町田くんの世界のレビュー・感想・評価
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誰に自分を重ねるか
新人2人の瑞々しさとベテランの演技が命を吹き込んだ忘れがたい傑作
どこにでもいそうな都立高校生の町田くんは3人の弟妹の面倒を見ながら身重の母の代わりに家事もこなす孝行息子なだけでなく、困っている人がいたら助けずにはいられないスーパー好青年。そんな彼のクラスには登校拒否気味の女子、猪原さんがいた。登校したもののいたたまれず保健室にいた猪原さんと出くわした町田くん。彼の胸の中で何かがパチンと弾けて・・・からの青春譚。
正直100点満点の映画ではないです。恐らく脚本に難があるのでしょうが、邦画にありがちなナラティブな独白や、言わなくてもいい冗長なセリフもある。ぶっちゃけ町内版『フォレスト・ガンプ』みたいな話で、個性的とも言い難い。しかし本作には『フォレスト〜』に滲んでいたキナ臭いポリティカルな主張が全くないので惨めで歯痒い青春あるあるの純度が極めて高い。本来ならこんな映画は知名度の高いイケメンと中条あやみ辺りが主演でいいのに、岩田剛典や高畑充希は脇に置いて主演二人に新人を抜擢という昭和なキャスティングを敢えて採用。この二人の瑞々しさが舌足らずな物語を明後日の方向にポーンと軽快に蹴り上げた感あり。町田くんに助けられたりイライラさせられたりした人々が最後に担ぐ神輿にまんまと載せられてしんみり泣かされました。都立高校という設定なのに何もかもが田舎臭い辺りもツボで、自身の中で未だグツグツ煮えたぎる思春期のルサンチマンが放つ蒸気が夕焼け空に虹を描いたかのような爽快感が忘れ難いです。
岩田&高畑のベッタベタな演技が意外にも好サポート。もっと意外なのがさすがに高校生は無理筋だと思った前田敦子。終始クールに物語を俯瞰する演技は実に見事で、来年の日本アカデミー賞の助演女優賞は彼女でいいんじゃないかと思うくらい。もっと無理筋だと思った太賀も、『桐島、部活やめるってよ』で突然退部した桐島に代わってセッターを任されプレッシャーに押しつぶされそうになる風助と肩を並べる痛々しい高校生西野を熱演。演技派の池松壮亮は一見町田くんと無関係な立ち位置のうらびれた芸能記者のキャラクターをリアルに膨らませた演技を披露。一歩間違えると箸にも棒にもかからなそうな絵空事に命を吹き込んだキャストと演出に脱帽です。そして、いきなりの大役を精一杯演じた細田佳央太、関水渚の二人に感謝しかないです。
魔性の男⁉町田くん❗
青春というファンタジー
前田敦子が言うとおり、「ヤベぇな、青春」というファンタジー。
脇を固める豪華キャストと主役が新人、といううたい文句通り役者の演技をまず楽しむべき映画かな。
主役2人は良い。特に猪原さんを演じた関水渚は口元のちょっと曲がった感じが役に合っていたしフレッシュ。貧乏ゆすりのシーンは笑ってしまった…ww
豪華共演陣はいずれも素晴らしい演技だった。特に前田敦子の台詞回しは最高。アレを観るために劇場まで行ったと言っても良いくらい。ただ、あまりにも役の年齢に合わない役者をキャスティングしたのは演出側の怠慢では?もっと近い年齢でも良い役者はいたはず。動員のことを考えたのだろうが。
町田くんというあまりにもピュアな存在を描くために新人を採用する、というのは良い判断だったとわかります。
最悪でした!
最悪でした!
最悪でした!
斬新な青春ラブコメディ
新しい青春ラブコメ映画。奥さんに連れられたアラフォーのおっさんが観ても声をあげて笑うほどストーリーも上手く作られてて、会場はほぼ満席で年齢層も子供から老夫婦まで幅広かった。上映中も終始笑い声もあり、高校生のラブストーリーにほっこりもさせてもらいました。今までの若い女の子しかウケなかった青春映画と違い、コメディ要素も強く、優しい気持ちにさせてくれる良い映画でした。心が腐りかけてるおっさんの心がだいぶ「町田くん化」させてくれた思い出の映画になりました。
町田君?優しすぎない?
「この世界は悪意に満ちている。」、か
原作知らず
好感の持てる作品です
感情が揺さぶられました。
町田くんのステキなところ
石井裕也監督が優しい目線で描く人間性全肯定のコミカルファンタジーワールドに浸る
主演の男女2人の新人役者さんを、これでもかっていう位の若手からベテランまでの熟練した役者さんたちが優しく取り囲んで物語は進む。
<彼らがあてがわれたキャラクター設定が絶妙に良い。前田敦子さん(絶品の演技、彼女の劇中コメントの数々には笑いが堪えきれなかった)、岩田剛典さん、太賀さん、高畑充希さんが演じた高校生4人と、酸いも甘いも噛分ける大人だが、人間の善性を信じたい閉塞感を抱えるゴシップライターを演じる池松壮亮さんが特に素敵であった>
劇中、くすり笑いとじわりと涙が浮かぶシーンが続き、常に私の涙腺は潤っていた。<石井監督の脚本の上手さを再認識した>
観終わった後、もっと心優しくなろうという気持ちになれる素敵な映画であった。多くの方にお勧めしたい良作であると思います。
町田くんの世界とは町田くんの想像の世界のこと。
そうじゃなきゃあのラストや老け顔の高校生の存在、花取ってきたら真っ暗とか説明がつかない。完全にSF。っていうか町田くんは本当に生きてるの?
あと、佐藤浩市と戸田恵梨香は池松と絡んでいるだけで、大物2人が出る必然性を感じなかったです。
関水さんがキッとした広瀬すず?秋元才加?のようで可愛かったので0.5点加点しました。
もったいない!!!
原作未読。
最後のリアリティーラインを崩壊させたくだりを全部カットして、あと20分短く上手にお話をまとめていたら、自分としては手放しに称賛できる映画になっていたんじゃないかと思います。
だけに、もったいねーなぁ。残念だなぁ。というのが率直な感想です。
主演の新人2人は文句なしでした。
特にヒロイン役の関水渚さん。彼女の魅力がなかったら成立しない映画でしたね。
不機嫌顔だった女の子が恋してキラキラ輝きだす。こういう思春期のみずみずしい演技って、本当の意味では人生で一本か二本くらいしか残せないでしょうね。
最近だと君膵の浜辺美波さんとかにもそれを感じました。
主演級の役者陣が脇を固める映画、嫌いじゃないんですけど、苦言を呈すると、岩田剛典くんちょっと前に出過ぎ。大人の事情?
あと池松くん好きだけど、今回主演の二人と絡んでるときの演技が急にコミカルですごくわざとらしい。もっと抑えた存在感を出してほしかった。
とにかく最後のぐだぐだファンタジー要素が作品の質を落としたことが悔やまれます。
なんとなく芦田愛菜ちゃんの円卓に似ているなぁと思いながら観てたんですが、最終的にそこに並べず非常に残念です。
ともあれ、今しか撮れない関水渚さんを観るだけでも価値のある映画だと思います。
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