テリー・ギリアムのドン・キホーテ

劇場公開日:

テリー・ギリアムのドン・キホーテ

解説

「未来世紀ブラジル」の鬼才テリー・ギリアムが映画化を試みるも、そのたびに製作中止などの憂き目に遭い、幾度も頓挫してきた企画で、構想から30年を経て完成にこぎつけた、ギリアム念願の一作。自らをドン・キホーテと信じる老人と若手映画監督の奇妙な旅路を描く。仕事への情熱を失っていた若手CM監督のトビーはスペインの田舎での撮影中、謎めいた男からDVDを渡される。それはトビーが10年前の学生時代に監督し、賞にも輝いた「ドン・キホーテを殺した男」だった。映画の舞台となった村が近くにあることを知ったトビーは、現地を訪れるが、ドン・キホーテを演じた靴職人の老人ハビエルが自分を本物の騎士だと信じ込むなど、村の人々はトビーの映画のせいですっかり変わり果てていた。トビーをドン・キホーテの忠実な従者サンチョだと思い込んだハビエルは、トビーを無理やり連れ出し、冒険の旅へ出るが……。自らをドン・キホーテと思い込む老人ハビエルを「2人のローマ教皇」のジョナサン・プライス、トビー役を「スター・ウォーズ」シリーズのカイロ・レン役で知られるアダム・ドライバーが演じた。

2018年製作/133分/G/スペイン・ベルギー・フランス・イギリス・ポルトガル合作
原題または英題:The Man Who Killed Don Quixote
配給:ショウゲート
劇場公開日:2020年1月24日

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(C)2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mat o a Don Quijote A .I.E., Tornasol SLU

映画レビュー

4.0「ロスト・イン・ラマンチャ」未見なら合わせてぜひ

2020年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

構想30年頓挫9回との触れ込みを見聞きした方も多いはず。ギリアムの長年のファンなら2000年頃製作が進められ挫折した過程を収めたドキュメント「ロスト・イン・ラマンチャ」も観ているだろう。もし未見なら、今作を観る前でも後でもいいのでぜひご覧あれ。この壮大な奇作がよくぞ完成したものだとの思いを一層強めるに違いない。

騎士道物語の読み過ぎで自らを騎士だと信じたドン・キホーテ。トビーの学生映画でドン・キホーテを演じたことで、自らがキホーテだと思い込んだ老人ハビエル。ハビエルに従者サンチョだと勘違いされ共に旅するうち狂気と妄想の世界に飲み込まれていくトビー。現実と虚構、正気と狂気がメタに入り混じって展開する物語と映像世界はまさにギリアム節!アダム・ドライバーはトビーみたいに少々ポンコツな感じのキャラが似合う。ジョナサン・プライスは「2人のローマ教皇」と見比べるとその演技の幅に改めて感嘆させられる。

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高森 郁哉

3.5劇中劇なのか、錯視なのか、よくわかりません

2024年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

唯単にドン・キホーテに取りつかれた人の話というわけではなさそうです。
ピグマリオン効果とラベリング効果についてのメッセージもあるように感じます。
風車が巨人に見えるシーン、傍から風車にしか見えないパターンと本人が巨人にしか見えないパターンの両方の映像があって良かったです。
その他にも傍から見たものと、思い込んでる本人から見えるものの違いが多々あって印象に残りました。

~~~ 余談 ~~~
人の目は非常に優秀な機能を持っています。
視覚で捉えた情報(色を感じる錐体細胞と明るさを感じる桿体細胞)に写った像を大脳の働きによって組み立てなおしているため、ときとして錯視という状況が生まれます。
鼓膜で捉えた音(人の可聴域は20ヘルツ~2万ヘルツ)の信号も大脳の働きによってさまざまに編集して認識しているため、人の聴覚は、視覚と同様に完全無欠ではありません。
人は聞こえるはずのない音までを感じることもあります。

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Don-chan

4.5現実と幻想を行ったり来たり ではない。全部が幻想と見れば良いのだ。...

2023年7月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.5ドン・キホーテ goes on

2022年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

よってたかって滅茶苦茶にされる主人公は監督自身の投影か。
妄想に憑りつかれた老人こそ監督自身の投影か。
はたまたこの作品を見る観客それぞれがドン・キホーテか。

受け継がれていく「ドン・キホーテ」も味わい深いけど、そら恐ろしい気もする。

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共感した! 3件)
mar

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