THE GUILTY ギルティ(2018)のレビュー・感想・評価
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電話の向こうの俳優たち
リアルタイムで進行してて、撮影場所は署内一箇所のみ。
「いいから早く伝えろよ」とか「早く電話に出てやれよ」とかヤキモキした。
声だけで演技した、主人公じゃない側の俳優たちは演技上手いな。
最後の電話の相手がわからないのはなんとも憎い演出。
確かこういうサスペンス、ほかにあったけど、主人公の背負ってるものが、ここまで深いのは今作だな。
満足度100%のハードル
脅威の満足度100%というのは引き寄せるのには上手いコピー
期待度上がってしまい、すでに決着ついた後もまだ一捻りあるあるあると部屋を出た主人公を観ていたがそのままエンドロール
同僚のおじさんはいい人
初めての設定、
緊急のコールセンターから場面が変わらず、「予算がないからか?」なんても思ったけど、いやいや、それもいろんな憶測や予想をさせるための設定。
他の場所のシーンがまるでなく、誰がどうなってるのかを、緊急コールの話から推測させて、登場しない「登場人物」の立場がわかってくる、という展開。
その設定はおもしろくもあり、どうなるのかと見入った初めてのそういう映画だった。
非常に丁寧な作りのサスペンス
場面は警察の緊急通報コールセンターから動かない。
登場人物は主人公明日アスガーほぼひとり。
ほかの人物は声のみか、姿が映っても端役。
たったそれだけの要素で、息つまる緊迫感と絶望が絶え間なく襲ってくる。
普段はしょうもないコールが入るだけの退屈な任務なのに、ある夜、「誘拐された。助けて」という通報が入る。
通報者は女性。泣きじゃくり、犯人に怯えきっている。
アスガーは細い糸を手繰りながらなんとか現在地を突き止め、助けようとあがく。
何が起こり、どこに行こうとしているのか。
なぜ誘拐は起きたのか。
わずか90分の間で紐解かれる事件は見応えがあった。
アマプラで無料なので、ぜひ見てみてほしい。
閉鎖された緊張感の極上な空気
searchやカメラを止めるなは視聴済みで、その構成の高さに驚かされたのだが、それらと比肩するような噂で持ちきりだった本作。
Amazonプライムに上がっていたので、さっそく視聴。
やはり多分に漏れず、非常に良い映画だった。
ストーリーの説明は公式サイトを参照して頂きたいのだが、
今作は何よりもタイトルの回収の仕方が素晴らしい。
90分、最後のカットを見た上で、
タイトルをもう一度考え、堪能して頂きたい。
星マイナス1の評価としては、
ネタバレになってしまうのだが
物語の軸である「罪」について、もう一歩踏み込んで頂きたかった。
それも、想像を掻き立てると言えばプラスとも取れるので、良しとしよう。
良い音響か、そこそこ良いイヤホンでの視聴をオススメします。
見ていない方は是非。
作家ならパクりたくなるストーリー展開
緊急連絡室にテレフォンオペレーターとして派遣されているひとりの警察官。
車で拉致されている女性から掛かってきた電話を受けた事から、事件を動かすキーマンとなっていく。
メチャクチャよく出来たストーリー。
この展開をパクれたら、あらゆる物語が作れそう。
ワンシチュエーションなので演劇でもいいし、コントでもいい。
そして主人公のちょっとした横柄さが秀逸。
期待をあおるのが非常にうまい
少し前に『search/サーチ』という映画があり、とても面白かったので、似たような映画だと思い、期待して映画館に行きました。星の評価は低めですが、私としては好きな部類に入る作品です。いわゆるワン・シチュエーションに限定した映画で、主に低予算を逆手にとって、徹底的に「見せない」演出をして想像力をかきたてる戦略で、過去にも同工異曲、たくさんの名画が名を連ねます。
『リミット』『ロスト・バケーション』『キャスト・アウェイ』なんかが、好きな作品です。逆に、『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』『ジュピター20XX』などは見ていてイライラします。「何が違うんだろう?」って、結局は見てもらうための工夫とか、努力をもっとやってほしいということ。
この映画では、途中どうしても耐えきれなくて寝落ちしかけましたが、持ちこたえました。音楽は一切入らず、効果音として聞こえてくるケータイの着信音さえ無機質な電子音です。その分、電話の向こうで起きているであろうことを、わずかな状況音で想像させる演出は見事です。たとえば、6歳の女の子が怖くておびえているのを勇気づけ、「すぐにパトカーが着くから部屋でじっとして」と言っている向こうからパトカーのサイレンが聞こえてきたらホッとします。これを、大げさにならない程度の役者さんのわずかな安どの表情などで表現し、この少女は声のみで、最後まで映画には登場しません。でも少しずつ情報が増えていき、いま彼女がどういう状況でどこにいるかが、時々刻々と変わっていく様は、観客にゆだねられているので、想像できない人はまったく面白くもなんともないでしょう。その点、落語みたいな楽しみ方です。
主演の俳優さんの演技も見事で、見終わった後に彼がどういう状況で、通報してきた母親がどうなってしまったかなど、実にたくさんの情報が提示されますが、絵面(えづら)としては電話のこっち側だけ。電話の相手がどんなひどい目に遭っているのかは見えない分だけさんざん想像させられました。
途中で、シフトを上がって、現場に駆け付けるとか、作業を分担して、通話を受ける人間と指示を出す人間の役割をつけるとか、いくらでも面白くする工夫が出来たはずなのに、あくまでもワン・シチュエーション、ワンサイドにこだわったがために、見る人が置いて行かれた印象です。それでも評価が高いのは、俳優、監督を含め、ノルウェーの映画が非常に珍しいので好意的にとらえた人が支持したんじゃないかと思います。
2019.2.28
新感覚ミステリー 開幕
感想
素直に面白いと思いました。電話対応の場面だけでここまでの緊迫感を出し続けられる点が素晴らしかったです。アスガー役の人の演技はもちろん、聞こえてくる声や音のリアリティは圧巻でした。よって、アスガーと同時に耳を傾けて状況把握に努めるリアルタイム型のミステリーでもあったと思います。しかし、この映画最大の見せ場でもある予告編でも書かれていた衝撃の結末についてはあまり衝撃感はなかったと思いました。中盤辺りでオチが読めてしまったのでその点ではあまり楽しめかなかったです。
総評
観て良かったと素直に思える良作だった。状況把握の必要性を感じれました。
余白の美学
ミニマルの極致みたいな映像はもちろん、
セリフの間だとかの”余白”づかいがすごく巧み。
いちおうクリエイティブ職の端くれとして思うのは、
こういう表現って観る側のことを信頼してくれてると思うんですよ。
万人にウケるようにするには説明とか、どうしても情報量を多くしがちで。
でも本当に表現力が豊かなのは、映像じゃなくて人間の想像力だっていう。
ハリウッドでリメイクが決まってるらしいけど、出来上がりが楽しみだ。
75
タイトルが複合的な意味を持っていて今回の事件を通して自分とも向き合うところが素晴らしい。
ただ、父親に止められているのに大丈夫だと言って弟の部屋に入らせるところや、父親に向かってお前は加害者だと怒鳴りつけるところは明らかにミスリードを誘ってる感が強くて、ある程度予想できる展開になってしまっていたのが残念だった。
とはいえ、ワンシチュエーションを生かして視聴者を見入らせる脚本はお見事。
ギルティ
声だけで視聴者は想像するしかない。
それは主人公も同じで、自分達は主人公と同じような感覚に陥る。
本を読んでいるのと同じ感覚。文字を読むのではなく、声を聞いて事態を想像する。とても斬新な手法。
『映画館から出る観客の頭の中ではそれぞれ違う絵が描かれている』という感想コメントが非常にしっくりくる。
登場人物ひとり。他は声のみの登場。
登場人物ひとりで、電話でのみの構成。
全く予算のかかっていない映画なのに、最後まで目が離せない映画でした。
主人公が電話の声だけを頼りに展開しているサスペンス。
電話から聞こえる声や話し方から悟る偏見や先入観にご注意。
先が見えると辛い
searchと同じく最小限の登場人物と場面展開で観客の頭の中に現場シーンを勝手に拡大させるという超高生産性作品。こっちはずいぶんアナログですが…。どっちが先かは知らないが、金は無くとも知恵と工夫でいくらでも面白い映画は作れるという気骨みたいなものは感じる。ただ……途中でオチが見えちゃうんだよね。こうなると後半は自分の予測とのつじつま合わせとなり純粋に楽しめなくなってくる。もう一捻り出来んかったものか。ラストは自分の思いと事実は必ずしも一致しないという教訓が感じられ、事件解決でメデタシメデタシで終わらないところが欧州映画らしくて良かった。
想像させる映画
ここ1,2年で似たシチュエーションの映画やドラマを見ていましたが、一味違った作品です。
緊急通報司令室の中でしかカットがないのと、通話の先は声と周りの音だけという構成です。
序盤は、秀作を期待してたのですが、私的には残念な作品かなと感じました。
まず、中盤でだいたいおちが想像ついてしまったこと。
そのため、主人公が、ちょっと無能に感じてしまったのが、最大の原因です。
主人公自身が、司令室が腰掛けなのでしかたないかもしれませんが。
いい点は、見せ方だと思います。
通報司令室の中以外は、声と周囲の音だけなので見る人に想像させるという斬新な見せ方です。小説に近いものを感じました。
最後の主人公の行動についても、人により解釈がかなり異なるのではないでしょうか。
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