ブルーアワーにぶっ飛ばす

劇場公開日:

ブルーアワーにぶっ飛ばす

解説

若手映像作家の発掘を目的とした「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」で審査員特別賞を受賞した企画の映画化で、夏帆とシム・ウンギョンという日韓の実力派女優が共演したオリジナルストーリー。30歳でCMディレクターをしている砂田は、東京で日々仕事に明け暮れ、理解ある優しい夫もいて、充実した人生を送っているように見える。しかし最近は、口を開けば毒づいてばかりで、すっかり心が荒んでしまっていた。そんなある日、病気の祖母を見舞うため、親友の清浦とともに大嫌いな地元の茨城に帰ることになった砂田は、いつものように清浦と他愛ない会話をしながら茨城に向かうが、実は今回の帰省に清浦がついてくるのには、ある理由があった。

2019年製作/92分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2019年10月11日

スタッフ・キャスト

監督
脚本
箱田優子
製作
中西一雄
企画
遠山大輔
プロデュース
遠山大輔
プロデューサー
星野秀樹
アソシエイトプロデューサー
小池勇規
協力プロデューサー
吉岡宏城
ラインプロデューサー
馬渕敦史
キャスティングディレクター
元川益暢
撮影
近藤龍人
照明
藤井勇
録音
小川武
美術
井上心平
編集
今井大介
音楽
松崎ナオ
主題歌
松崎ナオ/鹿の一族
音楽プロデューサー
篠崎恵子
音楽監修
池永正二
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(C)2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会

映画レビュー

3.5田舎は“成長”するために帰る場所じゃない

2020年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

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岡田寛司(映画.com編集部)

3.5邦画でのシム・ウンギョンの起用法、いまだ模索中

2019年10月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

今年に入って「新聞記者」そして本作と、立て続けに主役・準主役で邦画に出演したシム・ウンギョン。子役時代からの蓄積がある演技はもちろん達者だし、この2年ほどで磨いたという日本語の上達も目覚ましく、インタビューも通訳なしでこなすなど大したものだと心から思う。ただ2作とも、彼女のキャスティングが正解だったのかと疑問を感じるのも正直なところ。「新聞記者」では言葉を武器に鋭く取材対象に切り込む台詞回しが欲しかったし、今回の役についてもラストシーンの後に、「清浦はなぜ日本語ネイティブでないのか?」と首をかしげてしまう。製作陣も所属事務所も、話題性優先で必ずしも適していない役を割り当てていないか。邦画で起用するにしても、もっと合う役がきっとあるはず。 脚本も書いた箱田優子監督は粗削りだが才能を感じさせる。今回のように“仕掛け”のある話もいいが、ストレートなドラマにも期待したい。

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高森 郁哉

3.5シム・ウンギョンの存在感がとにかく面白い!

2019年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人生や家族について振り返る機会は、いつも予告なしで唐突に訪れる。それは年齢的なタイミングだったり、ふとした記憶に残る出来事や、あるいは友人からの一言がスイッチとなることもあるだろう。ともかくそこから旅が始まる。自分がいちばん人に見られたくない足元をたどる旅が。そうやっていつしか、しっかりと蓋を閉じていたはずの記憶や想いの貯蔵庫からいろんなものがムクムクと顔を出し始める。 サバサバした演技で気持ち良く序盤を突き進む夏帆に魅了されていたら、途中から唐突に乗り込んでくるシム・ウンギョンの存在感にさらにガツンとやられた。この人の飄々とした演技、たどたどしい日本語の台詞回し、ちょっとした表情。どれも尋常ではないくらいに面白い。これほど一人の俳優に魅了されたのも久々だ。彼女が回し続けるカメラ映像が意味を持つ流れも、物語としてはありがちではあるが、この組み合わせだからか、思わずホロっときてしまった。

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共感した! 3件)
牛津厚信

3.5何者にもなれなくても人生は続く

2019年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何者にもなれない自分に気がつくのは何歳のことだろうか。30代とはそろそろ自分の限界が見えてくる年頃。そんな30代を迎えた女性の感情のリアルを見事に描いている作品だ。帰郷と自分探しという題材が高畑勲監督の「おもひでぽろぽろ」を連想させるが、都会に疲れたから田舎で本当の自分が見つかるという単純な話でもない。都会にいてもどん詰まり、田舎に帰ってきてもどん詰まり、それでも人生は続く。続いてしまう。ダラダラとした帰省にうんざりし、人生こんなはずじゃなかったと感じていても、祖母の何気ない一言で少し救われる。そんな小さな一瞬。ブルーアワーとは、日の出前の空の青い時間帯のこと。彼女の人生はまだそんな日の出前にすぎない、人生はこれからだと、今を生きる人たちの背中をそっと押してくれる作品だ。夏帆のリアルな存在感が素晴らしい。シム・ウンギョンいい味を出している。これからも日本映画に出演し続けてほしい。

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杉本穂高