決算!忠臣蔵

劇場公開日:2019年11月22日

決算!忠臣蔵

解説・あらすじ

「忠臣蔵」を題材に、限られた予算の中で仇討を果たそうとする赤穂浪士たちの苦労を描いた時代劇コメディ。堤真一と岡村隆史がダブル主演し、監督・脚本を「殿、利息でござる!」の中村義洋が務めた。元禄14年3月14日。清廉潔白な赤穂藩主・浅野内匠頭は、かねて賄賂まみれだった吉良上野介に江戸城内で斬りかかり、即日切腹を言い渡される。突如として藩主を亡くした赤穂藩士たちは路頭に迷うこととなり、筆頭家老の大石内蔵助は勘定方の矢頭長助の力を借りて財源の確保などに努めるが、そうした努力や幕府への働きかけも虚しく、お家再興の夢は絶たれてしまう。それでも一向に討ち入る様子のない内蔵助だったが、江戸の庶民たちは吉良への仇討を熱望。しかし討ち入りするにも予算が必要で、その上限の都合上、討ち入りのチャンスは1回きり。予算内で仇討を成功させるべく奮闘する浪士たちだったが……。金欠に悩まされるリーダー・内蔵助を堤、ワーキングプアなそろばん侍・矢頭を岡村がそれぞれ関西弁で演じる。

2019年製作/125分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2019年11月22日

スタッフ・キャスト

監督
中村義洋
原作
山本博文
脚本
中村義洋
製作総指揮
大角正
岡本昭彦
エグゼクティブプロデューサー
吉田繁暁
片岡秀介
企画プロデュース
池田史嗣
古賀俊輔
プロデューサー
中居雄太
木本直樹
協カプロデューサー
岩城レイ子
アシスタントプロデューサー
松田裕佑
撮影
相馬大輔
照明
佐藤浩太
美術
倉田智子
装飾
中込秀志
郷原慶太
小道具
上田耕治
録音
藤本賢一
編集
小堀由起子
音楽
高見優
音楽編集
佐藤啓
殺陣
清家三彦
VFXプロデューサー
齋藤大輔
VFXディレクター
土師翔太
演技事務
城野浩人
スクリプター
小林加苗
助監督
前原康貴
ラインプロデューサー
砥川元宏
製作担当
村山大輔
高塚映里香
全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第43回 日本アカデミー賞(2020年)

ノミネート

最優秀助演男優賞 岡村隆史
詳細情報を表示

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11

(C)2019「決算!忠臣蔵」製作委員会

映画レビュー

3.5 忠臣蔵にあって忠臣蔵にあらず、非常に興味深い作品

2021年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

中村義洋監督が脚本も兼ねているが、綿密に取材を重ね、原作を紐解き、理論武装も出来ている興味深い作品。中村監督は“脚本力”を併せ持つベテランだが、プロデュースの池田史嗣とともに、「こう来たか!」と膝を打ちたくなる構成を練ってきた。ビックリするほどの豪華キャストの力も合わさり、討ち入りをしない忠臣蔵映画ではあるが非常に有意義な時間が過ごせる逸品。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
大塚史貴

4.0 かなり思い切った忠臣蔵

2019年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

年の瀬に第九と忠臣蔵、という日本の風物詩は昭和の時代に確立したのだろうか。ともあれ、お茶の間のテレビで流れる時代劇のドラマや映画を中心に、赤穂浪士らによる雪の中の吉良邸討ち入りを眺めては、押し迫った暮れをしみじみ思うのが定番の過ごし方ではなかったか。

本作の大胆な挑戦は、大抵の人が忠臣蔵に期待する二大ハイライト、浅野内匠頭の刃傷事件と赤穂浪士の討ち入りをほぼ割愛したこと。大石内蔵助が遺した勘定書を分析した新書を原作に、脚本も兼ねた中村義洋監督は往年の時代劇ファンが物足りなく思うのを承知の上で、元藩士たちの仇討ちまでの日々を費用のやり繰りという切り口で描く喜劇映画を目指したのだろう。吉本興業が制作に参画し、お笑い芸人が大挙出演しているのも集客に貢献しそうだ。松竹が先導する新感覚の時代劇映画の流れに沿う一本だが、個人的には同じ中村監督作の「殿、利息でござる!」のほうが楽しめた。

コメントする (0件)
共感した! 18件)
高森郁哉

4.5 熱血バカが現実(銭)を乗り越える

2025年11月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

忠臣蔵と言えば主君の無念を晴らす忠臣たちの物語で、清廉で真っ直ぐな浅野内匠頭、冷静で切れる忠の人大石内蔵助など最早設定と言えるほどに決まっていて、そこになぜ?はない。
その時代に主と臣の関係であれば忠義に説明は不要というわけだ。

その点本作は軽くとはいえその当りの説明が含まれているし、それに端を発して討ち入りまでの流れを面白おかしく描いていて面白い。

浅野内匠頭は出番こそ少ないが、潔白で賄賂を嫌いそれを正そうとしている。武士道は死んだと嘆きそれを熱く語る人物だとわかる。今でいうバカ正直で熱血、正義感の強い男だ。
オープニングで演習のやり過ぎを諌めるはずの大石内蔵助が逆にほだされ、更にやり過ぎるが、ここから見えてくるのは、最終的に討ち入りに参加する藩士たちは浅野内匠頭の正義感の強い熱血バカさに感化された熱血バカたちなのである。
当時の言い方ではこれが赤穂浪士たちの忠義となり討ち入る理由というわけ。

そんな熱血バカたちは熱血バカ故に銭勘定が出来ず無駄遣いを連発。それに文句も言わずじっと銭勘定を続ける役方。
内匠頭が切腹したことで番方と役方の対立が発生。それがダブル主演と言われている堤真一演じる大石内蔵助と岡村隆史演じる長助の対立として描かれる。
中盤で、夢と理想の番方代表大石が情に訴えて長助の懐柔を図るが、現実的な役方代表長助が冷静にいなす場面は非常に面白い。

大石は頭は切れるのだろうが女好きのボンクラで、長助の言葉を借りるなら木偶の坊なのである。
他の忠臣蔵と違って大石を最初から忠義に厚いヒーローとしていないところも興味深い。
それが中盤の事件により覚醒。夢と理想を追いつつ銭という現実もとらえたパーフェクト大石内蔵助となり討ち入りを果たす。

熱血バカたちがその熱血故に銭を無駄に浪費していく様は、ついつい役方目線で観ているせいもあり、その熱い気持ちはわかるけど、うん、もうちょっと上手くやろうねと笑わずにはいられない。
討ち入り前の会議では、人数分人数分と盛り上がる熱血バカたちを前に、現実(銭)を知った大石がドン引きしていく場面は、あんただってちょっと前まであっち側でしたやんと可笑しくなる。
コメディ映画らしく、笑い続けられたことはかなり良かった。

それでもしめるところはしっかりしめて、感動的に、忠義や武士の一分を立てるなどを描いたのも素晴らしい。
ほとんどコミカルな内容で銭勘定の話ばかりしているが最終的には「忠義による討ち入り」という、いつもの忠臣蔵にちゃんと説得力をもって戻ってくるのもいい。

そして何より、この作品が他のほとんどの忠臣蔵よりも史実に近いことが凄いと思う。
逆に、史実に忠実に作るためには、今まで考えたこともなかった銭勘定という要素で牽引しないと面白く作れないのかなとも思った。

ここ数年「超高速参勤交代」や、本作と同じ中村義洋監督の「殿!利息でござる」のようなコミカル時代劇が増えた。
コメディだから描けること、コメディだから観やすく感動しやすいこと、コメディだから現代的でも許させることなどあると思う。
本作は、木偶の坊大石内蔵助がヒーローになるまでのお仕事ムービー(討ち入り案件)なのだ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
つとみ

4.5 ツボった作品

2025年7月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
シネマとびー