展開ってVのストーリーを知っている人が見ればわかるけど…そもそもビアンカやフローラ(SFC版では関わりは皆無)と再会したときの感動がほぼ伝わらないんじゃないか、なんて不安を抱かせる暇もないくらい、ストーリーはここからも怒涛の端折りを見せてくれました。ヘンリーの下り、全カット!継母やデールのエピソードもなんもなし。幼少期のキモであるパパスとの別れのシーン。いろいろすっとばされているから、あまり感情移入できず。オーブを砕く下りもなし。こんな感じで、青年期に入っても終盤になってもほぼカット。時間との戦いなんだと、半ば割り切りましたが、奴隷時代もマリア出てこないは、ヘンリーともあっさり別れるは、ゲレゲレとの再会も酷かった。洞穴にいたの?と、とってつけたようでした。結婚までの話も、ブオーンとの対決にすり替わっているし。もちろんアンディは出ず。彼がいたからこそのフローラが…。
何よりこれは…と思ったのが「パパスって何者?」という謎です。本編では何も語られません。息子が勇者だと思っていたおっさんで終わっています。リュカ(主人公)が名乗るとき(ビアンカも呼んでいたか)、グランバニアって出てきますが、それが国の名前かどうかすら語られない。この背景がないからサンチョだって「ただの太ったおっさん」扱い。戦闘にも参加しないしね。ステテコパンツ懐かしい。あと、主人公、全然魔物使いしていない…。お供がスラリンとゲレゲレだけ…。話の進行上?作画?の問題でしょうが、もうちょっとこう…ねぇ。
そして、ストーリー上もっとも盛り上がる(はずだった)子どもが生まれてから嫁が攫われるシーン。盛り上がりません。いきなり襲撃されて嫁さん奪われます。そして主人公石化。嫁さんも石化。デモンズタワー?なにそれ?状態。子どもの設定も大きく異なるので、大変な違和感が。そして、終盤。相変わらず話は大幅に端折られて、マスタードラゴンもサクっと復活。最終決戦に!
と、ここまで設定やストーリーでぐちぐちと文句?を言ってきましたが、いいところもたくさんありましたよ。
・映像、素晴らしい。ドラクエの世界ってこんな感じなんだなと。
・キャラ、鳥山派には否定されそうですが、私はいいと思います。
フローラもビアンカも魅力的ですし、主人公も初めこそ…ですが、
慣れてしまえば。声優も気になりませんでしたね。
・音楽、要所で来るVの名曲。やっぱりすぎやまさん最高。
ただ、V以外の曲には…ここはVでまとめてほしかった。
まあ、これはドラクエVという世界をもとにしたちょっと新しいストーリーなんだ、と思い始めてからは面白かったんです。93分くらいまでは。ヘンリーやブオーンが援軍に来たり、ゲマを親子で倒すところなんかは「いやったぜ!」と心の中で思ってしまったんですよ、ええ。やつが来るまでは。ミルドラース…。いや、違うんだよ、こういうのいらないんだ。純粋にドラクエの世界、冒険の世界に浸っていたかったんだ。映画にはどんでん返しってよくあります。でも、それは「いい意味」でやってほしかった。これはダメだ。ストーリー上の熱がここで一気に冷めました。そして、どうして話をあれほど端折ったのか、なんで子どもが…、って疑問が一気に解消もされました。でも、これは気持ちのいいスッキリではないです。93分を裏切られた、そんな感じ。「大人になれよ」そんな言葉を聞きたかったんじゃない。「あの頃感じたワクワクを味わいたかった」だけなんだけどな。
こういう話もまあ、ありだとは思う。確かに私もあの灰色の小さいカセットに心躍らした一人だ。「この道、わが旅」では、自分の「少年時代」を思い出して、少しうるっとも来ちゃったけどさ…。でも、それは自分の中で思うことであって、こんな風に押しつけがましく言われることじゃないんだと思う。「YourStory」それはさ、映画を観終わった後ひとりひとりが感じればいいんじゃないかな。映像が良かっただけにちょっと残念。最後まで見させてほしかった。このクオリティで3部作にリメイクしてくれないかな。幼少期、青年期、壮年期でさ。熱いドラクエが見たい。